ビルの高さを簡単に測る
前回は腕を伸ばしてものさしで高さを測る方法を紹介しました。この方法は、4~5m以内の高さを測るには簡単 でなかなか実用的な方法ですが、ビルのように30m以上のものをものさしの視界に捉えるには対象物からかなり 離れなければならないため、誤差が大きくなってしまうのが弱点でした。
先週、100円ショップでビルの高さを簡単に測る方法を思いつきましたので紹介します。
まず、100円ショップ(ダイソー)で購入したのが右の写真の2点。
一番肝心なのが水平器で、写真のように45
°
の角度が測れるものを選んでください。 購入した水平器の上にストローをテープで留めるという大改造を施しています。もう一点購入したのは、小さな鏡です(ワインレッド)。鏡であればなんでもいいです。
使い方は、左の写真のように、水平器を後ろから覗いた状態で45
°
の水準器状態を確認するためのものです。使い方
右図のように、照準(ストロー)を対象物(ビル)の上辺に狙いを付けます。 ターゲットを補足したら45
°
水準器の状態をチェックし、見事に真ん中に 捉えていたならヒットです。ずれていたら、立ち位置を変えて45
°
になる位置を探り ます。45
°
の位置から(歩測などで)対象物までの距離を測り、その距離に自分の身長を加えて0.1m引いた値が対象 物の高さになります。
説明するまでも無いですが、45
°
を測定することで、直角二等辺三角形を形成しますので、 (その位置からビルまでの距離)+(眼の高さ)=(ビルの高さ)となります。
実験結果
市民ホール(約22m)、高圧鉄塔(約45m)、神社の神木(20m)を測ってみた。
予想以上に水準器の感度がよく、45mの鉄塔でも半歩位置がずれると45
°
から外れてしまいます。【条件】
測定可能な条件が揃うものは意外と少ないという問題があります。
(
1
) 対象物の形状。対象物の上辺が45
°
の角度からハッキリと視認できなければなりません。樹木の場合は、どこがトップになるのか判別できません。
また、四角い形状のビルでも屋上が傾斜屋根になっている場合には45
°
から見上げると頂点が視認できなくなります。
(
2
) 対象物が斜面に存在している場合、単純には測定できません。他の方法と併用して計測する必要があります。
(
3
) 対象物までの位置が測定できない場合、高圧鉄塔などはしばしば、一般者が立ち入りできない私有地内にあることがあります。また、ビルの場合 には植込や柵によってビルに近づけないことが多いです。
対象物と45
°
位置の他に直角三角形を形成するもう一つの位置を求め、そことの角度から三角関数の 公式を駆使して距離を求めてください。街なかにあるほとんどのビルは、(1)と(3)の障害に該当します。 単純に測定できるケースはほとんど無いでしょう。
実際の計測には、