半没水型双胴船というユニークな形の船体は、波による揺れを少なくする特徴を持っています。 そのため、地震観測や海底地形図の作成など精密な調査を得意としています。
また、テニスコートほどの広い甲板にはさまざま調査機器を搭載することができ、保守や点検などを行ってい ます。また、得られたデータの分析などを行うことができる実験室などもあり、さまざまな海洋の調査、研究に 対応しています。
海洋調査船
「かいよう」
海底下の構造を調べる
「かいよう」はマルチチャンネル反射法探査システムを装備して います。音波を発振するエアガンを用い、「かいよう」が曳航する ストリーマーケーブルで海底からの反射波を受波し、海底下深 部の構造を解析するシステムです。これにより、海底地震計を用 いた地震波構造探査(屈折法)とともに、反射法による探査も可 能で、地震研究をはじめ深海掘削のための事前調査などで大き な貢献を果たしています。
ユ
ニ
ー
ク
な
形
、
揺
れ
の
少
な
い
船
体
気象衛星 航法衛星
海事衛星
かいよう
トライトンブイ
ディープ・トウ
エァガン ストリーマー ケーブル
海底地震計(OBS) マルチナロービーム
音響測深機
「かいよう」船上の設置前の海底地震計
探査システムでとらえた南海トラフの海山の沈み込みの様子
探査システムの原理 反射波 堆積層
上部地殻 下部地殻 上部マントル
屈折波
断
層
海底地震計
ストリーマケーブル
エアガン
5km 10km 15km 20km
50km 100km 150km 25km
30km 深度
距離 0
付加堆積物 南海トラフ 島弧地殻
沈み込んだ海山
1985年海中居住実験「ニューシートピア計画」の時に海中作業実験船 としてつくられた「かいよう」は独特の船体で船の揺れをおさえ、GPS や2基の主推進器に加え8基のスラスタを用いて船位を一定に保つ自 動船位保持装置で船の位置を保ち、正確な観測ができます。この他に も、曳航式深海底調査システム「ディープ・トウ」による深海調査、マル チナロービーム音響測深装置による精密地形調査、さらには海洋レー ザーや音響トモグラフィーなどの観測機器・技術の開発や試験、生物資 源調査など、「かいよう」はさまざまな研究に活用されてきています。
2つに分かれた船底が精密な調査を可能に
曳航式とは船で引っ張りながら進むことです。推進装置のない分シンプルな構造を持つ「ディー プ・トウ」は運用しやすく、広い海域を調査するのに適しています。カメラやソーナー(音波をつ かってものを探査する装置)を搭載し、海底の調査を行います。
曳航式深海探査システム「ディープ・トウ」 「ニューシートピア計画」(1985∼1990)
300mの海底に初めて降り立つダイバー、上方に「かいよう」から降ろさ れた水中エレベータが見えます。
広 い 甲 板 ユ ニ ー ク な 船 体
船首、船尾に設けられた8つのスラスターの操作板
主
要
目
竣 工 1985年
全 長 61.5m
幅 28.0m
深 さ 10.6m
喫 水 6.3m
国際総トン数 3,350トン
航海速力 約13ノット
航続距離 約6,200マイル
定 員 60名(乗組員29名、研究者等31名)
主発電機関 ディーゼル機関 1,250kw×4基
主推進機関 誘導電動機 860kw×4基
主推進方式 可変ピッチプロペラ×2軸