は じ め に
本 市 は 、 山 口 県 の 東 部 に 位 置 し 、東 は 瀬 戸 内 海 、中 央 を 豊 か な 自 然
を 有 す る 錦 川 が 貫 通 し 、江 戸 時 代 よ り 城 下 町 と し て 栄 え て き ま し た 。
現 在 は 瀬 戸 内 海 臨 海 工 業 地 帯 の 一 翼 を 担 う 工 業 の 街 、 錦 帯 橋 に 象 徴
さ れ る 名 勝 ・ 史 跡 に 恵 ま れ た 観 光 の 街 、 基 地 の あ る 街 な ど 多 面 性 を
持 つ 都 市 と し て 発 展 を 続 け て い ま す 。
近 年 は 、 少 子 ・ 高 齢 化 の 進 行 や 環 境 問 題 の 深 刻 化 、 教 育 問 題 や 生
活 意 識 の 変 化 な ど 、市 民 生 活 を と り ま く 状 況 は 急 速 に 変 化 し て お り 、
新 し い 価 値 観 や 時 代 の 要 請 に 対 応 す る シ ス テ ム の 構 築 が 求 め ら れ て
い ま す 。
こ う し た 状 況 の も と 、「 自 然 と 共 生 す る 環 境 都 市 い わ く に 」の 実
現 に 向 け 、 平 成 16 年 11 月 に 環 境 マ ネ ジ メ ン ト に 関 す る 国 際 規 格 で
あ る ISO14001 を 認 証 取 得 し ま し た 。
本 認 証 の 取 得 に 伴 い 、 豊 か で 明 る い 地 球 環 境 を 伝 承 す る 岩 国 市 を
目 指 し て 、 全 職 員 が 環 境 負 荷 低 減 の 意 識 を 持 ち 、 地 球 に や さ し い 市
役 所 に な る よ う 努 力 し て い る と こ ろ で あ り ま す 。
折 り し も 錦 帯 橋 の 世 界 文 化 遺 産 登 録 の 可 能 性 も 示 唆 さ れ て い ま す
が 、 環 境 負 荷 低 減 の 意 識 高 揚 が 錦 帯 橋 と 周 辺 の 自 然 に 見 ら れ る 先 人
が 残 し て く れ た 財 産 と 匠 の 技 を 次 の 世 代 に 引 き 継 ぐ こ と に も な り ま
し ょ う 。
本 書 は 主 に 平 成 16 年 度 に お け る 岩 国 市 の 環 境 の 現 況 と 対 策 を と
り ま と め た も の で す が 、 皆 さ ま の 環 境 問 題 に 対 す る 関 心 を 高 め 、 具
体 的 行 動 に つ な が れ ば 幸 い に 存 じ ま す 。
平 成 1 8 年 1 月
第1部
総 説
平成 17 年度 環境保全標語入選作品
金賞 下流まで キレイな水を つなげよう 坂井川 篤
銀賞 汚すまい 光の海は 地球の宝 貞石 好彦
あなたが守る 地球の未来 みんなの未来 立野 彰
銅賞 汚さない 未来のために 光る水 河畑 光時
残そうよ 豊かな生命 青い海 三島 亨
佳作 省エネで地球を救い、未来を守る 金沢 泉一
思いやる 心に芽生える 環境保全 小浦 誠
資源ゴミ 活かして輝け 未来まで・・・ 山崎 博幸
リサイクル 地球にかえそう 大事な資源 藤田 哲也
今つくる 住み良い環境 未来のために 源 政明
自然保護願う気持ちが未来を変える 近藤 祐介
残そう自然守ろう地球みんなで取り組む環境保全 山本 忠秋
次世代に受け継ぐ財産 みどりの地球 伊ヶ崎智子
山・海・川の声聞き守る環境生活 磯村 俊之
出来ることからはじめたら きっと残せる 豊かな自然 中川真理子
平成 17 年度 環境保全標語入選作品
佳作 ホタル舞う ふるさと残そう 未来まで 小林 裕
もったいない 水はみんなの 宝物 蒲原 隆夫
環境保全 今日のあなたの取り組が 明日の地球を守ります 近藤 保和
資源は有限 知恵は無限 地球にやさしいリサイクル 中谷 保
美しい 環境すべてが 地球の遺産 森本 節子
渡したい 次の世代に豊かな環境 笹原 雅哉
捨てるなゴミ!捨てるな良心!みんなで目指そうゴミゼロの街 山本 正顕
もったいない 活かす心が 生む未来 竹重 満夫
リサイクル 続けて地球をリフレッシュ 小野 紀彦
厳しい視点でリサイクル 優しい心で自然保護 中泉 一作
わたしから 意識改革 環境回生 濱田 雅子
みんなで守ろう豊かな自然未来に残そうきれいな地球 山禰 健一
地球の青は海の青手本となろう瀬戸内海 中村 貢
皆で出来る環境保全 目配り 気配り 思いやり 澄川 茂則
よごすまい 一人一人が 主人公 河田 俊郎
緑あふれる環境作り ひとりひとりの努力と心 高藤 哲也
つたえよう 笑顔が写る 澄んだ水 宇治野雄一
みんなが望む澄んだ水。みんなで守る青い海 西川 保男
第 1 章 市 勢 の 概 況
第1節 土地・人口・産業等の現状
1 都市形態
沿岸平野部には臨海工業地帯が形成され、北部(石油精製、石油化学)、中部(製紙
・パルプ、化学繊維、一般機械)、南部(火力発電、建設資材、窯業)の 3 地域に大別
される。また、中央部を山陽自動車道、国道2号線、 187 号線及び山陽新幹線が、海岸
部を国道 188 号線及び山陽本線が走り、重要港湾として岩国港が、中央沿岸部には米海
兵隊岩国航空基地がある。
気象は、平均気温は 15 度前後と温暖で、平均降水量も 1700mm 程度と少ない、少雨温
暖の瀬戸内海性気候である。
表1 岩国市の面積等 (平成 15 年 4 月 1 日現在) 位 置 広 ぼ う
面 積
経 度 ・ 緯 度 東 西 南 北 東経 132°13’10”.0008
北緯 34°10’ 0”.7163 20.8km 20.5km 221.16km2
岩国市今津町1丁目 14 番 51 号
岩国市役所(三角点 No.100288) 柱 島 群 島 を 除 く
(資料:国土交通省国土地理院)
表2 岩国市の気象概況
気 温(℃) 年
平 均 最 高 最 低
平均風速
(m/s)
降水量
(mm)
年間日照時間
(時間)
平成 12 14.9 34.5 -3.6 1.4 1,322 1934.0
13 14.8 35.1 -5.5 1.5 1,706 1936.3
14 15.1 35.2 -4.5 1.7 1,462 1927.1
15 14.6 34.6 -6.3 1.5 1,768 1699.9
16 15.4 36.7 -5.4 1.6 2,028 1989.0
2 人口および行政区分
(1) 人 口 107,168 人
(2) 人口密度 485 人/km2
(3) 世 帯 数 46,654 世帯 (平成 17 年 3 月 1 日現在)
表3 岩国市の人口の推移(国勢調査) (各年 10 月1日現在) 年次
区分 昭和 45 50 55 60 平成 2 7 12 人 口
世帯数
106,166 31,068 111,069 33,851 112,525 36,155 111,833 37,359 109,530 38,514 107,386 39,977 105,762 41,489
市街化区分 面積(km2)
行 政 区 域 221.16
都 市 計 画 区 域 77.52
市 街 化 区 域 25.59
市街化調整区域 51.93
(平成 17 年 5 月 30 日現在)
図1 岩国市行政区分図
N
北緯 34°10’ 0”.7163
山口
広島
徳山 山口県 萩
下関
広島県 (岩国港から約 26km)
島 根 県 黒島
小瀬
平田
通津
師木野 灘
柱島列島
柱島 端島
麻里布
宕 岩国 御庄
愛 川下
玖珂郡美和町
装港 北 河 内
広島県大竹市
玖珂郡
和木町
南河内
玖珂郡
周東町 玖珂郡
周東町 玖珂町
由宇町 美川町
玖珂郡 玖珂郡
玖珂郡 藤河
第2節 自然環境
岩国市は、山口県の瀬戸内海沿岸の東端部に位置し、中国山地に源を発する錦川沿岸
の山地山麓地帯、錦川下流の三角州を中心とする平坦部及び帯状の沿岸平坦部等よりな
っており、海岸総延長は約 24km ある。標高別にみると 20m 以下が全市域の 20%弱で総
体的に山地部が多い。気候は、温暖な瀬戸内式気候で降雨量は少ない。
1 岩国市市木「サクラ、ヒノキ」(昭和 49 年 1 月 28 日選定)
サクラは錦帯橋周辺の春の美観を深めかつ市民に親しまれている木として、ヒノキは
錦帯橋の主材及び城山の主木として選定された。
2 公 園
現在市内には 179 箇所、107.3 ha の公園があり、都市計画区域内市民 1 人当たりの都
市公園面積は 9.62 m2となっている。
表4 都市公園とその他の公園の現況 (平成 17 年 4 月 1 日現在) 都 市 公 園
種別
項目 総合公園 運動公園 地区公園 近隣公園
街区公園
含幼児公園
その他
の公園
計
都市計画区域 内人口1人当 たりの都市公 園面積
箇所 1 1 1 2 100 74 179 105
面積(ha) 58.00 15.95 1.92 3.28 15.87 12.30 107.3 9.62 m2/人
3 自然休養林(昭和 47 年 1 月 1 日環境庁指定)
城山自然休養林(278.35 ha)は、市街地に近く風景が優れているうえ、表側は広葉
樹の原生林をなし、植物の種類が豊富で学術的にも価値ある存在である。また、林内に
は 30 数種類の鳥獣が生息している。
4 名 水
昭和 59 年7月環境庁は全国各地の清澄な自然の水(湧水、河川等)を調査し、全国
にそれらを紹介することで国民の水質保全への認識を深め、優良な水環境を積極的に保
護していくため「名水百選」を選定した。選定の対象は、
○ きれいな水で、古くから生活形態、水利用等において水質保全のための社会的配
慮が払われているもの。
○ 湧水等で、ある程度の水量を有する良質なものであり、地方公共団体等がその保
全に力を入れているもの。
○ いわゆる「名水」として故事来歴を有するもの。
○ その他特に自然性が豊かである、稀少性、特異性等を有するなど優良な水環境と
岩国市から二鹿の梅津の滝、通津にある桜井戸を推薦した結果「桜井戸」が全国「名
水百選」に選定された。
名 称 所在地 水の形態 選 定 根 拠
サクライド
桜 井 戸
岩国市
通 津
湧 水
古くより名水として伝えられており、お茶会 の水として現在でも利用されているほか、かん がい用水としても利用されている。井戸は文化 遺産として 57 年改修され、地元通津地区文化 財保存会及び地区住民により保全されている。
表5 名水百選の選定等経過概要について
年 月 日 経 過 概 要 S59. 8.21
59. 9.11
60. 1.30 60. 3.28 60. 4.22
60. 5. 6
60. 6. 5 ~11 60. 7.22
60. 8. 2 ~ 3 60. 9. 1
60.12. 6
61.11.17 62. 3. 1 H 7. 2
名水百選調査について(依頼)(大気水質第 308 号)県環境部長→市長 名水百選調査について(回答) 岩国市長→県環境部長
梅津の滝(二鹿) ・岩国市史に記載 ・二鹿観光協会が保存 名水桜井戸(通津) ・玖珂郡史に記載 ・地元通津史跡保存会が保存 名水百選調査検討会委員現地調査(岡山大学 八木正一教授 他1名) 環境庁 名水百選に「桜井戸」選定
「名水百選」の選定通知について(大気水質第 82 号)県環境部長→市長 環境庁水質保全局長(環水規第 61 号昭和 60 年4月 15 日)から山口県 知事 宛の選定通知がされた旨の文書添付
全国名水百選桜井戸選定記念式典(9:30~於 現地)(保存会) 式 典 1 神事(献茶、報告祭)
2 記念碑の除幕 縦 2m 横 60m 奥行 21m みかげ石 30 万円 3 記念行事(お茶会、俳句、吟詠、琴曲等)
「名水百選」写真展示会(パネル写真展示)
(展示場所:新宿住友ビル地下1階商店街) 「桜井戸」名水百選に認定される。
「認定書」あり(名水百選認定書交付要領)
第1回 全国環境保全市町村シンポジウム(於 岐阜県八幡町)
桜井戸風景入りスタンプ 使用開始(通津郵便局)(0827)-38-1570 「風景入り通信日付印のしおり」発行 200 円
桜井戸 道路案内標識の設置(国道 188 号線と県道 115 号線通津周東分 岐点・桜井戸前 (山口県道路整備課)
桜井戸周辺整備工事着手 土地 41,554,893 円 整備費 4,810,000 円 桜井戸周辺整備事業竣工
5 星空の街
環境庁は、大気保全の重要性や自然観察について関心を深めることを目的に、昭和 61
年の「あおぞらの街」に引き続き 62 年に「スターウォッチング星空の街コンテスト」
を企画した。
このコンテストは、夏の代表的な星座である「こと座」を対象として、α星(ベガ)、
ε星、ζ星に囲まれた三角形の内に見える星を双眼鏡で観察するものであり、岩国市は
市教委科学センターと岩国保健所の協力を得て、8 月 17 日、18 日の 2 日間、平田小学
校の校庭でスターウォッチングを実施した。(参加者 37 人)
環境庁の集計による全国平均観察等級は 8.5 等級で、最も暗い星を観察したのは宮崎
県高崎町の平均観察等級 10.9 等級であり、岩国市の観察等級は 8.7 等級であった。環
境庁はコンテストの全国集計をもとに、参加 267 市区町村の中から、普及啓発効果の高
かった街、参加人数の多かった街、観察日の多かった街、平均観察等級の高かった街な
ど 108 市町村を「星空の街」として選定し、岩国市もその中に選ばれた。(昭和 63 年 1
第 2 章 環 境 保 全 体 制
第1節 環境行政組織
1 機 構(平成 17 年 10 月 1 日)
2 環境行政組織機構の変遷
日 付 機 構 昭和 39 年 5 月
〃 43 年 1 月 〃 45 年 10 月
〃 50 年 7 月
〃 55 年 4 月 〃 59 年 1 月 平成 8 年 4 月
総 務 部 企画調査課 公害対策係 企 画 室 企画調査課 〃 民 生 部 公 害 課 管 理 係
公害対策係 環 境 部 公 害 課 管 理 係 公害対策係 民 生 部 公害交通課 公害対策係 環 境 部 生活環境課 公害対策係 生活環境部 環境保全課 環境対策係
(2 人) (4 人)
(5 人)
(1 人)
(嘱託 2 人)
(6 人) 諮問
答申 市 長
生活環境部長 助 役
管 理 係 課長補佐
環境保全課長
斎 場 施 設 係
環境対策係
ISO担当
(4 人) 公 募 委 員
(6 人) 推 薦 委 員
岩 国 市 政 市 民 会 議
産業 ・ 環境市 民会 議
3 分掌事務(環境対策係)
(1) 環境保全に係る総合計画及び調整に関すること。
(2) 公害に関する調査及び測定に関すること。
(3) 公害に係る苦情の処理に関すること。
(4) 騒音規制法(昭和 43 年法律第 98 号)に基づく委任事務に関すること。
(5) 振動規制法(昭和 51 年法律第 64 号)に基づく委任事務に関すること。
(6) 悪臭防止法(昭和 46 年法律第 91 号)に基づく委任事務に関すること。
(7) 気象に関すること。
(8) 合併処理浄化槽設置整備事業に関すること。
(9) その他環境対策に関すること。
4 公害関係苦情処理組織
合同調査 苦 情 申 立
市政なんでも
相 談 室
山口県環境政策課
現地調査、立入検査、行政指導、改善勧告等 (電話・面接・
陳情・投書)
単独調査・行政指導 相互連絡
山口県岩国健康福祉センター
環境保全課 生活環境部環境保全課
相互連絡 (電話・面接・陳情・投書)
第2節 協議会等
1 大竹・和木・岩国地域議会環境対策協議会
岩国・和木及び大竹地域の公害対策等を総合的に考究し調査するため、岩国市・和木
町・大竹市の議会議長及び議会公害対策特別委員会委員をもって、大竹・和木・岩国地
域議会公害対策協議会が昭和 47 年1月に設置され、平成元年度から大竹・和木・岩国地
域議会環境対策協議会と改称された。
2 小瀬川水質保全連絡協議会
小瀬川の水質保全対策の推進を図り、また水質汚濁時の緊急連絡体制を確立するため、
建設省、広島県、山口県の関係各行政機関により、小瀬川水質保全連絡協議会が平成 3
年 3 月 29 日に設立された。
会 長:国土交通省太田川工事事務所長
幹事長:国土交通省太田川工事事務所副所長
3 岩国市環境審議会
岩国市における公害対策に関する事項を調査、審議するため、昭和 45 年 11 月 15 日、
市長の諮問機関として「岩国市公害対策審議会」が設置された。平成 7 年 12 月 1 日に
は条例改正により「岩国市環境審議会」と改称された。
平成 15 年度の行政組織の見直しにより岩国市環境審議会は解散(平成 15 年 9 月 24
日 条例第 25 号)となり、その役目は、岩国市市政市民会議条例(平成 15 年 6 月 26 日
第3節 環境保全協定及び公害防止協定
岩国市では、市民の健康の保護と生活環境の保全のため、本市における環境悪化を防
止する予防的見地に立って、公害関係法令を補完するものとして、昭和 47 年度、岩国
・和木地域に立地する 9 社との間に大気汚染防止、水質汚濁防止、騒音防止等を骨子と
した公害防止協定を県及び市との三者間で締結した。(三井化学㈱については、四者協
定)この協定は、公害防止計画(第 4 次)の策定、各種法律・条例・規制の強化という
情勢変化により、51 年 10 月 15 日付けで全面的に改正強化されたが、平成 9 年 7 月 16
日付けで、県を除いた二者間(三井化学㈱については、三者間)で新たに「環境保全に
関する協定」として全面改正された。
また、中国電力㈱については、県・市との三者で「公害防止協定」を締結しており、
アルコアケミカルズ㈱モラルコ工場、東洋クロス㈱及び㈱クレシアについては、進出時
に「公害防止協定」を企業と岩国市の二者間で締結している。
現在、表2に示すとおり 12 企業と協定を締結している。
表1 岩国・和木地区の環境保全協定及び公害防止協定の締結状況(平成 17 年 3 月 31 日) 種
別
公 共 団 体
番
号 企 業 名 業 種 別 締 結 年 月 日 備 考 岩国市
和木町 1 三 井 化 学 ㈱ 石油化学工業 - 新 日 本 石 油 精 製 ㈱ 石 油 精 製 業 和木町
- 日 本 大 昭 和 板 紙
西 日 本 ㈱ 紙 製 造 業 2 日 本 製 紙 ㈱ 紙 ・ パ ル プ 3 帝 人 ㈱ 化学繊維製造 4 東 洋 紡 績 ㈱ 〃 5 ユニオン石油工業㈱ 石油製品製造 6 ㈱ 義 済 堂 繊 維 染 色 業 環
境 保 全 協
定 岩国市
7 旭 化 成 建 材 ㈱ 窯 業
S47.11.17 締結
旭 化 成 ㈱ は 、 S47.12.18 締結 (S51.10.15
全面改定)
H9.7.16 環境保 全 協 定 と し て 全面改定
既 設
山口県
岩国市 8 中 国 電 力 ㈱ 電 力
S44.9.29
(S49.10.17 一部改正) (S51.12.24 全面改正) (S54. 3.26 一部改正) (覚書一部改正 H 元. 4. 1,H 7. 1. 1) (協定・覚書一部改正 H17.6.28)
9 三晃特殊金属工業㈱ 金属製品製造 S46.10.28
既 設
10 ア ル マ テ ィ ス ㈱
モ ラ ル コ 工 場 窯 業
S48.12.7
(S53. 5. 1 一部改正) (覚書一部改正
H11.7.30)
進出(S50.10) 本 格 操 業 (S50.12.25)
11
東 洋 ク ロ ス ㈱ 合成皮革製造 H 元.10.20 (覚書一部改正 H11.7.30)
竣工
(H 元.11.15) 公
害 防 止 協
定 岩国市
12 ㈱ ク レ シ ア 紙 製 品 製 造 H 6.11.16 (覚書一部改正 H11. 7.30)
第4節 環境保全思想の普及と啓発等(平成 16 年度)
環境問題が身近なものから自覚がないものまで拡がりをみせる中、環境汚染を未然に
防止し、住みよい生活環境を保全するためには、地域住民すべてが公害の防止、環境の
保全について正しい認識を持つことが望まれている。
そこで、本市では県と協力して環境保全に関する情報提供を行い、住民意識の高揚を
図っている。
(1) 「岩国市の環境」の発刊
当該年度(4 月~翌年 3 月)の本市の公害の現況と講じた公害防止対策等について
「岩国市の環境」を公刊し、岩国市立図書館等で閲覧を行っている。
(2) 広報紙への掲載
市の広報紙に、環境保全の重要性についての啓発記事を掲載して住民意識の高揚
を図っている。
(3) 環境月間、瀬戸内海環境保全月間の行事の実施
1972 年 6 月、国連人間環境会議が開催され「人間環境宣言」が採択され、これを
記念して世界各国で毎年 6 月 5 日を「世界環境デー」として環境問題の重要性を認
識するための諸行事を行っている。
我国では、昭和 48 年以来、環境庁の主唱のもとに「世界環境デー」の 6 月 5 日
を初日とする「環境週間」を設け各種行事が実施されてきたが、平成 3 年度からは
6 月を「環境月間」として、環境保全のための諸行事の展開を図っている。
本市においては、環境省作成の環境月間のポスター及び瀬戸内海環境保全月間ポ
スターなどを掲示した。 また、河川、海域等の環境の保全に関する標語、川柳を
募集し意識の高揚を図った。
(4) 山口県「身近な環境をきれいにする運動推進要綱」(昭和 57 年 6 月 1 日制定)
この要綱は、県民一人ひとりが身近な環境を美化することについて考え、行動す
る気運を醸成することが重要であるとの認識に基づいて“あたたかいふるさとづく
り”の一環として“生活排水浄化対策”、“空き缶等散在性廃棄物対策”、“近隣騒音
の防止対策”、“環境緑化”、“清掃・美化”の推進を図るために必要な事項を定めて
いる。
(5) 「岩国市身近な環境をきれいにする運動推進要領」(昭和 57 年 7 月 15 日制定)
この要領では、山口県が制定した「身近な環境をきれいにする運動推進要綱」の
主旨に基づいて岩国市における身近な環境をきれいにする運動の総合的な推進を
図るため、関係担当課の役割事項を定めている。
(6) 環境保全啓発資料の一般配布
6 月 5 日に「環境の日」の行事として岩国健康福祉センター、水道局、教育委員
会との共催で「水と環境と私たちの暮らし」と題し、家庭のライフスタイルの見直
おいて講演会「メダカの生態と水環境」、水と環境考える展示、こどもエコクラブ
の壁新聞の掲示等を実施した。
(7) 水辺の教室の開催
水環境を守る運動の一環として、6 月 14 日に川の中に生息する水生昆虫等の生物
を観察することで水質判定することを学ぶ「親と子の水辺の教室」を、錦川錦橋上
流において杭名小学校の児童及び保護者 42 人を対象に開催した。
6 月 5 日 環境の日行事
表2 環境日誌(平成 16 年度)
年 月 期 間 内 容 16 年 4 月 1 日~6/23
14 日 22 日 28 日
航空機騒音調査 (灘小学校)
愛宕山新住宅市街地開発事業環境監視委員会(小郡町) 市町村環境・衛生関係主管課長会議 (山口県庁)
大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄、二酸化窒素濃度) 5 月 7日
10,21 日 12 日 14 日 17~27 日
25 日 28 日 31 日
環境騒音調査 環境騒音調査
中小河川水質調査(15 河川)
山口県瀬戸内海環境保全協会事務担当者会議 (小郡町) 生活環境中の浮遊粉じん調査(5 か所)
山口県合併処理浄化槽普及促進協議会理事会総会(山口市) 山口県瀬戸内海環境保全協会理事会総会 (小郡町)
大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄・二酸化窒素濃度) 6 月 1日
1~30 日 5日 8日 14 日 15 日
新幹線鉄道騒音・振動調査 (御庄)
第 13 回環境月間、瀬戸内海環境保全月間
環境月間行事「水と環境と私たちの暮らし」(岩国市) 廃棄物不法投棄パトロール
「親と子の水辺の教室」(杭名小 錦川錦橋付近) 岩国飛行場環境監視委員会(岩国市)
7 月 1日
1日~9/22 7日 14 日 16 日 30 日
大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄・二酸化窒素濃度) 航空機騒音調査 (大字通津)
錦川水質調査(5 地点)
岩国飛行場藻場・干潟回復調査研究委員会 (広島市) 錦川水系生活排水浄化対策協議会幹事会(岩国市) 大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄・二酸化窒素濃度) 8 月 6日
31 日
錦川水系生活排水浄化対策協議会総会(岩国市) 大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄・二酸化窒素濃度)
9 月 29 日 名水桜井戸観月茶会 (大字通津) 10 月 1日
1日~12/23 5日 15 日 20~21 日
27 日 29 日
大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄・二酸化窒素濃度) 航空機騒音調査 (灘小学校)
地球にやさしい事業活動セミナー (山口市) 岩国飛行場環境監視委員会(岩国市)
公害苦情相談員等中国・四国ブロック会議(松江市) 13 市公害担当部課長会議(小野田市)
大気汚染定期調査
年 月 期 間 内 容 11 月 1日
13 日~12/15 15 日 25 日 25 日 25 日
30 日
ふるさとの川セミナー(山口市) 生活環境中の浮遊粉じん調査 (5 地点)
岩国飛行場藻場・干潟回復調査研究委員会 (広島市) 自動車交通騒音・振動調査
ISO14001 認証取得
快適な環境づくり岩国地区大会(美川市)
(錦川水系水質浄化推進員講習会) 大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄・二酸化窒素濃度) 12 月 25 日~3/31
25 日
航空機騒音調査 (大字通津) 大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄・二酸化窒素濃度) 17 年 1 月 19 日
26 日 31 日
中小河川水質調査(15 河川)
小瀬川水質保全連絡協議会(大竹市) 大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄・二酸化窒素濃度) 2 月 3日
14 日 28 日
錦川水質調査 (5 地点)
岩国飛行場環境監視委員会(岩国市) 大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄・二酸化窒素濃度) 3 月 14 日
31 日
瀬戸内海環境保全協会水質保全研修会(小郡町) 大気汚染定期調査
(降下ばいじん、二酸化硫黄・二酸化窒素濃度)
第2部
公害の現況と講じた施策
平成 17 年度 環境保全川柳入選作品
金賞 植林で山水海を青くする 増田よしえ
銀賞 分別で わたしもできる 自然保護 植野 泰治
生ゴミを 減らす工夫は ママの腕 岡本 茂夫
銅賞 温暖化 2キロ以内は まず歩け 石崎 保
一滴も 出すな流すな汚染水 亀石 章博
リサイクル めんどうがらず 分別を 工藤 均
佳作 洗濯と 植木に生きる 風呂の水 竹重登美子
清い川戻って日高と花筏 大場 孔晶
きれいな川で地球の命守らねば 河口 昌代
ゴミ拾い心も水も澄んでくる 国重 勝彦
資源ゴミ 減らす工夫と 活かす知恵 中村 英和
自然保護 一人一人の思いやり 天羽生恵美子
ゴミ拾い 私もやれる 地球保護 磯村 羊二
青い空澄んだ空には夢がまう 開発 均
澄んだ水 アナタノ済んだ心から 藤井 雅也
平成 17 年度 環境保全川柳入選作品
佳作 汚しません 愛する地球 川や海 山部 幸弘
澄んだ水 豊かな森が作り出す 新田 哲
地区ぐるみ みんなでやるよリサイクル 和泉 房江
澄んだ川 きれいな僕の 愛す町 小田 恭子
海が待つ 緑の森と 清い川 中川 敬
植林が 海を育てる 澄んだ水 広兼 信也
言葉より 自然を守る こころがけ 見木 優二
ありがとう きれいなままの 川や海 酒井 寿富
考えろ 無駄な買い物 ゴミのもと 重中 守
清い川 おいしい水を ありがとう 岡原富美子
海は青 山は緑を いつまでも 岩本 勇人
第 1 章 公 害 の 現 況
第1節 公害問題の背景
1 現 況
本市は、錦川の良質な水を利用して繊維・紙パルプ等の工場が立地し、その後石油精
製・石油化学工場の進出により工業都市として発展してきた。それに伴い深刻化した公
害も各種公害関係法令の整備・規制強化ならびに事業者の努力により大幅に改善してき
た。しかしながら、オキシダント濃度及び一部水域における水質等で未だ環境基準を達
成していない。また、米海兵隊岩国航空基地からの航空機騒音も大きな問題となってい
る。
さらに近年の住宅地域の拡大に伴う生活排水による中小河川の水質汚濁、生活型近隣
騒音等の問題には、都市の過密化、生活水準の向上、社会意識の変化等が背景にあり解
決を困難にしている。
表1 主要工場と公害の種類
地 域 岩 国 ・ 和 木
主 要 工 業 石油精製、石油化学、紙・パルプ、機械、繊維、窯業、電力
公 害 の 種 類 大気汚染、水質汚濁、悪臭、騒音
2 大気汚染
市内においては、二酸化硫黄、一酸化炭素及び二酸化窒素濃度はいずれも環境基準を
満足している。しかしながら、光化学オキシダント濃度は未だ環境基準を満足するに至
っておらず、情報及び注意報の発令回数は昭和 61 年以降漸次減少していたが平成 9 年
以降は増減を繰り返している。また、浮遊粒子状物質濃度は、環境基準の長期的評価は
達成しているが短期的評価を達成していない。
3 水質汚濁
公共用水域の汚濁の主な原因は工場排水及び家庭排水である。
工場・事業場への排水規制は、当水域の環境基準達成のために従来から強化が図られ
てきた。昭和 55 年 7 月からは、COD 環境基準達成の効果的手段として同年 3 月に策定さ
れた総量削減計画(山口県)に沿って総量規制基準が適用され、その後、平成元年度を
目標年度とする第二次総量規制、平成 6 年度を目標年度とする第三次総量規制更に 11
年度を目標年度とする第四次総量規制を実施してきたが、環境基準の達成のためには更
なる規制強化が必要と考えられたため、国は、13 年度において COD に加え窒素・リンを
を定め、COD 等総量削減対策を実施し、汚濁負荷量の減少に努めている。
しかしながら、家庭生活に伴う浄化槽の維持管理等の問題、生活排水による中小河川
の下水化が懸念されている。公共用水域へ流入する家庭排水の汚濁負荷量の削減は急務
であり、現在進められている公共下水道整備の完全実施、浄化槽等の適正管理等、総合
的施策の強化を推進する必要があることから、県は水路、河川、湖沼、沿岸海域その他
の公共水域における水質保全を目的として平成元年 4 月 1 日に「山口県生活雑排水浄化
対策推進要綱」(昭和 56 年 7 月制定)を「山口県生活排水浄化対策推進要綱」として改
正し、これに基づき対策を実施している。
4 騒音・振動
本市における騒音・振動の発生源としては、航空機・新幹線・自動車・建設作業・工
場事業場等が挙げられる。騒音から生活環境を保全するために、環境騒音・新幹線鉄道
騒音・航空機騒音については環境基準が、自動車騒音については要請限度が定められて
いる。
平成 16 年度の一般環境騒音の環境基準達成率は 79%であった。
新幹線鉄道騒音・振動については、JR西日本において、音源対策及び障害防止対策
が進められ、昭和 57 年度中に障害防止対策のほとんどが完了した。
航空機騒音については、「防衛施設周辺の生活環境の整備に関する法律」に基づき住宅
防音工事が引き続き実施されているものの、米海兵隊岩国航空基地による航空機騒音の
苦情は毎年多数発生している。
振動は、苦情発生源が騒音と同一である場合が多い。平成 16 年度は苦情はなかった。
5 悪臭
本市は昭和 52 年 3 月 15 日の悪臭防止法に基づく規制地域指定以降、規制物質の追加
や規制地域の変更に際し、法律に基づき発生源に対する規制の徹底を期してきた。
悪臭発生源のうち、大手工場では防止対策がなされ徐々にその効果が上がってきつつ
あるが、市街地では原因不明の一過性のものや農作業によるもの等対処し難いものもあ
る。
山口県では、人の臭覚を利用する官能試験法の一つである三点比較式臭袋法を取り入
れた「山口県悪臭防止対策指導要綱」を昭和 58 年 6 月 1 日に施行し、現在この方法でも
指導を行っている。平成 16 年度における悪臭苦情件数は 7 件であり、公害苦情の 12.5%
を占めている。近年の悪臭苦情は、特定悪臭物質以外の未規制物質に係る苦情が多く、
その解決は困難を極めている。さらに、住宅地域が市街地郊外へ拡大し、発生源と住居
第2節 公害苦情の発生状況
公害に関する苦情・陳情は、私達が日常生活している生活環境と密接に関係しており、
市内における公害の状況を直接的に表すもので、快適な生活環境を目指す公害行政の方
向を定める重要な因子である。
1 苦情発生件数等の経年変化
平成 16 年度に市が受理した公害に関する苦情の新規受理件数は 56 件で、前年度から
27 件減少した。これは野外焼却に伴う苦情が減ったことによる。
表2 種類別公害苦情件数の推移(前年度からの繰越、移送分を含む)
典 型 7 公 害 種
別 年 度
大気 汚染
水質
汚濁 騒音 振動 悪臭
土壌 汚染
地盤 沈下
その他 計
平成 12 41( 9) 10( 3) 18( 8) 1 8( 2) 25( 5) 103(27)
13 39(13) 16( 7) 18(11) 1 14( 3) 15( 5) 103(39)
14 58( 7) 13( 6) 24(10) 2( 1) 16( 2) 17( 3) 130(29)
15 57( 7) 10( 4) 20(12) 2( 1) 13( 2) 10( 3) 112(29)
16 38( 2) 9( 2) 11( 5) 8( 1) 66(10)
注) ( )内は、前年度からの繰り越し及び移送分で内数
2 用途地域及び被害の種類別苦情発生状況
用途地域別の苦情発生状況は、住居の環境を保護するために定められた住居地域で全
苦情の 62.5%、近隣の住宅地の住民への日用品の供給を行う商業その他の業務の利便を
増進するために定められた近隣商業・商業地域で 14.3%、環境の悪化をもたらすおそれ
のない工業の利便性を増進するために定められた準工業地域で 10.7%、市街化抑制のた
めに定められた市街化調整区域で 7.1%、都市計画区域外で 5.4%の割合となっている。
また、被害の種類別では、感覚的・心理的なものが全苦情の 98.2%と大部分を占めてい
る。
第3節 基地公害
米海兵隊岩国航空基地は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障
条約第六条基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」
により提供されている。
岩国基地に起因する公害(航空機の騒音に関する事項を除く)について、米軍当局の
が実施された。その結果に基づき、大気関係及び水質関係に関する所要の改善措置を要
請したところ、米当局は次のような改善を積極的に進めた。
○ 汚水処理については、門前川への直接流入を避けて酸化池を設置し、これに流入さ
せるようにしていたが、この酸化池に隣接する地区に新たに汚水処理施設を設置する
工事が昭和 56 年度から施工され翌年度に完成した。また、北地区においては、汚水処
理施設が昭和 55 年度に設置された。
○ 愛宕住宅地区の排水処理施設は、昭和 56 年度に改修、58 年度に新たな施設が設置
され、平成 12 年度には(米軍が)一部増設して現在も使用されている。
○ ボイラー施設の低硫黄燃料への切替については、昭和 53 年 10 月から行っている。
基地の航空機による騒音被害は、危険感、威圧感を伴い、被害地域も侵入路となる臨
海部を中心に広範囲にわたっている。特に着艦訓練及び時間外飛行時が問題となってお
り、これらに関しては、あらゆる機会に訓練中止や騒音軽減の要請をしている。
エンジンテスト用減音器(ハッシュハウス)の設置については、平成 16 年度末現在でエ
ンジン単体用、機体用、機体・エンジン用がそれぞれ 1 機の計 3 機が設置されている。
また、岩国基地周辺における航空機騒音の実態を把握するため、市は昭和 51 年1月か
ら川口町1丁目に航空機騒音測定器を設置し監視を始めた。また、昭和 56 年 3 月 26 日
には、山口県、岩国市及び由宇町で、着艦訓練時における騒音等を含め、その実態を把
握し、同地域における騒音対策に資するため岩国基地騒音対策協議会を設置した。平成
16 年度は、山口県(4 台)、岩国市(4 台)、由宇町(4 台)の計 12 台のデジタル騒音計
を使い、常時測定点 9 地点と移動測定点 3 地点の測定を実施した。なお、常時測定点 7
地点(山口県 4 地点、岩国市 2 地点、由宇町 1 地点)はオンライン化されており、情報
の共有が可能となっている。また、自治会等の要望による測定も行っている。
国も「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」に基づき、障害防止工事、防
音工事、民生安定施設等の整備を行っており、昭和 57 年 6 月 28 日、第1種の防音対策
区域を 80WECPNL 以上から 75WECPNL 以上へと拡大した。平成 4 年 3 月 27 日には第1種の
防音対策区域に岩国市南部、由宇町、阿多田島(大竹市)が追加指定され、岩国市の住宅
防音工事対象世帯数は約 13,660 世帯、指定区域の面積は 1,210ha となった。
表3 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律による対策及び措置 公 共 施 設 一 般 住 宅 等
第 1 種区域 (75WECPNL 以上)
第 2 種区域 (90WECPNL 以上)
第 3 種区域 (95WECNP 以上) 学校・病院等の防音
工事の助成・共同
利用施設の助成 住宅の防音工事 建物の移転補償 土地の買い入れ
第 2 章 大 気 汚 染
第1節 大気汚染の現況
大気汚染は主として、各種工場等の固定発生源から排出される硫黄酸化物・窒素酸化
物・ばいじん・粉じん、および自動車等の移動発生源から排出される窒素酸化物・一酸
化炭素・炭化水素・粒子状物質などに起因している。
1 二酸化硫黄による汚染
導電率法による測定結果によると、二酸化硫黄による大気汚染は、昭和 47 年度以降逐
次減少し、昭和 52 年度からすべての測定局において環境基準の長期的評価を満足してお
り、ここ 10 年間は、0.003~0.008 ppm の範囲で横ばいである。また、平成 11 年度から
2 測定点において小型サンプラー法による簡易測定を行っている。
表1 二酸化硫黄濃度経年変化 (単位:ppm) 年 度
地域 測定点 平成 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
和木町 県和木コミュニティセンター 0.008 0.008 0.006 0.007 0.007 0.007 0.003 0.003 0.003 0.003
北
部 県麻里布小学校 0.006 0.007 0.006 0.006 0.006 0.006 0.005 0.005 0.003 0.003
県岩国小学校 0.005 0.006 0.005 0.006 0.005 0.005 0.005 0.004 0.004 0.004
県愛宕小学校 0.006 0.006 0.006 0.005 0.005 0.006 0.003 0.003 0.003 0.003
岩 国
市 南
部
市 灘出張所 0.005 0.006 0.006 0.005 0.005 0.006 0.006 0.005 0.006 0.005
岩国・和木地域平均 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006 0.004 0.004 0.004 0.004
(注) 1. 県は山口県設置分、市は岩国市設置分
2. 和木コミュニティセンターは、和木町公民館から名称変更
3. 麻里布小学校は、平成 16 年 9 月に岩国市役所より移設(表 2,4,5,7~10,12,13 も同様)
表2 二酸化硫黄濃度環境基準適合状況 (平成 16 年度)
有効 測定 日数
測定 時間
年 平均値
1 時間値が 0.1 ppm を超えた時間 数とその割合
日平均値が 0.04 ppm を超 えた日数とそ の割合
1 時間値 の 最高値
日平均値 の2% 除外値
日平均値が 2 日以 上連続で 0.04 ppm を超えた事の有無
市 町 名
観測局名 用 途 地
域 日 時間 ppm 時間 % 日 % ppm ppm 有×・無○
和木町 和 木 コミュニテ
ィ セ ン タ ー 住 362 8,639 0.003 0 0 0 0 0.025 0.006 ○
麻 里 布
小 学 校 商 361 8,604 0.003 0 0 0 0 0.054 0.006 ○
岩 国
小 学 校 住 365 8,719 0.004 0 0 0 0 0.028 0.009 ○
愛 宕
小 学 校 住 362 8,640 0.003 0 0 0 0 0.023 0.005 ○
岩 国 市
灘 出 張 所 近商 361 8,710 0.005 0 0 0 0 0.038 0.009 ○
表3 二酸化硫黄濃度経年変化(小型サンプラー法) (単位:ppm)
測定地点名 平成 12 13 14 15 16
平田供用会館 0.007 0.006 0.006 0.006 0.006 通津小学校 0.006 0.006 0.006 0.006 0.006
2 浮遊粒子状物質等による汚染
(1) 浮遊粒子状物質
浮遊粒子状物質濃度の測定は、昭和 60 年度より県設置 3 局、市設置 3 局において
ベータ線吸収法を用いて開始し、現在は県設置 4 局、市設置 1 局において実施してい
る。昭和 60~平成 16 年度の間は、日平均値の 2%除外値はすべて 0.1 mg/m3以下であ
る。すべての局で長期的評価を達成しているが、一部短期的評価を達成していない。
表4 浮遊粒子状物質濃度経年変化 (単位:mg/m3)
年 度
地域 測定点 10 11 12 13 14 15 16
和木町 県 和木コミュニティセンター 0.029 0.025 0.027 0.030 0.028 0.026 0.026
県 麻 里 布 小 学 校 0.029 0.025 0.030 0.028 0.026 0.031 0.030
県 岩 国 小 学 校 0.031 0.027 0.029 0.028 0.025 0.023 0.024
県 愛 宕 小 学 校 0.034 0.027 0.029 0.032 0.031 0.027 0.027 岩国市
市 灘 0.032 0.026 0.029 0.026 0.023 0.022 0.018 出 張 所
岩国・和木地域平均 0.031 0.026 0.029 0.029 0.027 0.026 0.025
(注) 1 県は山口県設置分、市は岩国市設置分
2 和木コミュニティセンターは、和木町公民館から名称変更
表5 浮遊粒子状物質濃度測定結果(平成 16 年度)
有効 測定 日数
測 定 時 間
年 平 均 値
1 時間 値 の 最高値
1時間値が
0.20 mg/m3
を超えた 時間数
日平均値が
0.10 mg/m3
を超えた 日数
日平均 の 2% 除外値 市
町 名
観測局名 用 途 地
域 日 時間 mg/m3 mg/m3 時間 日 Mg/m3
和木町 和 木 コミュニティ
セ ン タ ー 住 364 8712 0.026 0.192 0 0 0.057
麻里布小学校 商 362 8677 0.030 0.201 1 0 0.069
岩 国 小 学 校 住 365 8721 0.024 0.182 0 0 0.057
愛 宕 小 学 校 住 364 8711 0.027 0.317 2 0 0.062
岩
国
市
灘 出 張 所 近商 361 8711 0.018 0.205 1 0 0.049
(2) 降下ばいじん
現在当市においては 7 地点でデポジットゲージ法により降下ばいじん量の測定を実
施しており、平成 16 年度における平均値 2.19t/km2/月は、最近のデータと比較する
とほぼ横這いを示している。
表6 降下ばいじん量経年変化 (単位:t/km2/月)
年 度
地 域 測 定 地 点
平成 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
小 瀬 小 瀬 小 学 校 1.89 1.53 1.84 1.67 1.81 2.05 1.63 1.40 1.50 1.80
三井石油装束社宅
装 港 小 学 校
2.70 3.88 2.45 4.78 2.45 3.73 2.47 2.81 - 2.80 - 2.90 - 2.18 - 2.12 - 2.06 - 2.67
装 港
平 均 3.29 3.62 3.09 2.64 2.80 2.90 2.18 2.12 2.06 2.67
東 中 学 校
岩 国 市 役 所
3.59 2.85 3.26 2.37 3.31 2.48 3.14 2.38 3.03 2.42 3.22 3.03 2.79 2.26 2.53 2.17 2.45 - 3.13 -
麻里布
平 均 3.18 2.82 2.90 2.76 2.73 3.13 2.53 2.35 2.45 3.13
岩 国 中 央 公 民 館 2.55 2.27 2.31 2.14 2.01 2.59 1.86 1.86 - -
愛 宕 愛 宕 出 張 所 2.54 2.07 2.66 2.27 2.10 2.58 2.19 1.97 - -
平 田 供 用 会 館
灘 小 学 校
2.34 2.74 2.23 2.61 2.45 2.97 2.41 2.72 2.19 2.71 2.84 2.62 1.95 1.75 1.83 1.69 1.95 - 2.43 -
平 田 灘
平 均 2.54 2.42 2.71 2.56 2.45 2.73 1.85 1.76 1.95 2.43
石 井 病 院
御 庄 小 学 校
2.88 1.91 1.88 1.80 1.86 2.10 1.98 2.19 1.97 1.77 2.01 2.24 1.44 1.79 1.44 1.60 1.74 1.98 1.76 1.74
藤 河 御 庄
平 均 2.40 1.84 1.98 2.08 1.87 2.13 1.62 1.52 1.86 1.75
通 津 通 津 小 学 校 2.44 2.26 2.42 2.17 1.98 2.21 1.75 1.88 1.75 1.83
全 市 平 均 2.69 2.47 2.55 2.36 2.25 2.57 1.96 1.86 1.92 2.19
(注) 1 小瀬小学校は、平成 4 年 1 月に測定を開始
2 三井石油装束社宅は、平成 11 年 4 月に廃止
3 岩国市役所、中央公民館、愛宕出張所、灘小学校は平成 15 年 4 月に廃止
3 窒素酸化物による汚染
窒素酸化物濃度の経年変化と月別変化を、表7に示す。窒素酸化物濃度は、最近 10
年間ほぼ横這いとなっている。
平成 16 年度の測定結果を表8、9、10 に示す。環境基準の設定してある二酸化窒素
濃度は全ての観測点において、環境基準値を満足している。
また、平成 11 年度より NG-KN-S 法による簡易測定法を実施し、大気の汚染を監視して
表7 窒素酸化物濃度 (単位:ppm)
市町名 観測局
年 度
項目 平成 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
NO 0.008 0.010 0.010 0.009 0.006 0.006 0.006 0.006 0.007 0.007
NO2 0.016 0.019 0.017 0.017 0.016 0.017 0.017 0.016 0.017 0.016
和 木 町
和木コミュ ニティセンター
NO+NO2 0.024 0.029 0.027 0.025 0.022 0.023 0.023 0.022 0.024 0.023
NO 0.016 0.018 0.017 0.017 0.015 0.014 0.015 0.013 0.013 0.010
NO2 0.020 0.022 0.021 0.022 0.020 0.020 0.022 0.019 0.020 0.020
麻里布 小学校
NO+NO2 0.037 0.041 0.037 0.038 0.035 0.034 0.037 0.032 0.033 0.030
NO 0.008 0.008 0.009 0.008 0.006 0.007 0.007 0.007 0.007 0.007
NO2 0.016 0.018 0.017 0.017 0.017 0.018 0.019 0.014 0.019 0.018
岩 国
市 愛 宕 小学校
NO+NO2 0.024 0.026 0.025 0.025 0.022 0.025 0.026 0.021 0.026 0.025
(山口県調べ)
表8 窒素酸化物濃度測定結果(平成 16 年度)
窒 素 酸 化 物 (NO+NO2)
有 効 測定日数
測 定 時 間
年 平 均 値
1時間値 の最高値
年平均値の比
(NO2/NO+NO2)
市町名 観測局名
用 途 地
域 日 時間 ppm ppm %
和木町 和木コミュニティセンター 住 358 8,588 0.023 0.140 69.9
麻里布小学校 商 361 8,613 0.030 0.182 66.8 岩国市
愛 宕 小 学 校 住 362 8,635 0.025 0.134 72.5 (注) ザルツマン係数は、0.84 (山口県調べ)
表9 二酸化窒素濃度測定結果(平成 16 年度)
有 効 測 定 日 数
測 定 時 間
年 平均値
1 時間 値 の 最高値
1時間値 0.2 ppm
超過
1時間値が 0.1ppm 以上 0.2ppm 以下
日平均値 0.06ppm
超過
日平均値が 0.04 ppm 以上 0.06 ppm 以下
日平均値の 年 間 98% 値
市 町 名
観 測 局 名
用 途 地
域 日 時間 ppm ppm 時間 % 時間 % 日 % 日 % ppm
和 木
町 和木コミュニティセンター住 358 8,588 0.016 0.079 0 0 0 0 0 0 0 0 0.030 麻 里 布 小 学 校 商 361 8,613 0.020 0.076 0 0 0 0 0 0 1 0.3 0.035
岩 国
市 愛 宕 小 学 校 住 362 8,635 0.018 0.062 0 0 0 0 0 0 1 0.3 0.032 (注) 1. ザルツマン係数は、0.84 (山口県調べ)
2. 表中の割合の単位は%
表 10 一酸化窒素濃度測定結果(平成 16 度) 有 効
測定日数
測 定 時 間
年 平 均 値
1時間値の 最 高 値 市町名 観 測 局 名 用途
地域
日 時間 ppm ppm
和木町 和木コミュニティセンター 住 358 8,588 0.007 0.098
麻 里 布 小 学 校 商 361 8,613 0.010 0.136 岩国市
表 11 二酸化窒素濃度(NG-KN-S 法)経年変化 (単位:ppm)
用途地域 測 定 地 点 名 平成 12 13 14 15 16
中 央 公 民 館 0.015 0.013 0.013 0.013 0.013 御 庄 小 学 校 0.013 0.012 0.012 0.011 0.012 平 田 供 用 会 館 0.015 0.015 0.013 0.013 0.014 愛 宕 出 張 所 0.018 0.017 0.016 0.016 0.016 灘 小 学 校 0.012 0.011 0.009 0.010 0.010 通 津 小 学 校 0.010 0.009 0.008 0.008 0.009
住 居
平 均 0.014 0.013 0.012 0.012 0.012 装 港 小 学 校 0.021 0.019 0.017 0.018 0.019 東 中 学 校 0.019 0.019 0.016 0.017 0.018
商 業
平 均 0.020 0.019 0.017 0.018 0.019 準 工 業 石 井 病 院 0.013 0.012 0.011 0.011 0.011 小 瀬 小 学 校 0.015 0.014 0.013 0.013 0.014 杭 名 小 学 校 0.010 0.009 0.009 0.008 0.009 区 域 外
平 均 0.012 0.011 0.011 0.011 0.012 全 平 均 0.015 0.014 0.012 0.013 0.013
4 光化学オキシダントによる汚染
当地域にはオキシダント観測局が 3 ヶ所あり、各観測点における光化学オキシダント
濃度の経年変化を表 12 に示す。いずれの観測局も環境基準に適合していない。
表 12 光化学オキシダント濃度経年変化 (単位: ppm)
市町名 年 度
観測局名 平成 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
和木町 和木 コ ミュ ニ ティ セ ン ター 0.043 0.041 0.045 0.046 0.040 0.043 0.039 0.039 0.051 0.054 麻 里 布 小 学 校 0.035 0.037 0.038 0.042 0.041 0.051 0.047 0.049 0.049 0.053 岩国市
愛 宕 学 校 0.046 0.042 0.046 0.049 0.042 0.052 0.049 0.051 0.052 0.055
(注) 1. 昼間の日最高1時間値の年平均値 (山口県調べ)
2. 和木コミュニティセンターは、和木町公民館から改称
表 13 光化学オキシダント濃度測定結果(平成 16 年度)
昼 間 測 定 日 数
昼 間 測 定 時 間
昼 間 の 1 時間値の
年平均値
昼間の 1時間値が 0.06 ppm 超過
昼間の 1 時間 値が 0.12ppm
超過
昼間の 1 時間値の
最高値
昼間の日最高 1 時間値の 年間平均値 市
町 名
観 測 局 名 用 途 地
域 日 時間 ppm 日数 時間 日数 時間 ppm ppm
和木町 和 木 コ ミ ュ ニ テ ィ
セ ン タ ー 住 365 5,417 0.033 121 602 2 3 0.123 0.054
麻 里 布 小 学 校 商 364 5,380 0.032 117 556 3 4 0.125 0.053
岩国市
愛 宕 小 学 校 住 365 5,416 0.034 127 653 2 3 0.125 0.055
(注) 1. 昼間とは 5 時~20 時までの時間帯をいい、1 時間値は 6 時~20 時まで得られる
5 大気汚染注意報、警報の発令状況
(1) 硫黄酸化物の発令状況
当地域(和木・岩国北部、岩国南部)では、硫黄酸化物濃度の高濃度が継続すること
は少なく、昭和 47 年 6 月に 1 度注意報が発令されただけで、以後 1 回も発令されて
いない。
(2) 光化学オキシダントの発令状況
和木・岩国地域は広島県の大竹地域に隣接しているため、広島・山口両県で協力し、
昭和 50 年度から緊急時の発令及びその措置を双方の要請に基づいて実施してきた。
しかし、その後双方協議のうえ、昭和 55 年度から、要請に基づく対応は、警報等の
発令をすることなく関係工場に対する措置のみを行うこととなった。
情報及び注意報の発令回数は、昭和 61 年以降漸次減少していたが、平成 9 年以降
は増減を繰り返している。
表 14 光化学オキシダントに係わる情報・注意報発令状況の経年変化
年 平成 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
区
分
注 意 報
情
報 注 意 報
情
報 注 意 報
情
報 注 意 報
情
報 注 意 報
情
報 注 意 報
情
報 注 意 報
情
報 注 意 報
情
報 注 意 報
情
報 注 意 報
情
報 岩国北部
和 木 0 4 0
11
(2) 1
18
(4) 0
11
(2) 5 9 0 2 3 8 0 4 3 6 0 10
岩国南部 0 1 0 7
(2) 0
15
(5) 0 3 2 9 0 1 3 8 0 4 1 6 0 6
(注) 1. 毎年 4 月 1 日~10 月 31 日の期間の発令状況
2. 昭和 51 年~平成 17 年まで、警報(0.40 ppm 以上)の発令なし
3. 情報欄の( )内は、第二情報発令回数で、情報発令回数の内数
4. 平成 12 年より第一情報(0.08ppm~0.10ppm)は廃止し、第二情報(0.10ppm
~0.12ppm)は情報に変更
第2節 大気汚染防止対策
1 排出規制
(1) 大気汚染防止法による規制
大気汚染防止法に基づき、ばい煙(硫黄酸化物、ばいじん、有害物質)を排出
する施設に対しては排出規制があり、鉱物または土石の堆積場等粉じんを発生する施
設に対しては飛散防止のため、施設の構造等が規制されている。
ア ばい煙の排出規制
硫黄酸化物については、排出口の高さに応じて排出量の許容限度を定めるK値規
制方式が採られている。このK値は表 15 に示すように年々強化され、昭和 51 年 9
月に環境基準達成のために必要な最終改正が行われた。
表 15 岩国・和木地域における大気汚染防止法K値の推移
告示年月日 昭和 47.1.15 48.1.1 49.4.1 50.4.15 51.9.28
K 値 11.7 9.34 6.42 (2.34) 4.67 (2.34) 3.5 (2.34)
(注)( )内は特別排出基準値で、新たに設置する施設に適用される
さらに、53 年 4 月には、K値規制のみでは環境基準の達成が困難であるとして、
硫黄酸化物総量規制基準が導入された。これは、工場・事業場単位で規制を行うも
ので、地域の硫黄酸化物排出許容量を汚染予測手法を用いて算定し、環境基準の達
成と確保を合理的かつ計画的に行うものである。また、これと同時に、燃料使用基
準が制定され、総量規制基準の適用されない工場・事業場に対し適用された。これ
らの概要を表 16 に示す。
表 16 大気汚染防止法に基づく硫黄酸化物総量規制等の概要
(平成 17 年 3 月 31 日現在) 項目 指 定 地 域 岩国・和木地域
適 用 規 模 燃料使用量(定格)が 1.0 kl/h 以上の工場等 基 既 設 Q = 4.00 W 0.85
準 新 設 Q = 4.00 W 0.85 + 0.3 × 4.00 [ (W + Wi) 0.85 - W 0.85 ]
総 量 規
制 対 象 工 場 13
適 用 規 模 燃料使用量(定格)が 0.1 kl/h 以上、1.0 kl/h 未満の工場等 基 準 硫黄分 1.2%以下
燃料 規制
対象事業場数 26
備
考
Q は、排出が許可される硫黄酸化物の量(Nm3/h)
W は、 既設施設を定格能力で運転する 場合 に使用される原料 及び 燃料量 (kl/h)
Wi は、新設施設を定格能力で運転する場合に使用される原料及び燃料量 (kl/h)
ばいじんについては、昭和 57 年 5 月に下記事項をねらいとして排出基準が強化さ
れた。
・ばいじんの排出防除技術の進歩への対応
・諸外国の規制レベルとの対応
・エネルギー情勢の変化への対応
そしてその改定概要は、
・ 規制対象施設の追加
・ 石炭ボイラーの基準値を石油ボイラー並に強化
・ 基準値を現行の 1/2 程度に強化
・ 標準酸素濃度補正方式の導入
等である。
有害物質のうち窒素酸化物については、昭和 48 年 8 月、大型ボイラー、大型加熱
炉等を対象として第一次規制が行われ、50 年 12 月に第二次規制、52 年 6 月に第三
次規制、54 年 8 月に第四次規制、そして 58 年 9 月には第五次規制が施行され、固
体燃焼ボイラー排出基準の強化、対象施設の拡大等の規制の強化が図られた。
また、従来規制対象外であった伝熱面積 10 m2未満の小型ボイラーのうち、重油
換算 50 ㍑/h 以上のボイラーに関する規制が 60 年 9 月から実施され、既設の小型
ボイラーについては、62 年 9 月より燃料使用基準が適用されることになった。
イ 粉じん
粉じんの規制は、粉じん発生施設の構造、使用及び管理に関する基準が定められ
ており、これに基づき粉じんが飛散しないようにされている。
また、特定粉じんについては、特定粉じん発生施設を設置する工場・事業場の敷
地境界線において、石綿の大気中の許容濃度が 10 f / l 以下と定められている。
ウ 緊急時における措置
大気中の硫黄酸化物濃度及びオキシダント濃度が一定以上になると、山口県大気
汚染緊急時措置要綱」に基づき必要な措置が講じられている。
(2) 山口県公害防止条例による規制
指定工場と特定施設にわけて規制されている。
指定工場とは一定規模以上の工場・事業場で、工場・事業場全体として規制がかけ
られている。設置・変更には許可が必要で、事前に厳しくチェックされている。
特定施設については、法で規制のかかっていないばい煙を排出する施設に対して、
法と同等の規制基準がかけられている。また、粉じんを発生する施設についても、そ
れが飛散しないよう構造、使用及び管理の基準が法と同様にかけられている。
2 大気汚染等の調査
県では自動測定機による常時監視以外に広範囲で詳細な調査を行っている。市におい
ても大気汚染の状況を的確に把握し被害を未然に防止する為、ハイボリウム・エアー・
サンプラーを用いて大気中の粉じんをろ紙上に捕集し、含有金属成分等の測定を実施し
3 光化学オキシダント
(1) 光化学オキシダント発生時の気候
オキシダント濃度は、13 時から 15 時にかけてピークを示すことが多く、温度変化
のパターンと類似している。夜間は二酸化窒素より一酸化窒素の濃度の方が高くなり、
朝方二酸化窒素が高くなってくると、それから 4~5 時間後にオキシダント濃度が高
くなることが多い。
気象条件としては、
・気圧傾度が緩く弱風であるとき
・日射があるかまたは曇天であるとき
・逆転層が存在するとき
・ 気温が 20 度以上であるとき
等が挙げられる。
(2) 光化学オキシダント対策
オキシダントは一次汚染物質である窒素酸化物と炭化水素が紫外線を受けて反応
し生成するとされている。このうち炭化水素については非メタン系炭化水素が関与し
ていることが調査で明らかにされ、昭和 51 年 8 月の中央公害対策審議会では、光化
学オキシダント生成防止には、6~9 時の 3 時間平均値で 0.20~0.31 ppmC(メタン換
算)の範囲以下であることが必要の旨答申された。これを受け、炭化水素のうち非メ
タン系炭化水素の環境基準の設定が検討されている。
4 自動車排ガス
自動車排ガスによる大気汚染は深刻であり、早急な対策が求められているところであ
るが、自動車保有台数の増加などにより依然厳しい状況にある。
その対策として国では、昭和 48 年以降、大気汚染防止法に基づく規制を逐次強化し、
平成 15 年 6 月には二輪車及び特殊自動車の規制強化に関する第六次答申が、平成 15 年
7 月には燃料品質規制の強化に関する第七次答申が取りまとめられている。
5 監視測定体制
(1) 立入調査
山口県では大気汚染防止法により昭和 53 年 4 月 1 日より硫黄酸化物総量規制が実
施され、硫黄酸化物総量規制基準適用企業に対する総量チェックが、毎年実施されて
いる。
岩国市でも主要工場(協定締結工場)を対象に、ばい煙の立入調査を行い、協定値
表 17 硫黄酸化物総量調査の結果(平成 16 年度)
調 査 対 象 工 場 調 査 件 数 適 合 件 数 適 合 率 (%)
5 5 5 100
(岩国地域)
(2) 環境調査
本市の環境監視は、県および市により行われている。県は、市内 3 ヶ所に自動測定
機を設置し、測定データはテレメーターにより、県の中央監視局に常時送られている。
市においても市内 1 ヶ所に自動測定機を設置し、見回りによる監視を行っている。観
測地点は、昭和 54 年に中国電力(株)岩国発電所の 3 号機増設にともない 2 観測局が
増えたが、60 年度に 2 局、平成 10 年度に 2 局が廃止され、現在では 5 ヶ所(和木 1
ヶ所を含む)において SO2等の測定が行われている。
なお、これ以外にも市内 11 地点において NG-KN-S 法により二酸化窒素濃度を、又
小型サンプラー法により二酸化硫黄濃度を行うとともに、7 地点においてデポジット
ゲージ法により降下ばいじん量を測定している。
また、監視測定分担を表 18 に、自動測定機の設置位置および NG-KN-S 法による二
酸化窒素濃度、小型サンプラー法による二酸化硫黄濃度、デポジットゲージ法による
降下ばいじんの測定地点を、図1、図2にそれぞれ示す。
表 18 監視測定分担 (平成 17 年 3 月 31 日現在) 測 定 者
項 目 岩国市測定分 山口県測定分 計
NO2 11 11
SO2 2 2
降下ばいじん量 7 7
自 動 記 録 計
SO2
浮遊粒子状物質 NOx(NO2,NO)
CO Ox HC
1 1
4(1) 4(1) 3(1)
1 3(1)
1
5(1) 5(1) 3(1)
1 3(1)
1 気
象
風 向 ・ 風 速 温 度 ・ 湿 度 日 射 量
1 4(1)
2(1) 2(1)
5(1) 2(1) 2(1)