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経済学基礎 2016年前期@東大工学部 Fumihiko Suga

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Academic year: 2018

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(1)

-第6回 企業行動の理論つづき- 菅 史彦

内閣府 経済社会総合研究所

(2)

復習:競争市場の理論

ある財の価格と数量が市場においてどのように決定されるのかを 考えるために、1つの財の市場を考える。

消費者・生産者は価格受容者(プライステイカー) 右下がりの市場需要曲線

右上がりの市場供給曲線

需要曲線と供給曲線の交点(=均衡)で価格と生産・消費量 が決まる。

さらに余剰分析などを通じて、政策が与える影響を分析すること ができる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(3)

復習:生産者の理論

競争市場のモデルでは、供給曲線も所与として扱われていた。

→財の価格や賃金が与えられた時、どのようにして生産量を 決定するのかという問題は捨象されていた。

制度・政策をデザインすることを考えると、制約条件のもと での生産者の意思決定の問題をモデルに組み込む必要がある。 与えられた価格のもとで、利潤を最大化するために、企業が 生産への投入物と生産量を決定するプロセスをモデル化する。 まずは生産要素が一財のケースで考え、二財のケースに拡張 する。

(4)

復習:生産関数

生産関数f(.) は、資源(L)の投入と生産物yの産出の関係を表す。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(5)

復習:利潤最大化

生産者の問題は、以下のように定式化される: maxL

pf(L) −wL

限界生産性が逓減してゆくのであれば、最適解Lが存在し、 pf(L) = w

が成立する。

これは、もう一人雇うことによって得られる追加的な収入 pf(L)=限界収入 (Marginal Revenue)が、もう一人雇うこと の追加的なコストw=限界費用 (Marginal Cost)に等しくな るところまでLを増やすということ。

(6)

復習:生産関数と費用関数

生産関数から費用関数を導出する:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(7)

復習:生産関数と費用関数

生産関数から費用関数を導出する:

(8)

復習:生産関数と費用関数

生産関数から費用関数を導出する:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(9)

復習:生産関数と費用関数

生産関数から費用関数を導出する:

(10)

復習:生産関数と費用関数

生産関数から費用関数を導出する:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(11)

復習:生産関数と費用関数

生産関数から費用関数を導出する:

(12)

復習:生産関数と費用関数

生産関数から費用関数を導出する:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(13)

復習:生産関数と費用関数

生産関数から費用関数を導出する:

(14)

復習:平均費用と限界費用

製品一単位あたりの生産コストC(y)/yが平均費用:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(15)

復習:平均費用と限界費用

もう一単位生産するのにかかる追加的なコストC(y)が限界費用:

(16)

復習:平均費用と限界費用

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(17)

復習:平均費用と限界費用

(18)

復習:平均費用と限界費用

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(19)

復習:平均費用と限界費用

(20)

復習:平均費用と限界費用

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(21)

復習:平均費用と限界費用

(22)

復習:供給曲線の導出

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(23)

復習:供給曲線の導出

(24)

復習:供給曲線の導出

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(25)

復習:生産要素が2つの生産可能性集合

図で見ると…

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

(26)

復習:等量線の導入

生産可能性集合から等量線を導出する。

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(27)

復習:等量線の形状

等量線は原点に向かって凸になっている場合が多そう。

(28)

復習:等費用線

等費用線は直線で描かれる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(29)

復習:利潤最大化

ある費用水準Cのもとで利潤最大化する:

(30)

復習:利潤最大化

ある費用水準Cのもとで利潤最大化する:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(31)

復習:費用最小化

あるいは、ある生産量yのもとで費用最小化する:

(32)

復習:費用最小化

あるいは、ある生産量yのもとで費用最小化する:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(33)

復習:利潤最大化

ある費用水準Cのもとで利潤最大化するにしても、ある生産 量yのもとで費用最小化するにしても、等量線と等費用線が 接するLK の組み合わせで生産が行われる。

すなわち、生産者が最適化しているならば、 fL

fK = w

r が成立している。

これは

fL w =

fK r

とも書ける。すなわち、労働者に支払われた最後の1円と、 機械に支払われたレンタル料の最後の1円が生み出す生産量 が等しいということ。

(34)

復習:利潤最大化の条件が意味するもの

要素価格の比率(w/r)は、限界生産性の比率(fL/fK)に等 しいということ。

資本(機械)がたくさんあって、その割に労働者が少ないよ うな国(先進国)では、fK が小さく、fLは大きくなるので、 w/rは大きくなる。

逆に、人はたくさんいるが、その割に資本(機械)が少ない ような国(途上国)では、fK が大きく、fLは小さくなるので、 w/rは小さくなる。

これは現実に傾向として観察される。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(35)

より一般化したモデル

今まで生産要素は2つまでだったが、生産要素がN個のケー スを考える。

生産の投入も産出も、まとめて生産計画で表す:

生産計画

y = (y1,y2, . . . ,yN)

ただし、yk(1 ≤k N)が正なら産出、負なら投入

(36)

生産計画の例

y =(ガソリン, 重油, 原油)とし、

原油 20 リットルからガソリン 10 リットルと重油 5 リットル を生産するとする。

この時、生産計画は

y = (10, 5, −20) と表される。

ちなみに、ガソリン、重油、原油の価格をそれぞれp1、p2、 p3とおくと、利潤は、

π =p1×10+p2×5+p3×(−20) で与えられる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(37)

最適生産計画

これを一般化すると、生産計画y = (y1, . . . ,yN)と各財の価 格ベクトルp = (p1, . . . ,pN)が与えられた時、利潤 π は π =pyで与えられる。

投入する生産要素が複数あるように、生産される財も複数 あってよい。

生産関数の代わりに、生産可能性集合を考える。生産可能性 集合Yは、企業が実行できる生産計画y全体の集合。 このとき最適生産計画は以下のように表すことができる:

maxy p

y s.t. y Y

(38)

最適生産計画の性質

以上のように定義された最適生産計画の性質を考える。 今までは、

生産可能性集合が凸集合である。

財の量は連続的に変化させることができる。 生産関数は微分できる。

という仮定を置いて分析してきたが、このような仮定を置か なくても言えることを考えてみる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(39)

参考:凸な生産可能性集合

出典:神取道宏『ミクロ経済学の力』

(40)

最適生産計画の性質

2つの価格ベクトルp0p1p0 ,p1)を考える。

p0のもとでの最適生産計画をy0p1のもとでの最適生産計 画をy1とする。

このとき、

p1y1 p1y0 (1) p0y1 p0y0 (2) が成立。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(41)

最適生産計画の性質

(1)式から (2) 式を引くと、

p1y1p0y1 p1y0p0y0 (3) (p1p0)y1 (p1p0)y0 (4) となる。

右辺を左辺に移項すると、

(p1p0)(y1y0) ≥ 0 (5) が得られる。

(42)

最適生産計画の性質

(5)式を書き下すと、

(p11p10)(y11y10) + · · · + (pN1 pN0)(yN1yN0) ≥ 0 となる。

ここで、pi1=p0i fori ,k とし、第k 財のみp1k ,pk0とする。 このとき、以下が成立する:

(pk1pk0)(yk1yk0) ≥ 0 (6)

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(43)

最適生産計画の性質

いまpk1>pk0とする。(6) 式が意味するのは、

第k財が生産物(yk > 0)なら、第kの価格が上昇すれば必 ずその財の生産量が増大するということ。

すなわち、供給曲線は必ず右上がりである。

k財が投入物(yk < 0)なら、第kの価格が上昇すれば必 ずその財の投入量が減少するということ(供給法則)。 すなわち、x軸に生産要素kの需要量、y軸に生産要素kの価 格をとった要素需要曲線は、必ず右下がりであるということ

(要素需要法則)。

(44)

供給曲線と要素需要曲線

図で見ると…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(45)

独占市場

これまでは、企業が無数に存在し、個々の企業が市場の価格 に直接影響を与えることができない(=プライステイカー) という仮定のもとで分析してきた。

企業が1社しかないケースを考える。

1社しかないので、プライステイカーの仮定は維持できない。 自由に価格を決められるので、企業が生産量yを決めたら、 それを売り切ることができる価格に設定すれば良い。

すなわち、需要曲線が与えられて、企業が生産量yを決めれ ば、価格pは自動的に決まる。

(46)

独占的企業

生産者が一人(一社)なら、生産者が生産量を決めれば、需要曲 線から価格が決まる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(47)

独占的企業

生産者が一人(一社)なら、生産者が生産量を決めれば、需要曲 線から価格が決まる。

(48)

独占的企業

生産者が一人(一社)なら、生産者が生産量を決めれば、需要曲 線から価格が決まる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(49)

独占的企業

生産者が一人(一社)なら、生産者が生産量を決めれば、需要曲 線から価格が決まる。

(50)

独占的企業

生産者が一人(一社)なら、生産者が生産量を決めれば、需要曲 線から価格が決まる。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(51)

独占企業の利潤最大化

競争的市場では、利潤最大化条件はpf(L) =wもしくは p =C(y)で与えられる。これは限界収入が限界費用に等し い(MR =MC)ことを意味する。

独占企業でも利潤最大化条件MR =MCは成立するが、pは yの関数になっている。

簡単にするため、需要曲線が線形で、p= α − βydで与えられ るとする。

この時、収入は (α − βy)yで与えられる。

なので、限界収入MRは、α − 2βyとなり、MR =MCとなる ようにyが決まる。

(52)

独占企業による生産

図で見ると…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(53)

独占企業による生産

図で見ると…

(54)

独占企業による生産

図で見ると…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(55)

独占企業による生産

図で見ると…

(56)

独占企業による生産

図で見ると…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(57)

独占企業による生産

図で見ると…

(58)

独占企業による生産

さらに余剰分析をすると…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(59)

独占企業による生産

さらに余剰分析をすると…

(60)

独占企業による生産

さらに余剰分析をすると…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(61)

独占企業による生産

さらに余剰分析をすると…

(62)

独占企業による生産

さらに余剰分析をすると…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(63)

独占による弊害

競争的な市場よりも供給量は少なく、 消費者が直面する価格は高くなっている。 そのため、

競争的な市場よりも高い価格を払わされている人

競争市場では買えていたのに、独占市場では高くて欲しい物が 買えない人

が存在している。

さらに、死荷重が生じ、経済全体の厚生が損なわれる。 なので、独占は禁止されるべきとされている。

(64)

例題1:独占企業による生産

需要曲線がp = 200 − 10yd、供給曲線がp = 50 + 5ysで与えられ ているとする。

市場が競争的な場合、均衡の価格と生産/消費量を求めよ。 競争市場における消費者余剰および生産者余剰を求めよ。 いま、供給者がたった一つの企業であると仮定する。この市 場における均衡の価格と生産/消費量を求めよ。

独占市場における消費者余剰、生産者余剰を求めよ。 死荷重を求めよ。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(65)

原油価格の高騰と価格転嫁

神取道宏『ミクロ経済学の力』より

原油価格が高騰して原材料価格が高騰した時に、

製品(ガソリン)を値上げして負担を消費者に転嫁するのは 大企業か、中小企業か。

一般的なのは、「市場での支配力の強い大企業は価格転嫁でき るが、競争の激しい中小企業はそれができずに困っている」 という考え方。

一方で、「中小企業は余力がないので、価格転嫁せざるを得な いが、大企業はその限りではない」という考え方もある。 どっちが正しいのか?

(66)

原油価格の高騰と価格転嫁

MCは一定とする。競争市場(中小企業)の場合:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(67)

原油価格の高騰と価格転嫁

MCは一定とする。競争市場(中小企業)の場合:

(68)

原油価格の高騰と価格転嫁

MCは一定とする。独占市場(大企業)の場合:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(69)

原油価格の高騰と価格転嫁

MCは一定とする。独占市場(大企業)の場合:

(70)

原油価格の高騰と価格転嫁

独占市場(大企業)のほうが、価格の上昇幅が小さく見える。 このことを線形のケースで確認してみる。

需要曲線をp= α − βydとすると、限界収入曲線は p = α − 2βyd

供給曲線はp=MCなので、独占市場における生産/消費量 はy = α/2β −MC/2β で与えられる。

これを需要曲線に代入すれば、p = α/2 +MC/2 を得る。 すなわち、独占市場では MC の上昇分の半分しか価格には現 れない。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(71)

自然独占と価格規制

規模が大きいほどコストが逓減する(収穫逓増)ケースだと、 最初にたくさん生産し始めた企業による独占が自然に起こっ てしまう。

例えば固定費用が大きいと、たくさん生産するほどコストが 回収できるので、独占状態になりやすい。

このように、巨大な固定費用のために独占状態になっている 産業を自然独占という。

このようなケースでは、独占は許すが価格規制をする政策が 取られることが多い。その理由を考える。

(72)

自然独占と価格規制

固定費用が大きいと、自然独占が生じやすい。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(73)

自然独占と価格規制

固定費用が大きいと、自然独占が生じやすい。

(74)

自然独占と価格規制

固定費用が大きいと、自然独占が生じやすい。

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(75)

自然独占と価格規制

固定費用が大きいと、自然独占が生じやすい。

(76)

自然独占と価格規制

かといって独占を許してしまうと…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

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自然独占と価格規制

かといって独占を許してしまうと…

(78)

自然独占と価格規制

かといって独占を許してしまうと…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

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自然独占と価格規制

かといって独占を許してしまうと…

(80)

自然独占と価格規制

かといって独占を許してしまうと…

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(81)

自然独占と価格規制

かといって独占を許してしまうと…

(82)

自然独占と価格規制

次善の策として、平均費用と需要曲線の交点における価格を上限 として設定する:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

(83)

自然独占と価格規制

次善の策として、平均費用と需要曲線の交点における価格を上限 として設定する:

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自然独占と価格規制

次善の策として、平均費用と需要曲線の交点における価格を上限 として設定する:

菅 史彦 (ESRI) 経済学基礎

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自然独占と価格規制

次善の策として、平均費用と需要曲線の交点における価格を上限 として設定する:

参照

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