K D I C
84 D I C 649 JILPT資料シリーズ No.14 表1-4 (3C+ニス)
ニス 版
JILPT 資料シリーズ No. 6 6 年 8 月
中小企業における労使関係と労働条件決定システムの実態
-ヒアリング調査報告-
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
The Japan Institute for Labour Policy and Training
ま え
労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 に お い 、 中 期 の プ ロ グ ェ ク ト 研 究 の ひ と つ と し 労 働 条 件 決 定 シ ス テ ム の 再 構 築 に 関 す る 研 究 に 取 り 組 ん で い る 。 こ の 研 究 、 就 業 形 態 の 多 様 化 、 労 働 組 合 組 織 率 の 低 下 等 を 踏 ま え 、 雇 用 の 多 様 化 、 労 務 管 理 の 個 別 化 等 の と で の 新 た な 労 働 条 件 決 定 シ ス テ ム に つ い 検 討 し 、 必 要 な 政 策 提 言 を 行 お う と す る の で あ る 。
本 報 告 書 、 中 小 企 業 に 焦 点 を 当 る こ と に し た 。 そ れ 、 大 企 業 に 比 べ 中 小 企 業 の 労 使 関 係 や 労 働 条 件 決 定 シ ス テ ム に 関 す る 調 査 少 な く 、 そ の 実 態 必 し 明 ら に な っ い な い と い う 断 ら で あ る 。
研 究 会 労 働 組 合 ・ 労 使 協 議 の 機 能 と 実 態 に 関 す る 研 究 会 ) で 、 人 未 満 の 中 小 企 業 社 を 中 心 に ヒ ア リ ン グ 調 査 を 行 っ た 。 統 一 し た 調 査 項 目 に 基 い 調 査 を 進 た 、 企 業 そ れ れ の 特 徴 あ っ た の で 平 面 的 な 統 一 性 に こ わ る と 個 別 企 業 の 実 態 必 し 明 ら
に な ら な い の で な い と い う 心 配 あ っ た 。 そ の た 、 出 来 る け 統 一 性 を 意 識 し な ら 企 業 の 特 徴 明 ら に な る よ う に 調 査 と 執 筆 に 心 け た つ り で あ る 。 労 使 関 係 と 労 働 条 件 決 定 シ ス テ ム に お け る 中 小 企 業 の 多 様 性 を 確 認 出 来 れ と 願 っ い る 。
最 近 、 労 働 組 合 組 織 率 の 低 下 の 中 で 組 織 化 組 合 の 大 き な 課 題 と な っ い る 。 そ こ で 、 組 織 化 に 大 き な 成 果 を 収 い る 地 方 連 合 と 、 そ れ に 指 導 さ れ な ら 組 織 化 に 成 功 し た あ る 労 働 組 合 を 調 査 す る こ と に し た 。 組 織 化 の 労 と 喜 び 、 ま た 組 織 化 を る 労 使 関 係 の 展 開 過 程 に つ い の 調 査 の 結 果 組 織 化 を 目 指 す 労 働 側 と 経 営 者 側 に 少 な ら 示 唆 を 与 え る と 期 待 す る 。
今 回 の 調 査 に 多 く の 方 々 に 協 力 頂 い た 。 何 よ り 研 究 の 趣 に 理 解 を 示 し 社 を 紹 介 頂 い た 中 小 企 業 家 同 友 会 全 国 協 議 会 の 関 係 者 、 多 忙 の 中 、 快 く 調 査 に 応 頂 い た 社 の 経 営 者 と 組 合 の 関 係 者 、 ま た 、 連 合 東 京 とJ ユ ニ オ ン の リ ー ジ ー に こ の 場 を 借 り 心 よ り 感 謝 申 し 上 げ る 。
本 報 告 書 、 中 小 企 業 の 労 使 関 係 と 労 働 条 件 決 定 シ ス テ ム の 実 態 に つ い 知 り た い と 考 え い る 研 究 者 、 行 政 担 当 者 、 企 業 と 労 働 組 合 と よ り 、 一 般 の 読 者 に と っ 役 に 立 つ こ と 出 来 れ 幸 い で あ る 。
年 月
独 立 行 政 法 人 労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 理 事 長 小 野 旭
執 筆 担 当 者 執筆順
氏 名 所 属 執 筆 担 当
平 澤
ひ らさ わ
純 子
ゅん こ
労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 研 究 員 第 部 、 第 章 、 第 章
土
つ ち
屋
や
直
な お
樹
き
武 蔵 大 学 助 教 授 第 章 、 第 章
前 浦
ま えう ら
穂
ほ
高 立 教 大 学 助 手 第 章 、 第 章 、 第 章
呉
お う
学 殊
くす う
労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 副 主 任 研 究 員 第 章 、 第 部
梅 崎
う き
修
おさ
法 政 大 学 専 任 講 師 第 章
田
た
口
ち
和 雄
お
高 千 穂 大 学 助 教 授 第 章
木
き
原
ら
亜 紀 生
あ き お
労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 副 統 括 研 究 員 第 章
労働組合・労使協議の機能と実態に関する研究会
そ の 他 の 研 究 参 加 者 五 十 音 順 )
上 村
う え ら
俊 一
しゅんいち
労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 統 括 研 究 員
奥
お く
田 香
お
子
こ
京 都 府 立 大 学 助 教 授
熊
く ま
迫
さ こ
真
し ん
一
い ち
早 稲 田 大 学 大 学 院
内
な い
藤
と う
忍
し の
労 働 政 策 研 究 ・ 研 修 機 構 研 究 員
野
の
田 知 彦
と ひ こ
大 阪 府 立 大 学 教 授
目 次
ま え き
第 部 問 題 意 識
... ... ら い ... ... 方 法 ... ...
第 部 労 働 組 合 組 織 さ れ い る 企 業 の 事 例 ... 第 章 充 実 し た 労 働 組 合 機 能 ... ...
第 節 会 社 概 要
... ... 第 節 労 働 組 合 ... ... 第 節 団 体 交 渉 ... ... 第 節 全 社 会 議
... ... 第 節 業 務 上 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
... 第 章 組 合 の 弱 体 化 と 労 使 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ...
に
... ... 第 節 企 業 概 要
... ... 第 節 人 事 管 理 制 度 ... ... 第 節 労 使 関 係
... ... ま と
... ... 第 章 働 き 甲 斐 の あ る 会 社 を 目 指 す 労 使 関 係 ...
に
... ... 第 節 経 営 者 の 労 働 組 合 観 と 組 合 効 果
... 第 節 生 活 保 障 と 雇 用 保 障 ... ... 第 節 働 き 甲 斐 の あ る 会 社 で の 仕 事 ぶ り
... 第 節 信 頼 に 基 く 緊 張 感 の あ る 労 使 関 係
... ま と ... ... 第 章 世 代 間 利 害 調 整 を 生 出 す 労 使 交 渉 の 仕 組
... 第 節 企 業 概 要
... ... 第 節 労 働 組 合 ... ... 第 節 団 体 交 渉 と 労 使 協 議 ... ... 第 節 労 使 交 渉 ― 世 代 間 利 害 調 整 ―
... 第 節 調 査 の ま と と 理 論 的 含 意 ... . 第 章 社 長 自 ら 積 極 的 に 従 業 員 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 取 組 E 社 ...
第 節 企 業 概 要
... ... 第 節 従 業 員 と の 話 し 合 い ・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 場 の 概 況 と 運 用 状 況
... 第 節 労 働 条 件 決 定 の プ ロ セ ス ... .... 第 節 今 後 の 課 題 ... ...
第 部 労 働 組 合 組 織 さ れ い な い 企 業 の 事 例 ... 第 章 目 標 管 理 制 度 を 通 た 労 使 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ...
に
... ... 第 節 企 業 の 概 要 ... ... 第 節 従 業 員 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ... 第 節 人 事 労 務 管 理
... ... 第 節 労 働 組 合 に 対 す る 方 針 ... ... ま と ... ... 第 章 全 社 員 参 加 型 の 経 営 に よ り 開 発 型 企 業 と し 発 展 を す
... 第 節 会 社 概 要 ... ... 第 節 全 体 会 議 ... ... 第 節 全 体 会 議 の ス タ ー ト
... ... 第 節 評 価 制 度 、 賃 金 制 度 ... ... 第 節 充 実 し た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 制 度 ... 第 章 全 員 参 加 の 経 営 理 念 の 全 社 的 浸 透 を す 企 業
... 第 節 企 業 概 要
... ... 第 節 社 内 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ... . 第 節 労 働 条 件 の 決 定
... ... 第 節 特 徴
... ... 第 章 社 員 の 幸 せ を 願 い 、 社 員 の 理 解 と 納 得 を 重 視 す る 労 使 関 係 ...
第 節 企 業 に つ い
... ... 第 節 社 員 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 状 況
... 第 節 労 働 条 件 の 決 定 ... ... 第 節 労 働 条 件 に 関 す る 相 談 等
... .... 第 節 若 の 考 察
... ...
第 部 労 働 組 合 ら の ヒ ア リ ン グ
... ... 第 章 組 合 結 成 に 取 り 組 地 方 連 合
... に ... ... 第 節 組 織 の 概 要
... ...
第 節 地 方 連 合 に よ る 組 合 結 成 の 取 組
... 第 節 連 合 ユ ニ オ ン 東 京 の 課 題
... .... ま と ... ... 第 章 労 働 組 合 の 新 規 結 成 に よ り 労 使 関 係 ・ 労 働 条 件 の 改 善 に 成 功 し た 事 例 ....
に
... ... 第 節 企 業 概 要 ... ... 第 節 労 働 組 合 の 概 要 ... ... 第 節 調 査 対 象 者 に つ い
... ... 第 節 組 合 結 成 の 経 緯 ... ... 第 節 組 合 結 成 準 備 期 間 ... ...
第 節 組 合 の 結 成 、 会 社 側 の 反 応
... . 第 節 組 合 の 分 裂 と 統 一 ... ... 第 節 団 体 交 渉 、 労 使 協 議 の 開 催 状 況 と 労 使 協 定 の 締 結 状 況 ... 第 節 組 合 結 成 後 の 労 働 条 件 決 定
... . 第 節 労 働 組 合 の 結 成 労 働 条 件 と 経 営 に 及 し た 影 響 ... 第 節 組 合 結 成 後 の 労 使 関 係 ... ... 第 節 組 合 活 動 上 の 課 題
... ... お わ り に ... ...
第 部 ま と
... ... 労 働 組 合 の 結 成 動 機 と 組 合 効 果
... .. 労 使 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ... ... 労 働 条 件 決 定
... ... 社 長 の 考 え 方 と 労 使 関 係
... ...
-1- 第 部 問 題 意 識
ら い
総 務 省 統 計 局 ) 就 業 構 造 基 本 調 査 全 国 編 ) に よ れ 、 雇 用 者 の う ち 官 公 庁 、 そ の 他 の 法 人・団 体 以 外 の 会 社 で 働 く 者 の 数 万 人 で 、そ の う ち . % に あ た る 万 人 従 業 者 規 模 人 未 満 の 会 社 で 働 い い る 。 従 業 員 人 未 満 の 会 社 で 働 く 人 多 数 派 で あ る と 言 え る 。
こ の 規 模 の 企 業 に お け る 労 働 組 合 の 組 織 率 低 い 。 厚 生 労 働 省 大 臣 官 統 計 情 報 部 編
) 労 働 組 合 基 礎 調 査 報 告 に よ れ 、 民 営 企 業 従 業 員 人 以 上 に お け る 推 定 組 織 率 . % で あ る の に 対 し 、従 業 員 ~ 人 で . % 、従 業 員 人 以 下 の 企 業 で . % と い う 水 準 に あ る。こ の よ う に 、推 定 組 織 率 企 業 規 模 と 反 比 例 し お り 、従 業 員 人 未 満 に 括 り な お し 、 そ の 組 織 率 数 パ ー セ ン ト 程 度 で あ ろ う と 考 え ら れ る 。
た し 、 こ れ 個 人 を 単 位 と し た 組 織 率 、 つ ま り 労 働 組 合 員 数 を 雇 用 者 数 で 除 し た 数 で あ る 。 佐 藤 ) 、 労 働 組 合 企 業 や 事 業 所 を 単 位 と し 組 織 さ れ る こ と ほ と ん で あ り 、 労 働 組 合 存 在 し な い 企 業 や 事 業 所 の 広 り を 知 る に 個 人 を 単 位 と し た 組 織 率 で 不 十 分 で あ る と 指 摘 し 、企 業 や 事 業 所 な 組 織 を 単 位 と し た 組 織 率 必 要 で あ る と し 、 年 の 組 織 単 位 の 組 織 率 を 算 出 し い る 。方 法 、労 働 大 臣 官 政 策 調 査 部 編 ) 日 本 の 労 使 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 現 状 に 調 査 対 象 事 業 所 数 と 労 働 組 合 組 織 さ れ た 事 業 所 数 の 両 方 事 業 所 の 属 す る 企 業 規 模 別 に 記 載 さ れ い る こ と を 利 用 し 、 労 働 組 合 組 織 さ れ た 事 業 所 数 を 調 査 対 象 事 業 所 数 で 除 す る と い う の で あ る 。 こ の 方 法 に よ り 、 佐 藤 次 の こ と を 指 摘 し い る 。 事 業 所 単 位 の 組 織 率 個 人 単 位 の 組 織 率 よ り 相 当 程 度 高 い 。 企 業 規 模 , 人 以 上 の 企 業 の 事 業 所 で そ の . % に 労 働 組 合 組 織 さ れ 、企 業 規 模 ~ 人 の 企 業 に 属 す る 事 業 所 で 、そ の . % に 組 合 組 織 さ れ お り 、企 業 規 模 人 以 上 の 企 業 に 属 す る 事 業 所 に 、労 働 組 合 を 前 提 と し た 労 使 関 係 形 成 さ れ い る 図 表 参 照 )。 し
し 、事 業 所 単 位 の 組 織 率 、企 業 規 模 人 以 下 で 組 織 率 低 く な っ お り 、企 業 規 模 人 以 上 と 企 業 規 模 人 以 下 と の 間 に 断 層 あ る 。
ち な に 、 現 時 点 で こ れ と 同 方 法 で 最 新 の 事 業 所 単 位 の 組 織 率 求 ら れ る の 、 年 に つ い で あ る 。 年 に お け る 企 業 の 従 業 員 規 模 別 の 事 業 所 の 組 織 率 、 ~ 人 で
. % 、 ~ 人 で . % で 、従 業 員 規 模 人 以 上 と 従 業 員 規 模 人 未 満 と の 間 に 、 や り 断 層 あ る こ と わ る 図 表 )。
従 業 員 人 未 満 の 企 業 で 労 働 組 合 な い 事 業 所 大 半 を 占 い る 。 そ れ で こ の 規 模 の 企 業 で 、 労 働 条 件 を 決 定 ・ 変 更 す る 際 、 労 使 で 意 思 の 疎 通 行 わ れ い る の ろ う
、 労 使 の 意 思 疎 通 行 わ れ い る 場 合 に 、 具 体 的 に の よ う に し 行 わ れ い る の
厚生労働省大臣官 統計情報部 )、p. 、第 表。 佐藤 )、p. 。
-忙-
図表1 事業 単位 組織率
企業規模 年時点 年時点
人以上 人 人 人 人 人
出 : 年時点 労働大臣官 政策調査部編( 日本 労使コミュニ ション 現状 p 第3表か 。
年時点 労大臣官 政策調査部編(
日本 労使コミュニ ション 現状 p 第 表か 。
ろ う 、 ま た 、 労 働 組 合 結 成 さ れ い る 企 業 と 労 働 組 合 結 成 さ れ い な い 企 業 と で の よ う な い あ る の を 把 握 す る こ と 本 調 査 研 究 の ら い で あ る 。
方 法
上 記 の 課 題 に 取 り 組 た 、本 研 究 会 労 働 組 合・労 使 協 議 の 機 能 と 実 態 に 関 す る 研 究 会 で 従 業 員 人 未 満 の 企 業 を 対 象 と し た ヒ ア リ ン グ 調 査 を 実 施 し た 。
調 査 に あ た っ 中 小 企 業 家 同 友 会 全 国 協 議 会 以 下 、 中 同 協 と い う ) に 事 例 の 紹 介 を 依 頼 し た 。 中 同 協 と 、 全 国 都 府 県 の 中 小 企 業 家 同 友 会 東 京 中 小 企 業 家 同 友 会 、 千 葉 県 中 小 企 業 家 同 友 会 等 )の 協 議 体 で あ り 、 年 に 日 本 中 小 企 業 家 同 友 会 と し 創 立 さ れ た 企 業 経 営 者 の 団 体 で あ る 。 年 月 現 在 、 会 員 数 全 国 で 約 万 名 、 会 員 の 経 営 す る 企 業 の 平 均 的 な 規 模 従 業 員 数 約 名 、 資 本 金 万 で あ る 。 中 同 協 の 目 的 、 会 員 の 経 験 ・ 知 識 交 流 に よ る 企 業 の 自 主 的 近 代 化 と 強 靭 な 経 営 体 質 醸 成 の 進 、 会 員 相 互 交 流 に よ り 経 営 者 に 要 求 さ れ る 総 合 的 な 能 力 を 身 に つ け る こ と 、 他 の 中 小 企 業 団 体 と 提 携 し よ り 良 い 経 営 環 境 を つ く る こ と の つ で あ る 。 常 任 幹 事 会 の 下 に 労 働 委 員 会 を 擁 し 、 年 に 労 使 見 解 を ま と 、 対 等 な 労 使 関 係 の 必 要 性 を 会 員 に ア ピ ー ャ し い る 。 労 使 見 解 と 経 営 者 と し の あ る べ き 姿 勢 を 問 い け 、 労 使 関 係 の 創 造 的 発 展 こ そ 企 業 成 長 の 原 動 力 で あ る こ と を 示 す の で あ り 、 経 営 者 経 営 姿 勢 を 確 立 し 社 員 と の 信 頼 関 係 を 築 く こ と と 、 経 営 指 針 の 成 文 化 と そ の 全 社 的 実 践 の 重 要 性 を 説 く の で あ る。
こ う し た 活 動 あ り 、中 同 協 中 小 企 業 労 使 関 係 の 研 究 で く ら 注 目 を 集 き た 団 体 で あ る 。
中 同 協 に 次 の よ う な 企 業 経 営 者 の 紹 介 を 依 頼 し た 。 す な わ ち 、 東 京 、 神 奈 川 、 千 葉 、 埼 玉 に 本 社 ・ 本 店 の あ る 、 製 造 業 、 卸 売 ・ 小 売 業 、 サ ー ニ ス 業 の 企 業 で 、 つ 企 業 規 模 別 従
以下の中同協の紹介 、中同協HP http: www.d y .jp t .ht lによる。
その内容 、中小企業家同友会全国協議会 ) 人を生 す経営―中小企業における労使関係の見解 と題 する冊子に記載され いる。
中小企業家同友会全国協議会 )まえ き 中同協会長・赤石義博氏執筆部分) ら。
例え 、小野塚 )p. や、 場 )p. に 場し、 場 ) 中同協の 労使見解 全文を 資料とし 転載し いる 場 )、pp. )。
-年-
業 員 数 人 以 下 、 ~ 人 、 ~ 人 、 ~ 人 、 ~ 人 ) に 労 働 組 合 あ る 企 業 と な い 企 業 を そ れ れ 社 つ 、計 社 の 紹 介 を お 願 い し た 。中 同 協 ら の 紹 介 に よ り 、ま 経 営 者 を 対 象 と す る ヒ ア リ ン グ 調 査 を 実 施 し 、 労 働 組 合 あ る 場 合 に 、 組 合 役 員 を 対 象 と す る ヒ ア リ ン グ 調 査 へ の 協 力 を 求 た 。
上 記 の よ う な 条 件 を 満 た す 企 業 の 経 営 者 の う ち 、 従 業 員 数 人 以 下 の 企 業 に つ い 、 紹 介 を 受 け た 経 営 者 に 何 度 連 絡 を し た 、 多 事 多 端 な 上 に 、 東 奔 西 走 し い る と の こ と で 調 査 実 施 に 至 ら な っ た 。 そ の 代 わ り に 他 の 規 模 の 企 業 の 紹 介 の 追 加 を 得 、 最 終 的 に 中 同 協 の 紹 介 で 調 査 で き た 企 業 数 社 と な っ た 。
以 上 の 中 同 協 の 紹 介 に よ る 調 査 の 実 施 期 間 年 月 ら 月 月 で あ る 。 ま た 、 研 究 会 で 、 中 同 協 の 紹 介 に よ る 調 査 以 外 に 、 労 働 組 合 地 方 組 織 に よ る 組 織 化 へ の 取 組 状 況 を 観 察 す る た 、 連 合 東 京 に 対 し ヒ ア リ ン グ 調 査 を 実 施 し た 。 さ ら に 連 合 東 京 に 次 の 条 件 を 満 た す 加 盟 単 組 組 合 の 紹 介 を 要 請 し ヒ ア リ ン グ 調 査 を 実 施 し た 。 そ の 条 件 と 、 製 造 業 、 卸 売 ・ 小 売 業 、 サ ー ニ ス 業 の い れ に 属 し 、 従 業 員 人 未 満 の 企 業 で 、
つ 、 連 合 東 京 の 組 織 化 に よ り 新 規 に 結 成 さ れ た 単 組 で あ り 、 こ の 条 件 を 満 た す 単 組 と し 紹 介 さ れ た の J ユ ニ オ ン で あ る 。連 合 東 京 及 び J ユ ニ オ ン を 対 象 と す る 調 査 の 実 施 期 間 、
年 月 ら 年 月 で あ る 。
以 上 に よ り 、 中 同 協 の 紹 介 に よ る 調 査 件 に 、 連 合 東 京 及 び 連 合 東 京 加 盟 単 組 調 査 と を 加 え 計 件 の 調 査 を 実 施 し た 。 協 力 頂 い た 会 社 と 組 合 の 方 々 ら 企 業・団 体 名 を 公 開 し
差 し 支 え な い と い う 承 諾 を 得 た 事 例 の 場 合 、 社 名 や 組 合 名 な の 固 暼 名 詞 を 記 し お い た 。
な お 、 具 体 的 な 企 業 の 属 性 等 の ま と に つ い 第 部 を 参 照 さ れ た い 。
資 料 ・ 文 献
小 野 塚 敬 一 ) 中 小 企 業 労 働 者・労 働 組 合 の 要 求 と た た い の 方 向 渡 辺 睦・小 野 塚 敬 一 ・ 永 山 利 和 ・ 西 村 な お き 中 小 企 業 と 労 働 組 合 労 働 旬 報 社 、 pp. 。
厚 生 労 働 省 大 臣 官 統 計 情 報 部 ) 労 働 組 合 基 礎 調 査 報 告 。
佐 藤 博 樹 ) 未 組 織 企 業 に お け る 労 使 関 係 日 本 労 働 研 究 雑 、 pp. 。 総 務 省 統 計 局 ) 就 業 構 造 基 本 調 査 全 国 編 。
中 小 企 業 家 同 友 会 全 国 協 議 会 ) 人 を 生 す 経 営 ― 中 小 企 業 に お け る 労 使 関 係 の 見 解 。 場 邦 彦 ) 中 小 企 業 の 労 使 関 係 中 小 企 業 労 務 管 理 研 究 会 編 世 紀 の 人 材 戦 略 ―
人 育 ・ 人 活 し ・ 企 業 く り わ 出 版 、 pp. 。
労 働 大 臣 官 政 策 調 査 部 編 ) 日 本 の 労 使 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 現 状 労 使 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 調 査 )。
労 働 大 臣 官 政 策 調 査 部 編 ) 日 本 の 労 使 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 現 状 労 使 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 調 査 )。
-外- 第 部 労 働 組 合 組 織 さ れ い る 企 業 の 事 例
第 章 充 実 し た 労 働 組 合 機 能
― 出 版 業 社 ―
第 節 会 社 概 要
社 、 約 年 前 に 創 業 さ れ た 、 紙 芝 居、 児 童 図 書 の 出 版 を 行 っ い る 会 社 で あ る 。 現 在 、 紙 芝 居 数 点 、 図 書 数 点 を 毎 年 出 版 し い る 。 売 上 高 に 占 る 割 合 、 紙 芝 居 よ り 児 童 図 書 の 割 合 な り 大 き い 。
従 業 員 数 数 人 で 、 そ の う ち い わ ゆ る 正 社 員 割 以 上 を 占 い る 。 他 派 遣 社 員 な で あ る 。 派 遣 社 員 す べ 女 性 で あ り 、 営 業 の 電 話 受 付 、 受 注 の 入 力 、 編 集 の 補 助 業 務 な を 担 当 し い る 。 正 社 員 に つ い 、 男 性 社 員 多 く 、 女 性 の 割 合 割 強 で あ る 。 従 業 員 数 に つ い 、 近 年 と く に 変 動 な く 推 移 し い る 。 正 社 員 の 勤 続 年 数 に つ い 、 比 較 的 長 期 勤 続 者 多 く 、 平 均 年 数 約 年 で あ る 。 年 齢 構 成 に つ い 「 歳 代 ら 歳 代 ま で 「各 年 代 比 較 的 均 等 な 構 成 と な っ い る 。
会 社 の 組 織 、 そ れ れ 編 集 、 販 売 、 総 務 を 担 当 す る つ の 部 門 あ り 、 人 員 数 の 割 合 を る と 、 編 集 部 門 割 弱 、 販 売 部 門 約 割 な と な っ い る 。
現 在 の 社 長 、 初 代 の 創 業 者 ら 代 目 に あ た る 。 創 立 者 と の 血 縁 関 係 な い 。 一 般 社 員 と し 入 社 し 、 編 集 者 と し ロ ン グ セ メ ー を い く つ つ く り し き た 実 績 あ り 、 リ ー ジ ー シ ッ プ に で い る と い う こ と で 、 役 員 会 で 推 さ れ 社 長 に 就 任 し た 。 資 本 関 係 に つ い
、 社 他 社 の 系 列 下 に な く 独 立 企 業 で あ る 。 ま た 、 社 株 式 を 公 開 し お ら 、 株 主 少 数 で あ る 、 特 定 の 株 主 絶 対 的 な 影 響 力 を 暼 し い る よ う な 所 暼 構 造 で な く 、 会 社 経 営 、 社 長 の リ ー ジ ー シ ッ プ の と で 行 わ れ い る と い う こ と で あ る 。
社 の 企 業 業 績 、比 較 的 好 調 を 維 持 し き い る 。 年 代 の 終 わ り こ ろ ら 売 り 上 げ 、 利 益 と に 拡 大 傾 向 に あ る 。 出 版 不 況 、少 子 化 の い わ 逆 風 の な に あ っ 、多 く の ロ ン グ セ メ ー 作 品 を 出 版 し い る こ と と 、 近 年 ヒ ッ ト 作 品 を い く つ 出 し い る こ と で 、 好 調 を 維 持 し 続 け い る 。
社 で 、 出 版 理 念 お よ び 経 営 理 念 を げ い る 、 項 目 あ る 経 営 理 念 の う ち つ 、 す べ の 従 業 員 と 力 を 合 わ せ 、働 き 甲 斐 あ り 、よ り よ く 能 力 を の し 、よ り
以下の記述 主に、 社の取締役 名、そし 社労働組合役員 名の方々 ら、それ れ別の機会にお話をお 伺いしたときの記録に基 い いる。取締役の方に 年 月、組合役員の方々に 同年 月に、い れ
社社屋に お話をお聞きした。
社 出版し いる紙芝居 、いわゆる街頭紙芝居に利用される ので なく、幼児、児童の教育のた の教材 な とし 、幼稚園、保育園、小学校、また一般に利用される、印刷された紙芝居である。
これまで不況、少子化のな で、児童書市場 縮小傾向にあった 、近年、全体とし 児童書の売り上げ 堅調 である。 デリー・フッター シリーゲの 献 大きい 、それ以外に 、いくつ ヒット作品 つくり され き いる。小中学校における 朝の読書 な 読書推進運動のひろ り、大人の読者層の拡大 、市場の堅調 に寄与し いる。
-イ-
よ い 将 来 を 期 待 し う る 会 社 を つ く る た に 努 力 す る 、 中 小 企 業 に さ わ し い 労 使 の 民 主 的 相 互 関 係 を 築 き あ げ る た の 持 続 的 努 力 を お こ な う と い う の で あ る 。
第 節 労 働 組 合 沿 革
社 に 、 印 刷 ・ 出 版 関 連 産 業 の 労 働 者 を 組 織 す る 産 業 別 組 織 に 加 盟 す る 労 働 組 合 存 在 し い る 。 組 織 形 態 「企 業 別 組 織 で あ る 。 組 合 結 成 さ れ た の 年 代 前 半 で あ る 。 従 業 員 規 模 数 人 の 企 業 で 結 成 当 時 の 従 業 員 数 、 経 営 者 を 含 、 人 で あ っ た )、 そ し 年 以 上 組 織 を 維 持 し き た と い う 点 で 、 非 常 に 稀 暼 な 例 で あ ろ う 。
結 成 の 経 緯 を 、 社 労 働 組 合 の 歩 以 下 、 歩 と 記 す ) と い う 資 料 に よ っ る と 、 賃 金 低 く 、 業 手 当 支 給 さ れ お ら 、 生 活 非 常 に し い こ と に 対 す る 不 満 大 き な 動 機 と な っ 組 合 で き た よ う で あ る 。 組 合 の 組 織 形 態 に つ い 、 産 業 別 組 織 の 地 域 支 部 に 個 人 加 盟 す る こ と ら 組 合 活 動 始 ら れ 、 地 域 支 部 に 属 す る 地 域 分 会 、 そ し 職 場 分 会 と い う た ち で 活 動 行 わ れ き た 前 述 の よ う に 、 現 在 独 立 し た 組 織 で あ る )。
結 成 当 初 の 組 合 と 経 営 と の 関 係 、 当 時 の 多 く の 企 業 に お い と 同 様 に 、 感 情 的 な 対 立 含 ん で な り 対 的 な の で あ っ た よ う で あ る 。し し 年 代 初 こ ろ ま で に 、そ れ ま で に 紆 余 曲 折 あ り な ら 、 一 応 の 労 使 関 係 の 安 定 実 現 し た よ う で あ る 。 そ の こ と に 、 い わ ゆ る 高 度 成 長 の な で 経 営 順 調 に 発 展 し い っ た こ と 、 ま た 会 社 経 営 の 中 的 な 人 物 、 同 時 に 組 合 活 動 に お い 中 心 的 な 役 割 を 担 っ い た こ と ら 、 組 合 と の 良 好 な 関 係 を 築 く こ と な し に 経 営 の 順 調 な 発 展 考 え ら れ な っ た こ と 、 労 使 の 相 互 理 解 す す ん こ と な 関 係 し い る ろ う 。
その資料に 、結成に関わった人たちの 談会 の記録 ある。当時のある組合員 、生活 しく、他の社 員と共同生活をし、ほ にアャトイトをし 何と 生活し いたような状況で、会社を辞 ることを考え いた
、辞 る前に組合をつくっ 交渉し ようということで、組合を結成したと述べ いる。
歩 の 談会 の記録によると、当初の組合員の期待 、会社の成り立ち 、民主的な紙芝居運動に由来 し い 、民主的な社長であり、話し合い 可能 ろう という の った。し しそれ 思いち い で、 社長の考え 、 社 自分の会社、会社の財産 自分の の、という のであったという。他方、経営者の側 、 労働組合を、過大な賃上げ要求によっ 民主的な運動体の経営を危うくする のと いたようである。 これ 談会 の記録である 、’ 年代の初期 、世間の景気 く 私達 割合要求 実現できたし、 本 よく売れた時代 った。権利関係 一定程度整理し いった。… 社 ’ 年以降きわ った労使間のトメ ブャ なく、若い人 なり入っ くるんです というように述べられ いる。
歩 にある 資料 によると、結成当初、部長 名、次長 名、経理担当者 名 組合員であること、また 組合役員、団体交渉の労働側委員となっ いることに関し 、社長 、問題視し、組合に対し 質問書 を出 し いる。
当時の社長 、中小企業家同友会全国協議会 中同協) 年に発表した 中小企業における労使関係の見 解 の作成に中心的に関わった一人ということである。組合役員によると、 社長の考え 、そのときまでにそ こまで変わった ということである。その 見解 で 、ま 労働者の人格、権利の尊重な の精神 話し合 いの 底基盤 になけれ ならないとし いる。そし 労使間の問題処理につい 、 基本的に 誠心誠意交渉 にの 経営者の姿勢、態度こそ、 っと 大 なことです。経営者 労働者の立場、考え方、感情をできる
り理解しようという姿勢 話し合いの前提でありますし、また労働条件の改善につい 実行できること、また 必要なこと 積極的に取り組 という姿勢 大事です と述べ いる。また、 職場内の会社組織を通 、その 他あらゆる機会をとらえ 、労使の意思の疎通を り、それ れの業界や企業のお れ いる現状や、経営者 の考え、姿勢を っきり説明すると同時に、労働者の意見や、感情をできる け正しくうけと る常日頃の努力
-6- 加 入 状 況
現 在 、 社 労 働 組 合 、 課 長 ま で の 正 社 員 を 全 員 組 織 し い る 。 部 長 に 組 合 員 資 格 を 認 い る 、 会 社 役 員 に 組 合 員 資 格 な い 。 現 在 、 部 長 職 の の 会 社 役 員 を 兼 務 し い る た 、 部 長 の 組 合 員 い な い 。 組 合 会 社 と の 間 で ユ ニ オ ン ・ シ ョ ッ プ 協 定 を 結 ん で い な い た 、 組 合 加 入 社 員 の 自 由 意 志 に よ っ い る 、 こ れ ま で ほ と ん の 社 員 組 合 に 加 入 し き た 。 そ の 理 由 の 一 つ と し 、 ほ と ん の 社 員 組 合 員 で あ る ら 、 組 合 に 加 入 す る こ と 当 然 と い う 雰 気 職 場 に あ り 、 社 員 に 対 す る 加 入 勧 誘 の 説 得 容 易 に 受 け 入 れ ら れ る と い う こ と あ る 。 さ ら に 、 そ う い う 雰 気 の な で 、 仮 に 組 合 費 を 支 払 い た く な い 、 組 合 活 動 を 行 い た く な い と 考 え い 、 非 組 合 員 で あ る こ と を 選 択 す る こ と 、 一 定 の プ ヤ ッ シ ャ ー を 覚 悟 し な く で き な い と い う こ と あ る し れ な い 。 し し そ う し た 理 由 よ り 、 社 に お い 、 賃 金 、 労 働 時 間 を 、 幅 広 く 労 働 条 件 に 関 わ る 諸 決 定 を 、 労 働 組 合 と の 間 で 実 質 的 な 協 議 、 交 渉 を 行 っ 、 一 定 の ャ ー ャ を つ く り 、 実 施 し き た と い う こ と 重 要 で あ ろ う 。 労 働 組 合 を 通 、 社 員 自 ら の 労 働 条 件 の 決 定 に 参 加 で き る と い う こ と 、 社 員 の ほ と ん 組 合 員 で あ る こ と を 選 択 し い る 理 由 と し 重 要 で あ る 。 そ し 社 労 働 組 合 、 人 数 的 に 小 規 模 で あ る た 、 執 行 委 員 の 比 率 分 の 弱 と な り 高 く 、 一 般 組 合 員 と 執 行 部 と の 意 思 疎 通 容 易 で あ り 、 ま た 団 体 交 渉 の 重 要 な 場 面 で 組 合 員 全 員 参 加 す る 全 員 団 交 を 行 っ い る た 、 大 規 模 組 合 で し し ら れ る 、 執 行 部 と 一 般 組 合 員 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 上 の 問 題 比 較 的 少 な い と 思 わ れ る 。
第 節 団 体 交 渉
社 に お い 、会 社 と 労 働 組 合 と の 間 の 話 し 合 い 、団 体 交 渉 と い う た ち で 行 わ れ る 。 経 営 協 議 会 、 労 使 協 議 機 関 の よ う な の と く に な い 。 人 事 異 動 、 組 織 機 構 改 変 な に つ い
、 会 社 組 合 と 事 前 協 議 す る と い う 協 定 あ る 、 そ う し た 事 前 協 議 事 項 団 体 交 渉 の 場 で 扱 わ れ る 。
賃 金 ・ 一 時 金
団 体 交 渉 で 取 り 扱 わ れ る 事 項 多 岐 に 及 ん で い る 、 毎 年 交 渉 行 わ れ る の 、 賃 金 、 一 時 金 に つ い で あ る 。 賃 上 げ と 夏 季 一 時 金 に つ い 春 季 に 、 年 曒 一 時 金 に つ い 秋 ら 冬 に け の 時 期 に 、い れ 、組 合 上 部 団 体 の 各 組 合 と 歩 調 を あ わ せ 、要 求 を 提 出 し 、 交 渉 を 行 っ い る 。
必要です な とし いる。独立した対等の労使の相互理解、相互協力の重要性を謳っ いる。
執行委員会 、委員長 )、副委員長 )、書記長 )、書記次長 )、会計 )の 人で構成され いる 括 弧内 人数)。執行部 、毎年行われる大会におい 選出される。活動の 続性を りつつ、特定の人たち
りで構成されること ないようにし いるということである。そし 現在の組合員のうち 割近く 執行委員 の経験者となっ いる。なお、現在の社長 執行委員の経験者である。
-幹-
近 年 、 万 を こ え る 賃 上 げ 続 い い る 年 度 、 年 度 と に 約 , )。 最 近 の 年 間 の 最 低 で , を 超 え い る と い う こ と で あ る 。相 当 に 高 い 水 準 の 賃 上 げ 行 わ れ き い る 。 社 の 賃 金 体 系 、 年 給 の 占 る ゞ ェ イ ト 大 き く 、年 間 の 格 差 約 , と い う た ち に な っ い る 。 し た っ 仮 に そ の 金 の 水 準 の 賃 上 げ 実 現 し な い 場 合 、 前 年 の 当 年 の 社 員 の 賃 金 よ り 低 い 賃 金 と な る た 、 組 合 そ れ を 認 な い と い う 立 場 で 交 渉 を 行 っ き い る 。 毎 年 万 近 い 賃 上 げ を 必 要 と す る 賃 金 体 系 を 維 持 し い く こ と 、 好 業 績 を 維 持 し な け れ 困 で あ る 、 業 績 比 較 的 順 調 で あ る こ と ら 、会 社 組 合 の 要 求 に 沿 っ た 回 答 を 行 っ き い る 。一 時 金 な り の 高 水 準 で あ る 。
一 人 あ た り の 平 均 年 度 万 、 年 度 万 で あ る 。
社 の 賃 金 体 系 の 特 徴 、 先 に 述 べ た よ う に 、 年 給 の ゞ ェ イ ト 極 高 い こ と で あ る
。 そ し 、 年 給 以 外 の 賃 金 項 目 、 勤 続 給 、 学 給 、 役 職 手 当 、 家 族 手 当 、 通 勤 手 当 、 時 間 外 ・ 休 日 労 働 手 当 と な っ お り 、 定 期 的 な 査 定 に よ り 差 生 る こ と 一 な い の と な っ い る 。 一 時 金 に つ い 、 基 準 内 賃 金 に 一 の 支 給 月 数 を け た 支 給 さ れ る た
、 同 様 で あ る 。 ま た 、 ヒ ッ ト 作 品 の 企 画 を 行 っ た と し 特 別 な 手 当 支 給 さ れ る こ と な い 。 個 々 の 社 員 の 能 力 、 働 き ぶ り に 応 た 報 酬 制 度 で な い 、 そ の こ と で 社 員 の ペ メ ー ャ に 問 題 生 る わ け で な く 、 現 実 に 会 社 の 業 績 向 上 し き い る 。 会 社 、 組 合 と に 、 そ う し た 賃 金 制 度 を 問 題 と 考 え い な い 。
時 間 外 労 働
時 間 外 労 働 に つ い 、 定 例 的 に 交 渉 行 わ れ い る 。 時 間 外 労 働 協 定 ヮ 月 と に 結 ん で い る 。月 の 業 時 間 の 上 限 を 時 間 と 決 い 、そ れ を 超 え る 場 合 、文 書 で 、組 合 に 申 し 入 れ 、 そ の 了 承 を 得 実 施 す る こ と と な っ い る 。 そ の 上 限 を 超 え る こ と 、 最 近 し し あ る 、 仕 事 ま わ し い な け れ な ら な い の で 、 組 合 否 す る こ と な
数値 上部団体のゞェブサイトを参照した。
上部団体の組合の賃上げ の平均 単純平均) 、 年度、 年度と に、約 , であった。出版業 に限っ ると、それ れ約 , 、約 , であった。
数値 上部団体のゞェブサイトを参照した。
年 給 %を超え いまし 、年 給ほとん 一本となっ います 組合役員)。
能力、働きぶりを認 られた の 役職につき、役職手当 支給されるた 、そういう要素 全く関係ないわけ で ない 、役職手当の 、課長で 万 、部長 万 であり、高くない。
ある程度の賃金水準の とで 、仮に納得的な仕組 を時間、コストを け 導入したとし 、多少の金銭的 報酬で 、社員の仕事に対する動機付けの重要な要素と ならない ろう。働く動機 いろいろである ら、一 概に 言えない 、 社の場合、子 たちのた に、よりよい出版物を製作する活動自体に、重要な内在的報 酬 あり、そうした会社を維持・発展させ いくことの重要性に対する意識 社員の間に 強い の し れな い。 また、 社の場合、会社全体の業績 個々人の報酬水準に大きく影響し いる。そし 小規模である ら、個々 の社員の働きぶり 、会社全体の業績にとっ 無視できない のであり、また働きぶり 周り らよく把握でき る。そうした場合、仕事をしないことに対する他の社員 らのプヤッシャー 相当強い のとなる、そし 賃金 に働きぶりによる差 ないときに 、そのプヤッシャー いっそう強くなる、ということ 考えられる。さらに また、 賃金に安心感、安定感 ある 組合役員)こと 、そういう仕組 を維持する努力 含 、勤勉を すことにつな っ いるの しれない。
-拠-
い 。業 績 好 調 な な で 、 業 増 加 し い る た 、人 員 増 の 要 求 を 組 合 行 っ い る 、 会 社 、 経 営 環 境 今 後 厳 し く な る こ と を 考 え 、 人 員 増 に 対 し 慎 重 な 態 度 を 取 っ い る 。
人 事 異 動 に 関 す る 労 使 協 定
賃 金 、 労 働 時 間 以 外 に つ い 、 労 働 条 件 に 関 わ る こ と を 広 く 交 渉 し い る 。 そ し こ れ ま で の 団 体 交 渉 の 結 果 、 数 多 く の 協 定 書 、 覚 書 結 れ 、 労 働 条 件 に 関 す る ャ ー ャ 形 成 さ れ い る 。
例 え 、 会 社 と 組 合 と の 間 で 人 事 異 動 に 関 す る 協 定 書 結 れ い る 。 そ れ に 事 前 協 議 の 手 続 き 定 ら れ お り 、 会 社 人 事 異 動 を 行 う 場 合 、 事 前 に 組 合 に 通 知 し 、 組 合 ら の 申 し 入 れ あ れ 、 そ の 人 事 異 動 の 基 本 計 画 に つ い 協 議 を 行 う こ と と な っ い る 。 ま た 機 構 改 変 を と な う 人 事 異 動 の 場 合 に 、 会 社 そ の 計 画 を 組 合 に 提 示 し 、 協 議 を 行 う こ と と し い る 。 協 議 の 期 間 、 組 合 に 通 知 後 、 そ れ れ 間 以 内 、 間 以 内 で あ る 。協 議 事 項 覚 書 に 決 ら れ お り 、 組 織 機 構・人 員・人 事 異 動 に 関 す る 基 本 計 画 、 人 事 異 動 後 の 労 働 条 件 で あ る 。 以 上 の 協 議 、 個 別 具 体 的 な 人 事 異 動 案 に つ い の 協 議 で な い た 、対 象 者 個 人 話 題 と な る こ と な い 。そ し 、協 議 期 間 経 過 す る 、 労 使 合 意 し た と き に 、 会 社 、 具 体 的 人 事 案 を 対 象 者 本 人 と 組 合 に 提 示 し 、 さ ら に 組 合 と の 間 で 協 議 す る こ と と な っ い る 。そ こ で の 協 議 事 項 、 覚 書 に 人 事 異 動 の た の 教 育・ 研 修 計 画 な と な っ い る 。さ ら に ま た こ の 協 定 書 で 、 編 集 業 務 ら の 異 動 の 場 合
勤 続 年 未 満 の 者 を 除 く ) 、販 売 業 務 へ の 異 動 の 場 合 、特 殊 な 専 門 的 資 格 を 暼 す る 者 の 場 合 な に つ い 、 対 象 者 本 人 の 同 意 を 必 要 と す る と 決 い る 。
採 用 に つ い 、 こ れ 協 定 書 結 れ い る わ け で な い と い う こ と 、 一 定 の ャ ー ャ あ る 。 採 用 計 画 に つ い 、 会 社 組 合 に 説 明 し 組 合 の 意 見 を 聞 き 、 そ の 後 、 募 集 を 行 う 。 そ し 採 用 定 者 を 会 社 決 定 し た 後 、 組 合 に 説 明 し 意 見 を 聞 き 、 内 定 を 出 す と い う ャ ー ャ で あ る 。
繁 な 団 体 交 渉
最 近 の 団 体 交 渉 の 議 題 、 毎 年 行 わ れ る 賃 金 、 一 時 金 の ほ に 、 人 事 異 動 、 組 織 改 変 、 育 児 介 護 休 業 、 定 年 延 長 ・ 再 雇 用 、 そ し 昼 休 憩 時 間 中 の 電 話 番 と い っ た こ と ら で あ る 。 団 体 交 渉 の 度 、 年 間 に ら 回 と 比 較 的 多 い 。 そ れ 、 事 前 協 議 事 項 に つ い 団 体 交 渉 の 場 で 話 し 合 い を 行 う な 、 扱 う 事 項 幅 広 く 多 い こ と と 、 昼 休 憩 時 間 中 に 行 う こ と 多 い た 、 回 当 た り の 交 渉 時 間 比 較 的 短 い こ と 理 由 で あ る 。 さ ら に ま た 、 案 件 に よ っ 、 必 し 容 易 に 合 意 に 至 ら な い 場 合 あ り 、 そ う し た 場 合 、 交 渉 を 重 る こ と に な る ら で あ る 。 例 え 、 昼 休 憩 時 間 中 の 電 話 番 に つ い 、 正 式 な 交 渉 開 始 の 約 年 前
組合資料によると、 年の年間総実労働時間 時間 うち所定外 時間)となっ いる。
-拡-
ら 労 使 間 で 懇 談 を 行 っ た 。 そ し 会 社 正 式 に 提 案 し 、 交 渉 を 開 始 し 半 年 く ら い け 一 応 の 合 意 を 得 た と い う こ と で あ る 。
以 上 に き た よ う に 社 に お い 、 比 較 的 細 な こ と ら と 思 え る よ う な こ と 含
、 労 働 条 件 に 関 わ る 諸 問 題 に つ い 、 と き に 合 意 形 成 に 長 期 間 を 要 す る こ と あ る 、 交 渉 を 行 っ ャ ー ャ を つ く っ き い る 。 労 使 間 の ャ ー ャ に よ っ 、 ま た ャ ー ャ 化 に 時 間 る 場 合 あ る こ と ら 、 さ ら に 比 較 的 繁 な 交 渉 行 わ れ る こ と な ら 、 経 営 の 柔 軟 性 そ こ な わ れ る 、 時 間 ・ コ ス ト り す る と い う 問 題 考 え ら れ る 、 会 社 、 そ う し た こ と を 問 題 と し 意 識 す る こ と な く 、 従 来 の 慣 行 を え る 意 思 な い と い う 。 し ろ 、 労 働 条 件 等 に 関 し 、 幅 広 く 交 渉 し 、 組 合 の 合 意 を え ャ ー ャ 化 し 、 実 行 す る た 、 透 明 性 、 公 平 性 、 納 得 性 高 ま る こ と ベ リ ッ ト で あ る と い う 。 ま た 組 合 役 員 、 経 営 面 で の 組 合 活 動 の 献 に つ い 、 社 内 の 意 思 疎 通 、 情 報 伝 達 必 し 充 分 と い え な い 面 に お い 、そ れ を 補 っ い る こ と 、ま た 仕 事 上 の 相 談 な を 通 、 職 場 の 統 一 感 を つ く る こ と に 役 立 っ い る と い う 。
第 節 全 社 会 議
賃 金 、 一 時 金 な の 交 渉 の 際 に 、 経 営 計 画 と 実 績 の 状 況 に 関 し 、 会 社 組 合 に 対 し 説 明 を 行 い 、 ま た 会 社 組 合 に 対 し 経 理 公 開 行 っ い る 、 団 体 交 渉 に お い 、 経 営 方 針・計 画 そ れ 自 体 を 議 題 と す る こ と な い 。雇 用 、人 事 に 特 別 に 大 き な 影 響 あ る 場 合 に 、 組 合 と し 経 営 方 針 ・ 計 画 に 取 り 組 こ と あ り う る 、 実 際 ほ と ん タ ッ ス し い な い 。組 合 と し 関 与 し い な い 、社 員 の 参 加 の 仕 組 あ る 。 社 に お い 、年 に
昼休憩時間中の電話 留 番電話対応であった 、暼人対応としたいと会社 組合に申し入れた。合意 できる まで比較的時間 った理由 、電話当番を ういう体制で行う という、いわ 技術的な問題 し った わけで ない 、 細 省く。
歩 によると、組合結成以後、し らくの間、労使間に不信感 相互に なりあったようである。比較的細 なことまで成文化、ャーャ化する慣行 協定一覧 によると、 電話器の増設 、 の冷 、 の雨よ け につい の協定書 、過去に結 れ いる)、互いの恣意を排するた に、そうしたな でうまれ きた面
あるように思う。
組合 あることの経営にとっ のベリット 何です ?-調査者の質問)そうです 、例え さきほ の昼 休 の電話番の問題にし 、組合ときちんと話をし 物事を決 いくということ 、こちら 一方的に押し つけるということで ありません ら、合意し 物事をすす いくということ できる、そういうこと 最 重要なベリット と思うのです 。 社員の方々の納得性 高まるということです ?-調査者の質問)そうで す 。こうしたいということを提案し 、具体的に合意をしたうえで、電話番につい )試行をし います 、 そういう形で物事をすす いけるの 、や り組合 ある ら と思うのです。多分それを、一方的に、こう いう順番でやれ、という うに言ったら、社員 業務 で従う しれません 、それで いい関係 つくれ ないと思います 会社役員)。
うちの会社 、業務上の忙しさ 原因とし 大きいのです 、情報伝達と 、意思の統一と 、そういう面 あまり得意で ないような感 し いるのです 、そういうのを、組合 不充分ですけ 、 なり補っ いるように思います。職場の統一感という 、そういう のをつくるのに 相当役立っ いる。また、電話の問 題な 、小さいことと言え 小さいことです 、そういうことで 、きちんと交渉したりすることで、組合へ の信頼感 やっ りあります 。です ら、これ 組合に話し いいこと わ らないけ 、仕事で困ったら組 合に言っ る 、というような雰 気 あると思います。結束という面で 、 なりの程度、会社 できない
わりに組合 やっ いるという気持ち あります。仕事の相談という面で 同 です 。そういう雰 気な のです ら、組合に入らないと、会社の情報 わ らなけれ 、職場 ら 壁 でき しまっ 、 なり 立感 を感 るので ない と思います 組合役員)。
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回 、 全 社 会 議 行 わ れ い る 。そ れ 、年 度 計 画 、中 期 計 画 ヮ 年 )に 関 し 、全 社 員 集 ま り 話 し 合 い を 行 う 場 で あ る 。 そ の 会 議 に 向 け 、 ま 、 役 員 会 に お い 計 画 の 素 案 策 定 さ れ る 。そ し そ れ を 、全 社 員 に 提 示 し 、各 部 署 で 話 し 合 う 。そ こ で の 討 議 を 踏 ま え 、 最 終 的 な 計 画 案 を 役 員 会 で 策 定 し 、 全 社 会 議 に お い そ れ 発 表 さ れ る 。 会 社 に よ る と 、 社 員 ら の 意 見 比 較 的 よ く 出 、 そ れ に よ っ 計 画 案 の 修 正 行 わ れ る と い う こ と で あ る 。 こ の よ う に 経 営 計 画 の 決 定 に 、一 定 の 社 員 参 加 の 仕 組 あ る 、基 本 的 に 、計 画 の 策 定 、 修 正 、 経 営 者 の リ ー ジ ー シ ッ プ の と 、 各 部 署 の 管 理 職 中 心 に す す い く の で あ ろ う 。 組 合 に よ る と 、 い わ ト ッ プ ・ ジ ゞ ン 的 に 決 定 さ れ る 案 件 あ り 、 ま た 、 管 理 職 の 職 場 運 営 の ス タ イ ャ な に よ っ 、 あ ま り 討 議 を 行 わ な い 部 署 あ る と い う 。
第 節 業 務 上 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
各 部 署 に お け る 業 務 上 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に つ い 、 と く に 制 度 的 に 行 っ い る こ と な く 、 管 理 職 の に 任 さ れ い る 。 会 社 に よ る と 、 率 直 な 意 思 疎 通 な り 活 発 に 行 わ れ い る と 思 う と い う こ と 、 組 合 、 例 え 職 場 会 議 な あ ま り 開 れ な い 部 署 あ る な 、 必 し 充 分 で な い 面 あ る と 考 え い る 。 前 述 の よ う に 、 組 合 、 経 営 計 画 の 策 定 と そ の 実 行 と い っ た 、 業 務 メ イ ン 上 で 進 ら れ い く 問 題 自 体 に 、 交 渉 、 協 議 な を 通
関 与 す る こ と な い 、 活 発 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 行 わ れ る 風 通 し の よ い 職 場 の 環 境 く り に 、 会 社 と し 努 ほ し い と い う 要 望 を 出 し い る 。 会 社 、 そ う し た 問 題 に つ い 、 組 合 と 話 し 合 い を し い き た い と 考 え い る と い う こ と で あ る 。
ま た 社 で 、 労 働 条 件 に 関 わ る 問 題 、 組 合 組 織 を 通 ひ ろ く 交 渉 、 協 議 を 行 っ い る 、 そ の こ と に 比 べ る と 、 個 々 の 社 員 の 業 務 遂 行 上 の 問 題 ・ 課 題 を 把 握 し 、 解 決 し い く と い う こ と に お い 、 必 し 充 分 で な い と こ ろ あ る よ う で あ る 。 会 社 今 後 、 能 力 開 発 を 計 画 的 に 進 い く こ と な を 検 討 し い く と い う 。
計画案をまと るパートの上長によると思います。あまり話を聞 ないで作成する人 いれ 、わりと現場の 討議を反映させるという人 います 組合役員)。
個別に上 との間で話し合いをすること 、何 トメブャ 起きたときと あります 、制度とし 、例え 半期 とに話し合いをすると 、そういう の ないのです。し し、現在、中期計画 を議 論し い まし 、 役員会のな で 、能力開発の問題な につい 、何ら の方法を考え いこうとし います。個人的に 、目 標管理というの 必要なの なと思っ います。必 し 、査定で処遇に差をつけるということ 全く必要ない と思うのです 、仕事のプロフェッショヂャになっ いく上で 、自分 う能力を開発するの という目標を 持つべきですし、そのた に うする というのを具体的な自分の育成計画にし 、それを上 と共暼し 、評 価するということ 必要なことで ない と思います 会社役員)。
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第 章 組 合 の 弱 体 化 と 労 使 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
― 機 械 ベ ー ィ ー B 社 ―
に
本 章 で 、 機 械 ベ ー ィ ー B 社 の 事 例 を 取 り 上 げ る 。 同 社 、 都 内 で 産 業 用 機 械 の 部 品 を 製 造 す る 企 業 で あ る 。 こ の 企 業 に お け る 分 析 上 の フ イ ン ト を ま と れ 、 次 の 点 あ げ ら れ る 。
第 一 に 、経 営 者 の 組 合 や 従 業 員 に 対 す る 姿 勢 で あ る 。B 社 、 組 合 員 や 非 組 合 員 を 含 、 社 員 を 差 別 し な い と い う 方 針 を 持 っ い る 。 同 社 で 、 企 業 の 経 営 厳 し い 時 に 、 赤 覚 悟 で 従 業 員 に ピ ー ヂ ス を 支 給 す る な 、 従 業 員 と 組 合 に 温 情 主 義 的 な 側 面 あ る 。 そ の た
、 従 業 員 と の 間 に 良 好 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 取 れ い る こ と 想 さ れ る 。 そ こ で こ の 事 例 に お い 、 従 業 員 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の よ う に 取 ら れ い る の を 見 い く 。
第 に 、労 働 組 合 の 存 在 で あ る 。B 社 従 業 員 名 の 企 業 年 月 段 階 )で あ る 、 労 働 組 合 存 在 す る 。本 報 告 書 で 取 り 挙 げ い る 事 例 の 中 に 、同 よ う な 規 模 の 企 業 で 、 組 合 の 無 い 企 業 あ る 。 実 際 企 業 規 模 小 さ く な れ な る ほ 、 組 織 率 低 く な る 。 厚 生 労 働 省 の 平 成 年 労 働 組 合 基 礎 調 査 を 基 に 企 業 規 模 別 の 推 定 組 織 率 を 算 出 す る と 、推 定 組 織 率 、 , 人 以 上 規 模 で . % 、 人 ~ 人 規 模 で . % で あ る の に 対 し 、 ~ 人 規 模 で . % 、 人 以 下 規 模 に な る と 、 . % に ま で 激 減 す る 。そ こ で 名 に 満 た な い 企 業 に お い 、 な 組 合 結 成 さ れ る に 至 っ た 、 ま た そ の 労 働 組 合 経 営 者 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 取 り 、 ん な 役 割 を 果 た し い る を る こ と と す る 。
第 節 企 業 概 要
B 社 、 年 月 に 資 本 金 万 で 創 業 さ れ た 。そ の 後 年 に , 万 、 年 月 に , 万 と 、 徐 々 に 資 本 金 を 増 や し い る 。 そ の 意 味 で 、 同 社 ゆ っ く り で あ る 、 着 実 に 成 長 を 続 け き た 企 業 と 言 え る 。
次 に 、同 社 の 最 近 の 経 営 状 況 を 見 た い 。表 - 、 年 度 ら 年 度 に け の 同 社 の 売 上 高 や 経 常 利 益 を 示 し い る 。こ れ に よ れ 、売 上 と 経 常 利 益 、 年 度 ら
年 度 に け 、毎 年 伸 び い る こ と わ る 。会 長 で あ るY氏 に よ れ 、ピ ー ク の 年 頃 に 、 売 上 億 あ っ た と い う こ と で あ る ら 、 同 社 の 経 営 、 現 在 盛 り 返 し つ つ あ
本章 、機械ベーィーB社の会長であるY氏、同社の組合である全日本金属情報機器労働組合 品川地域支部 B社分会会長N氏に対するインタニュー調査を中心に執筆し いる。Y氏のインタニュー調査 、 年 月 日 金) : ~ : 、N氏のインタニュー調査 、 年 月 日 金) : ~ : に実施し い る。調査に 協力頂いた両氏に 、記し 謝意を表したい。なお調査 、筆者のほ に、田口和雄氏 高千穂大 学経営学部)、土屋直樹氏 武蔵大学経浞学部)で行った。
厚生労働省 平成 年 労働組合基礎調査報告 、 , 人以上と ~ 人、 人以下という つの規模 区分で推定組織率を算定し いるた 、総務省の 労働力調査 年 月)の雇用者数 官公を除く非農林 業)を とに、 ~ 人規模と 人以下の推定組織率を算出した。
-1忙- る と い う 状 況 に あ る 。
特 に 経 常 利 益 、 年 度 ら 年 度 に け お よ そ 倍 、 年 度 ら 年 度
に け 、 さ ら に 約 . 倍 に 増 え い る 。 経 常 利 益 大 幅 に 増 え た 背 景 に 、 会 社 の 財 務 体 質 を 見 直 し た こ と 大 き く 寄 与 し い る 。ピ ー ク 時 で あ る 年 代 後 半 、売 上 あ る 利 益 上 ら な い と い う 状 況 で あ っ た た 、 財 務 体 質 を 見 直 す 必 要 性 生 た の で あ る 。 年 度 ら 年 度 に け の 売 上 や 経 常 利 益 の 伸 び 、こ の 取 組 功 を 奏 し た 結 果 で あ る 。
表 - B 社 の 売 上 高 、 経 常 利 益 の 推 移
年 度 年 度 年 度
売 上 高 ) , , , , , ,
経 常 利 益 ) , , , , ,
資 料 出 所 : 事 前 調 査 の 結 果 よ り 筆 者 作 成 。
同 社 の 主 要 な 取 引 先 、 社 程 度 で あ る 、な で B 工 業 ら の 仕 事 中 心 で あ る 。同 社 の 取 引 の 約 % を 占 い る 。下 請 け の 会 社 社 ほ あ る 、そ の 多 く 近 隣 地 域 大 田 区 ・ 川 崎 市 ) の 企 業 で あ る 。
従 業 員 ト ブ ャ の 時 期 に 名 近 く い た 、新 規 学 卒 者 で 補 充 で き に 徐 々 に 減 少 し い る 状 況 に あ る 。 そ の た 従 業 員 の 多 く 、 中 途 採 用 者 で あ る 。 B 社 、 社 長 、 会 長 、 専 務 の 名 と 従 業 員 名 で 構 成 さ れ い る 。 従 業 員 の 内 訳 、 男 性 名 、 女 性 名 で あ る 、 非 正 規 従 業 員 い な い 。 非 正 規 従 業 員 を 雇 わ な い の 、 仕 事 の 内 容 熟 練 の 要 る 仕 事 ら で あ る 。
部 門 別 構 成 を 見 る と 、管 理 部 門 名 社 長 、専 務 、総 務 を 含 )、製 造 間 接 部 門 名 、製 造 直 接 部 門 名 と な っ い る 。従 業 員 の 勤 続 年 数 年 程 度 で 平 均 年 齢 歳 く ら い で あ る 。 最 高 齢 歳 嘱 託 ) で 、 若 い 人 で 台 半 で あ る 。 そ の た 同 社 の 人 員 構 成 、 高 齢 化 し い る 。
製 造 間 接 部 門 の 業 務 内 容 、 顧 客 と の や り 取 り 中 心 で あ る 。 た と え 、 客 ら の 受 注 や 下 請 け 会 社 へ の 発 注 、 鋳 物 類 や ス テ ン ヤ ス な の 材 料 の 調 達 、 顧 客 ら 支 給 さ れ る 支 給 材 の 管 理 な を 受 け 持 っ い る
第 節 人 事 管 理 制 度 雇 用 管 理
同 社 で 、 デ ロ ー ワ ー ク を 通 募 集 を し い る 、 な な 若 者 集 ま ら な い 状 況 に あ る 。 以 前 、 近 隣 の 企 業 同 士 で 設 立 し た 協 同 組 合 で 募 集 案 内 を 作 成 し 、 高 校 回 り を し た こ と
あ る 、 高 校 生 大 企 業 を 志 望 し し ま う た 、 採 用 思 う よ う に 実 施 で き い な い の 現 状 で あ る 。