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量子論の発見
https://sites.google.com/site/hakkennorekishibutsurigaku/
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量子論の発見 ~前期量子論~
1918年 マックス・プランク
エネルギー量子の発見による 物理学の進展への貢献
1918年 マックス・プランク
エネルギー量子の発見による 物理学の進展への貢献
光は
『粒子』かも
1921年 アルベルト・アインシュタイン
光電効果の法則の発見 等
1921年 アルベルト・アインシュタイン
光電効果の法則の発見 等
光は
『粒子』だよ
1927年 アーサー・コンプトン
光の粒子性を示すコンプトン効果の発見
1927年 アーサー・コンプトン
光の粒子性を示すコンプトン効果の発見
光は
『粒子』だよ
1922年 ニールス・ボーア
原子構造とその放射に関する研究
1922年 ニールス・ボーア
原子構造とその放射に関する研究
電子は
『波』かも
1929年 ルイ・ド・ブロイ 物質波の発見
1929年 ルイ・ド・ブロイ 物質波の発見
電子は
『波』だよ
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水素原子のスペクトル
http://hr-inoue.net/zscience/topics/chemicalbond/chemicalbond.html
n=1 E1 n=2
E2
n=3 E3
n=4 E4
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特性X線の発見
1917年 チャールズ・バークラー 元素の特性X線の発見
1917年 チャールズ・バークラー 元素の特性X線の発見
マルチメディアで見る原子・分子の世界より
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0030/atom_top.html
可視光で見られたスペクトルのように、 元素から特定のX線が出ている事 を発見。
1913年 ヘンリー・モーズリー
特性X線の振動数が原子番号の平方根に比例する事を発見
『モーズリーの法則』の発見 1913年 ヘンリー・モーズリー
特性X線の振動数が原子番号の平方根に比例する事を発見
『モーズリーの法則』の発見
特定X線を調べる事で、原子構造を明らかにできる。
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元素の周期表について
メンデレーエフの最初の周期表(1869年)
数ヶ月後にはドイツのJ・L・メイヤーが 独自に事実上同一の表を発表
数ヶ月後にはドイツのJ・L・メイヤーが 独自に事実上同一の表を発表
1906年 ノーベル化学賞にノミネート されるが、受賞を逃す
1906年 ノーベル化学賞にノミネート されるが、受賞を逃す
原子量の順にならべる
→ 周期性が現れる
→ 原子量の大きさが 元素の性質を決める
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最初の英語版の周期表
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元素の周期
HH HeHe
LiLi BeBe BB CC NN OO FF NeNe NaNaMgMg AlAl SiSi PP SS ClCl ArAr
KK CaCaScSc TiTi VV CrCrMnMnFeFeCoCo NiNi CuCuZnZnGaGaGeGeAsAsSeSe BrBr KrKr RbRb SrSr YY ZrZr NbNbMoMoTcTc RuRuRhRhPdPdAgAgCdCd InIn SnSnSbSbTeTe II XeXe CsCsBaBa -- HfHf TaTa WW ReReOsOs IrIr PtPt AuAuHgHg TiTi PbPb BiBi PoPo AtAt RnRn FrFr RaRa -- RfRf DbDbSgSgBhBhHsHsMtMtDsDsRgRgUubUub UutUut UuqUuqUupUupUuhUuh UuoUuo
LaLaCeCe PrPr NdNdPmPmSmSmEuEuGdGdTbTbDyDyHoHoErErTmTmYbYb AcAcThThPaPa UU NpNpPuPuAmAmCmCmBkBk CfCf EsEsFmFmMdMdNoNo
LuLu LrLr 質量:55.85 58.93 58.69 63.55
質量:55.85 58.93 58.69 63.55
質量:121.8 127.6 126.9 131.3 質量:121.8 127.6 126.9 131.3
原子番号(陽子数・電荷)で並べると、43番、61番が欠番。 後に、人工的に元素がつくられた。(1937年テクネチウム) 原子番号(陽子数・電荷)で並べると、43番、61番が欠番。
後に、人工的に元素がつくられた。(1937年テクネチウム)
モーズリーの法則の発見から 明らかになった事
モーズリーの法則の発見から 明らかになった事
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閑話休題
『モーズリーの法則』の発見は若干25歳。
ローレンス・ブラッグ(25歳)という例もあったのに・・・ 1913年 ヘンリー・モーズリー
『モーズリーの法則』の発見
1913年 ヘンリー・モーズリー
『モーズリーの法則』の発見 1917年 チャールズ・バークラー 元素の特性X線の発見
1917年 チャールズ・バークラー 元素の特性X線の発見
モーズリーは1915年、27歳という若さで戦死・・・ 時間の流れに沿うと・・・
特定X線を調べる事で、原子構造を明らかにできる。
→ 未発見の元素の予言。
ノーベル賞の候補にあがったが・・・
→ 『若い』という理由で持ち越しになったとか... 特定X線を調べる事で、原子構造を明らかにできる。
→ 未発見の元素の予言。
ノーベル賞の候補にあがったが・・・
→ 『若い』という理由で持ち越しになったとか...
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もう一度横道にそれて
1913年 ヘンリー・モーズリー
『モーズリーの法則』の発見
1913年 ヘンリー・モーズリー
『モーズリーの法則』の発見 1917年 チャールズ・バークラー 元素の特性X線の発見
1917年 チャールズ・バークラー 元素の特性X線の発見
1924年 マンネ・シーグバーン X線分光学における発見
1924年 マンネ・シーグバーン X線分光学における発見
一方でモーズリーは
1915年のダーダネルス海峡上陸作戦で戦死 上陸作戦の責任者・ウィンスントン・チャーチル
→ 1953年 ノーベル文学賞
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水素原子のスペクトル
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n=1 E1 n=2
E2
n=3 E3
n=4 E4
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本当に閑話休題:フランク・ヘルツの実験
1925年 ジェイムス・フランク、グスタフ・ヘルツ 原子と電子の衝突に関する研究
1925年 ジェイムス・フランク、グスタフ・ヘルツ 原子と電子の衝突に関する研究
n=2n=1
E
1E
2光の吸収で、状態が変化
(ボーアの仮説)
電子を衝突させたらどうなるか?
電子のエネルギーが準位のエネルギー差にあえば、状態は変化するはず 陰極管を使う場合
印加電圧を変化 → 電子のエネルギーのエネルギー変化 原子状態の変化 → 散乱による電流量の変化
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フランク・ヘルツの実験
1925年 ジェイムス・フランク、グスタフ・ヘルツ 原子と電子の衝突に関する研究
1925年 ジェイムス・フランク、グスタフ・ヘルツ 原子と電子の衝突に関する研究
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/20/2cce2a5cba2e243864fb8c1f48236534.png
原子との散乱すると 電流が減少
原子との散乱すると 電流が減少
電流計で 電流測定 電流計で 電流測定
電流の変化 散乱の数 印加電圧を変化
印加電圧を変化
電子のエネルギーを変化させながら電流を測定 電子のエネルギーを変化させながら電流を測定
オームの法則
原子準位のエネルギー差に等しい所で電流が減少 原子準位のエネルギー差に等しい所で電流が減少
ボーアの仮説の検証
ボーアの仮説の検証
陰極管を使って電子と原子を衝突させる 陰極管を使って電子と原子を衝突させる
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ジェイムズ・フランク
第一次世界対戦中 毒ガス研究 第一次世界対戦中 毒ガス研究
前線での従軍 ナチスのユダヤ人に対する扱いに抗議
アメリカに亡命
ナチスのユダヤ人に対する扱いに抗議
アメリカに亡命
1942年 マンハッタン計画への参加要請
原爆完成時の政府高官への進言を要求し、参加
1942年 マンハッタン計画への参加要請
原爆完成時の政府高官への進言を要求し、参加
1945年6月
「原子エネルギーの政治的および社会的諸問題委員会」 の報告書をスチムソン長官に提出。(委員長)
1945年6月
「原子エネルギーの政治的および社会的諸問題委員会」 の報告書をスチムソン長官に提出。(委員長)
フランクレポート
・ 日本に対する原爆の使用は望ましくない
・ 原爆使用による国際信用の喪失
・ 世界中に恐怖と反感の波を生む
フランクレポート
・ 日本に対する原爆の使用は望ましくない
・ 原爆使用による国際信用の喪失
・ 世界中に恐怖と反感の波を生む
科学者の社会的責任 科学者の社会的責任
ある科学的な発見や発明 が人類の利害にとって重 大な関わりがあるとみな されるとき、それにいち早 く気づいた科学者には、 それを何らかの形で人々 に知らせ、適切な方策を 採るように勧告する責任 がある
ある科学的な発見や発明 が人類の利害にとって重 大な関わりがあるとみな されるとき、それにいち早 く気づいた科学者には、 それを何らかの形で人々 に知らせ、適切な方策を 採るように勧告する責任 がある
ただ道徳律を信じただけでなく、 道徳律そのものを生きた
小数の人間の一人
ラビノウィッチ ただ道徳律を信じただけでなく、 道徳律そのものを生きた
小数の人間の一人
ラビノウィッチ
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元素の周期表の解明: 二つの重要な発見
2個 8個 8個
HH HeHe
LiLi BeBe BB CC NN OO FF NeNe NaNaMgMg AlAl SiSi PP SS ClCl ArAr
KK CaCaScSc TiTi VV CrCrMnMnFeFeCoCo NiNi CuCuZnZnGaGaGeGeAsAsSeSe BrBr KrKr RbRb SrSr YY ZrZr NbNbMoMoTcTc RuRuRhRhPdPdAgAgCdCd InIn SnSnSbSb TeTe II XeXe CsCsBaBa -- HfHf TaTa WW ReReOsOs IrIr PtPt AuAuHgHg TiTi PbPb BiBi PoPo AtAt RnRn FrFr RaRa -- RfRf DbDbSgSgBhBhHsHsMtMtDsDsRgRgUubUub UutUut UuqUuqUupUupUuhUuh UuoUuo
LaLaCeCe PrPr NdNdPmPmSmSmEuEuGdGdTbTbDyDyHoHo ErErTmTmYbYb AcAcThThPaPa UU NpNpPuPuAmAmCmCmBkBk CfCf EsEsFmFmMdMdNoNo
LuLu LrLr
・ 電子の『スピン』の発見
・ パウリの排他原理の発見
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電子の「スピン」の発見
1925年 ジョージ・ウーレンベック、サミュエル・ゴーズミット 電子が『自転』しながら、原子核のまわりを回る事を仮定
1925年 ジョージ・ウーレンベック、サミュエル・ゴーズミット 電子が『自転』しながら、原子核のまわりを回る事を仮定
電子が『自転』すると、一体なにが起きるのか?
電子の自転を
『スピン』 『スピン』
と命名地球のまわりを月が『自転』しながら『公転』 太陽のまわりを地球が『自転』しながら『公転』
するように、
電子軌道上を『公転』
原子核のまわりを電子が『自転』しながら、
原子の構造を非常にうまく説明できる。
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電荷の回転(回転電流)と磁気モーメント
電磁石
回転電流 → 磁気モーメント (磁石の強さ) 回転電流 → 磁気モーメント (磁石の強さ)
表面に電荷をもつ物体が自転する
電子の場合:
大きさのない粒子
『スピン』 → 磁気モーメント 電子の場合:
大きさのない粒子
『スピン』 → 磁気モーメント
電流を流すと 磁石になる
→ 磁気モーメントが発生
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電子の磁気モーメントと磁石:磁性
磁石の中では
電子の磁気モーメントの向きが 揃っている 磁石の中では
電子の磁気モーメントの向きが 揃っている
さらに細分化 していくと・・・
電子の磁気モーメントの振る舞いが、 物質の磁気的性質を決定する
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炉 銀原子 N極
S極 磁石
電子磁気モーメントの測定
1922年 シュテルン=ゲルラッハの実験 量子化された電子の磁気モーメントの発見 1922年 シュテルン=ゲルラッハの実験
量子化された電子の磁気モーメントの発見 銀の原子の磁気モーメント
= 電子の磁気モーメント 銀の原子の磁気モーメント
= 電子の磁気モーメント
予想 電子の磁気モーメントは電子の『スピン』で生まれる 電子は様々な大きさ・向きの『スピン』をしている
スクリーン スクリーンに
影が出来る
磁石の向きで、力が変化 スクリーンにはどのような影ができるか?
スクリーンにはどのような影ができるか?
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量子化された電子の磁気モーメント
電子は離散的な磁気モーメントを持つ
→ 量子化された『磁気モーメント』
→ 量子化された電子『スピン』
電子は離散的な磁気モーメントを持つ
→ 量子化された『磁気モーメント』
→ 量子化された電子『スピン』 炉 銀原子 N極
S極 磁石
1922年 シュテルン=ゲルラッハの実験 量子化された電子の磁気モーメントの発見 1922年 シュテルン=ゲルラッハの実験
量子化された電子の磁気モーメントの発見 銀の原子の磁気モーメント
= 電子の磁気モーメント 銀の原子の磁気モーメント
= 電子の磁気モーメント
スクリーン スクリーンに
影が出来る
磁石の向きで、力が変化 結果
陰は上下『二つ』に分離 結果
陰は上下『二つ』に分離
磁気モーメントの値は2種類のみ
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電子のスピン: 量子化された自転
『スピン』 が 『二つ』 の状態をとるということは
『スピン』 が 『二つ』 の状態をとるということは
右回り 左回り
回転方向
『スピン』の向き (右ネジ)
上向き 下向き
『スピン』の値
1
2 −
1
2
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パウリの排他原理
パウリの排他原理 (1925年)
同じ量子数の準位には、一つの電子しか入れない
→ 原子のある軌道に入る事のできる電子の数が決まる パウリの排他原理 (1925年)
同じ量子数の準位には、一つの電子しか入れない
→ 原子のある軌道に入る事のできる電子の数が決まる
ひとつの椅子には
一人だけ座る事が出来る
ひとつの椅子には
一人だけ座る事が出来る
1945年 ヴォルフガング・パウリ パウリの排他原理の発見
1945年 ヴォルフガング・パウリ パウリの排他原理の発見
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パウリの排他原理
ひとつの椅子には一人だけ ひとつの椅子には一人だけ
電子は『上向き』か『下向き』のスピンを取る 電子は『上向き』か『下向き』のスピンを取る
水素の『殻』は、決まった数の『軌道』をもつ 水素の『殻』は、決まった数の『軌道』をもつ
1945年 ヴォルフガング・パウリ パウリの排他原理の発見
1945年 ヴォルフガング・パウリ パウリの排他原理の発見
電子 準位
『上向き』用、
『下向き』用の椅子がある
一つの『軌道』に異なるスピン状態の電子が入る 一つの『軌道』に異なるスピン状態の電子が入る
『殻』に存在できる電子の数が決まる
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原子の『殻構造』
量子数 殻 軌道 量子数 殻 軌道
1 K殻 1s
2 L殻 2s, 2p
3 M殻 3s, 3p, 3d 4 …...
電子は原子の『殻』に存在する
『殻』には複数の『軌道』がある
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電子の軌道
軌道 s p d f
量子数 殻 軌道 量子数 殻 軌道
1 K殻 1s
2 L殻 2s, 2p
3 M殻 3s, 3p, 3d 4 …...
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電子軌道
量子数 殻 軌道 量子数 殻 軌道
1 K殻 1s
2 L殻 2s, 2p
3 M殻 3s, 3p, 3d 4 …...
・ s軌道: s0 1個
・ p軌道: p-1, p0, p1 3個
・ d軌道: d-2, d-1, d0, d1, d2 5個
・ ...
・ l 番目の軌道 2l + 1 個
『準位』の数
『準位』 1s0
2s0, 2p-1, 2p0, 2p1
3s0, 3p-1, 3p0, 3p1, 3d-2, 3d-1, 3d0, 3d1, 3d2
詳しく見ると
1 個 1 + 3 = 4 個
1 + 3 + 5 = 9 個
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元素周期の解明
1925年 ジョージ・ウーレンベック、 サミュエル・ゴーズミット
電子が『自転』しながら、原子核のまわりを回る事を仮定
1925年 ジョージ・ウーレンベック、 サミュエル・ゴーズミット
電子が『自転』しながら、原子核のまわりを回る事を仮定
1922年 シュテルン=ゲルラッハの実験
量子化された電子の磁気モーメントの発見
1922年 シュテルン=ゲルラッハの実験
量子化された電子の磁気モーメントの発見
1945年 ヴォルフガング・パウリ パウリの排他原理の発見
1945年 ヴォルフガング・パウリ パウリの排他原理の発見
原子の殻構造 原子の殻構造
元素周期の謎を解く鍵は揃った
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元素の周期律
量子数 殻 軌道 1 K殻 1s 2 L殻 2s 2p 3 M殻 3s 3p 3d 量子数 殻 軌道
1 K殻 1s 2 L殻 2s 2p 3 M殻 3s 3p 3d
+ 殻には量子数の軌道が存在する。
(s軌道から順に)
殻には量子数の軌道が存在する。
(s軌道から順に)
『準位』には上向き、下向きスピンの 2個の電子が入る
『準位』には上向き、下向きスピンの 2個の電子が入る
原子には原子番号の数、電子が存在 原子には原子番号の数、電子が存在
『エネルギー準位の低い』殻から順に埋めていく
l 番目の軌道には 2l + 1 個の『準位』がある l 番目の軌道には 2l + 1 個の『準位』がある
2個 8個 18個
電子の数=『準位』×2
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軌道のエネルギー準位
7s 5f 6d 7p 6s 4f 5d 6p 5s 4d 5p 4s 3d 4p 3s 3p
2s 2p
1s
エネルギー
エネルギー
量子数 殻 軌道 『準位』の数 電子の数
1 K殻 1s 1 1 * 2 = 2
2 L殻 2s, 2p 1 + 3 = 4 4 * 2 = 8 3 M殻 3s, 3p, 3d 1 + 3 + 5 = 9 9 * 2 = 18 量子数 殻 軌道 『準位』の数 電子の数
1 K殻 1s 1 1 * 2 = 2
2 L殻 2s, 2p 1 + 3 = 4 4 * 2 = 8
3 M殻 3s, 3p, 3d 1 + 3 + 5 = 9 9 * 2 = 18
炭素(原子番号6)
K 1s 2s 2p L
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K 1s 2s 2p L
K 1s 2s 2p L
元素の周期律と電子軌道
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電子の軌道を書き直してみると
s p
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原子構造の解明
1925年 ジョージ・ウーレンベック、サミュエル・ゴーズミット 電子が『自転』しながら、原子核のまわりを回る
1925年 ジョージ・ウーレンベック、サミュエル・ゴーズミット 電子が『自転』しながら、原子核のまわりを回る
1922年 シュテルン=ゲルラッハの実験 量子化された電子の磁気モーメントの発見 1922年 シュテルン=ゲルラッハの実験 量子化された電子の磁気モーメントの発見
1913年 ヘンリー・モーズリー
『モーズリーの法則』の発見 1913年 ヘンリー・モーズリー
『モーズリーの法則』の発見
s p
1924年 マンネ・シーグバーン X線分光学における発見
1924年 マンネ・シーグバーン X線分光学における発見
1925年 ジェイムス・フランク、グスタフ・ヘルツ 原子と電子の衝突に関する研究
1925年 ジェイムス・フランク、グスタフ・ヘルツ 原子と電子の衝突に関する研究
1922年 ニールス・ボーア
原子構造とその放射に関する研究 1922年 ニールス・ボーア
原子構造とその放射に関する研究
1945年 ヴォルフガング・パウリ パウリの排他原理の発見
1945年 ヴォルフガング・パウリ パウリの排他原理の発見
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粒子の磁気モーメントへの興味・理解・応用
1943年 オットー・シュテルン 原子線法の開発と
陽子の磁気モーメントの発見 1943年 オットー・シュテルン
原子線法の開発と
陽子の磁気モーメントの発見
1944年 イジドール・イザーク・ラビ 共鳴法による
原子核の磁気モーメントの 測定法の発見
1944年 イジドール・イザーク・ラビ 共鳴法による
原子核の磁気モーメントの 測定法の発見
・ 電子磁気モーメントの量子化の発見
・ 陽子の磁気モーメントの測定に成功
・ 原子線磁気共鳴法の確立
『磁気共鳴』
とはなんだろうか? 磁気モーメント
『磁石』としての強さ
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磁気モーメントと原子構造
1902年 ヘンドリック・ローレンツ、 ピーター・ゼーマン
放射に対する磁場の影響の研究 1902年 ヘンドリック・ローレンツ、
ピーター・ゼーマン
放射に対する磁場の影響の研究
1896年 ナトリウム原子を磁場の中で発光させた時、 そのD線スペクトルが複数に分かれる事を発見
磁場なし磁場なし
磁場中磁場中
『ゼーマン効果』の発見
光を放射している粒子(電子) の比電荷を測定 1/1600
(現在の値1/1836)
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ゼーマン効果ってなに?
不安定 安定 二つの磁石を近づけると
二つの磁石を近づけると 磁場中では磁場中では 安定 不安定
磁場に対する磁気モーメントの向きで、
エネルギー準位のエネルギーに差が生まれる 磁気モーメントの向き → スピンの向き
磁場に対する磁気モーメントの向きで、
エネルギー準位のエネルギーに差が生まれる 磁気モーメントの向き → スピンの向き
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ゼーマン効果
ナトリウムの場合
磁場による
エネルギー準位の分離
(ゼーマン効果)により、 スペクトルが分裂する。 磁場に対する磁気モーメントの向きで、
エネルギー準位のエネルギーに差が生まれる 磁気モーメントの向き → スピンの向き
磁場に対する磁気モーメントの向きで、
エネルギー準位のエネルギーに差が生まれる 磁気モーメントの向き → スピンの向き
磁場なし磁場なし 磁場中磁場中
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磁気共鳴
磁気モーメントを持つ粒子を磁場中におくと、 ゼーマン効果が生じエネルギー準位は分離 磁気モーメントを持つ粒子を磁場中におくと、 ゼーマン効果が生じエネルギー準位は分離
or
エネルギーを放出 光・電磁波
エネルギー差に相当するエネルギーを外部から供給
→ 下の準位にある電子は上の準位に遷移
→ 磁気モーメントの向き(スピンの向き)が反転する
磁気共鳴
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古典的な磁気共鳴の理解
電流が流れると磁場が発生する。
電流
電流に沿って
みた図 電流の向き
“右ねじの法則”
“右ねじの法則”
38
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円電流と磁石
+ ー
円電流
→ 磁石
→ 磁気モーメント が発生する
39
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電子の磁気モーメント
電荷をもつ球体の場合・・・
輪切りにした部分の 磁気モーメントを
重ね合わせる
電荷も持つ粒子が『回転』すると、磁気モーメントを持つ 電荷も持つ粒子が『回転』すると、磁気モーメントを持つ
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コマの歳差運動
クイズ
歳差運動しているコマを落下させると なにが起きるか?
クイズ
歳差運動しているコマを落下させると なにが起きるか?
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固定 力
端を固定した物体に力を作用させる
角運動量
物体が回転する時
『右ネジ』方向に『角運動量』
回転する
『角運動量』が生まれる 回転している物体に力を作用させると・・・
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コマが歳差運動する理由
重力
固定点
回転しているコマに 重力が作用すると
新たな角運動量が生まれ コマの軸が少しずれる
コマの歳差運動
コマの歳差運動
43
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ラーモア歳差運動
コマ → 回転電流
軸方向に磁気モーメント 磁石の中においてみる 磁場の力を受ける
磁気モーメントの歳差運動
ラーモア歳差運動
ラーモア歳差運動
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磁気共鳴
磁気モーメントを持つ粒子を磁場中におくと、 ゼーマン効果が生じエネルギー準位は分離 磁気モーメントを持つ粒子を磁場中におくと、 ゼーマン効果が生じエネルギー準位は分離
or
エネルギーを放出 光・電磁波
エネルギー差に相当するエネルギーを外部から供給
→ 下の準位にある電子は上の準位に遷移
→ 磁気モーメントの向き(スピンの向き)が反転する
磁気共鳴
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磁気共鳴の応用
核磁気共鳴画像法 (MRI: Magnetic Resonance Imaging) 水素原子の原子核(陽子)の磁気共鳴を利用し、
体内の主に水(H2O)の分布を精密に測定 → 断層画像を得る
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3b/MRI_brain.jpg
2003年 ノーベル生理学・医学賞
ポール・ラウターバー、ピーター・マンスフィールド 核磁気共鳴画像法に関する発見
2003年 ノーベル生理学・医学賞
ポール・ラウターバー、ピーター・マンスフィールド 核磁気共鳴画像法に関する発見
http://pothi.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_1e8/pothi/m_me_mri_1.jpg
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電磁波による磁気共鳴 電磁波による磁気共鳴
磁場② 磁場➀
原子線磁気共鳴法
1944年 イジドール・イザーク・ラビ 共鳴法による
原子核の磁気モーメントの 測定法の発見
1944年 イジドール・イザーク・ラビ 共鳴法による
原子核の磁気モーメントの 測定法の発見
電子にくらべ、
原子核の磁気モーメントは 非常に小さい
磁気共鳴で、 経路が変化
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電子のスピン:磁性に関する最近の話題
2007年 ペーター・グリュンベルク、アルベール・フェール
「巨大磁気抵抗」の発見がもたらした技術的革新
2007年 ペーター・グリュンベルク、アルベール・フェール
「巨大磁気抵抗」の発見がもたらした技術的革新
ハードディスクドライブ(HDD)は、 今やなくてはならない製品
パソコン、録画機能のあるテレビ、
ブルーレイ・DVDデッキ、プレイステーション の中にはハードディスクがあります。
HDDの大容量化に直結する技術 HDDの大容量化に直結する技術