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第3部 senshuasiasme M03 s 3

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はじめに

中国において「中小企業」向けの政策が多く打ち 出されるようになったのは,1990年代末からであっ た。アジアNIESのうち,財閥・大企業体制で発展 してきた韓国の経済がアジア通貨危機で著しいダメ ージを受け,中小企業が発展した台湾・香港・シン ガポールとの間にパフォーマンスの差異がみられた ことが,中国が中小企業の役割を認識するに至った 一つの要因だといわれる1。

たしかに中国では1998年に中小企業専門の初めて の役所「中小企業司」が設置され2,2002年に日本 の中小企業基本法に相当する「中小企業促進法」が 成立(03年施行),2003年には簡素化された企業規 模区分が公表されており3(第1章参照),中国にお ける中小企業振興は,この10年ほどの出来事のよう に思われる。実際,中国中小企業協会・南開大学中 小企業研究中心の『中国中小企業藍皮書―現状與政 策(2007-2008)』(中国発展出版社,2008年が一覧 にまとめた中小企業政策の変遷(表1)をみると, 小企業ないし中小企業という概念での政策が多く出 るようになったのは1990年代末からである。

しかし,実際には中国では建国以来,一貫して中 小企業を必要としてきた。にもかかわらず,このよ うに映るのは,体制移行国の事情を反映した,それ までにはなかった含意が中小企業重視に存在するか らである。

すなわちそれは,近年の中小企業重視が実質的に は非公有制企業重視であることであり,対外開放と

市場経済化の環境の下で,憲法の制約を受けつつも, 中小企業≒非公有制企業,なかでも地場のそれが, 雇用創出と技術発展を含む経済成長の担い手として 位置付けられていることである。

第1節 「新生事物」ではない中小企業

新中国が成立した時,中国経済の起点はあまりに 低く,むしろそうであるがゆえに,より野心的な経 済成長が志向された。このため計画経済が本来的に は想定していなかった農村での工業生産が必要とさ れ,人民公社には農業生産財関連の中小工場が併設 された。この点で,同じ社会主義計画経済でも,都 市工業が農業生産財を農村へ供給し,農村は農業に 専念できた旧ソ連とは大きく異なっていた。また, 戦争に備えて人民公社を単位とする地域完結型の生 産体系が意図的に形成されたことも,農村の中小企 業が計画経済期から多く存在した背景にあった。

こうした国民経済の戦略的理由により,中国では 計画経済期から中小企業が一定の発展を遂げただけ でなく,政治的混乱で計画経済が麻痺した際に,都 市部では公有制の一形態である集団所有制の中小規 模の経営体が設立されたり,農村では中小工場が生 産を伸ばしたりして結果的に国民経済を支えた。そ れゆえ計画経済から市場経済への分岐となる1978年 時点でも,当時の基準で工業企業数の99.6%,工業 生産額の4分の3を中小企業が占めてきた4。

第10章 中小企業政策の展開

(2)

−160−

表1 中国の中小企業政策の変遷

(3)

第2節 農村中小企業振興の意味

旧ソ連のように都市工業が農業生産財を十分供給 できなかったことは,後に却って幸いする。農村中 小工業の発展が,旧ソ連のような急進的な体制移行 とは異なる選択を可能にしたのである。

1980年代には,財源を自ら確保しなければ公共サ ービスが供給できない農村末端の自治体が活発に中 小規模の公有制事業体を興し,農村部の雇用創出, 所得の向上や中国の市場経済形成に貢献した。「郷

鎮企業」5とよばれるこの事業体は,国有企業の下

請けに従事したり,国有企業の進出が薄い業種,国 有企業と競合する領域(たとえば繊維産業等)に進 出したりして発展し,農村の産業構造を変え,かつ 国民経済の資本蓄積メカニズムを変えていった。さ らに,80年代後半から中国が国家戦略として労働集 約型委託加工で国際へ参画し始めた際,郷鎮企業は その中心的役割を与えられ,輸出生産の担い手とな った(沿海地区経済発展戦略)。

第3節 非公有制(≒非公有制)経済の容認から 中小企業振興へ

1.イデオロギーの後退

毛沢東時代には,労働力をひたすら投入すること で先進諸国への急速なキャッチアップを目指し,人 口増加策がとられたため,1970年代末の改革開放へ の政策変更の時期までに,雇用問題はすでに深刻な 状態になっていた。それに加えて70年代末からの諸 改革措置のうち,農業請負制導入はさらに大量の余 剰労働力を顕在化させ,また,企業自主権拡大は雇 用の抑制に作用し,農村に下放されていた若者の都 市帰還もあいまって,都市部で「職待ち(待業)青 年」の発生が社会的な問題となった。農村では上記 のように公有制事業体の振興も図られたが,都市・ 農村の雇用創出のために共産党はイデオロギーを後 退させ,非公有制企業を容認していった。

2.雇用創出と市場経済の担い手の交代

1990年代初頭に中国は自らの体制を「社会主義市 場経済」と称し,市場経済化を加速した。90年前半 になると,非国有企業との競争に直面した繊維産業 や,戦時体制から平時体制への転換と,経済成長に 伴う産業構造の変化という二つの構造変化に直面し た重工業部門の大型国有企業は,大量のリストラを

余儀なくされた6。90年代後半の新規雇用はもっぱ

ら非国有企業,とりわけ個人・私営企業,外資系企 業によって創出されている。国有企業改革が加速し た1990年代の数字を確認しておくと,1990年から99 年までの雇用数の伸び率は,国有企業がマイナス 2%であるのに対し,個人経営はプラス13%,私営 企業の伸びはプラス32%と非常に高く,これらは, 外資系企業のプラス28%とともに,90年代の主要な

雇用吸収源になっていることがわかる7。

1990年代半ばに,「売り手市場」から「買い手市 場」に転換すると,競争的な産業では需要発見と迅 速対応への能力と効率的経営の組織編成能力に優れ る非公有制企業が,公有制企業に対し優位性をもつ ようになった。地域開発のため活発に設立された地 方の国有中小企業や,農村の公有制郷鎮企業も不振 に陥っていた。1995年には中央政府は「大企業を掴 み,小企業を放つ」策を提起し,事実上,中小国有 企業の売却,非公有制化を容認した。また,公有制 郷鎮企業の民営化も進展した。

過去においては経済過熱が発生すると,国有企業 以外の企業の経営活動を抑制し,これらを「調節弁」 としてきたが,1990年代半ばを境に状況は大きく変 わり,雇用創出の担い手や,ビジネスチャンスに挑 む市場経済の担い手の役割を非公有制企業群に依存 せざるをえなくなった。そこで,1997年の党大会の 決定,99年の国会(全国人民代表大会)での憲法改 定を経て,非公有制企業は公有制と同等の待遇に引 き上げられた。

3.公有制主体の制約下での非公有制・非公有制企 業発展促進

(4)

産手段の公有制にあるとされ,公有制を主体とする 経済制度の堅持が謳われている(憲法第6条)。 1990年代末の中小企業振興の開始は,中小企業の大 部分が非公有制企業である事実(逆に非公有制企業 の大部分が中小企業である事実)にもとづき,イデ オロギー論争を避けつつ,「中小企業」の名の下に 非公有制企業の発展を促進するものであったといっ てもよい。旧区分にもとづく98年の工業企業の数字 でみると,中小企業のうち4分の3は個人・私営企 業で,中小企業は工業部門では主に労働集約型・消 費財生産部門に多いが,このような業種構成は私営

企業のそれとも重なっていたのである8

中国における中小企業のこうした特徴は,主管部 門である中小企業司のなかに「非国有経済処」が 2003年に設置されたこと,一部の地方レベルの中小 企業管轄部門(中小企業局)が非公有制経済管轄部

門との2枚看板を掲げていることにも表れている9

第4節 中小企業のプレゼンス

中国では,中小企業は全国の99%以上を占める 4200万社(零細個人経営を除くと430万社)を数え,

GDPの58.5%,納税額の50.2%,都市部の雇用の

75%(以上2006年末),輸出出荷額の68%余り,と くに労働集約型製品輸出では90%以上(2004年)を 占めるとされる。また,改革開放以来,農業から移 転した2.3億人の大多数を吸収してきたという10

2004年の経済センサスでも中小企業の中心が地場 の非公有制企業であることが示されている。2004年

の経済センサスによる中小企業の形態別構成(表2) のうち,広い意味では「国有+集団」,「香港・台 湾・外資系」を除く約80%近くの企業のうちの多く が地場非公有制企業となる。

第5節 地域経済の発展と中小企業・非公有制 企業

1.地域経済発展を牽引する中小企業・非公有制企業 中小企業の発展促進がむしろ非公有制企業の発展 促進であることは,中小企業・非公有制企業の地域 経済の発展への貢献からも理解できる。

図1は,中小企業振興を積極的に始めた1990年代 末から同じ企業規模区分で数値が得られる2000年代 初めまでの期間(1998∼2003年)の各一級行政区の

工業生産の拡大倍数(2003年/1998年)をY軸に,

同じく企業規模区分が変更される前の中小工業企業

の生産額比率(2003年)をX軸にとった散布図であ

る。西蔵を除く一級行政区ごとの結合値について単 純回帰の計測を行った結果は図1に書き込んであ る。図と計測結果が示すように中小企業の比率が高 いほど地域の工業生産の拡大倍数が大きい傾向が読 み取れる。このことは中小企業振興の重要性を示唆 するが,非公有制経済の発展した地域が図の右上方 に位置していることに,中国における中小企業振興 の真の意味を見出せる。

試みに,中小工業企業の生産額比率を非公有制工 業企業(ここでは国有と集団所有制企業を除く企業) のそれにかえて同様の散布図を描き,同様に回帰分

−162−

表2 中小の企業企業形態別構成区分基準(2004年第1回経済センサス)

(5)

析を行うと,結合値の点の序列は中小企業比率で描 いた図と類似し,結合値は傾向線により近接し,計

測結果の決定係数はより高くなるのである11。2005

年2月に出された「個体・私営等非公有制経済の発 展に関する若干の意見」が中小企業政策と位置付け られていることも,中小企業振興の実質が非公有制 企業振興にあることを示している。

2.非公有制企業と産業集積

図1で丸囲みをした地域を中心に,図の右上方に 位置する非公有制経済発展地域は,また産業集積が 多く形成された地域として知られる。浙江では早く から非公有制の農村工業が発達し,成功者に追随す る形で特定製品・業種に従事する企業が集中立地す る産業集積が多数形成された。産業集積はこの20年 ほどの間に,全国250余の地方のうちの160余に形成 され,浙江だけでも2005年段階で800余の集積があ

るという12。浙江・福建では工業生産額の50%が,

広東では工業生産額の3分の1が,江蘇では工業製 品販売額の40%が,「専業鎮」や「塊状経済」と呼

ばれる産業集積エリアで産出されているとされる13

このように非公有制企業と大きく重なる中小企業 の発展と,産業集積との間には密接な関係がある。

中小企業にとって,産業集積がもたらす外部経済は 中小企業が孤立して立地するより大きな有益性をも たらすし,産業集積が動態的有益性を発揮できるの は,環境の変化に対応しうる非公有制企業の存在が 前提になるからだ。このことは生来の市場経済国で は説明を要しないが,社会主義のイデオロギーをも った国では資本の自律的な行動は否定ないし制限さ れてきたし,計画経済の下では同業の独立した経営 体が立地上集中して競争したり協力しあったりする ような(外部経済が生ずるような)資源配置は行わ れなかったから,社会主義計画を経験した国の経済 では必ずしも当然ではなかったのだ。

しかし,M.ポーターの「産業クラスター論」等を

契機に国外において産業クラスターが地域発展戦略 に取り入れられはじめたことで,中国は自国に形成 された産業集積の意義に気づき,第11次5カ年規画 (2006∼10年)では,それまでの産業政策に代わっ

て,産業クラスター政策が提示された。

第6節 技術発展の担い手としての中小企業

「中小企業促進法」14では,中小企業は雇用創出の

担い手にとどまらず,技術革新の担い手としての役 図1 工業生産の伸びと中小企業比率との関係

(6)

割を期待されている。現実に,全国の特許の約3分 の2,技術革新の4分の3,新製品開発の8割以上 を中小企業が占めており,その95%以上は民営企業 である15

中国におけるIT関連の新産業を牽引したのは,大

学や国の研究所が設立した半官半民の企業群であ り,また大学・研究機関からスピンアウトした研究 者や新卒研究者たちによる新興民営企業群である。 これらはとくに「民営科学技術企業」と呼ばれ,技 術開発面でも国民経済の成長に貢献している。「中 国のシリコンバレー」と呼ばれる北京の中関村に代

表されるハイテク,ITの集積も多数形成され,帰国

留学生の創業の場が広東の「広州高新区」等各地に 形成されている16

第7節 国民経済の構造調整と中小企業・非公 有制企業

30年前に始まった対外開放政策と国内の制度改革 は1990年代に加速したが,WTO加盟(2001年12月) 以降,国際経済との融合のなかで,中国資本が競争 に勝ち残り,中国経済の担い手となることが切実に 求められるようになった。そこでは所有制を問うて いる場合ではなくなった。また,国際経済との融合 のなかで,計画経済から市場経済への移行の過程で 残された地域経済の構造調整という課題もなお残さ れている。

2003年の共産党16期三中全会「社会主義市場経済 体制を完全にすることに関する若干の決定」で,非 公有制経済を振興する上記の2005年の「意見」の主 要な内容が決められ,2004年の国会(全人代)では, 私有財産権の保護,私営企業家の共産党入党に道を 開く「三個代表」思想を憲法に明記する改定案が通 過した(2007年には私有財産も平等に保護する物権 法が通過,施行)。

地域経済の構造調整は,西部地域,東北地域,中 部地域の振興(「西部大開発」,「東北振興」,「中部 勃興」)として推進され,地域によって,未発達か らの開発,計画経済期以来の企業構造の調整といっ

た異なる課題を負っている。そこでも中小企業と非 公有制企業への期待が渾然一体として示されている

が17,これらの地域では,必ずしも市場経済の担い

手が地元に十分存在しているわけではない。このた め,これらの地域の地方政府は外資だけではなく, 国内非公有制資本の誘致に力を入れており,図1の 右上方に位置する地域(丸囲みの地域を中心に)か らの資本移動が,地域開発や構造調整を進める役割 も果たしている18

第8節 中国の中小企業問題の所在

1.産業組織の特性

2006年から始まっている「第11次5カ年規画」で は,粗放的な量的拡大から効率重視の質的発展への 転換,企業間協力重視,自主創新能力向上,社会的 責任履行などを内容とする「中小企業成長工程」が

打ち出されている19。中国における中小企業は大企

業との関係において競争上の不利性をもつ存在とし てよりも,むしろ非公有制企業として経済成長を牽 引する存在ととらえられている。

大企業の下請けとして中小企業を育成する必要性

は提起されており20,実際に自動車産業等では完成

車メーカーと部品メーカーとの密な取引関係が形成 されている。しかし,その自動車産業でも中国の地 場メーカーにおいては日本の下請制とは異質な,多

角的な取引関係がみられる21。また大手に成長した

民営の家電メーカーも外注を活用しており,一部で は支払い遅延の問題も発生しているようだが,支払 い遅延問題は中国では普遍的であって大企業と中小 企業の間だけの問題ではない。

中国における中小企業の存立形態は計画経済から 市場経済への移行過程の経営環境を反映している。 専修大学社会知性開発研究センター・中小企業研究 拠点が行った,日本,中国を含むアジア8カ国・地 域の繊維・機械工業の中小企業に対するアンケート 調査(2003年時点の回答)によれば,日本の中小企 業の約7割が1960年代以前の創業であるのに対し, 中国ではおよそ4分の3の企業が1990年代以降の創

(7)

業と,企業自体が総じて若く,また,「他企業の指 示によらず自社の企画で製品を生産し,一般市場で 販売している」自社製品企業の比率は,日本の場合 25%程度であったのに対し,中国の場合は47%以上 に達した。そして企業設立理由として「自分のアイ デアを事業化したかった」ことをあげた企業の比率 は,日本の15.7%に対し,中国は48.5%にのぼった のである22

黒瀬直宏(2008)はこれらの理由について,① 「計画経済時代,一工場内に全生産工程を揃え,社 会的分業が発展していなかったが,その影響が尾を 引き,下請受注の機会が未だ少ないこと」,②「大 企業が最終市場を席巻するには至っておらず,中小 企業のための市場が広く,自社製品企業として発展 しうる余地が大きいこと」,③「民族性として商人 感覚が強く,マーケティング意欲が強いこと」など

をあげている23。筆者は①の点はすでに大きな要因

ではなくなっており,②の市場要因が大きいと考え ている。先進国資本では対応できない,巨大な規模 でかつ中国の内外に広がる中低級市場の存在と,③ に加えて展示会その他のビジネスへのアクセス経路 が開けていることが,アンケートに示されるような 中国の産業組織上の特徴を構成していると思われる のである24

2.中国における「中小企業問題」

以上のような産業組織上の特性から,中国の中小 企業では,黒瀬教授が指摘する先進資本主義国にお ける中小企業固有の経営問題(収奪問題,経営資源

問題,市場問題)25のうち,少なくとも「収奪問題」

については全般に顕在化はしていないし,寡占大企 業の中小企業分野への侵入による市場の喪失という 意味での「市場問題」も顕在化していない。むしろ 多くの中小企業が経営目標として「大きく強く」な

ることを掲げており26,中国の中小企業は「現段階

において中小規模である企業」と定義することさえ 可能である。

「経営資源問題」では大企業対中小企業というよ りも,所有制格差がみられる。人的資源についてみ

れば,「私営企業」(ここでは雇用者8人以上の地場 の私的経営体で非公有制企業の代表的部分)は中小 企業のなかの企業数の61.9%,従業員数の37.9%を 占める(表2)が,中小企業で働く修士修了以上の 学歴者全体の28.7%,学部卒の23.36%を占めるにと どまり,私営企業1社当たりの高等教育修了者の数

は全国平均の半分程度である27

また,中小企業の直面する困難のなかでは資金調 達難は突出した問題といわれ,1990年代末より展開 され始めた信用保証制度も十分機能しているとはい えない。しかし,資金調達の困難の原因は,担保資 産の乏しさという中小企業としての不利性だけにと どまらない。過去に銀行が,政府の指示と保証をよ りどころに公有制企業に融資してきたため,非公有 制企業の返済能力を精査して融資する組織的体制が なお十分にないという,制度改革の過程における非 公有制企業としての不利性も作用している。

このようにみると,中国の中小企業問題はなお非 公有制企業問題ということもできるのである。

第9節 「反独占法」と中小企業重視の含意

以上述べてきたように,過去になかった中小企業 の重視の含意とは,近年の中小企業重視が実質的に は非公有制企業重視だということである。

2002年に成立した中小企業促進法は,雇用を増や し,経済成長に資する中小企業であれば所有形態に 関わりなく全てを対象としていた。競争促進的な性 格は,1999年に改定された日本の中小企業基本法に 通ずるところがある。

(8)

資の経営集中に対する規制をかけている(第31条)。 なお,同法は海外での経営集中にも言及している (第2条)。

そして日本の独占禁止法とは異なり,「自由」(商 品流通を除く)「民主的」といった文言がなく,競 争促進はあくまでも公益(国民経済全体の利益)の

ためと位置付けられている28。ここに「社会主義市

場経済」の性質をうかがい知ることができよう。

第10節 輸出環境の悪化と「中小企業政策」の 質的変化

1.輸出型中小企業の苦境

2008年には輸出環境の悪化により,浙江・広東で

上半期だけで6.7万社の中小企業が倒産したとされ,

非公有制中小企業向けの「経営資源問題」緩和が, 喫緊の課題となっている。

珠江デルタや浙江等の輸出型中小企業の苦戦が伝

えられており,上半期に中小企業が6.7万社倒産し

たとの状況を受け,2008年9月には中小企業の資金 繰り対策の含みをもつ金融緩和策がとられた。また, 増加値税還付を担保にした融資も一部の地域で導入 されているようである。

筆者は北京オリンピック閉幕直後,輸出型中小企 業の集中する地域の一つ広東省珠江デルタ地域に訪 れる機会をもった。訪問地の一つ,陽江市(常住人

口約236万人)は1,400年以上の刃物生産の伝統を有

し,2005年には全国生産の64%,同業の輸出の83% を占めた。また,同じく訪問地となった雲浮市新興 県(同約45万人)と江門市新会区(同約100万人) では1970年代から金属製品生産に着手し,現在90∼ 95%のステンレス製品が輸出されている。新会は大 量の華僑を送り出した歴史をもつことでも知られ る。新興でも地元出身香港華僑とのつながりが輸出 品の受注開始に大きな意味をもった。

これらの金属製品産地の企業経営環境は,人民元

−166−

表3 広東刃物・ステンレス製品産地訪問企業の状況

(注)従業員数はグループ企業全体の数字を示す者もある。

(9)

高(最近はアメリカの景気後退),原材料費高騰, ステンレス製品の輸出増値税還付率引き下げ,そし て労働力不足や労働契約法施行に関連する労働コス ト上昇圧力により全般に厳しさを増しているようだ った(訪問先の概況は表3参照)。

2.「労働契約法」に戸惑う中小企業

これら環境変化の要因のなかでも,企業を困惑さ せていたのは労働契約法の施行であった。中国では これまでは低賃金を武器に,量的生産拡大が志向さ れ,質よりも量の拡大に適合した出来高賃金制が, 働く側の長時間労働の動機づけとなってきた。今回 の訪問先もワーカーにはなお何らかの形で出来高賃 金が適用されていた。

ところが,同法で書面化を求められている労働条 件や社会保険類の定めを守ろうとすると,企業側に とって大幅なコストアップとなるだけでなく,出稼 ぎワーカーは自分が払った年金・保険が掛け損にな ると認識して加入を嫌い,地元ワーカーにも年金・ 保険の積立てを負担することで手取り賃金が減るこ とを嫌がる者がいるという。このため,全従業員が 全ての保険類に加入していると答えた企業は三分の

一にすぎず,とくに従業員数1,000人以下の企業の

多くは保険加入の実施が現実問題として困難な状況 にあった。休日や労働時間に関しても,ワーカーは 月に2,3日しか休んでおらず,なかには一日9時 間労働が基本というところもあった。

労働コストの上昇への対策としては,機械化・自動 化,技術向上,作業工程の工夫による労働節約的な努 力をあげた企業が大半を占めた。また,ある会社で は労働契約法施行に先立ち人員削減を行っている。

3.容易ではない国内市場向け転換

A社の場合は創業以来,国内市場を主な対象に自

社の販売ネットワークを形成して成長してきた。本 社工場付設の販売店舗は,刃物,ハウスウェアから 食品まで扱い,本社は産業観光拠点にもなっている。

他方,OEM受注の輸出を主体にしてきた中小企

業群が国内市場へ展開するのは簡単ではない。自前

の販売網を新たに構築するには資金が必要だし,卸 売・小売を国内他社に委ねると売掛金の回収が難し くなるからだ。実際,資金回収難を理由に国内市場 展開はやりたくないとの声も聞いた。

4.選別期に問われる経営者の意識と模索

僅かな事例ではあるが,単に低廉な労働力を多く 投入することで,生産の量的拡大を追求できた段階 は,確かに先が見えてきているように感じた。ただ, どの企業もみなだめになるわけではない。例えば, 特許(外観上のものも含む)の取得に熱心な企業は 工場の管理レベルも高いように感じられた。

また,例えばG社では技術開発に努める一方,社

員住宅等の充実にも力を入れており,さらに,E社

では現場から改善提案を引き出す仕組みをもってい る。製品開発に注力するというのは無論必要だが, 社員を大切にし,彼らに成長の場を与えられること が企業の発展に必要になっている。

今回の訪問先には,中山大学のMBAコースで経

営者が学ぶ企業が含まれ,経営者自身が現状に危機 を感じ今後を模索している企業もあれば,他方,そ うした余力や意識がないとみられる企業もあった。 量的拡大環境を享受してきた中国の中小企業は,選 別・淘汰の時期に入りつつあるように思われ,経営 者の危機意識と模索が問われる段階に入っている。

第11節 今後の方向

これまでの制度改革の過程から中小企業重視の含 意を探れば,以下のことが言えるだろう。すなわち, 公有制をなお主体とする基本制度の下で(憲法),外 資の支配を避けて(これを十分に利用しつつも),雇 用創出に加え国民経済全体の発展を実現する手段と して,非公有制企業は位置付けられており,それらの 大多数がなお中小規模である現実に即し,非公有制 中小規模企業群の発展が促進されているのである。

(10)

る。第2に,資金繰りに苦しむ中小企業群が多数あ らわれている。このような環境のなかであっても, 個別企業の自助努力が何よりも重要であるが,非公 有制企業群はすでに雇用面、輸出面で中国の国民経 済・社会にとって不可欠の存在になっており,政策 的には所有制にかかわらない,中小規模であるがゆ えの不利性に対応した措置が必要とされていること は間違いない。

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【注】

1 上原一慶(1999:7),陳乃醒主編(2000:6∼7)。 2 中小企業に関連するセクションとしては1986年に旧国

家経済委員会に中小企業合作協調弁公室が設置されて いるが,これは対外経済協力に関連する業務を司るも のである。中小企業司は,国家経済貿易委員会企業司 が1998年に企業改革司,監督司,中小企業司に分かれ て成立したものである。

3 それまでは,主に固定資産取得価格または年産能力にも とづいて工業部門・類別に規模区分が定められており, 99年には資産総額と年商にもとづく区分が暫定的に制定 されたが,工業部門以外には規模区分はなかった。 4 国務院全国工業普査領導小組弁公室・国家統計局工業

交通物資統計司編(1987:185)。

5 1996年に成立した郷鎮企業法によれば,「郷鎮企業」と は,農民または農村自治体を主体として設立・運営さ れ,農業支援義務を負う企業体を指す(「郷鎮企業法」 第2条)。

6 丸川知雄(1997) 7 張厚義他編(2002:12)。 8 陳乃醒主編(2000:20)。

9 たとえば遼寧省鞍山市中小企業局は「非公有制経済発 展局」というもう1つの看板を持っていた(2005年3月 訪問時)。

1 0 中 国 中 小 企 業 協 会 ・ 南 開 大 学 中 小 企 業 研 究 中 心 (2008:10∼13)。

11 2003年の民営工業比率をXにとって同様の計測を行った

結果は以下のとおり。

Y = 1.36 + 1.18X

(16.72)(6.46) 修正済み決定係数R*2=0.58

1 2 中 国 中 小 企 業 協 会 ・ 南 開 大 学 中 小 企 業 研 究 中 心 (2008:101∼102)。

13 国家発展和改革委員会主管(2007:19)。 14 邦訳は駒形哲哉(2005)参照。

1 5 中 国 中 小 企 業 協 会 ・ 南 開 大 学 中 小 企 業 研 究 中 心

(11)

(2008:178)。

16 たとえば中国中小企業協会・南開大学中小企業研究中 心(2008:104∼105)。

1 7 中 国 中 小 企 業 協 会 ・ 南 開 大 学 中 小 企 業 研 究 中 心 (2008:65∼91)。

18 たとえば駒形哲哉(2005:143∼146)。

1 9 中 国 中 小 企 業 協 会 ・ 南 開 大 学 中 小 企 業 研 究 中 心 (2008:40)。

2 0 中 国 中 小 企 業 協 会 ・ 南 開 大 学 中 小 企 業 研 究 中 心 (2008:109∼113)。

21 丸川知雄(2007)

22 黒瀬直宏(2008:102∼103)。 23 黒瀬直宏(2008:92)。

24 近年では,計画経済の名残というよりも,むしろ,個 別企業として製品の品質や技術水準を高める際に,そ れに対応しうる外注先がないために,内製率を高める 傾向もみられる。

25 黒瀬直宏(2008:97∼98)。

26 江蘇,北京,河南,広東,江西の中小企業に対して行 われたアンケートによれば,83.5%の企業が将来の計

画として「強く大きく」をあげている(中国中小企業 協会・南開大学中小企業研究中心(2008:261)。 2 7 中 国 中 小 企 業 協 会 ・ 南 開 大 学 中 小 企 業 研 究 中 心

(2008:261)。

(12)
(13)

はじめに

吉川武男(『日本型ABCマネジメント』生産性出 版1997年、P18)によると業績評価は,ただ単に業績 を測定するだけではなく,業績を評価し,人々を動機 付け、業績を管理するものである。人々を動機付 け,人々の行動に影響を及ぼす影響力こそが、業績 評価の最も重要な効果である。活動分析に基づく業 績評価は,効果的なツールである。

しかし、中国現行の中小企業における業績評価シ ステムには不足点がある。客観的かつ効果的に中国 中小企業における業績を評価することができない。 そこで、先進性、客観性、信頼性を持ち、そして, 達成可能で、数量化、柔軟性を持つ活動分析に基づ

いた新たな中小企業業績評価システムを構築するこ とが求められている。

第1節 中国中小企業における業績評価の現状

1.現行中小企業業績評価システムの種類

中国中小企業における現行の業績評価は予算管理 の要求に応じて、企業の所有制と職務などを考慮し て行う。櫻井通晴(『管理会計』第三版同文館、2004 年PP29∼60、PP327∼370)によると企業生産プロセ スによって、表1のように業績評価システムを原価 中心点型、利益中心点型、費用中心点型、投資中心点 型に分けることができる。

第11章 中小企業における業績評価論

―活動分析の視点から―

甘 超宏

表1 中国中小企業業績評価システム分析

中小企業生産製造部門原価管理の状況を評価す る。関連する部門の給料を製品原価に計上する 上,一定の企業管理費用も計上する。評価結果 によって賞罰する。

・原価を評価するが,収益を評価しない。 ・統制できるコストだけを評価する。 ・関連コストのみ評価しない。

種類 評価中心点 特徴

原価中心点型

中小企業各部門の運営利益を評価する。関連す る部門の給料は製品コストに計上する上,一定 の企業管理費用も計上し、利益の達成度によっ て賞罰する。

統制できるコストとできないコストも計上する。 利益中心点型

中小企業各管理部門の消耗と統制状況を評価し, 管理費用の統制を主要内容にする評価するシス テムである。

全体を統制できる管理費用を評価対象にするこ とである。

費用中心点型

中小企業の投資行為の効用を評価する。

評価するときには原価、利益と効果などの経済 的指標を評価指標にする。その指標の達成度に よって賞罰する。

投資中心点型

(14)

2.業績評価実行プロセス

中国で行われている中小企業における業績評価シ ステムは「目標管理」の手法を採用している。企業 は長期、中期経営戦略に基づいて,短期戦略を制定 する。この短期戦略によって企業の総目標を策定し、 そして,分解する。事業部ごとに企業総目標によっ て、縦軸の上下事業部の間及び横軸の関連事業部の 間で互いに協力し合って各自の目標を確定する。そ れから、この目標を各事業組織の個人にまで落とし 込む。これで、企業の総目標を元に,上下左右綿密 に協力し、目標を統一させるシステムを形成する。 従業員の自己検査、相互検査と上司の点検を統合さ せて,業績評価と収入を連携させる激励システムを 実行する。具体的に言うと現行業績評価は以下のプ ロセスを採用し、経済責任(目標)の分解とその業 績の評価を行うのが通例である。

(1) 責任センターを確定する。

企業内部事業部の職能、責任、目標などに基づい

て責任センターを確定する。そして,これによって 責任予算、責任統制と責任評価を行う。一般の手法 としては分層管理である。即ち,横軸には設計、計 画、生産、総務、営業など事業部責任センターを確 定する。縦軸には支店、事業部から個人まで責任を 確定する。これによって、縦横関連する責任コント ロールシステムを形成する。

(2)各層に責任目標を分解する。

図1のように企業総目標を事業部ごとに、責任セ ンターごとに分解し,各責任センターの責任目標を 形成する。それからその責任目標を再分解し、最後 に従業員個人にまで分解して落とし込む。この責任 目標は一定期間内、相対的に固定され、且,努力す れば達成可能な特徴を持つ。

① 縦軸、責任目標の分解:分層分解を行って,責 任目標を各事業部、工程、個人まで落とし込む。 ② 横軸、責任分解:目標要素特徴によって各職能 部門に分解、落とし込む。異なる視点から全面

−172− 図1 責任目標分解図

(15)

的、総合的、直接的にコントロールする。例え ば、生産管理部門は製品品質と製品原価を調和 し、低コスト高品質を保証することである。企 業経営管理部門は原材料の仕入原価、管理費用 と販売費用をコントロールする。

(3)各層における責任目標達成状況を集計する。

まず、各責任センターは管理可能の原則によって 各責任センター目標の達成状況、特に原価目標の達 成状況を集計する。そして、企業の業績評価担当が 企業全体の責任目標の達成状況を集計する。最後に、 各責任センターの目標達成状況を目標と比較分析 し、業績を評価する。

(4)責任目標達成状況を評価する。

企業の業績評価担当は各部門及び従業員の責任目 標についてその達成度を確認及び評価する。主に、 責任報告書に基づいて、各責任センターの責任達成 状況を分析評価する。実際値と目標値の差異を計算 し、差異が発生する原因を究明する。それによって 各責任センターの業績を評価する。その結果を賞罰 の根拠にする。各責任センターが積極的に業績を改 善するように促進する。

(5)評価結果によって賞罰する。

業績評価実施細則に基づいて,各部門及び従業員 の責任目標達成状況によって賞罰を行う。

① 原価中心点型は原価否決制にする。 ② 利益中心点型は達成利益とリンクさせる。 ③ 費用中心点型は各管理部門の費用支出とリンク

させる。

④ 投資中心点型は投資効果とリンクさせる。

(6)あらゆる理由を問わず、評価結果を修正しない。

製品の生産、販売に発生した損失は製造原価及び 費用に計上する。業績評価に影響させないことにな っておる。

企業現行の業績評価は従業員の収入が企業収益及 び企業への貢献とリンクさせるようになっており、 激励と規制の特徴を持つ収入システムになってい る。現在、中国で多くの企業が業績評価について出 来高払い制を採用している。出来高払い制は労働集 約財の生産が圧倒的に多い企業に応用されるとき、 効果的である。

表2が示された通りに、『文部省オープン・リサ ーチ・センター整備事業(平成16年度∼平成20年 度)』の助成を受けている専修大学の研究プロジェ クト「アジア諸国の産業発展と中小企業」の過去調 査によると、中国の中小企業の7割以上は出来高払 い制を実行しており,東南アジア他国より割合も高 い。即ち、業績評価は収入とリンクさせていること を意味する。

しかし、現代企業運営がハイテク化、機械化を増 えている経営環境変化の中に出来高払い制の問題点 も現れてきた。

3.現行中小企業における業績評価システムの不足

WTOへの加盟で中国は市場経済化への改革が加速

している。この市場経済化への発展にともなって、中 国現行の中小企業経済業績評価システムの不足が明 らかになった。その不足点は以下のように思われる。 まず、現行業績評価システムの最大の不足は孤立 的にプロセスのあるステップを評価するところにあ る。現行業績評価システムは企業内部各組織の職能、 権限、目標などによって責任センターを確定する。

表2 現場作業員に出来高払い制をとっている企業の割合(アジア諸国)

日本 韓国 台湾 シンガポール 中国 マレーシア タイ ベトナム

(注)( )は標本数

(出所)専修大学黒瀬直宏教授が文部省オープン・リサーチ・センター整備事業(平成16年度∼平成20年度)』の助成を受けて いる専修大学の研究プロジェクト主催の「2008年度国際シンポジウム」2008年8月3日にて発表されたデータによる。

(16)

異なる部門の職能或いは権限を持つものの帰属が無 視されているため、責任センター確定法には制限が ある。

次に、現行業績評価システムの重要な指標として、 実際原価と標準原価との差異が責任センター及び従 業員業績評価に重要視されている。しかし、現在の 製造(経営)環境において、現行の原価計上(計量) が正確ではないので,従業員への評価が正確とは言 えない。この不当な評価による賞罰は不公平で、従 業員の原動力と積極性に悪影響を及ぼす。業績評価 の原則は責任、権限、利益の統合である。現行の業 績評価システムは責任を明確にしているが,その責 任に対応する権限の移譲が足りない。このため、従 業員の積極性に悪影響を与え、正常な業績評価にも 影響を及ぼした。

また、現行業績評価システムの評価指標を数量化 にすることができていない上に,主観的な部分が少 なくないのも現状である。そして、職能と権限によ って責任センターを確定したので,異なる部門で発 生されて相互関連或いは同質の費用についての管理 問題が依然存在している。これによって、部門間の 責任が明確にできなく,業績評価をスムーズに行え

ない。

上述のように、現在中国各中小企業とも各種な形 の内部業績評価を行い,それらは企業管理及び成長 に欠かせない重要な役割を担っている。しかし、現 代企業のおかれた経営環境の変化によって,責任セ ンターを確定して,単一、かつ固定した標準で評価 する伝統的な経済業績評価システムは企業管理の需 要に対応できなくなった。市場競争環境と先進的な 製造環境など現代企業環境に対応できる業績評価シ ステムが求められている。

第2節 活動分析に基づく企業業績評価システム

1.企業業績評価システム構造

本論文の研究目的は活動分析に基づいて中小企業 における業績評価システムを構築することである。 中小企業における経済業績評価システムの構築及び 運用において、中国市場経済の発展と中国中小企業 生産環境変化の需要に適応させることを原則にす る。人的要因を十分に重視した上で、作業プロセス に従い,活動分析理念とその手法に基づいて、経済 業績評価システムを構築する。中小企業がこの業績

−174−

図2 中小企業における業績評価プロセス

(17)

評価システムを構築する時にも同時に激励システム の構築も重要視するべきである。

階層によって活動分析に基づく中小企業業績評価 システムは活動センター業績評価、職務業績評価と 従業員業績評価の三部分に分ける。

(1)活動センター業績評価

各責任センターの作業及び目標の達成状況を検査 して、責任センターの業績と企業全体の成長を統合 させる。

(2)職務業績評価

各職務の業績を総合的に評価する。

(3)従業員業績評価

従業員業績と組織の目標を統合し、客観的に従業 員業績を評価する。評価結果を使って、従業員を有 効に激励する。

2.中小企業業績評価システムにおける活動分析の 効用

(1)業績評価システムの基礎は活動分析である

業績評価システムにおいて、各従業員の賞罰を活 動原価及び業績とリンクさせれば,従業員の原動力 を呼び起こせる。積極的な活動原価の削減、活動の 改善、活動品質と活動効率の成長を助長し、業績評 価の目的を実現させる。活動分析はアクティビティ を基礎に、資源分析してコストマネジメントを行う。 活動分析は業績評価システムを構築と実施する基礎 である。

(2)評価指標の計算ツールは活動分析

中小企業業績評価システムにおいて各責任センタ ーの原価指標は業績を評価するために重要な指標で あると認識されている。実際原価と標準原価の差異 が各責任センター及び従業員を賞罰する時の重要な 根拠になっている。しかし、企業現行業績評価シス テムにおける最大の問題は自動化、機械化された先 進的な製造環境の下で伝統な原価計算方法で計量さ

れた原価が新の原価から乖離され,それによって、 正確に業績評価ができなくなり,企業が構築した業 績評価システムが機能しなくなることである。活動 分析は活動への追跡によって、適当な活動ドライバ ー要因を選んで、配賦基準にし,企業の各活動が消 耗した資源を正確に計量、集計する。そして、ドラ イバー要因を配賦基準に集計した活動原価を製品及 びサービスに配賦する。活動分析原価計算の正確性 を活躍させる。そこで、活動分析ツールで業績評価 の原価指標を確認することは科学的、合理的に業績 評価システムを構築するために核心的な役割をして いる。

(3)アクティビティを基準にコスト指標を算定する

活動分析は“アクティビティ(活動)”を原価計 算の対象にして、生産運営費用を集計と配賦し、活 動原価などの情報を獲得する。この活動情報は活動 分析に基づく業績評価システムの原価指標を確定す る基礎である。

(4)市場理念を導入して、活動分析を基準に否 決する

活動分析に基づく中小企業業績評価システムにお いて、活動原価の役割を否定できない。活動原価で 否定するシステムを実行する。つまり、業績評価主 体の活動原価指標を達成できなければ,その他の業 績評価指標を問わず,該当主体の業績目標が未達成 と見なす。

3.責任センター(アクティビティプール)の確認 活動分析に基づく中小企業における業績評価は同 質活動を基礎に責任センターを確認する。責任セン ターは生産センターでもあり、原価費用センターで もある。よって、責任センターは生産経営機能と財 務統制機能を持つ。

(1)責任センターを確認するプロセス。

(18)

システムの構築と運用は責任センターを中心に展開 する。責任センターを確認するプロセスは以下の通 りである。

① 活動を確認する:活動を分析して、価値増加に 貢献する付加価値活動を確認する。

原価作用因(コスト・ドライバー)を確認する。 ② アクティビティプールを作る:活動及びコス ト・ドライバーを分析してから,企業が各職能 部門及び組織を乗越えて同質活動を行う部門と その従業員を集め、アクティビティプールを作 る。同質活動は同じ目的、あるいはサービスの ために同じ効果をもたらす活動のことを指す。 ③ 責任センターおよび責任目標を確認する:同質

アクティビティプールを基礎に各層責任センタ ーを確認する。なるべく、原価及び費用を責任 管理に納入する。

④ 組織の再構築:責任センターを確認した上で企 業の組織を再構築する。現行の業績評価システ ムは責任業務によって設定されていった。部門 管理者(責任者)の業績を明確にしやすい利点 がある。活動分析に基づく業績評価システムは 部門を乗越えて同質アクティビティによって責 任センターに集計するので,責任及び業績が明 確ではない問題がでて来るかもしれない。その 問題を回避するためには、組織を再構築する必 要がある。即ち、プロセス再造して、組織を再 構築するのである。

(2)責任センターにおけるアクティビティの分類

各責任センターにおいて、企業に設定された目標 を達成するために以下の三種類のアクティビティを 行う。

① 基本アクティビティ:ある責任センターの職務 を励行するために行うアクティビティである。 これらのアクティビティは数量的に多く、質が 高いほど、該当責任センターの職務をよく達成 できることになる。

② 補助アクティビティ:ある責任センターの職務 と関連するが,絶対的必要なアクティビティで

はない。

③ 創意アクティビティ:従業員が自ら開発した新 たな手法及び技術で責任センターに関連するア クティビティを行う。

各責任センターの分類を完成した上で、各責任セ ンターのアクティビティ内容を確定する必要があ る。即ち、各職務が何をやるべきで、どうやるべき か、どこまでやるべきなのか等を決めれば,責任セ ンター全体のアクティビティ内容が決められる。各 責任センターの各職務について標準化のアクティビ ティシステムができ、経済業績評価システム標準の 計量化に貢献する。

(3)各責任センターの組織権限

経済権限は経済利益と密接に関連するものである。 責任があって、権限がなければ、目標を達成する必 要な条件が乏しく,責任があって、利益がなければ、 目標を達成するために必要な原動力が乏しい。その ような状況では、目標の達成が困難で、業績評価を 行う効果が規制される。そこで、有効に目標を達成 するためには、まず、各責任センターに適当な権限 を委譲する必要がある。各責任センターに各自の責 任及び目標を周知し、権限を明確に把握させる。 ① 活動分析の上、各責任センターの職能を確認さ

せる。

② 各責任センターの職能によって各責任センター の責任と権限を明確化させる。

4.活動分析に基づいた中小企業における業績評価 指標システムの構築

中小企業における業績評価指標は企業目標を具体 化させたものである,企業経済業績評価の重要な根 拠でもある。科学的、合理的に業績評価指標を設定 することは経済的な視点で企業各部門及び個人の業 績を評価するのに大切である。

(1) 業績評価指標システムを設定する原則

経済業績評価指標システムは中小企業業績を評価 するために設定する。中小企業各方面の業績状態を

(19)

表す指標からなり,その指標の構築は一定の原則に 従うべきである。

①目的性:評価指標システムは中小企業を有効に激 励及び規制するために構築されたもので、中小企 業に提供した部門及び従業員の業績を評価した情 報は客観的で公正、且つ公平に行われたものであ るべきである。

② 集合性:業績評価指標システムは各視点から企 業各部門及び個人の各業務の業績を評価する。 この評価によって、正確に且つ総合的に中小企 業の各プロセススの業績を客観的に表せる。 ③ 関連性:中小企業経営管理に影響を与える要因

は相互関連し,業績評価システムは企業の各部 門、各アクティビティなどの要因をリンクさせ て、正確で客観的な評価結果を得るべきである。 同時に、各部門、各アクティビティの質的な差 異を配慮し、関数でその結果を修正した上で, 最終的に公正さ、客観性を持つ業績評価結果が できる。

(ア)段階性:中小企業経営管理に影響する各要 因は影響する程度が異なり、各要因を表す

指標にも異なるウェイト(Weight)を制定

するべきである。

(イ)適応性:業績評価指標システムは企業の実 状から、中小企業の持続的な発展を配慮し て調整を行う。企業の現在及び今後の環境 変化に対応する。

(ウ)簡略性:業績評価指標システムの設定は管 理可能性に配慮すると同時に各層の指標間 における明確な関連性を保証するべきであ る。

(エ)計量性:設定されている業績評価指標シス テムは計量可能な特性を持つべきで,各部 署、個人にまで落し込むようにする。 業績評価指標システムは中小企業の全部門、全従 業員に対して業績評価を行うために、目標、機能、 環境及び各要因を配慮し、中小企業の各部門、各ア クティビティを含む,全面的,且つ、真実に基づい た客観的な評価結論を得られるようにしなければな

らない。

④ 業績評価指標システムの構築

業績評価指標システムは基本指標と修正指標から なる。それぞれも各自に定性指標と定量指標から なる。業績評価は定量評価と定性評価を統合させ るものである。

(ア)基本指標

基本指標は業績評価指標システムにおいて、 もっとも重要で基本な指標である。基本指 標は企業業績評価指標システムの基礎とし て指標の数量が多くないが,総合性を高く、 含める内容が広く,総合的に企業業績のも っとも重要な内容を評価することが出来る べきである。一般的に基本指標は活動原価、 活動時間、活動品質と活動効率の四種類を 含む。

(イ)修正指標

修正指標は企業業績評価に関連する諸要因 を補充分析し,基本指標による評価結果を 改善、修正する指標である。修正指標は各 責任センターの機能によって異なる。例え ば、市場開発及び販売センターについて, おもな修正指標は以下のとおりである。

A:人的資本センターによる評価指標は従業員の変

動、作業状態、従業員構成、教育訓練、安全状 況及び激励指標を含む。

従業員の変動に関する評価指標:従業員人数、 離職率、従業員固定率等。

作業状態に関する評価指標:出勤率、残業状況 等。

従業員構成に関する評価指標:従業員資質、学 歴構成等。

教育訓練に関する評価指標:受訓率、教育訓練 時間等。

安全状況に関する評価指標:労災事故率、労災 弁償率等。

激励指標に関する評価指標:激励指標、激励手 法、業績評価など。

(20)

財務管理の指標を含む。

資金調達の評価は資金調達の数量、コスト、リ スクなどについて評価する。資金調達数量の評 価は充足率であり,資金調達コストの評価は資 金原価率であり,資金調達リスクの評価は現金 流動比率である。

財務管理は固定資産の管理と流動資産管理を含 む。評価指標は固定資産充足率、固定資産状況、 現金回転率、売掛金回転率と棚卸資産回転率を 含む。

C:製品開発責任センターによる評価は技術改善効

果評価、新製品投資効果評価、技術開発費用効 果評価、新製品開発効果評価、新製品市場シェ ア評価等を含む。それに対応する評価指標は技 術開発貢献率、新製品販売比率、新製品開発費 利益率、新製品開発成功率、試製品市場シェア などを含む。

D:生産管理責任センターによる評価は管理基準の

実行状況、技術指標の達成状況と生産プロセス の協力状況等を含む。

管理基準の実行状況はISO9000システムによっ

て評価する。

技術指標の達成状況は作業指示票及び国家基準 と作業基準によって評価する。

生産プロセスの協力状況はコストダウン率、生 産効率などによって評価する。

E:市場開発販売責任センターによる評価は市場シ

ェア、得意先、売上及び販売費用を含む。 市場シェアの評価指標は製品市場シェア率である。 得意先の評価指標は新規得意先の増加率、得意 先の保有率等である。

売上及び販売費用の評価指標は売上成長率、売 上計画達成度、販売費用率等である。

5.責任センター(アクティビティプール)の 総合評価

(1)業績評価基準の構築原則

業績評価の基準は業績評価システムの客観的な参 照物である。評価基準は具体的な評価指標について

設定さる。評価指標はいろいろで、評価指標を考量 する尺度として評価基準によって比較して判断する 必要がある。業績評価基準は先進性、客観性、信頼 性を持ち、そして、達成可能で、数量化、柔軟性を 持つべきである。科学で有効な業績評価基準は以下 の要素を求められる。

① 具体と現実。業績評価基準をできる限り計量可 能にし、できないものについて明確な説明が必 要である。

② 権限と一致する。各責任センターの評価標準は その権限と一致し,権限範囲を超えてはならな い。

③ 努力余地がある。業績評価基準は達成可能なも のであるべきであり、また、責任センターの主 体が普通より高い水準の努力をすれば達成可能 であるべき。

計画基準、経験基準、歴史基準と産業基準などは 業績評価基準に含まれる。実際に、基準を採用する 根拠は評価の目的、経営環境などによって確定する。 例えば、歴史基準を採用するときには当年度のデー タ以外に,ここ数年のデータも考慮するべきである。 科学性、先進性、達成可能などの原則に従って,該 当企業の歴史上最高水準を考慮して、企業現状と比 較分析する。また、企業の発展趨勢も考慮して評価 基準を設定する。この基準は企業が普通より高い水 準の努力をすれば達成可能であり、達成不可能なデ ータではないものである。普通は、最初の基準は低 めにして,その後、少しずつ、再審査で繰り返しに 修正と改善をする。

④ 業績評価の基準を確定する

定量化された業績評価基準は企業が設定した各責 任センターのアクティビティ基準でもある。作業活 動を観察して各作業活動を分析評価する。活動・時 間の関係と活動・資源(コスト)の関係を測定分析 して、評価基準に影響するドライバー要因を探し出 す。その結果によって活動時間と活動原価を制定す る。

訂正指標の評価基準の確定は間接的に行うべきで ある。例えば、クレーム対応は回数で確定してから

(21)

責任配賦マトリックスで各具体的な部門及び従業員 まで落とし込む。

(2)業績評価基準は以下の種類がある。

① 歴史データ:該当企業及び同類企業業績評価指 標の最近二、三年の歴史データをサンプルにし, 統計学の理論によって計算する。

② 計画データ:企業の総目標から分解する。 ③ 経験データ:専門家の意見によるデータ。 ④ 産業データ:産業の通常の指標である。

加重平均(Weighted mean)平均法を採用して、 以上の手法で得たデータを分析して計算する。

加重平均=

Wi:データのウェイト値。

Xi:データ値。

⑤業績評価の結果表示:業績評価を四等級にする。 即ち,最優、良、合格、悪にする。

6.経済責任関数の確定

各企業は同質活動によって責任センターを確定す る。各責任センターの職務は異なり、企業総目標を 達成するために異なる貢献している。即ち,責任セ ンターによって企業への貢献度が異なる。そこで、 企業業績評価システムにおいて異なる評価を与える べきである。よって、いかに各責任センターの業績 を正確に評価するかが本論文の目的である。企業全 体の業績評価は責任センター及び職務の関数で測定 する。

(1)職務業績関数

各責任センターの作業は各職務作業からなる。職 務業績関数は各職務の労働と責任センターにおける 位置の重要性を評価する。職務機能、職務技能、職 務環境と職務責任を考慮する。

A:職務機能:職務作業内容。

B:職務技能:該当職務が必要とする技術、経験

と学識。

C:職務環境:該当職務環境が安定しているかど

うか。または、該当職務の作業環境も含む。

D:職務責任:該当職務が担当する内部と外部の

責任及び程度を表す。

(2)責任センター業績関数

加重平均法で各責任センターの評価値を測定し, それから各責任センターの責任関数を確定する。

7.業績評価の測定

企業目標の分解とともに業績評価指標を多視点、 全角度で分層分解し、目標(業績評価指標)を従業 員個人まで落し込んで,各責任センター及び従業員 個人の原動力を引き起こす。

(1)企業賞罰給与の測定

本研究において企業賞罰給与原始配賦レートの概 念を敢えて提唱したい。企業賞罰給与原始量は業績 評価に参加する従業員が配賦される貢献総量という ことである。この貢献総量は企業仕事総量(たとえ ば、総作業時間など)で表わすこともできる。企業 賞罰給与原始配賦レートは企業賞罰給与原動量と賞 与総額の比率である。ABCの理念によって、以下 の給与モデルができる。

X:賞罰給与原動率である。 W: 賞与総額である。

D:企業賞罰給与原始量である。

(2)責任センター賞罰給与の測定

よって、N責任センターの賞与総額基礎は“W

n=X×Dn”である。その前に、各責任センターの

業績結果によって各責任センターの業績評価を計量 化(点数化する)する。各責任センターの業績点数 によって、各責任センターの実際賞与額が分かる。

D

W

(22)

Bn:第n責任センターへの実際賞与金額。 Xn:第n責任センターへの基本賞与金額(賞罰

給与原動率)。

Sn:第n責任センターの責任関数。 Hn:第n責任センターへの業績評価点数。

(3) 職務賞罰給与の測定

責任センターの目標は各職務を担当して完成した ので、責任センターの業績は責任と目標の二つ視点 で評価する。即ち,“プロセス”と“目標管理”の 視点で各責任センターの業績結果を各職務まで分解 する。この結果によって各職務の賞与額が計算でき る。

Gn:第n職務実際賞与額。

Bn:第n責任センターへの実際賞与金額。 Kg:第n職務の責任関数。

(4) 従業員賞罰給与の測定

従業員の業績評価は従業員の基本アクティビテ ィ、補助アクティビティ、創意アクティビティなど の総合的な評価である。そこで、職務実際賞与額を 確定した上に従業員実際賞与額が確定する。

An:第n従業員実際賞与額。 Gm:第m職務実際賞与額。

Pn:第n従業員総合的な評価点数。 Pm:第m職務評価総点数。

8.実例研究

中国にあるG企業が活動分析理念を導入して作っ

た業績評価システムを紹介する。この企業は各活動 を数個コストセンターに分けている。そして、各活 動の難度(強度)を活動内容によって4段階に分け た,活動の質を5段階に分ける。前年度のボーナス を基準に、計算できた係数を使って各従業員当年度 のボーナスを計算する。その計算方法は以下のとお りである。

(1)ABC理念に基づいて、職能ごとに各従業員

の年間アクティビティ総量を計算する。計算式は以 下のとおりである1。

そのうち:Rは総合係数(R=R1+R2),R1が

重要性及び強度係数、R2が難度係数であり,Gは

統計された基本アクティビティ量である。

×

R

G

Mn

=

×

Pm

Pn

Gm

An

=

×

Bn Kg

Gn

=

×

×

Xn Sn Hn

Bn

=

−180−

表 3 アクティビティ重要性及び強度係数表

4 3 2 順番

1

アクティビティ種類 標準アクティビティ 繰り返しアクティビティ

係数R1 1.0 0.8 検査のアクティビティ 0.2 指導のアクティビティ 0.3

(出所)筆者作成。

表 4 アクティビティ質の係数レベル係数換算表

C 1

D 0.9

E 0.8

参照

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