4コマで分かるミクロな生活
マイクロコント 第3話 春が来た 原作:早川(芝野)郁美
絵:早川昌志
∼原生動物も恋をする(?)∼
原生動物だって(きっと)恋がしたい。それ には相手が必要だ。ヒトに男と女がいるよう に、彼らにも性別(タイプ)が存在する(※1)。 タイプの数は「オス」「メス」のような2つだ けとは限らない。4つだったり、時には10以 上だったりと、原生動物はやっぱり多様なので ある。いずれにしても、「ふさわしい相手」と 出会えれば、めでたく独身生活を卒業し、接合 を達成して次世代になる。
接合を見守る研究者は、言ってみれば仲人の ような存在だが、実は裏では別の目的があるか もしれない。例えば、ゾウリムシをいくらジロ ジロ見たところで、それが「オス」にあたるタ イプなのか「メス」あたるタイプなのかは分か らない。そこで、「オス」と接合すれば「メ ス」。「メス」と接合すれば「オス」。という 風に、お見合いをさせてみるわけだ(※2)。 彼らにしてみれば、人生(細胞生?)のかか った一大イベント。それが単に「タイプの確 認」に使われたと知ったなら、ゾウリムシだっ てせつない気持ちになるのだろか。
※1) 性別の存在が確認されていない種も多くあります。
※2) これは性別が二つとわかっている場合。性別がもっと 多い場合は、もっとたくさんの組み合わせを試して判定し ます。また、実際は、原生動物ではオス・メスとは言わ ず、タイプ1とか、タイプAとか言います。