平成25年度卒業論文
「浪人なる人」
所属ゼミ 村沢ゼミ 学籍番号 1100401107 氏名 中司 雄也
大阪府立大学
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要約
どのような人が浪人するのか。浪人とは希望する大学に入学するために、1 年もしくはそ れ以上の時間を費やすことである。浪人することで費用がかかる。また、社会人になるの が遅れ、稼ぐことのできた所得を失うことになる。こうしたデメリットがあるのにも関わ らずなぜ浪人するのか。それは高学歴志向が関連していると推測する。
中村(2008)によると、「高学歴志向は、基本的に年齢を重ねるにしたがって高まって いく(女性では 30~40 代の子育て期の年齢層でさらに高まる)年齢効果を基礎としなが ら、1995 年からの 10 年間の雇用情勢の厳しさもあって、男性の中高年以下の働きざか りの年齢層を中心に高学歴志向の時代的上方シフトの兆候が見られた。」である。本稿で は高学歴志向と浪人との関連性を分析する。また、浪人と現役合格者の所得を比較して浪 人の価値を明らかにしていく。
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目次
第 1 章 はじめに ... 4
第 2 章 先行研究 ... 5
第 3 章 データ 1.SSM ... 6
2分析………..…….7
3.結果……….…..9
結論/論議(現在仮説段階)...10
謝辞 ... 11
参考文献 ... 12
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第1章 はじめに
どのような人が浪人するのか。浪人とは希望する大学に入学するために、1 年もしくはそ れ以上の時間を費やすことである。浪人することで費用がかかる。また、社会人になるの が遅れ、稼ぐことのできた所得を失うことになる。こうしたデメリットがあるのにも関わ らずなぜ浪人するのか。それは高学歴志向が関連していると推測する。
中村(2008)によると、「高学歴志向は、基本的に年齢を重ねるにしたがって高まって いく(女性では 30~40 代の子育て期の年齢層でさらに高まる)年齢効果を基礎としなが ら、1995 年からの 10 年間の雇用情勢の厳しさもあって、男性の中高年以下の働きざか りの年齢層を中心に高学歴志向の時代的上方シフトの兆候が見られた。」である。本稿で は高学歴志向と浪人との関連性を分析する。また、現役合格者と比較する。
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第2章 先行研究
中村(2008)では 1995 年 SSM 調査データ(A 票・B 票を両方使用)および 2005 年 SSM日本調査データ(留置 A 票・留置 B 票を両方使用)を用い、高学歴志向の趨勢に焦 点を絞って分析してある。本稿では高学歴志向と浪人との関連性を分析する。また、浪人 と現役合格者の所得を比較して浪人の価値を明らかにしていく。
以下は中村(2008)から引用した高学歴志向の人物である。
「高学歴志向は、基本的に年齢を重ねるにしたがって高まっていく(女性では 30~40 代 の子育て期の年齢層でさらに高まる)年齢効果を基礎としながら、 1995 年からの 10 年 間の雇用情勢の厳しさもあって、男性の中高年以下の働きざかりの年齢層を中心に高学歴 志向の時代的上方シフトの兆候が見られた。一方で、男女ともに最高年齢層では、団塊世 代の影響もあって高い高学歴志向が格差なく広がっている様子が見られ、また女性の若年 層では従来にもまして高学歴志向を持たない世代の参入が観察された。階層の効果という 点では、男性の中高年層及び女性の全年齢層において時代的な格差拡大傾向が見られ た。」
中村(2008)は上記のように結論付けられている。この研究を参考にして、浪人と高学 歴志向の関連性を分析する。また、現役合格者と比較する。
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第 3 章 データ 1.SSM
社会階層と社会移動全国調査,別名 SSM(Social Stratification and Social Mobility) 調査は,日本で最も伝統のある大規模な社会調査の一つで,1955 年の第 1 回調査(日本 社会学会による)以来 10 年ごとに実施されている。
今回の 2005 年調査は第 6 回にあたり,2005 年 SSM 調査研究会により実施されたも のである。
終身雇用制の崩壊,フリーターの増加,パート・アルバイトの増加など,労働市場の流 動化が指摘されるなか,今回の調査では,流動性と階層・不平等の関係を解明することを 目指している。また,流動性の高まりという時代背景のなかで,人びとがどのようなキャ リア(職業経歴)をたどるのか,そして自身のキャリアをどのように考えるのか,といっ たキャリアをめぐる問題群の解明も主要なねらいとなっている。
また,今回の調査では,日本・韓国・台湾,さらに質問によっては欧米との確かな比較 をするための調査設計がなされており,国際比較調査として発展させたものとなっている。
調査票は面接票と留置票に分かれており,留置票には A 票と B 票の 2 種類がある。 調査対象は、2005 年 9 月 30 日現在満 20 歳~69 歳の男女。
調査は面接法と留置法を組み合わせて行う。留置法とは、調査者が質問票を持って、回答 者を訪ね、調査の目的・趣旨・記入の方法などを説明し、回答を記入しておいてもらう方 法である。面接調査票には枝分かれの多い設問など回答が複雑な設問を組み込み、留置調 査票には回答が容易な設問やプライバシーへの配慮が強く求められる設問を組み込んでい る。
今回の分析では中村(2008)と同じデータを用いるため、2005 年 SSM 日本調査データ
(留置 A 票・留置 B 票を両方使用)を使用する。分析結果に間違った影響を与えるので
「回答したくない」「わからない」「無回答」は除いてある。
6 分析
質問内容「子供には出来るだけ高い教育をしたほうが良いか」
回答内訳(全体)
回答 回答人数(人) 割合(%)
1.そう思う 495 18
2.どちらかとそう思う 1065 39
3.どちらかとそう思わな
い
610 23
4.そうは思わない 538 20
合計 2708 100
現役合格者 364 浪人 149
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Model 1: OLS, using observations 1-2708
Dependent variable: education
Coefficient Std. Error t-ratio p-value
const 2.46333 0.021023 117.1732 <0.00001 ***
not_rounin 0.495465 0.0557414 8.8886 <0.00001 ***
rounin 0.550097 0.0833833 6.5972 <0.00001 ***
Mean dependent var 2.560192 S.D. dependent var 1.004826
Sum squared resid 2624.153 S.E. of regression 0.984943
R-squared 0.039893 Adjusted R-squared 0.039183
F(2, 2705) 56.19762 P-value(F) 1.22e-24
Log-likelihood -3799.899 Akaike criterion 7605.798
Schwarz criterion 7623.510 Hannan-Quinn 7612.203
被説明変数 高学歴志向
説明変数 大学入学時年齢 現役合格ダミー 浪人ダミー
8 結果
現役合格者も浪人も高学歴志向と関連性がある。
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結論/論議(現在仮説段階)
高学歴志向ほど浪人する確率が高くなる。以上のように推測する。
現段階では高学歴志向ほど浪人になるとは言い切れない。 今回の質問項目は親の立場の質問なので、再検討していきたい。 また、説明変数を増やしていきたい。
質問内容「学歴の不公正は感じるか」、「どんな学校をでたかによって人生がほとんどが 決まってしまう」、「自分は社会ではどのくらいの立ち位置か」、「受けとっていいと思 う所得」
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謝辞
社会階層と社会移動全国調査,別名 SSM(Social Stratification and Social Mobility) 調査は,日本で最も伝統のある大規模な社会調査の一つで,1955 年の第 1 回調査(日本 社会学会による)以来 10 年ごとに実施されている。
今回の 2005 年調査は第 6 回にあたり,2005 年 SSM 調査研究会により実施されたも のである。
終身雇用制の崩壊,フリーターの増加,パート・アルバイトの増加など,労働市場の流 動化が指摘されるなか,今回の調査では,流動性と階層・不平等の関係を解明することを 目指している。また,流動性の高まりという時代背景のなかで,人びとがどのようなキャ リア(職業経歴)をたどるのか,そして自身のキャリアをどのように考えるのか,といっ たキャリアをめぐる問題群の解明も主要なねらいとなっている。
また,今回の調査では,日本・韓国・台湾,さらに質問によっては欧米との確かな比較 をするための調査設計がなされており,国際比較調査として発展させたものとなっている。 調査票は面接票と留置票に分かれており,留置票には A 票と B 票の 2 種類がある。
11 参考文献
中村高康「階層社会の中の教育現象」2005年 SSM 調査シリーズ(研究成果報告書 集)(2008 年)
SSM調査データ
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