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エスカリエ
をお届けします
【編集部】新刊資料集「明解世界史図説 エスカリエ」は、世 界史を学ぶおもしろさや学ぶ意義を実感しながら、世 界史の知識が着実に習得できるという一見矛盾した目 的を統合させるべく、まったく新たなコンセプトで編集 いたしました。書名の「エスカリエ」とはフランス語で 「階段」を意味しています。一歩一歩たどれば世界史の
おもしろさにたどり着くという思いを込めています。 「何のためにわけのわからない用語を覚えなければ ならないの」という生徒さんの不満に悩んでいらっ しゃる先生方におもしろく知識が身につく資料集をと いう思いで編集にあたりました。本書は、生徒さんが、 自身と世界史との間に接点を見出し、世界史の身近さ やおもしろさを実感ながら学習してもらえるよう、従 来にない以下の工夫を施し、内容を構成しています。 1.授業の核心に迫る 導入図版(+導入クイズ) 導入図版「時代の扉」では、使用頻度の高い、資料 性のある写真を厳選し、極力大きく掲載しています。 そのうえで、図版に関連したクイズを設定しています。 図版とクイズにより、授業の最重要事項についてのイ メージをまずつかむことができます。クイズは、以下 の「ポイントチェック」と併せて、復習などにもお使 いいただけます。
2.授業の要点が確認できる「ポイントチェック」 各単元の最後には、学習の最重要事項を確認するた めの「ポイントチェック」を設置しています。確認作 業を伴うことで、知識の定着が確実に図れるとともに、 達成感を感じることができます。二択程度の簡単な確 認作業ですので、授業内でも十分に活用いただけます。 3.地理的認識を高める 「別冊ワーク」
高校生の地理的知識を高めるために付録として別冊 ワークをご用意しています。手を動かすことで、地理 的認識も深まり、達成感を味わえます。
ワークは、資料集本体と同じ図版を使った地名記入 や図上の線をなぞらせる簡単な作業です。作業項目も 絞っているので、手軽に取り組め、自習課題などにも 使えます。
このように本書は、「時代の扉」→年表・地図・写 真やコラム等の各種資料→「ポイントチェック」「ワー ク」と階段を登るように学習することで、学習の要点 を最短距離でつかめる資料集です。
以下、実際の授業現場で、生徒に単元のイメージ把 握や興味関心を引き出すためのいくつかの活用例を示 していただきます。
□問いかけ:「時代の扉」と、できれば1ドル紙幣の 実物とを併用し、本物と比べながら実施すると、より 効果的である。
TRY1 さて、この紙幣の人物は誰かな?→この左端 の人物です。どこかで 見たことはありません か?(崖の写真を拡大 して提示=アメリカ西 部5州政府観光局HP; http://www.uswest. tv/southdakota/index.html)
TRY2 数を数えると、ある共通の数字が出てきます。 こだわっていますね。わかりますか? 最初の独立は 何州だったかな。右下の国旗(p.127⑨)も参考にし ましょう。
TRY3 アメリカの独立宣言は何年かな。左下の年表 から拾ってみましょう。ローマ数字の数え方は、先生 に聞いてみましょう。以前、ローマ史でやったかな? 【さらに、生徒の興味を刺激する授業のヒント】
□問いかけ:「ボストン茶会事件」(p.126④)とあり ますね。どうしてお茶を海に投げ捨てるのが「茶会= tea party」なのでしょう?(イギリス東インド会社 の船を襲撃した人々の合い言葉は「ボストン湾を ティーポットに!」であった。)
□問いかけ:ディズニー映画「ポカホンタス」を見た ◆活用の実際例① ―p.126〜127を使ってみよう―
【時代の扉…アメリカ独立革命史の導入で活用する】 時空を超えてつながる「時の階段」
明解世界史図説
北海道札幌北高等学校 吉嶺茂樹
活用の ヒント
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ことがある人、手を挙げてみて…。実は、こういう挿 話があるそうなんです。(p.127⑥)□問いかけ:では、アメリカ独立戦争の地図(p.127) を見てみましょう。昨年(=2008年)はアメリカ大統 領選挙の年でした。新聞に出てきた、地図と州名を見 てみましょう。
□問いかけ:独立宣言(p.127)、難しい文章が並んで いますが、5行目※以降の文章を読んでみましょう(ア メリカで銃規制が進まない理由は、それが「革命権」 という建国の基本部分に関わるからである)。
【ポイントチェック…学習のまとめに】
□問いかけ:では、最後に。「10年後の海の向こう側」っ て、大西洋? 太平洋? 大丈夫かな。
◆活用の実際例②―p.136〜137を使ってみよう―
【時代の扉…19世紀のイギリス史の導入で活用する】
□問いかけ
TRY1 この女王は、現在も国王として在位していま す。同じ女王の名前が、16世紀の学習でも出てきまし たが、どこの国だったでしょうか? 覚えているかな? TRY2 この女王の時代、イギリスは世界の貿易高の 30%以上を動かしている「基軸国」だったのですね。 その富を示すのが世界最初の万国博覧会です(p.137 ⑤)。発達したイギリスの工業生産は、水晶宮に反映 されました。ガラス製です。日本ではちょうど「篤姫」 の時代ですね。庶民へも還流した富は娯楽を生んでい きます。経営者の側でも、労働者の疲れを癒す毎日の アルコールより、娯楽としてのパック旅行を推奨しま した。「二日酔い」で機械を止められては生産に影響 するからです。トマス=クック(p.137⑦⑧)は現在の パック旅行の原型を生み出しました(ちなみにフラン スのミシュランガイドの創設は1900年、最初は自動車 運転者のガイドブック)。
□補足:この繁栄はヴィクトリア女王の64年間にわた る在位時代。彼女は夫の死後ずっと喪服で過ごしたと いわれている。彼女の葬列を当時ロンドンにいた夏目 漱石も目撃している。
TRY3 切手に描かれている国々を塗りつぶしてみま しょう(作業)。地球をぐるっと一回りすることがわ かりますか? イギリスは、この植民地から入る様々 な情報を、p.137左上の“the City(大文字・辞書でひ いてみましょう)=ロンドンの中心地”に集め、文字通 りグローバル・ワイドに稼いでいたわけですね。今で も、形式上、女王陛下は無断でCityに入ることができ ません。ロンドンの市長とCityの市長は別なのですね。 □補足:このように世界中から集めた富をイギリスは 謳歌した。産業革命以来の「直接モノをつくって輸出 する」経済構造から、しだいに「金融(情報)」によ り収入を得る」経済構造へ転化する。ロイター通信社 は情報にお金をつけて売ったのである(p.137⑥)。 【さらに、生徒の興味を刺激する授業のヒント】
[イギリス国内の「異国」=アイルランド問題とは? (p.136 moreコラム)]
□問いかけ:「タイタニック」という映画を見たこと がある人、手を挙げてみて? テーマ音楽、有名です ね。レオナルド=ディカプリオとケイト=ウインスレッ ト(彼女はヴィクトリア期の上流階級の衣装)が船の 下層、貧しいアイルランド移民が乗る船室で、下半身 のみでタップを踏むアイリッシュダンスを踊るシーン があります。ジャガイモ飢饉の結果、アイルランドか らアメリカへ移民として渡る人々が大量に出ました。 □補足:アメリカの休日“St. Patrick’s Day”は、アイ ルランドの守護聖人でカトリックを伝えた聖パトリッ クを祝う休日である。マクドナルド(=ハンバーガー) やマコーミック(=ドレッシング)の“Mac”や“Mc” は、祖先がアイルランド出身であることを示す。ケネ ディ大統領の祖先もこのときにアイルランドからアメ リカへ渡った人物である。アメリカは移民のつくった 国であった。
□問いかけ:シャーロック=ホームズの親友ワトソン は何の仕事をしている人かな?(p.137プチコラム) (彼はインド帰りの軍医という設定になっている。BBC
のドラマでは、この時代のロンドンの様子を描いた セットや当時のイギリスが持っていたアジア趣味がよ く描かれている。いくつかの画像を用いてもおもしろ い授業になる。)
【ポイントチェック…学習のまとめに】