[編集・発行]伊達市放射能対策課 〒960-0692 伊達市保原町字舟橋180 本庁舎3階 ☎024-575-1003
vol.28
平成28年7月14日発行
NEWS
1
避難指示解除準備区域・居住制限区域の解除について
思い起こせば、平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は、かつて経験したことのない放射能事故を 引き起こし、強制避難という事態となりました。最初は3㎞、次には 10㎞、最終的には、事故を起こした福 島第一原発からの距離によって一律に 20㎞以内の住民に対して、強制避難指示(警戒区域)が出されました。
しかし、その後風向きによって距離とは関係なく放射能汚染が広がっていることが分かり、50㎞以上離れ ている当市の隣町村である川俣町山木屋、飯舘村に対しても強制避難指示(計画的避難区域)が出されました。 第一原発がある双葉、大熊の両町を始め、12 市町村に強制的に避難指示がされる異常事態となりました。
その後、強制避難指示の出された地区は、その放射能のレベルによって「帰還困難区域」「居住制限区域」「避 難指示解除準備区域」に区分され、国による除染などが進められてきたところです。
あれから5年が経過し、放射線の物理的半減期による減衰と除染の成果により、避難指示解除が進められ つつあります。これは、放射線による追加被ばく線量が、当時の避難の基準値である年間 20 ミリシーベル トを確実に下回ることが確認できたからです。状況に応じて地区別に解除が進んでおり、既に一昨年4月に 田村市都路地区が、同 10 月には川内村の「避難指示解除準備区域」の避難指示が解除されています。
今年入って、6 月 12 日に葛尾村、同 14 日に川内村、そして 7 月 12 日には南相馬市の「居住制限区域」と「避 難指示解除準備区域」の避難指示が解除されました。隣村である飯舘村も来年 3 月 31 日に解除になること が決定し、それに向けて 7 月からは長期宿泊が認められることになりました。また川俣町山木屋地区につい ても、解除を目指して検討しているようです。一方で、「帰還困難区域」の避難指示解除はまだ先になるよう です。
それにしても、強制避難地区の今後の帰還には大きな努力が必要であると思われます。5年もの不在で荒 れてしまった家を修繕しなければなりません。除染についても、無人の中での作業であり、住民には実感が 伴わないようです。また長期の避難生活による健康問題などもあり、何とかして、早期に元の生活を取り戻 していただきたいものと願うばかりです。
その点、当市は幸いなことに強制避難にはならなかったので、住民注視の中で除染を進めてきており、そ うしたことから市民の放射線に対する知識なども高められたように思います。
放射線が大きく低減したとはいえ、避難指示が解除された地区も当市も、生活する場に放射線が全く無く なった訳ではないので、今後とも放射線に関心を持ち、健康に留意していく必要があります。
放射線は目に見えないのですから、最終的には被ばく線量に注意すること、具体的にはガラスバッジで、 また WBC によって測定していくことが大事であることを忘れてはならないのです。
伊達市長 仁志田 昇司
市では、外部被ばく線量測定を実施しています。測定を希望する人は健康推進課にご連絡ください。
●ガラスバッジ測定
測定期間:3カ月間を1測定(7~9月、10~12月、1~3月、4~6月)
●高性能積算線量計(D-シャトル)測定 測定期間:2週間
(自分の行動に合わせることにより、どのように線量が積算されているかを確認できます。) 健康推進課健康管理係 ☎ 575-1153
外部被ばく線量測定のご案内
2
平成24年度から平成25年度に実施した、Aエリア除染業務における除染前・除染後の空間線量率と比較 して、除染の効果が維持されているかの確認を、平成27年7月から平成28年3月に行いました。測定件数 は、宅地が2,996件26,989測点、林縁部が761件4,112測点、市道558路線4,503測点で、その結果は次のと おりです。
1. Aエリア事後モニタリングの結果
事後詳細モニタリングの結果を除染前の空間線量と比較すると、68.4%~80.3%低減しています。除染 後の空間線量と比較しても低減していることから、除染効果が維持されていることが確認できました。 しかし、除染後の空間線量率を上回った地点が、11点(※1)確認されました。これらの地点は、雨樋 出口や雨樋のない軒下など線源がたまりやすい地点や、客土した土砂が流出したことによるもの考えられま す。
また、空間線量率が1μSv/h以上の測点が4地点(1.03~1.08μSv/h)で確認されました。これらの地 点は、除染前の空間線量が1.76~2.17μSv/h、除染後が1.40~1.77μSv/hで、除染による線量の低減率 が30%程度と低い箇所であり、周辺からの影響を受けている箇所でした。
※1 放射線量の変動率±15%と測定機器相対基準誤差±15%(JIS規格)とされていることから、測定誤差は±20% としています。(放射能度測定方法ガイドライン基準)このため、事後モニタリングの測定値が、除染後の測定値より
+20%の範囲に収まる測定点は、除外しています。
平成 27 年度Aエリア事後詳細モニタリング事業報告
除染後も低減、除染効果の維持を確認
除染前の 平均空間線量率
除染後の 平均空間線量率
事後詳細モニタリングの 平均空間線量率
〈平均低減率〉
備 考
富成(富沢) 1.15 0.52 0.28 〈75.7%〉 389 件 3,479 点
富成(高成田) 0.97 0.46 0.28 〈71.1%〉 128 件 1,108 件
柱沢(柱田) 0.73 0.38 0.21 〈71.2%〉 390 件 3,519 点
柱沢(所沢) 0.80 0.41 0.23 〈71.3%〉 232 件 2,083 点
掛田(掛田) 0.66 0.32 0.18 〈72.7%〉 1,181 件 10,695 点
小国(上小国) 1.20 0.50 0.29 〈75.8%〉 215 件 1,933 点
小国(下小国) 1.12 0.50 0.30 〈73.2%〉 300 件 2,709 点
石田東部 1.37 0.57 0.27 〈80.3%〉 68 件 634 点
月舘東部 0.79 0.45 0.25 〈68.4%〉 93 件 829 点
モニタリング 区分
地区
〈住宅〉
(高さ 1m 単位:μSv/h)3
〈林縁部〉
林縁部除染は、林縁部の放射線量が住宅に及ぼす影響を測定し、住宅周辺の放射線量を低減させる範囲で 実施しています。空間線量が1μSv/h以上の測点が61地点(1.00~1.80μSv/h)で確認されましたが、 林縁部のある宅地で空間線量が1μSv/h以上の地点はありませんでした。宅地の除染効果が維持されてい ることから、林縁部の除染効果は維持されていることを確認しました。
〈市道〉
市道の事後モニタリングは、路線の起点、中間点、終点を基準に測定しました。
路線によって、構造物や法面に隣接する箇所、山林に囲まれている箇所などが混在しています。このた め、山林周辺の影響や法面から土砂が流れ込むことにより、除染効果に差がありますが、除染後と事後詳細 モニタリングの平均値比較から、除染効果が維持されていることを確認しました。
放射能に対する不安を解消するためには、現状を正しく知ることが重要です。再測定の要望がありました ら、放射能相談センターまでご連絡をお願いします。 伊達市放射能相談センター ☎575-1124
Aエリア事後モニタリング結果の平均値(宅地)
項目
(単位:μSv/h)
放出日 基準日 除染前測定日 除染後測定日 事後測定日 H23.3.15 H23.8.26 H25.1.10 H25.2.9 H27.10.30 内 訳
除染実施前想定線量 1.43 1.28 0.93 0.91 0.56 全 数
除染実施後想定線量 − − − 0.42 0.26 宅地:2,996 件
測点:26,989 点
事後モニタリング実測値 − − − − 0.25
2.00
1.80
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00H23 H24 H25 H26 H27
03.15 05.15 07.15
03.15 09.15 11.15 01.15 03.15 05.15 07.15 09.1511.15 01.15 03.1505.15 07.15 09.1511.15 01.15 03.1505.15 07.15 09.15 11.15 01.15 03.15 05.15 07.15 09.15 11.15
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除染実施前想定線量 除染実施後想定線量 事後測定平均値
1.28
0.93 0.91
0.56 事後測定日
(H27.10.30)
(H23.8.26)基準日
(H23.3.15)放出日
0.42 0.26
除染実施
0.25
(μSv/h)
1.43
想定線量の推移と事後測定平均値の分布(Aエリア全地区)
除染により平均で 0.51 μSv/h の低減、除染前の約 1/2 の線量に低減しました。現在は、放射性物質の一 部が半減期を迎えて自然減が進んでいることにより、 除染前の予測推移との差は平均で 0.3 μSv/h と小さく なっていますが、割合は約 1/2 の線量で、除染効果が 維持されていることが確認できました。
4
ホールボディカウンタによる内部被ばく検査の平成27年度(4月~28年3月)の受検状況についてお知ら せします。受検者6,833人全員が預託実効線量(※)1ミリシーベルト未満でした。
これまで4年の推移をみると、当初はセシウム検出者が4,065人(9.4%)でしたが、平成27年度では45 人(0.7%)となりました。この45人中、18歳未満の人はいませんでした。
現在も内部被ばくの確認のため、ホールボディカウンタ検査を実施しておりますので、ご利用ください。
○これまでのガラスバッジ測定結果
●測定結果の年次推移(平均値)
測定者全体、除染エリア別、年齢層別いずれの項目でも、毎年低減していることが確認できます。また、 年齢が低いほど平均線量が低くなっています。このことは、より安心につながる結果と考えています。
※預託実効線量/体内に取り込んだ放射性物 質について、物理的半減期や生物学的半減期
(尿や便により体外に排出されること)を考 慮して、一生の間(成人では50年間、子ども では70歳まで)に体内から受けると思われる 内部被ばく線量。
対象者及び実施期間
(27年度)平成26年7月~平成27年6月測定 12,912人(0~15歳、妊婦、Aエリア、モニタリング抽出者、希望者)
(26年度)平成25年7月~平成26年6月測定 21,080人(0~15歳、妊婦、ABエリア、モニタリング抽出者、希望者)
(25年度)平成24年7月~平成25年6月測定 52,783人(全市民対象)
ホールボディカウンタ&ガラスバッジ測定結果報告
対象者区分 対象者数 受検者数 受検率
18 歳以下 8,685 人 4,798 人 55.2% うち小中学生 4,805 人 4,595 人 95.6% 19 歳以上 53,162 人 2,035 人 3.8% 計 61,847 人 6,833 人 11.0%
●平成27年度の受検状況 (平成28年3月末現在)
●検出者数の推移
○これまでのホールボディカウンタ検査結果
5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0
4,065
23・24 年度 25 年度 26 年度 27 年度
975
103 45
9.4%
3.4%
0.9% 0.7%
検出率 検出者数
検出者数
(mSv/ 年)
(mSv/ 年) 測定者全体 2
1.5 1 0.5 0
年間追加被ばく線量年間追加被ばく線量 年間追加被ばく線量
0.76 0.59
0-6 歳 7-12 歳 13-15 歳 16-20 歳 21-60 歳 61 歳以上
2 1.5 1 0.5 0
(mSv/ 年)
A エリア 2
1.5 1 0.5 0
1.59 1.00
B エリア 1.17
0.54
C エリア 0.71 0.50
25年度 26年度 27年度
0.65 0.67 0.50 0.720.56 0.66 0.70
0.89 0.82 0.79
0.37
0.46 0.35 0.38 0.42
0.84 0.79 0.90 0.83 0.96 0.900.78
0.89 0.82 0.79
0.37
0.46 0.35 0.38 0.42
0.84 0.79 0.90 0.83 0.96 0.900.78
【測定者全体】 【除染エリア別】
【年齢層別】