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数学補講資料置き場

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Academic year: 2018

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(1)

数学補講:3日目

定義1 (固有値:Eigenvalue、固有ベクトル:Eigenvector) n × n行列Aに対して、スカラー(実数)λは、

Ax= λx,

すなわち、

(A − λIn)x = 0.

を満たす0でないn次元列ベクトルxが存在するとき、Aの固有値と呼ぶ。またxを固有ベクトルと呼ぶ。

もしλAの固有値で、xがその固有値に対応するAの固有ベクトルならば、 Ax= λx ⇒ xAx= λxx

⇔ λ = x

Ax

xx

固有値λに対応する固有ベクトルx全体が張る空間を固有値λの固有空間と呼び、この空間の次元をλの 幾何学的重複度と呼ぶ。

また、スカラーλλが以下の方程式(特性方程式と呼び、右辺を特性多項式と呼ぶ) det (A − λI) = 0.

の解のときかつそのときに限って、n × n行列Aの固有値である。 特性多項式p

p(λ) = (−1)n(λ − λ1)γ1· · · (λ − λk)γkq(λ) (1)

の形の一意な表現を持つ。γ1, ..., γkは正の整数で、qはいかなる実数根ももたない多項式である。式(1)の中 の因数(λ − λi)γ

i

の指数γiを固有値λiの代数的重複度と呼ぶ。

さらに、x1, x2, ..., xmn次元ベクトルとし、X = (x1, x2, ..., xm)とする。もし対角行列Dが AX = XD

を満たすならば、x1, x2, ..., xmAの固有ベクトル、またd1, d2, ..., dmx1, x2, ..., xmに対応する固有値 である。

補題1

λn × n行列Aの固有値、xλに対応する任意の固有ベクトルとする。このとき、次のことが成り立つ。

1. 任意の正の整数kに対して、λkAkの固有値であり、xλkに対応するAkの固有ベクトルである。

(2)

2. もしAが非特異ならば、1/λA−1の固有値であり、x1/λに対応するA−1の固有ベクトルで ある。

証明

1. この証明は数学的帰納法による。定義より、λ

1

A

1

の固有値であり、xλ

1

に対応するA

1

の固有ベ クトルである。いま、λk−1Ak−1の固有値であり、xλk−1に対応するAk−1の固有ベクトルであると 仮定する。このとき、

Akx= Ak−1Ax= Ak−1(λx) = λAk−1x= λλk−1x= λkx

である。

2. Aを非特異と仮定する。このとき、

x= A−1Ax= A−1(λx) = λA−1x

であり、よってA−1x= (1/λ)xである。

□ 定理1 (対称行列の固有値)

対称行列の特性方程式のすべての解は実数値をとる。すなわち、固有値である。 証明 

An次の対称行列とする。

det(A − λI) = 0

の解を1つとり、λ0とする。(λ0はもしかしたら虚数かもしれない。)λ0を以下のn個の同時方程式に代入 すると、

(A − λ0I)

 x1 x2

... xn

=

 0 0 ... 0

. (2)

x1, ..., xn について解くと、解は一般的には複素数であるが、解くことができる。方程式の解x1, ..., xnを式 (2)に代入すると、

A

 x1

x2

... xn

= λ0

 x1

x2

... xn

複素共役x¯1, ..., ¯xnを用いて式を書き直すと、

( x¯12 · · · ¯xn ) A

 x1

x2

... xn

=( ¯x12 · · · x¯n ) λ0

 x1

x2

... xn

(3)

これらの行列は1 × 1なので、転置行列は元の行列に等しい。したがって、

( x1 x2 · · · xn ) A

¯ x1

¯ x2

...

¯ xn

= λ0

( x1 x2 · · · xn )

¯ x1

¯ x2

...

¯ xn

両辺に複素共役をとると、

( x¯12 · · · ¯xn ) A

 x1

x2

... xn

= ¯λ0

( x¯12 · · · x¯n )

 x1

x2

... xn

よって、

λ0

( x¯12 · · · x¯n )

 x1

x2

... xn

= ¯λ0

( x¯12 · · · x¯n )

 x1

x2

... xn

式を書き直すと、

0− ¯λ0)(x11+ · · · + xn¯xn) = (λ0− ¯λ0)(|x1|2+ · · · + |xn|2) = 0

|x1|2+ · · · + |xn|2̸= 0より、

λ0= ¯λ0

したがって、λ0は実数値である。

□ 定理2

もしn × n対称行列Aの2つの固有ベクトルx1, x2が相違なる固有値に対応していれば、x1, x2、は直交し ている。

証明

λ1, λ2x1, x2が対応する固有値とする。このとき、定義より、Ax1= λ1x1, Ax2= λ2x2である。これ らの2つの式の最初の式の両方にx

2を、2番目の式の両辺にx

1をそれぞれ乗じると、

x2Ax1= λ1x2x1 x1Ax2= λ2x1x2

を得る。Aが対称なので、

λ1x2x1= x2Ax1=(x1Ax2)=(λ2x1x2)= λ2x2x1 となり、よって

1− λ2) x2x1= 0

(4)

であり、従って、もしλ1̸= λ2ならば、x

2x1= 0である。よって、もしλ1̸= λ2ならば、x1, x2は直交し

ている。

□ 定義2 (対角化:Diagonalization)

n × n行列An × n非特異行列Qが存在して、適当な対角行列Dに対してQ−1AQ= Dとなるとき、 対角化可能であるといい、この場合QAを対角化するという。また、

Q−1AQ= D ⇔ AQ = QD ⇔ A = QDQ−1

であることに注意。n × n行列Aは、それが直交行列で対角化可能なとき、すなわち、n × n直交行列Qが 存在してQAQが対角行列となるとき、直交対角化可能という。

定理3

あらゆる対称行列は直交対角化可能である。

したがって、もしAが対称行列ならば、Aは次のように書き換えられる。 A= XDX

ここで、Dは要素が固有値の対角行列、Xは各列が固有値に対応した固有ベクトルになっている行列である。 また、XXX = XX= Iとなる行列である。

定理4 (直交行列の固有値)

もしスカラー(実数)λn × n直交行列P の固有値ならば、λ ± 1である。

証明

λP の固有値と仮定する。このとき、定義より、ベクトルx̸= 0が存在して、P x= λxであり、よって xx= xInx= xPP x= (P x)P x= (λx)(λx) = λ2xx

である。x̸= 0なので、xx̸= 0であり、上の等式をxxで割ると、λ

2= 1すなわちλ ± 1となる。

□ 定理5 (冪等行列の固有値)

n × n冪等行列A01以外のいかなる固有値も持たない。

証明

スカラーλAの固有値と仮定する。このとき、定義より、ベクトルx̸= 0が存在して、Ax= λxであり、 よって、

λx = Ax = A2x= A(Ax) = A(λx) = λ Ax = λ2x

である。x̸= 0なのて、λ = λ

2

すなわちλ(λ − 1) = 0であり、従って、λ = 0あるいはλ = 1である。

□ 定理6 (非負定値行列、正定値行列の固有値)

非負定値行列のあらゆる固有値は非負である。正定値行列のあらゆる固有値は正である。

(5)

証明

λを行列Aの固有値、xλに対応するAの固有ベクトルとする。このとき、定義より、x ̸= 0であり、 よって、xx> 0であり、さらにAx= λx、したがってxAx= λxxを考慮すると、

λ = xAx xx

である。いま、もしAが非負定値ならば、xAx≥ 0、よってλ ≥ 0である。また、もしAが正定値ならば、 xAx> 0、よってλ > 0である。

したがって、Aが対称で非負定値行列ならば、Aは次のように書き換えられる。 A= XDX

= XD12D12X

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