応用ミクロ経済 | 中間試験 ( 追試 )
1. 正誤判定(20点)
以下の主張が正しい(T)か間違っている(F)かを答えなさい.理由はいっさい書かなくて構わない.
(a)ナッシュ均衡の結果がパレート効率的になるようなゲームは存在しない.
(b)「支配される戦略の逐次消去」で解けないゲームには,ナッシュ均衡が必ず複数ある.
(c)2× 2のゲームには,純粋戦略のナッシュ均衡とは異なる混合戦略のナッシュ均衡が必ず存在する.
(d)繰り返しゲームでは,「各ステージゲームで(ステージゲームの)ナッシュ均衡をプレイする」よう な結果は,必ず部分ゲーム完全均衡になる.
2. 同時手番ゲーム(30点)
以下の条件を満たすような2人ゲームを考え,その利得表を書きなさい.また,なぜその条件を満たし ているのか,できるだけ具体的に説明しなさい.
(a)支配される戦略の逐次消去で解ける.
(b)純粋戦略のナッシュ均衡が複数存在する.
(c)純粋戦略のナッシュ均衡が一つだけ存在し,かつその結果がパレート効率的になっている.
(d)純粋戦略のナッシュ均衡と,それとは異なる混合戦略のナッシュ均衡が共に存在する.
(e)混合戦略のナッシュ均衡しか存在しない.
(f)混合戦略のナッシュ均衡が複数存在する.
3. 繰り返しゲーム(25点)
次の2× 2ゲームをもとに,繰り返しゲームを考える.以下の問に答えなさい.
(a)この2× 2ゲームの純粋戦略ナッシュ均衡をすべて求めなさい.
(b)この2× 2ゲームをステージゲームとする「2回繰り返しゲーム」を考える.第1期において戦略 の組み合わせ(U, L)が実現されるような部分ゲーム完全均衡はあるだろうか.ある場合はそれを 求め,ない場合はその理由を述べなさい.ただし,歪みの無いコインなどを使って,プレイヤーた ちが出た面に応じて結果を(確率的に)選択することは可能だとする.
(c)このゲームをステージゲームとする「無限回繰り返しゲーム」を考える.プレイヤーたちの(共通 の)割引因子をδ(< 1)とするとき,「トリガー戦略」によって戦略の組み合わせ(U, L)が維持され るためにはδ がどのような条件を満たす必要があるだろうか.
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4. 不完備情報ゲーム(25点)
売り手と買い手が一人ずついるダブルオークションを考える.各プレイヤーが同時に要求価格psとpb を決定し,ps≦ pbのとき,かつそのときに限り取引が行われる.実際の支払い価格 pは,次の計算式 によって与えられる(ただしθは0 ≦θ≦ 1を満たすパラメータ).
p=θps+ (1 −θ)pb
アイテムに対する価値vsとvbは各プレイヤーの私的情報で,それぞれ[0, 1]の一様分布に独立に従う. また,θの値はプレイヤーたちの共有知識とする.この状況をベイジアン・ゲームとして分析すると き,以下の問に答えなさい.
(a)θ= 1のとき,買い手にとって最適な入札戦略(弱支配戦略)を求めなさい.
(b)(a)の結果をもとに,θ= 1のもとでの売り手のナッシュ均衡戦略を求めなさい.
(c)θ= 0のとき,売り手にとって最適な入札戦略(弱支配戦略)を求めなさい.
(d)(c)の結果をもとに,θ= 0のもとでの売り手のナッシュ均衡戦略を求めなさい.
(e)0 <θ< 1のとき,売り手と買い手のナッシュ均衡戦略をそれぞれ求めなさい.
注意事項
• 本人が回答すること.
• 自分一人で解くこと.
• 12月11日(木)の正午までに,教務課に答案を提出すること.
• 以上を守れなかった場合には,理由によらず0点とする.
• ただし回答の制限時間は無し.
• 必要に応じて,テキストなどを参照しても良い.
• 答案用紙には何を用いても良い.
• 手書きの場合には,こちらが判読できる字で書くこと.
• 答案用紙が複数枚になる場合は,ホチキス止めすること.
• 表紙に必ず学部・学科・学年,および学籍番号と氏名を書くこと!
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