標準的支援シナリオ
高齢者虐待防止アドバイザー 淑徳大学短期大学部兼任講師
当事者のタイプ別の個別支援シナリオ
1. 「介入拒否」タイプの場合 ⇒シナリオA 2. 「不平不満」タイプの場合 ⇒シナリオB 3. 「よき相談者」タイプの場合 ⇒シナリオC
4. 「パーソナリティー障害が疑われる」場合 ⇒シナリオD 5. 「問題を告知のうえ対立的に介入する」場合 ⇒シナリオE
シナリオA(介入拒否タイプ)
1) 参加性が悪い場合(問題意識が希薄、介入拒否がある等)。
2) 対応者からの問題提起はしない。T字分析の結果を活かす。 (1) 問題から離れた、小さなことを、
リフレーミング等の技法を用い、褒めたり労ったりする。 (2) 雑談に興じ、価値観を把握する。あっさりと終了する。
3) 立ち話程度に面接時間を短く定期的何度か会って信頼関係構 築。
シナリオB(不平不満タイプ)
1) 当事者が、他者の悪口を並べたてる等、他責性が強い場合。
2) 対応者からの問題提起はしない。T字分析の結果を活かす。
(1) 問題から離れた、小さなことを、
リフレーミング等の技法を用い、褒めたり労ったりする。
3) 相手の観察力を褒め、「教えて下さい」の一言を付け加える。面
接終了時、他者や状況の観察をしたり、不平不満の「例外」を捜し たりする課題を出し、次回面会時に、前回の課題の結果報告から話 題にし、信頼関係を構築していく。
シナリオC(よき相談者タイプ)
1) 当事者の参加生が良い場合(問題意識や来談意志がある等) 。
シナリオD(パーソナリティー障害タイプ)
1) 精神科医等の専門家の意見を軸にして計画を立案する。
2) コミュニケーションの時間を必要最小限に留める。 長くなると、相手に振り回され易い
シナリオE(虐待告知し対立的に介入)
1) 信頼関係構築と同時に、入念な介入のシミュレーションを行 う。
シナリオの共通プロセス(その1)
(1) 初期は、洞察促進スタイルをとる。
①「問題は、当事者が無意識に何かに囚われ、真実がみえな いから発生する。だから、当事者自らが、囚われていたことを 洞察(無自覚のものを自覚ないし客観視)すれば、真実がみえ るようになり、問題は解消する」と考える。
シナリオの共通プロセス(その2)
(2) 中期前半は、エンパワーメント・スタイルをとる。
①「問題は、当事者の能力発揮が不十分(ディスエンパワー
メントの状態)だから発生する。だから、当事者をエンパワー して、その能力が十分発揮されるなら、問題は解消する」と考
える。
シナリオの共通プロセス(その3)
(3) 中期後半は、解決構築スタイルをとる。
①「問題発生の因果関係は不明だが、全ての出来事は時間を 軸につながっている。だから、先立つ出来事が変われば、後の 出来事も変わる」と考える。
②例外探しやスケーリング・クエスチョン等の技法により、 当事者が自ら実現可能な近未来像を描き、それを小さなことか ら具現化していくことで、結果的に問題が解消していくように
シナリオの共通プロセス(その4)
(4) 終結期は、認知行動変容スタイルをとる。
①「問題は当事者の誤った捉え方や対処の仕方によって発生 する。だから、当事者が正しい方法を学習すれば、問題は解消
する」と考える。
②問題を操作可能に定義し、発生と問題解決の仕組みを短く
図式化(ケースフォーミュレーション)して、当事者に対処の
おまけ
1) スーパービジョンについて
(1) 欧米人と日本の「主体性」の違いを踏まえる。
(2) 同業種間、クライエント責任あり、上下関係、内面的介入 あり
2) お役立ちマニュアル:日本精神科救急学会『精神科救急医療
ガイドライン (1) (総論及び興奮 攻撃・ 性への対応)』