自治体職員有志の会第2回シンポジウムi n西宮
日 時:平成 17 年 8 月 27 日(土)13 時∼17 時半 場 所:西宮市フレンテホール
■ プログラム
1.有志の会活動報告(大島 博文 神戸市職員) 2.各自治体等取り組み報告、自主研究グループ活動紹介
1)尼崎市「YAAるぞ運動」(吉田 淳史:尼崎市職員)
2)岸和田市「人材育成型評価制度」(小堀 喜康:岸和田市職員) 3)スーパー公務員養成塾の取り組み紹介(鈴木 英敬:経済産業省) 4)沖縄自治体職員ネットワーク(沖縄県)、
5)チョウチョの会(滋賀県)
6)ナウ・フォー・フューチャー(福岡市)) 3.基調講演 稲継 裕昭(大阪市立大学教授)
テーマ「公務員制度改革と人材開発」 4.パネルディスカッション
テーマ:「住民サービスを高める自治体トップと職員の協働・人づくり」
・コーディネーター:大阪市立大学 稲継 裕昭教授
・パネリスト:齋藤 弘(山形県知事)、 白井 文(兵庫県尼崎市長) 逢坂 誠二(北海道ニセコ町長) 山路 栄一(三重県職員/会員) 小堀 喜康(岸和田市職員/会員)
■ 記 録
1.有志の会活動報告
発表者:大島 博文(( 財) 神戸都市問題研究所/自治体職員有志の会事務局)
台風が過ぎ、まさにシンポジウム天気。参加者のみなさん、出演者の皆様、準備いただいたメン バーの皆さん。本当にありがとうございます。 ご厚情を無駄にしないためにも、シンポジウムを 成功させたい。
私の役割としては、「有志の会とは何か」と今一度説明申し上げることと、事前に有志の会で議 論を進めたので、それを問題提起させていただくことにある。
自治体職員有志の会は、約2年半前に神戸で生まれた。当初は10名ほどでスタートしたが、現在、 北海道から沖縄まで198自治体の391名の会員を数えることとなった。当会の特徴は、トップの方も 新入職員の方も入っておられるように階級、年齢、職種、自治体の種別などに関係なく、幅広いメ ンバーが集まっていることである。 普段はメーリングリストという機能を活用して議論している。 電車男を地で行くようなものである。
ホームページも開設している。毎日、曜日ごとに7人のコメンテーターが、自治体のこと、普段 の仕事のことなどについて意見を掲載し、行政関係者以外にも一般市民の方からも、時には厳しい
ご意見をいただいたりしている。タイトルのバックの絵柄は、朝焼けに二つのサボテンが向かい合 っている様子を写している。厳しい環境の中で新しい時代に「志」を持って向かい合っている姿を 表しているつもりである。
また、年数回、オフ会を開催している。これは有志の会で話をするだけでなく、もっと責任ある 議論をして何か役に立てればと考え、先進的改革に取り組む自治体トップをゲストにお呼びし、意 見交換してきた。仙台の浅野宮城県知事、この5月には高知の橋本知事と意見交換した。
そして、今回のようなシンポジウムを昨年から開催している。また、私たちの取り組みや、メン バーが取り組んできた業務を紹介するために、ガバナンスや地方自治職員研修等への投稿を行って いる。来年3月までガバナンスに連載されている。
次に本日の検討テーマと問題提起をさせていただく。今回のメインテーマは、「住民サービスを 高める自治体トップと職員の協働、人づくり」である。このテーマには、熱い思いを込めたつもり である。
「住民サービスの向上」こそは、自治体職員の存在意義そのものであるが、これまで内部志向中 心で自治体職員にとっては、建前というよりむしろ他人事の話だった。それがまさに今、自分自身 が自治体職員であり続けるための鍵を握ろうとしている。残念ながら自治体直営業務は民間事業者 と比較して大変な高コスト状態である。住民に「安くて良いサービス」だと思われること自体が、 我々の生き残る道である。このことについて議論いただきたい。
次に「トップと職員の協働」である。トップと職員は上司・部下の関係であるから「協働」とい うのはおかしいと思うかも知れない。これは、「歯車職員」「無責任業務」「縦割業務」からぜひ サヨナラし、トップと同レベルの意識と能力を持ちながら仕事をしていく「高い付加価値をもった 職員」を目指すという意味で捉えていただきたい。
さらに「人づくり」である。これまで自治体の研修は、「盲腸」にたとえられてきた。あっても なくても一緒。どんな研修を受けようが、それと関係ない仕事につくことが多いからである。結局、
「人づくり」は仕事を通じてしか職員は育たないのではという問題提起である。よく言われる「人 事と研修の一体化」である。研修の中で本当に職員同士がやる気を出して、自分を培う。そのチャ ンスをトップが与える。そうしたことこそ必要ではないか。こうしたことは職員同士では話はでき るが、トップの気持ちはなかなか聞けない。ぜひ今日お伺いしたい。
さて、資料として「公務員のやる気喪失システム」「やる気システム」を配布している。自治体 の仕事がなぜ「お役所仕事」として最も低レベルのサービスの象徴のように言われる事態となって いるのか。
有志の会で、シンポジウム開催に先立って徹底議論した一定の結論が、そのシステム図である。 1つの原因だけでなく複合的な要因が絡まっていて、必ずしも1つが解決すればサービスが向上す るということではない。ただ、やる気喪失システムの中で太くなっている部分。これが大きな阻害 要因ではないかと議論で集約されてきた。ただし、私たちの中でも議論は分かれており、全体とし て提言できる状態ではない。今後も語論を継続したい。これまでこうしたことは自治体の中では聖 域もあって率直に議論できなかった。しがらみのない場で話し合うのが前に進めるのに必要である と思う。
「公務員のやる気システム」は不平不満を1つでも2つでも良くして、好循環を生み出して、住 民の皆さんから見てもすごくがんばっている、すごく役立っているというような存在になっていけ ればと考えたものである。ぜひその辺を議論いただきたいと期待している。
最後に、このシンポジウムは、自治体職員有志の会のメンバーの労力と、参加する皆様方のご負 担を得て、全く他からの支援なくこれを開催させてもらっている。そういう意味では、有志の会の シンポジウムではあるが、皆さん一人一人のシンポジウムでもある。ぜひ積極的に活用いただきた い。
この後、交流会も開催する。ぜひ参加して独自のネットワーク作りをいただきたい。大変雑駁だ
が、以上で挨拶と報告、そして問題提起とさせていただく。
2.各自治体等による取組み報告・自主研究グループ紹介
1)「YAAるぞ運動」とは
発表者:吉田淳史(尼崎市企画財政局行政経営推進室調整課課長補佐)
尼崎市では以前から行革に取り組んでいるが、それまでの行革というのは、ある一部の職員がや らせる側、残りの大多数の職員がやらされる側という、主にカット中心の主体性のない行革であっ た。最初の頃はかなり効果があったが、限界が来ていた。
15年度から「YAAるぞ運動」を実施することになったが、今までのやらされる行革とは違う と職員に分かってもらわないといけない。自分たちの職場は自分たちが一番知っている、自分たち の腕の見せ所だと分かってもらいたい。また、楽しみながらやっていただきたいという思いから、 まずはチーム名から凝ってくださいとお願いしたところ、ユニークな名前を出していただき、事務 局としては喜んでいる。
昨年度参加した76チームそれぞれが、「ダブルしんか」(進化&深化)を合言葉にして素晴らし い取り組みを行い、数々の成果をあげた。
発表を希望したチームは局予選、最終予選を経て、予選を突破した16チームが、グランプリを目 指す、第2回「YAAるぞカップ」を2月に開催。ちなみにテーマはAMAZE(びっくりさせる)。 あまりPRしていなかったが、28の自治体から約60人の方に参加をいただき、元祖であるDNA 奥田さん率いる福岡市と名古屋市から発表チームを派遣してもらい、素晴らしい発表をしてもらっ た。京丹後市の高橋さんから、これからYAAるぞ宣言のようなものをやっていただくとともに、 有志の会からも参加をいただいた。
1 「YAAるぞ運動」とは?
業務の進め方や職場環境を改めて見つめ直し、より良くしていく、改革改善する職場単位での実 践活動。福岡市のDNA運動を非常に参考にした。
ネーミングは、15年度施政方針で示された、「夢(Y)、アシスト(A)、あまがさき(A)。」。 改革改善を「やるぞ」、改革改善をすることが「あるぞ」という思いを込めて名付けさせてもらっ た。
2 「YAAるぞ運動」の基本精神
や:やらされるのではなく、自ら進んで「やる」 あ:あきらめないで、とにかく「やってみる」
る:ルックアップ(向上すること)を忘れずに「やっていく」 ぞ:ぞっこん楽しみながら「やりつづける」
「存分に」でいいのでは?という声に、私はシブがき隊世代なので、「Zokkon 命(ラブ)」 という曲の中に「最上級の惚れ方さ」という言葉があり、最上級楽しみながらやり続けてもらいた いという願いを込めた。
局長をオーナー、部長を監督、課長をコーチ、課長補佐以下の活動推進者をキャプテンあるいは 副キャプテンとし、役割分担のもと、それぞれ活動する。
3 「YAAるぞカップ」への道
4月に3役から素晴らしいキックオフ宣言をしていただき、研修をやって、6月の第一次、7 月の第二次、8月の第三次、ロスタイム受付ということで、各職場の都合に応じてエントリーし てもらい、それぞれの職場で改善を進めてもらう。書面参加14チームと発表参加16チームが、報 告書大賞・グランプリを目指す。「YAAるぞ運動」=発表ということになったら、発表を嫌が るチームが参加できないので、今回報告書大賞を設けた。発表は嫌だがいい取り組み、いい成果 を残しているものが数多くあった。
そういった分もみんなに認めてほしい、知ってほしい、市として共有したいということでA4 一枚の報告書を拡大し、発表大会当日、エレベーター前に掲示し、参加者が気に入ったチームに ロゴマークのシールを貼ってもらう。一番シールが多かったチームを職員表彰規程により表彰す る。「YAAるぞ運動」の目的というのは、職員の意識改革のきっかけとすること。チャレンジ し続ける職場風土の醸成につなげていくことである。自分で言うのも何だが、2年間けっこう成 功していると思う。
4 「YAAるぞ運動」成功のポイント
・1年目に基本研修をオーナー・監督・コーチを対象に3回、キャプテン候補者を対象に2回の計 5回実施したが、市長にこの運動にかける思いを伝えてもらうとともに、5回とも最初から最後 までいてもらったことで、職員に市長のやる気が伝わったのではないか。特にキャプテン候補者 の研修は1時間半。市長と同じ空間を共有できたことが、やる気につながったのではないか。
・「ほめること」「楽しむこと」の徹底
役所というのは、なかなかほめることがうまくない、そういった風土があまりない。しかし、 大人になってもほめられることがうれしいもの。いい取り組みをやったときは、みんなで認めて ほめていこうと徹底させた。事務局として楽しみながらやっていくということにも気を使った。
・ 様々な仕掛けとネーミング
採用されたら市長の名刺に使わせてもらうという謳い文句で、ロゴマークを募集したところ13 点応募があり、市長と実行委員会で決めたが、どうしても2点が残り、運動と発表大会で使わせ てもらった。
(1) 親しみやすいネーミング
「市長がゴー」では、ユニークな取り組みや素晴らしい取り組みをしている職場を市長が訪問 し、その取り組みをほめ、帰り際に市長自身が気付いたことを何気なくそっと言う、市長に言わ れたら、またやろうかとがんばる。決勝大会に出たあるチームが、「市長に言われたことができ てます!」と発表するなど、かなりよかったのではないか。2年目からは両助役と収入役にも加 わってもらい、3役による職場訪問を実施している。
3役だけでは行くチームが限られてしまうので、私とこの運動を支援してもらっているUFJ 総合研究所の島崎さんで、吉田のYとUFJのUをとって、「YU−くぞ職場」ということで、 職場を訪問し、意見交換させてもらっている。
(2) 「第1印象グランプリ」の実施
他のチームの内容も知ってほしい、認めて、ほめることを浸透させていきたいという思いか ら、所属とチーム名と取り組みテーマを見て投票してもらう。グランプリに3役賞(白井市長の 名前から「白うとばなれの発想で賞」、中村助役から「中なか期待できるで賞」、矢野収入役か ら「矢ってくれそうで賞」)を作り、パソコン上で表彰状を送る。
決勝大会に出たチームが言っていたが、今までは取り組みは進んでいなかったが、第1印象グ ランプリで江川助役から「江え感じで賞」をもらってから、メンバーのやる気に火がついて、そ れからすごく取り組みが進んで、素晴らしい成果をあげた。
(3) 「局予選」の実施
審査員である局長・部長の前で、普段顔を合わすことがない職員が、自分たちが取り組んだ 内容をプレゼンする。内容が素晴らしいので、局長・部長がほめる。惜しくも予選で落ちても、 それがうれしいからまたがんばろうかという気持ちになる。
(4) 「敗者復活戦」の実施
局予選でもかなり惜しいところまでいっているチームがあったということで、10チームほど集 めさせてもらって、収入役を審査委員長とした「敗者復活戦」を実施、3チームに決勝大会に出 てもらった。
様々な仕掛けとネーミングを説明したが、参加チームのみなさんの「やる気」と「頑張り」に、 事務局もまいりました、というのが本音のところである。
4 第2回受賞チームの紹介
○ グランプリ「分別戦隊ゴミワケルンジャー2004」(大西保育所)
21世紀を担う子どもたちに、環境問題に興味を持ってほしいと、カリスマ保育士が、燃えるご みに分ける「モエルンジャ−」、燃えないごみに分ける「モエナインジャー」、リサイクルごみ に分ける「マタツカエルンジャー」というヒーローが登場する絵本を作成し、環境教育に取り組 む中、子どもたちに変化があらわれてきた。
そうした中、保護者の環境問題に対する関心は?とアンケートを実施したところ、ごみの分別 は94%と高かったが、トレイや牛乳パックの返却率は21%、マイバック持参率は14%と低い数値 であったことから、「保育所と家庭の両方でエコライフ」をテーマに取り組んだ。保護者向け講 演会の実施、トレイと牛乳パック回収ボックスの設置、プールの水をペットボトルに移し替え、 翌日の水遊びで使用する「水のリユース大作戦」、父母の会主催で家庭の不要品を持ち寄った「リ サイクルマーケット」も大成功を収めた。
数々の努力が大きな実を結び、再度実施したアンケートではトレイや牛乳パックの返却率とマ イバック持参率が共に55%。ごみの分別は100%を達成した。取り組みを通じ保護者との間に「子 どもたちのために一緒に楽しくがんばろう」という一体感が生まれ、数字では計り知れないもの が得られた。
○ 特別賞「チーム ハイホー!(灰を宝に)」(美化環境局施設担当)
ごみ焼却施設の建て替えという20数年に一度のビッグチャンスを生かし、施設の案内標識を 市民の方に分かりやすいものにしようと、施設の案内役に「忍たま乱太郎」で有名な尼崎市の漫 画家、尼子騒兵衛さん作の「エコあま君」を起用した。
また、「灰を宝に」を合言葉に、灰溶融設備から作られる、スラグとメタルについて、廃棄物 として埋め立てるのではなく、有価物として取引できないかと調査・検討を行い、見事実現した。 埋立て処分費が不要となるとともに売却することで収入も増え、効果額としては毎年度、約5, 900 万円が見込まれている。
○ 同じく特別賞「出発・進行!みずのたび」(北部浄化センター)
ベテランの技術職員を中心に、「下水道設備研修教本」を作成するなど、運転知識やノウハウ の蓄積・継承に取り組むとともに、台風などの気象情報がいち早く入手できるシステムの共有化 を図り、ポンプ運転等がより迅速に行われるようにした結果、昨年上陸した10個の台風による浸 水災害を防止することができた。
また、ヒヤリハット報告を行うなど、労働安全意識の向上を図り、公務災害は2年連続0を達 成。契約電力の減少で約300万円、汚泥の減量で約400万円削減するとともに、全職員が一丸とな
ってISO14001を取得。職員との連帯感や協働性がこれまで以上に高まり、さらなる経費 削減や環境保全の意識が強くなったことも大きな成果である。
○ 審査員特別賞「ゲッツ Job」(6福祉事務所)
就労促進相談員という嘱託職員6人の取り組み。「自分たちのノウハウをもっと市民サービス に活用できないか」と、就労支援の対象を生活保護の受給者だけでなく、生活相談に来られた方 にまで広げた。最初は相談者との信頼関係構築に苦労したが、「教えてもらった履歴書を誉めら れて採用になった。」、「もっと早く紹介してもらったらよかった、これから仕事をがんばるわ。」 という声をいただき、二人三脚の取り組みで成果をあげている。これからも「あなたに会えてよ かったと言われたい」を合言葉に取り組んでいく。
○ 同じく審査員特別賞「時空戦士 コセキッコ」(大庄支所市民課)
一番難しいとされていた戸籍事務について初心者にもすぐ分かり、実務に即した戸籍事務マニ ュアルの作成に挑戦。戸籍事務は各市独自の判断や対応をすべきものではないため、法務局主催 の研修に参加したところ、そこに来ていた伊丹市と宝塚市の職員が多大な協力をしてくれた。
紙ベースでは維持管理及び経費などに課題があるため、デジタル化し、見たいところをクリッ クすると瞬時に展開する、初心者、ベテランを通じて活用できるマニュアルが完成し、法務局戸 籍係長からも賞賛のコメントをいただいた。ワード・エクセルでCD−ROM化し、軽量かつ汎 用性のある、全国どこの自治体でも活用してもらえるのではと考えている。
今年度は希望する自治体に無料で配布し、使い勝手や改善点など、感想をいただき、精度を高 め、本当に全国で活用してもらえる「メイドインアマガサキ」の「コセキッコ」にしたいと考え ている。
○ 同じく審査員特別賞「ザ!鉄腕!DASH!!おはま村∼菜児季∼」(尾浜保育所)
子どもの苦手な食べ物の3分の2は野菜だということが分かった。食べることは生きることの 源、元気な子どもに育てたい、何でも食べる子にしたいという職員共通の願いを実現しようと野 菜作りに取り組んだ。栽培物は、スナックエンドウ・ブロッコリーなど。実をつけたのを発見し た子どもと会話し、一緒に収穫することから始め、出された給食もほとんど残さずに食べるよう になった。
保護者にアンケートをしたところ、85%が「保育所に来てから好き嫌いが少なくなった、何で も食べるようになった。」と答えるなど、成果をあげた。取り組みを通じ、職員一人ひとりが持 ち味・能力・特技を出し合い、楽しみながら、仕事のおもしろさを実感することができ、チーム ワークが深まった。
5 私が選んだチーム名ベストイレブン
「どこでもちかまつ MU KA DE運動」(ちかまつ・文化振興課)「資産 4× 3=活 用」(情報政策課)「中図範派やなー」(中央図書館)「燃焼系2 コスト式(こんな運動して みたら)」(クリーンセンター)「トクソー隊」(収税課)「ネット・ワークス尼崎」(環境政 策課)「みずから電気and泥」(園田配水場)「毎日コツコツ美っ化美化」(東消防署)「シエー ン(支援)、カムバ∼ック!」(能力開発支援課)「DOする?コラボる!市民と都市政策課の col l abor at i on」(都市政策課)「3つのKAT!」(塚口青少年会館)
6 おわりに
フレンテとはスペイン語で「先頭」「最前線」。今日のシンポジウムの会場にふさわしいと感 じる。これからも自治体職員有志の会が、「志」をもって取り組みたいと考えている方々の先頭・
最前線として、さらなる活躍を祈念している。
2)岸和田市人材育成型人事考課制度への挑戦
発表者:小堀 喜康(岸和田市市長公室人事課参事)
岸和田市は現在2つの大きな変革を行っている。外に向かっては市民との協働システムづくり、 自治基本条例を制定。内に向かっては行政改革を進めるための人づくり、人事制度改革に取り組 んでいる。
本日の話は、従来型の評価制度ではなく、人材育成をメインとした、これまでの制度にはない、 新たな人事制度づくりをしたいという決意表明のつもり。
1 人材育成型をめざした3つの理由
(1) 人材がいない、人材が育っていないという危機感
岸和田市だけでなくどの自治体でも同じで、これから数年の間に半数近い職員が入れ替わる状 態。次世代のリーダーをどう育てて、どう使って、どう選抜していくのかが大きな課題である。
(2) これまでは人事課の視点、職員を管理する視点でつくられたものがほとんど。職員の視点、 職員自身の立場に立った制度づくりになっていない。
(3) 従来は、評価とは給与を決めるためのもの。成績・順番をつけ給与、昇格や処遇を決定して いる。本当は市民からすれば職員の給与はどうでもいい。職員一人ひとりが自分の能力を一生 懸命アップしてくれ、今まで以上の良いサービスを提供してくれることを市民は望んでいる。
それをサポートするのが人事の仕事ではないか。給与決定のツールでなく、職員をいかに育 てるか、能力開発、職員の力の活用のためのツールとして考えるべきである。
2 古い人事管理論からの脱却
従来の評価制度は、職員は金銭(給与)と地位(ポスト)で動くものだ、という古い人事観・ 人事管理観に基づいていた。いわゆる「アメとムチ」「信賞必罰」という、がんばった職員には ご褒美をあげ、がんばらない職員は厳しく罰する、そうしないと職員は管理できない、といった 考え方であった。
金銭で人が動くのだったら、最大の問題は給与を銀行振り込みにしたことがマズイ。私のよう な既婚者のモチベーションを上げるのだったら、銀行振り込みをやめる。自分の手に入る現金払 いにしてくれたら、お父さんの権威も回復し、自由度も増し、もっとモチベーションも上がるの では(笑)。
われわれ自身、自治体を選んで就職している。われわれのモチベーションはどんなときに高く なるか?。やはり仲間と一緒に仕事をやって、一緒にがんばれた、達成できた喜び、上司・同僚 から認められる、ほめられるときに、やってよかったという達成感を味わって、モチベーション が高くなるのではないか。
組織内で目標・価値を共有するシステム、互いに認め合う、称え合うシステムづくりがモチベ ーションを高めるのに有効ではないか。
人間関係が生まれる報酬、コミュニケーション報酬をつくり出す制度が必要である。
3 岸和田市の選択
・制度のキーワードは、「自学」と「目標の共有」
・「信賞必罰」ではモチベーションは上がらないというのは上記の理由による。
・能力開発や学習は強制されて、いやいやしても身につかない。職員の自主性が能力アップに最
も必要だ。そのきっかけ、動機付けとなるのは「気付き」であり、どこが長所でどこが短所か を自分自身で認識し、それが能力開発のきっかけ、動機付けになるのではないか。
・従来の、総合判定がどうだったかということではなく、こういう能力・行動は十分できている が、こういう能力が不足しているかということが個々、具体的に分かるような評価システムが 必要である。
・職員アンケートによると、全体の4分の1の職場しか組織の目標が共有されていない、明確に されていなかった。われわれが仕事にやりがい、働きがいを感じるためには、組織がどういう 目標を持っているのか、どういう目標に向かって仕事をしているのか、きちんと組織内で共有 化され、みんなが1つの方向に向かって力を合わせることが必要であり、目標管理を導入し、 組織内の目標を共有化することを考えている。
・オープンな制度運用をして、コミュニケーション報酬、お互い認め合う、励まし合う、称え合 う評価度とした。
4 岸和田市の評価制度の基本的な枠組み
・従来型の勤務評定と呼ばれた制度(成績評価・能力評価・情意評価)では、「企画力」「判断 力」といった要素で評価し、きわめて抽象的、全体的な印象や評価者の主観による評価になっ てしまい、本人に説明・フィードバックできない制度であった。
・岸和田市では目標管理による実績評価と簡易コンピテンシーを使った能力評価の2つのツール を使って、評価制度を再構築した。
(1)目標管理による実績評価
・従来でいう成績評価。組織内で目標を立てて、達成度で評価するもの。部長、課長、担当長 という職階を対象
(2)簡易コンピテンシー
・部長は対象外。数年で退職、能力開発をしても間に合わないから対象にしない。非効率なこ とはしない。そもそも能力開発をしていない人を部長にしているほうがおかしい。どちらか というと、対象は担当長、一般職が中心
・マネジメント・サポートという制度を導入し、能力評価と同じ項目で部下が課長を評価して いる。
・目標管理は、客観性が高いと言われるが、目標を設定する管理職の力量に差があり、実際の 評価はバラバラ。そのため評価結果がバラバラ。評価として使うのはどうかと思う結果にな っている。評価というより、組織内で目標を共有化するコミュニケーションツールとして、 ミーティングを中心にした運用を図っている。
・簡易コンピテンシーは、岸和田市の制度で一番特色があり、かなり信憑性も高い、本人評価 と上司評価の一致率がかなり高い。
・マネジメント・サポートは、アンケートによると7割の課長が参考になる、1割が参考にな らないという回答があり、妥当性・納得性があるのではないか。
・下からの評価を入れ、上司が一方的にするものではなく、能力開発のためのツールとして考 える、気付いたことをお互いに教え合う制度イメージをしている。
5 岸和田市「簡易コンピテンシー」の特色
・従来の評価制度は、人事課がつくる、人事課のための制度ではなかったか。分かりにくく、複 雑である。
・新しい評価制度では、職員のために自己の能力開発に活用でき、評価方法が公開され、簡単で 分かりやすい、シンプルな制度。各項目の評価結果が完全に本人にフィードバック、オープン
にされ、「気付き」につながる制度。人事担当者が使いこなせるシンプルな制度とした。
・評価基準には二面性がある。上司が部下を見るときは評価基準、評価される側から見れば行動 規範・行動基準の側面がある。
・具体的な行動があるかないかで判断できる基準としている。あいまい・抽象的な基準から変更 し、特徴的な行動をつかまえて評価するシステムである。
・評価シートがそのまま本人に返却されるため、説明できる、フィードバックできる制度だとい うことが特色である。
・評価項目の12項目中、6項目は共通項目。残り6項目は評価される本人が自分で選ぶ自己選択 性を導入した。従来の一律な制度で画一的な職員をつくる制度から、職員のための評価制度へ。 コンセプトは職員の個性を活かす。自分が評価されたい、がんばりたい項目を自分で選べる、 個性的な職員を育てる制度を具体化した。
6 最後に
・従来は競争原理、市場原理に支配されてきたが、これからの行政改革のキーワードは協力原理 に基づくシステムではないか。
・それを念頭に人を育てる、人が育つ人事システムを発展させ、定着できるようにがんばってい きたい。
3)スーパー公務員養成塾の取り組み
発表者:鈴木 英敬
(経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課課長補佐)
1 スーパー公務員養成塾のきっかけ
・特区で講演を年70回ほどしてきたが、その都度「公務員のイメージが変わった」と言われ、世 の中から求められている公務員像と現在の公務員の乖離を感じるとともに、違和感がある。
・改革をしていこうと思っている仲間がここにもたくさんいる。公務員の「あきらめ感」「閉塞 感」「成功体験の不足」がある。何とかしたい。
・行政・政治に対するコスト意識の高まり、「税金はサービスの対価」の気持ちが高まっている。
2 スーパー公務員養成塾の実施方法
・参加者は合計63名、オブザーバーも多数参加。東京・関西で2005年1∼3月の全5回実施した。
・内容は、ゲストスピーカーによる「これからの行政官に求めるもの」という講演、民間団体が 実施しているような課題発見能力の養成。今後公務員も必要となるだろう。現役公務員の成功・ 失敗体験、失敗をこう生かしてほしいといったもののケーススタディ、アウトプットも必要で あり、「骨太2005」に入れる案件を作成、政策提案をする。
3 スーパー公務員養成塾の目的
・自らの「志」をもって行動できる人材、実現するための力を持った人材になる。
・世の中との乖離を解消する。
・「国づくり」へみんなを巻き込む。
・これをやろうとしたきっかけの1つは、以下のような現状認識である。
・今までの公務員=20世紀型公務員と定義、極端だが世の中の人が抱いている公務員のイメージ 上から言われたことや決められたことしかやらない。自浄能力の低さ、前例主義、責任回避、 当事者意識の低さ、金銭的にも時間的にもコスト感覚が著しく低い。誰のために仕事をしてい
るかという視点が欠けている。
・21世紀型公務員(スーパー公務員)を目指す。
・自らの「志」を持つ、実現するために行動する、実現するまであきらめない。責任感・当事者 意識を持つ。評論家はいらない。批判や「べき論」はいらない。自ら行動しないと意味がない。
・机上の空論ではなく、現場や実生活を踏まえた政策を実現するために、自ら共感し、「汗」を かく。これを「共汗感」と名付けた。一緒に汗をかいて動かないと意味がない。そのような人 材になろう。こういう目指す姿をもってやってきた。
4 養成塾第1回目の講師、竹中大臣の『5つの「せ」』
・公務員に必要な能力として、専門性、説得力、戦略性、センス(「風」を読む力)、正義(志)
・決して難しい話ではなく、熱く語ってくれた。
5 スーパー公務員養成塾の今後の展開
・10月から第2期開催、半年間全10回。東京、関西だけでなく、北海道、四国(松山)を追加、 持続するために仲間を増やしたい。キーマンによるフランチャイズ経営をする。
・対象者に民間を追加。パブリックを担うのはガバメントだけではない。協働と言われるが、社 会がよくなるためには、ガバメントだけではない。目的は、パブリックに携わる志ある人材の 育成、裾野拡大・底上げ・ネットワーク形成
・有志の会は政策提言を目的としないところがすごい。よくある公務員の勉強会は提言や他人の せいばかりしている。
・大事だと思うのは、自分で自分の持ち場を変えること、それが一番大事。自らの持ち場で火付 け役となり、リアルに変革していける人材を育てることが大事
・そういう意味では有志の会会員と全く思いは同じである。
・今日の参加者でも、地域の核になるキーマンでも興味のある方は連絡してほしい。先行して9 月10日に「西宮スーパー公務員塾」を実施する予定である。
・会社社訓、行動規範のような「公務員7訓」を霞ヶ関若手で作っている。内容については積極 的な意見を募集している。
・座右の銘 松下幸之助氏「志を立てよう」。志を持てば必ず道は開ける。人のせいにするな、 自分でがんばれ。
6 まとめ(みなさんに伝えたいこと)
・自分がやらなきゃ誰がやる、今やらなきゃいつやる。
・他人と比べることに意味は全くない。自分が志を持ってがんばりたいことを自分の目の前を変 えていく、何の問題もない。
・とにかく、成功するまで「本気」でやる。
・講演などでは失敗したことはないと言っている。成功するまでやるからである。つまずいてや めたらそれが失敗。やめずに何が悪いか考え、成功・目標に向かってやればいい。大事なのは 本気でやり続けることだ。
・「変えれるもの」にエネルギーを集中する(リンクアンドモチベーション代表小笹さん)
・「変えれるもの」=「思考・行動・自分・未来」と「変えられないもの」=「感情・生理的反 応・他人・過去」を因数分解して考える。
・カリスマやスーパースターは要らない。仲間と一緒に。カリスマやスーパースターができるこ とは少ない。みんなでやらないと意味がない。チームでやる方が実現力は高い。
・とにかく、今この瞬間から、このみんなでやるしかないで!
4)沖縄自治体職員ネットワーク(通称:いちゃりば)(沖縄県)
発表者:曽根 淳(沖縄県総務部東京事務所総務企画課主査)
1 「いちゃりば」って何
・「沖縄自治体職員ネットワーク」は名前が長いので、「いちゃりば」という通称をつけた。
・沖縄の方言で「いちゃりばちょーでー」(行き会えば兄弟:一度会ったら兄弟)と“ しゃべり 場” を掛けて、気軽な自由な議論ができるようにした。通称をつけたのはなるべく垣根を低く し、多くの人に参加してもらいたいからである。このような集まり・メーリングリストの有効 性は入ってみないと分からないもので、そういう意味でも愛称をつけた。
・スタートは2004年4月。自治体有志の会と関係があり、埼玉県志木市でのオフ会がきっかけで、 沖縄在住のメンバー5名が参加し、こういう会は非常にいいので沖縄でも立ち上げようと思っ た。
・メンバーは、沖縄県内の地方公共団体の職員。垣根を低くしたいということから、非常勤職員、 臨時職員、議員、関連団体職員を含んでいる。北は本島最北端、国頭村から南は日本最西端、 与那国町まで、県内114名が参加し、活動の内容は、メーリングリストでの意見交換とオフ会。 オフ会は月1回程度のペースで実施している。
2 これまでの活動実績
・自治の現場を見に行こうという「激変自治の旅」
・これまで、北海道ニセコ町、埼玉県志木市、関西には関西学院大学小西先生の紹介で2回ほど 訪問している。
・特徴としては、有志の会は改革派首長の話を聞くが、「いちゃりば」では、改革を実践してい る職員、ニセコ町の林さん、志木市の尾崎さん、城陽市の有川さんなどを招いて話を聞いてい る。
・また、「三位一体改革」のような比較的難しい内容は、専門家を招いて勉強会を開催している。
・沖縄からでは、今日のような場に参加するには、物理的・精神的ハードルが高い。そのためで きるだけ垣根を低くしたい。沖縄ではまだ改革派首長が出ていない。そうでなくても職員でで きることをしていこうということを考えながらやっている。
・講師に誰が来てもらっても、かりゆしウェアを着てもらい、最後には必ず宴会を開催する。
・自分たちと同じ立場の職員はいっぱいいる。その職員のがんばっている情熱や変革するという 気持ちを共有し、自分たちもがんばっていきたいと取り組んでいる。まじめに楽しくというこ とで、沖縄を訪れた職員グループとも交流している。
・実際やってみて、有志の会のようなやり方はいろいろな所でできる。沖縄で始めたら100人を超 える参加者が集まった。みなさんの地域でも同じような活動をして有効の輪を広げていきたい。 こういう取り組みが広がっていけば、地域から日本を変えていくことが本当に実現すると思う。
3 最後に
・最初に「いちゃりば」の意味を説明したが、この言葉を信じれば、ここに集まった約300名の出 会いは大きな意味がある。みんなが兄弟であるということであり、出会いは大切。この取り組 みが各地に広がり、チョウチョの会のような活動がどんどんひろがっていくと、日本も変わっ ていくと思う。
5)チョウチョの会(滋賀県)
発表者:チョウチョの会(井関、小林、初宿、堤、中西、中村、西村、松本)
○ 堤辰也
・昨年、高浜のシンポジウムでは最後列にいて、こんなに全国には熱い人がいるんだと思ったが、 今日は最前列を通り越し、この場にいることに驚いている。
・チョウチョの会は、7月3日に1周年フォーラムを開催した。内容は、北川正恭氏の講演、パ ネルトークなど。県内外から400名に参加してもらった。今日はそのフォーラムに関わったスタ ッフに、インタビュー形式で当時の模様を伝えてもらおうと思う。
○ 小林潤子
・松本さんにとって、チョウチョの会とは?
○ 松本寛
・私はこのような場で話ができるような職員ではなかったが、チョウチョの会では、私の話を聞 いてくれ、個性的なメンバーが集まっている。その内容は目から鱗が落ちるもので、職場のい ろいろな話を聞き、改革とは縁のない私だが、会は垣根がなく、誰でも参加できるフラットな 場、私にとって憩いの場である。
・ホームページ制作を担当したが、フォーラムの盛会がメンバーの自信となった。これから大き く羽ばたいていくのではと思う。
○ 小林潤子
・広告営業で苦労したようだが?
○ 井関知子
・紹介してもらった上場企業の取締役にアポをとり、一通り説明したが、会の趣旨・方向性が見 えない、当社のメリットがない等の機関銃のような質問を受け、自分の言葉で説明することに 必死になった。
・結果は残念だったが、後にその取締役が動いてくれ、思いに答えてくれたようで、ちょっとう れしかった。
・仕事とは違う、自主活動グループであるということで信頼を得ることは難しいと思った。
○ 小林潤子
・前売り券の販売など、いろいろ活動されたようだが?
○ 堤辰也
・フォーラムまで1ヶ月という短い期間で、昼休みや時間外での苦しい販売活動だった。説明に 苦労したが、一人ひとり説明して販売した結果、なんとか完売できた。
○ 小林潤子
・中村人事委員会事務局長がなぜここに?
○ 中村きよ子
・私はミーハーな性格、ここにいるのもその延長線
・チョウチョの会は北川さんの話に感化され、自分で気付いて、変わり始めようとしたことに、 おもしろい、いいことだ、これからどうなっていくのかという興味と好奇心から関わっている。 自分の肩書きのせいか珍重されているが、外に対しての信用、内に対しての安心になるなら、 否定することではないと思う。
・フォーラムの成功はみんなが真面目に取り組んだ結果であるが、これが始まりである。私には チョウチョになる時間はないが、青虫たちがチョウチョになるためのささやかなキャベツに、 スポンサーになれればと思う。
○ 小林潤子
・チョウチョの会には、様々な動機でいろんな人が集まっている。一人ひとりの気付きを力にし
て、改革が進むといい。
・と、ここで時間なので報告終わり。残りの3名(初宿・中西・西村)に興味ある方は交流会で。
(3名コケる)
6)Now For Future!!(福岡市)
発表者:道副 智美(福岡市建築局住宅政策課)
1 グループの概要
・福岡市では九州大学の大学院生と共同研究する研修が行われ、この研修に参加したメンバーが 役所の研修だけで終わらせたくないということで、翌年度(2003年)自主的に研究を始め、設 立
・このときのテーマは「コミュニティの自律経営」、今でもそれに関する分野が主な研究テーマ である。
・活動のスタイルは、机上の研究だけでなく、コミュニティの中に積極的に飛び込み、一緒に汗 を流すことをモットーとしている。
・これまで、いろいろな方々やグループのみなさんと組織・分野を超えて一緒になって活動を行 っている。
2 これまでの具体的な活動
・地域のまちづくり活動への参加、NPOでのボランティア、各地の市民活動の場を訪問し、意 見交換。各地(札幌、三鷹、武蔵野、横須賀、横浜、習志野、千葉、港、江東、立川、松山、 沖縄、釜山など)を訪問し、メンバーの中には、ヨーロッパのNPO等非営利セクターを視察 した者もいる。
・これらの活動で得たノウハウを共有したり、交流の場づくりをしようと、シンポジウムや講座 を開催しており、2003年にはコミュニティをテーマに市民と行政職員が本音で語る場である合 体フォーラム、2004年にはこちらも市民と行政職員が同じ立場で肩を並べて受講するという協 働講座、またCMやポスターなど広告を基にし、チラシやキャッチコピーを作るヒントにして もらおうとプレゼン講座を開催した。
・大学や高等専門学校との交流は、大学の特別授業の教壇に立たせてもらったり、相互にヒアリ ング、共通分野での資料制作など、お互いの研究をサポートしている。
・福岡市トップとの意見交換、市役所内外の協働活動、他都市のグループや職員、民間企業など の方々との交流などを通して、様々な形でのタイアップをしている。私たちと同じく具体的な 目的を持って汗を流している他の自治体グループとのネットワークを立ち上げ、交流を深めて いる。
・このような活動の体験、市民活動に参加して知り得た自治の課題やノウハウを論文などにまと めたり、研究発表会も数回実施し、各地でのシンポジウムでもこうした活動を広く紹介。ホー ムページ(nowf or f ut ur e. net )に今までの活動や最新の情報を紹介している。
・より詳しい情報は「月刊 地方自治研修」2005年3月号、4月号に設立から一連の活動、失敗 談、成功の秘訣などを投稿している。
・自主研究グループのネットワークについてはj i shu. koui chi . j pへ。「月刊 地方自治研修」1 1月号から連載を予定している。
・メンバーは5人、みんな個性的で、持ち味を生かして活動を地道に続けている。気軽に声をか けてほしい。
3.基調講演(概要)
発表者:稲継 裕昭(大阪市立大学大学院法学研究科長)
1 公務員制度改革
公務員制度改革という言葉はよく聞かれるが、いくつもの誤解がある。改革推進派と改革抵抗勢 力の両方があるのが普通だが、みんな賛成している。ただし、賛成の中身が違う。様々なアクター で各論がバラバラである。
国家公務員制度改革の場合であるが、与党では、自民党行革本部や自民党政務調査会で進めたも のの、公明党では閣議決定後に一部クレームがついた。制度官庁では、内閣官房で進められたもの の、総務省人事恩給局や人事院は蚊帳の外に置かれた。各省大臣官房では、政策官庁は未来志向で 変える人材を求める意向が強かったが、事業官庁は今抱えていることを粛々と変えていく人材を求 めるなど異論が多かった。
職員団体は団体によって様々だが、労働基本権と天下り批判に注目し、経済界は天下り批判と公 務員の働きぶりへの注文が多かった。マスコミは人件費削減と天下りや今のシステムに注目し、様々 な有識者グループは様々な意見があり、かみ合わない議論が展開されている。
それでは、制度の改革が必要であるかと思われるが、現行法の枠内での制度・運用改革ができる はずである。制度趣旨と運用実態の乖離が最大の特徴である。
例えば能力実績給与の導入論があるが、これは現行法にもあるのであり、運用実態が変わらなけ れば制度を改革したことにはならない。他に、内部昇進を意味するクローズドキャリアシステム、 遅い選抜システムと積み上げ型報奨の年功所列制度、他国と比べ異端の労働基本権の制約が現行制 度の特徴である。
さて、今次の公務員制度改革は、2001年12月の「公務員制度改革大綱」(閣議決定)があり、こ れには「2006年予定」と「地方も」の記述がある。2000年9月自民党行革本部で始まり、12月の行革 大綱、2001年1月には橋本担当大臣と経産官僚によって内閣官房行革事務局公務員制度改革室が発足 した。
なお、1990年代にも公務員制度改革はあったが、制度官庁間の綱引きともいえるものであった。 また、国家公務員制度改革は外からの改革とも言える。官への信頼低下、バブル崩壊等による経 済政策不信、リクルート事件以降の不祥事等による制度改革の大合唱による改革であるからである
2 地方公務員「制度」改革
国(自治省・総務省)において、2001年の閣議決定後、総務省公務員課での法案づくりが検討さ れたものの、現行法の枠内での制度・運用改革を求められた。
また、地方公務員制度改革は内からの改革とも言え、改革の先鞭役でもある。現行法の様々な取 り組みの中で組織の問題を抱えていたからである。
例えば30年代から40年代の大量採用世代の高齢化により、いびつな年齢構成となり、ポストの増 設、意思決定の遅延、上昇志向をなくした職員が増えてしまった。これは牧歌的な地方自治行政時 代ならば対応可能であったが、1990年代以降の自治体を取り巻く大きな嵐には対応できなくなった。 1993年の細川連立政権誕生以降、地域発で対応の必要のある問題が急増したことから分権改革が進 んだ。1994年から1995年頃から財政悪化は共通認識となった。
NPMという言葉は1990年頃、イギリスのクリストファーフッドによって始まり、1996年から1997 年に日本に持ち込まれ、あっという間に広まった考えである。
また、1980年代以降の情報公開による住民からの突き上げも増え、それまで行われていた官官接 待が明らかになり、批判が強くなったのも大きい。
これまでは地方が中央をもてなすこととこのことが許されることと認識されていたことが、これ
で批判され、なくなった。
また、インターネットなど情報の伝達スピードの革命的な発展により、他の自治体の政策をすば やく知れるようになった。また、従来の自治体職員向け雑誌は実務記事や昇任試験対策であったが、 現在の主流は新たな取り組みの紹介である。
さて、現場では短期間にNPMを初めとする様々な大改革が行われてきたが、改革メニューのホ ッジポッジ(ごった煮)で大混乱が起きている。コンサルタントは初めに知識を吸収するために格 安で請負い、パッケージ化して他自治体に売るようになった。しかし、現場ではそれを安易に利用 する場合があるが、時代環境の変化に組織が対応できていないなどでうまくいかないこことが多い。 専門的部分で使うのはいいが。
また、組織の要である人事制度を変えることが必要で、対応できる組織への改革と合わせて対応 できる人材を育成しなければならない。改革の最大の抵抗勢力は特権階級でもある人事と財政のう ちの守旧派である。この既得ステータスに手をつける必要がある。
3 組織・人事制度改革を考える際に考慮すべきいくつかの「ギャップ」
首長は4年任期の政治家であり、40年勤続保証の職業公務員とは認識のギャップがある。首長のミ ッションは「住民福祉の向上」など曖昧であり、再選されるかが評価基準である。しかし、首長に とってはアウトカムであり、不確定な外部要因が多い。ベースにある単位を比べると、首長は2∼3 年くらいを見ている場合が多く、変革の必要性を直に実感している。ただし就任初年度は予算や人 事が決まっているのがネックである。
一方、職員は、10年、あるいは次の昇任等を見ているなど様々で、現場での煩わしさは実感でき るものの、変革の必要性を実感しにくいものである。そこで、面従腹背といった行動パターンとな りうる。そこで、打開策として、首長がミッションを示し、目標、グループの目標へと降ろす取り 組みが必要である。
また、人事制度を改革し、目標を共有し、それを実感できる職員の育成が必要である。
職員間のギャップもある。団塊以前と団塊、団塊と中堅・若手、同年代の中でも「考える職員」 と「作業しているだけの職員」、「作業能率がよくて時間内に終了する職員」と「効率が悪くて残 業手当がもらえる職員」などがある。オイルショック以前は「でもしか公務員」が多かったが、以 降急変し、自治体職員のポテンシャルが向上した。
しかし、一方で「こんなはずじゃなかった」と考えるなど、モチベーションやモラールは低下し ていった。優秀な職員とは組織や時代により可変的である必要がある。
組織のミッションを遂行するに足る職員とは頭脳明晰・成績優秀、改革連呼の職員とは限らない。 地に足のついた仕事ができているかが大事である。NPMのブームの中、心地よい響きにとらわれ ることなく、日々の業務をこなし、今までのベースで改革を自ら実行する職員を指す。
人事、財務、企画は間接部門であり、これらの官房系統組織が「我々はサポート組織である」と いう意識改革が必要である。そのため建制順の一番下に置くべきである。これは国民にとってどう でもいいものがトップにある現状の改善である。既に佐賀県庁では昨年度から経営支援部門として 一番下に置いている。
4 人材育成・人材開発の方向性
研修所研修で人材が育つかを職員アンケートしたところ、「育つ」との回答は10%であった。人 事部と職員の認識にはギャップがあり、「自学」とその刺激が人材育成の鍵である。
例えば新しい仕事を任されたことで自ら成長したと認識する場合が多い。そのためには、人事管 理と人材育成の連携が重要で、従来の職場外研修と自己啓発補助・職場研修の組み合わせから、今 後は人事諸制度・職場研修と職場外研修というシステムへの変更が必要である。
さらにこれには、ジョブローテーションと仕事の与え方の仕組みを考えた上で変えていく必要が
あり、自学を促す人事評価制度が必要である。これまで勤務評定は地方公務員法でやらなければな らないのにかかわらずやっていない自治体が多かった。
人事評価の目的と役割は以下の2つである。職員の今の状態を知り、評価して、それに基づいて政 策を立て実施すること、行動規範を提示して職員の行動を変えることである。評価は期待の表明で あり、期待する人物像を示す。人事評価することで、職員の能力が向上し、それが住民のサービス 向上となる連鎖が大切である。
また、人事評価も組織業績を上げるための1つの手段にすぎない。
自学を促す「研修」とするためには、職場からどういう人をどうキャリアデザインしていくかが 大切である。職場外研修とその改革は、研修担当者の能力が問われている。
自己啓発研修と呼ばれているものは、高次の自学をしている職員へのサポートとすべきである。 すなわち、これからは、行政研修から行政研究とし、自学をいっそう刺激するものとして、サポ ートしていくことが大切である。研修を受けさせるという発想からモチベーションを上げる方向が 必要なのである。
4.パネルディスカッション
「住民サービスを高める自治体トップと職員の協働、人づくり」
コーディネーター:稲継 裕昭(大阪市立大学教授)
パネリスト:齋藤 弘(山形県知事)、白井文(尼崎市長)、逢坂誠二(ニセコ
町長)、山路栄一(三重県職員) 、小堀喜康(岸和田市職員)
● 稲継
「住民サービスを高める人材について」三首長からご意見を伺いたい
○ 逢坂
職員として11年、首長として11年のキャリアがある。11年前に首長になったときは、自治の標準 装備である「情報公開」「住民参加」すら、日本の自治体は持っていなかった。
当時は国政でも自治は大きな課題ではなく、市町村合併推進法制定の際にも大きな議論がなかっ た。首長になって、まず「情報公開」「住民参加」に取り組み、当時とは状況がだいぶ変わってき た。
しかし、国政に自治の感性がないため現場と乖離した政策ばかりが出される。その限界を感じ、 昨日辞表を出した。
しかし、何の後ろ盾もないにもかかわらず多くの自治体職員が自主的に集い、このような質の高 いシンポジウムが開催されることに、「日本は変わるのではないか」という予感を感じている。
○ 白井
4月25日に発生したJR福知山線の事故は、尼崎市では自然災害以外で災害対策本部を初めて立ち 上げたものであった。会議は情報共有と決定事項確認の場に徹した。
すなわち、現場で先々の対応を議論し結論を出して、会議ではその報告を受けることにした。中 学校の校庭がヘリポートになったり、遺体安置所を総合体育館に設置したのも、現場の判断である。 これらの判断について、もちろん検証は必要であるが、現場の声を活かしたタイムリーさと適切 さによる、すばやい対応が出来たことは評価できると思う。
人材育成に関しては、現場での職務を通じて「今、何が求められているか、見る・聞く・感じる」 能力を高めることが何より重要であると考える。
また、先日1億2000万円税金を徴収しそこなうというミスを外部から指摘された。調査してみると、
個人は正しい判断をしても組織として間違った判断をすることがあることがわかり、非常に危機感 を感じている。
個人の能力を高めることと、組織が適切な対応をとれるかは必ずしも一致しないことを実感させ られた。外部の圧力など様々な要件によって、判断を狂わされることがある。
このようなことを防ぐために、公益通報システムやコンプライアンスの徹底などを行っていく必 要がある。
○ 齋藤
山形県の中で有志の会第1号会員になった。常日頃MLでレベルの高い議論に驚いている。 今までのお二人とは違った視点で2つ述べたい。
一つめは、我が国が直面する人口の急激な減少について。山形は人口減少先進県であり、将来と も急激な人口減少に伴う労働力の減少が予測される。これに伴い、県内総生産額も減少し、今まで の豊かさを享受できなくなる。しかし、女性が出産・育児後も生き生きと社会参画できるよう、子 育て支援や就職年齢制限の撤廃等社会条件を整えることにより、現状男性比20パーセントポイント も低い女性の労働力を高めることが、総生産額の減少を少しでも防ぐ、あるいはむしろ増加させる ことに寄与するのである。すなわち「男女共同参画」とは、社会・経済構造の変化が当然のことと して求めること、時代の要請なのである。
2つめは、我々の生きる姿の変化である。すなわち、我々はこれまでになく自分のアイデンティ ティを確立し、そして他にそれを認めてもらいたい、と強く願うようになってきた。換言すれば、
「より深く生きる」ことが価値となっている。 行政の立場からこれを見ると、「あなたのため」 という、きめ細かな行政サービスが21世紀には求められている。その意味で、三位一体改革は、財 源と権限を市町村に移譲することにより、国の画一的な行政から自由度の高い行政に変えていくも のであり、是非とも実現しなければならないものである。これもまた、時代の要請なのである。
● 稲継
「首長と職員の協働」についてどう考えているか、日ごろ職員にどう伝えているかについてお聞 きしたい。
○ 齋藤
一番頭の痛い、難しい問題であるが、ポイントは「意識改革」と「情報の受発信」、意識改革に ついては、「これをやれば大丈夫」というのはないのではないか。
「おや?」と思った気持ち(旬)を大事に育てていくことが大切。人間の歴史もまた「旬」をい かにして保つかとの戦いの歴史であったと言っても過言ではない。
一方、「職員の仕事の進め方」としては、例えば予算については、これを積み上げるのではなく、 大きな方針の下で予算を編成し、その目標を達成するために個々の職員の仕事と責任が決まるよう なやり方を大切にしている。具体的には、特に、「いつまでに」行うのかという時間軸を持った「イ ンナーマニフェスト」を取り入れ、実践している。
情報の受発信(職員・県民に対して)とは、「考えていることをどうやって伝えるか」というこ とである。自分は就任以来原則毎日記者会見を行っているが、今、旬の事項を旬のうちに伝える、 処理することが大切である。意識改革はその積み重ねの結果であり、みずからも変わっていくこと でそれを示し、全体として力を発揮した組織にして行きたい。
○ 白井
職員との協働は難しい課題である。
「本音で付き合う、本音で語る」ことが大切であると考えるが、どこまで職員が受け止めてくれ
ているかは不安がある。「わからない」「おかしい」と言い合える関係、首長の意見に対し、職員 が一発で「はい」と言わないのも良い関係かもしれない。
○ 逢坂
自分は「はっきりしゃべる」「しゃべらない」のを組み合わせと、「夢」と「暗い面」を組み合 わせることが大切であると考える。
例えば、首長としては「ビジョンを明確にする」ことが求められるが、自分にしか理解できない ビジョンではだめで、相手が理解できるように、明確に具体的にしゃべっているか確認することが 大切である。
一方、最初から大きなビジョンを示すと相手とのギャップが大きすぎて実現不可能になることも ある。こんな時は、相手の理解と納得に応じながら少しずつ小出しにし、小さなベクトルをあわせ て少しずつ進んで行くというのも、現実に物事を進めていく上では必要である。
また、財政難ではあるが、その中で「夢」を語れるか。「詭弁」と取られるかもしれないが、詭 弁を語るのも首長の仕事である。
一方、夢ばかりでもだめであり、批判的なことや釘をさすこともする。嫌な仕事だが、きりっと するし、職員と距離感が取れる。長いこと(首長を)やっていると、距離感が取れなくなってしま う。
「町長室日記」は、職員とコミュニケーションをとるのに、非常に重要なツールである。
● 稲継
トップと職員のコミュニケーションは難しい。その中でどう協働を図っていくのか。職員の側か ら問題提起していただきたい。
○ 山路
自分が首長さん方と並んでこの場にいるのは、本の商業出版をするということと、パネリストを するという自分の「夢」を実現させるために自分で行動した結果である。
つまり、自分でシンポジウムを主催する側になればパネリストになれるからである。
私の自論は、自治体の首長は、組織の長というだけではなく、地域の経営者であり、そのため選 挙という民主的な方法で選ばれるのであり、職員としては自分の1票以外に影響力を行使できず、自 分たちでトップを選ぶということはできない。
有志の会のメーリング・リストで議論になったことがあるが、「改革派首長がいなかったらどう するのか」という問題がある。
しかし、首長の任期は一期4年であり、長くても2期か3期であるのに対し、通常、40年勤務す る職員は首長の改革姿勢に関わらず、できること、やらなければならないことがある。
マスコミ受けだけを狙うのではなく、改革の実をあげるには職員が動かないといけないわけであ って、そのためには、職員一人ひとりが組織のビジョンに貢献し、自らのキャリア・デザインを描 く、自分の「パーソナルビジョン」「パーソナルマニフェスト」を持つことも重要ではないかと考 える。
担当の仕事をこなすだけではなく、こんなことを考えているが、こんな職員をどう評価するか。
○ 逢坂
求める職員像は重要だが、同じタイプの職員ばかりはいらない。同じ性質の職員ばかりだと序列 がついてしまう。同じ性質の職員をつくらない、という方が重要ではないか。
多様な個性をどうはぐくむかは、職員同士が多様な個性とお互いの良さを認め合うところから始 まる。ニセコ町でも、正職員の他、企業出向者、外国国籍の方、インターシップの学生など、多様
な人材がいる。このことが、役所としての総合力を高めていると思う。
○ 白井
山路さんは、自己アピールをはっきりと押し出している。全員がそんな風にできないし、そうい ったセンスは人によると思う。組織には自己アピールする人やそれを支える人など様々な個性をも った人材が必要であろう。
○ 齋藤
首長はきちんと、鋭く意見具申をしてくれる人を求めている。しかし、具体的にどうしたら(そ ういう人材が育つのか)、というのが悩みである。求める像があるとすれば、車のハンドルやブレ ーキがそうであるように「遊び」を持つ職員か。
○ 山路
私はシンポジウムでは通常、聴衆の側にいるが、その際心がけていることは、講師やパネリスト との「マス対個の一方通行の関係」を「個対個の双方向の関係」に近づけるため、最前前に座り、 蛮勇を奮って最初に質問することをミッションにしている。
○ 齋藤
私も、山路さんの熱意を大いに感じ取ったが故に、有志の会に入会したいと思った。
● 稲継
続いて、さきほど「人材育成型人事考課制度」について報告いただいた小堀さんより問題提起を いただく。
○ 小堀
事例報告をした「人事担当者」の視点からの問題提起をしたい。
「人づくり」の重要な要素が「人事」であると考える。どこに配置され、どんな仕事になるのか、 誰が昇格し、リーダーになるのか。その仕事の中で職員が育っていく。
自分が人事制度・組織改革に取り組もうと思ったきっかけは、表向きには、職員の能力アップは モチベーションが高い組織で高く、それが人材育成につながると考えたからだが、裏向きには、職 員のモチベーションが下がるのはふさわしくないリーダーの下に配属された時であり、これは人事 の怠慢ではないかと思ったからだ。
「人事の怠慢」には、内部の秩序を重視しすぎる、客観的な能力評価を行わないといったいわゆ る「年功序列」があるが、一方では首長独自の判断により人事課の案が通らない場面もある。
このような「人事の怠慢」をなくすべく、新しい仕組みを提案することが人事部局に必要とされ ているが、首長としてはどういう情報が必要なのか教えて欲しい。
● 稲継
民間の経験も踏まえて、齋藤知事
○ 齋藤
いわゆる「正六角形型」(協調性に富む、責任感が強い、など)の人材が理想と言われているが、 自分は「新しい発想、スピード感、大胆な決断力」が必要と考える。中でも「新しい発想」にポイ ントを置きたい。