野口教務部長：
教務部長の野口でございます。教務部長として３年目に入りまして本学の医学教育全般 の改善に取り組んでおります。特に、現在教務委員会として精力的に取組んでいますのが、 当分は変更しないで良いようないい形に本学の医学教育カリキュラムを改革するプロジェ クトです。昨年度から検討をスタートしており、何とか９月から１０月にかけまして原案 を教務委員会・教授会に提出し、より良い形に改訂し来年度から２年間で完成させる方向 で進めております。
改革のポイントと致しましては、この１０年来色々進めて参りましたカリキュラムの改 変・前倒しの結果、２年生の秋から臨床講義がスタートしております。それをやや元に戻 した形、いわば私立医大の標準の形である、３年生からの臨床講義のスタートの形にしよ うとするものです。２年生末の総合進級試験は、教養と基礎医学の内容のみにして臨床医 学の内容は含まない、ある意味すっきりした形にする予定であります。
１年生における理科の非受験科目の補強プログラムの充実と、１年生後半における教養 科目と専門科目である生化学及び解剖学との繋がりを良くするという課題があります。現 行プログラムでは、１年生の後半での急激な変化に戸惑う学生が多いことから、その変化 を少し緩くして、スムーズに専門科目への移行を図りたいと考えています。
それから、３年から４年にかけての臨床系、社会医学系各科目に関しましては、各科目 の時間数、科目内容、進級に関わる試験について、十分に考慮したいと考えております。 ４年生の後半には、CBT、OSCE というプレ国家試験のようなものがありますが、各科目
の個別試験とこうした総合試験的なものとのバランスを考え、基本的な病態や臨床的知識 を、いかにして少しでも高いレベルでキープして５年生に進級するかということを改革の 目的としたいと思います。具体案はまだで、今回皆様にお話できる形にはなっておりませ んが、現行プログラムよりは良くなる形で、つまり学生の実力を少しでも高めた上で臨床 実習に進むというという形を目指したいと思っております。
また昨年度からずっと継続して進めておりますのが、各試験の厳正な執行であります。 当たり前のことでありますが、学生が少しズルをして要領よく上がって行こうと雰囲気を 本学から取り除きたいと念願しています。きっちりした実力をつけて進級していくという、 ごく当たり前のことを当たり前にやっていく大学にするということでございます。
記述式というのは本質を理解してしないと解答がむずかしく、また最近の学生の日本語べ たを改善するためにも、記述式の問題を出していただくようにお願いをしているところで す。また、３分の１ルールというのは、各授業に３分の１以上欠席すると試験を受ける資 格が無くなるというルールも含まれます。これらを総合して、３分の１ルールというもの を昨年度出させて頂きましたが、これを着実に履行していただくようお願いしていく所存 です。
進級判定等に関しましては、従来どおりルールに則って行う予定であり、特に変更点は ありません。国試対策及び現在の状況に関しましては、鈴木先生にお話いただく予定です が、卒業判定は教務委員会の担当であります。基本的には昨年度と同じ形でやって行こう と思っております。先ほど理事長がおっしゃいました新卒１００％合格というニュースを 私が聞いた時、喜んだのは２、３秒でありました。その後は山ほどの問題点に逆により悩 むことが多いこの数ヶ月です。去年が１００％だったから今年は易しくしようとか厳しく しようとか、当然ですが全く考えておりません。昨年同様にきっちりと判定して行きたい と思っております。
