労働経済学1 練習問題1
1 家計の労働供給
完全競争市場を想定する。子どもの数をn, 消費量を c とした場合、家計の効用関数を U(n, c) とし、と もに正常財である。
問1:p を消費財の価格、h を労働時間、e を子ども一人当たりの教育費、w を賃金とした場合の家計の予 算制約式を定義せよ。
pc+ en = wh
問2:T を一日の総時間、子ども一人当たりの子育て時間を1、とした場合の、家計の時間制約式を定義 せよ。
T = h + n
問3: 子どもの数の真の価格はいくらになるか計算せよ。 時間制約式を予算制約式に代入し、h を消去すると、
pc+ en = w (T − n) pc+ (e + w) n = wT
よってe+ w が子供の数の真の費用となる。
問4: 教育費e が増大した場合、子どもの数がどのように変化するか、図示せよ。 別紙 図1のように、子どもの数は減少する。
2 企業の労働需要
完全競争市場を想定する。労働時間をh, 労働者数を l とした場合、企業の生産関数を以下のように定義 する。
F(h, l) また労働の限界生産性を
hF′(l) とし、F′(l) は l について減少関数であるとする。
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問1: 財の価格をp, 労働者一人当たりの準固定費用を c, 賃金を w, としたときの、企業の利潤関数を書け。 pF(h, l) − whl − cl
問2: 今労働時間の上限が法律により8時間であったとする。この場合の労働者の雇用量を図示せよ。 労働の需要量は、h= 8 より、
p8F′(l) = 8w + c pF′(l) = w + c
8 で決まる。別紙図2のように雇用量は決まる。
問3: 今労働時間の上限が6時間に短縮されたとする。この場合の労働者の雇用の変化を、図を使って説 明せよ。
労働の需要量は、h= 6 より、
p6F′(l) = 6w + c pF′(l) = w + c
6 で決まる。よって別紙図3のように、雇用量は減少する。
3 独占的労働供給モデル
問1: 家計の留保賃金は、すべての家計についてwRである場合の労働供給曲線を書け。
wR< w なる賃金水準ではすべての家計が労働供給を行い、wR> w なる賃金水準ではすべての家計が労 働供給を行わない。wR= w では、家計は労働供給を行うことと行わないことが無差別になる。よっ て別紙図4のように、労働供給曲線は水平になる。
問2: 労働需要曲線は、直線でかつ右下がりであるとする。完全競争市場(家計、企業ともプライステー カー(価格需要者)として行動する)における市場均衡を図示せよ。
別紙図4のとおり均衡賃金はwRとなる。
問3: 完全競争市場における企業、家計の余剰、および社会余剰を図示せよ。 別紙図4のとおりとなり、労働者の余剰は0となる。
問4: 労働組合が存在する。組合は労働者の余剰を最大にするように、賃金決定を行う。企業は、組合が 決定した賃金を受け、労働需要曲線に従って雇用量を決定する。この場合の雇用量、賃金が完全競争 市場と比べ、どのように変化するのか、図を使って説明せよ。
組合は賃金水準を引き上げることで、雇用量は減少する一方で、労働者の余剰を大きくできる。よって別 紙図5のように、完全競争市場の賃金wRよりも高い水準の賃金が提示される。雇用量は減少する。
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問5: 問4の状況における社会余剰はどのように変化するのか、図を使って説明せよ。 別紙図5のの黒い面積ぶんだけ、社会余剰は低下する。
4 労働移動モデル
問1: 地域間の移動費用がゼロの場合における市場均衡を図示せよ。 別紙図6のとおり、地域間の賃金は等しくなる。
問2: 今地域2において、労働の限界生産性が低下したとする。この変化が各地域労働市場、および地域 間労働移動に与える影響について、需要曲線と供給曲線を用いて説明せよ。
別紙図7のとおり、賃金の低下した地域2から地域1へと労働者が移動し、結果地域2の労働供給は低下 し、地域1については増大する。この変化は、両地域の賃金が等しくなるまで続く。結果賃金は両地 域とも低下する。
問3: 地域間移動において、正の移動費用C が発生する場合、地域2の限界生産性の低下が各地域労働市 場に与える影響は、問2と比べどのように変化するか、説明せよ。
もし生産性低下による地域2の賃金の低下が、移動費用C よりも小さい場合、労働移動は発生しない。 よって地域1の賃金は変化しない(別紙図8のケース)。対して生産性が大きく低下し、地域2の賃 金がC 以上に低下した場合、両地域の賃金格差が C になるまで、地域1に向けた労働移動が生じる
(別紙図9のケース)。以上より移動費用が無いケースに比べ、労働移動は小さく、地域1の賃金の低 下幅も少ないが、地域2における賃金は大きく低下する。
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