土
岐
市
水
道
事
業
経
営
戦
略
【 概 要 版 】
1.はじめに
(1)経営戦略策定の趣旨
土岐市水道事業は、市内全域を給水区域として計画給水人口 62,000 人、計画1日最大給水量 27,900m
3
/
日として事業を運営しています。平成 21 年には、「信頼される水でありつづけるために」を基本理念に
掲げ、その実現に向けた土岐市水道事業の方向性を示した土岐市水道ビジョンを策定し、安心・安全な
水の供給に努めております。
本市水道事業を取り巻く経営環境は、水需要の減少に伴う料金収入の減少、水道施設の更新や大規模
地震等に対する防災対策への投資など、今後ますます厳しいものとなることが予想されます。
このような厳しい経営環境に着実に対応していくために、的確な現状把握や分析を行ったうえで、中
長期的な視野に基づく計画的な経営の効率化、財政健全化に取り組んでいくため、目標年次を平成 39 年
度とする「土岐市水道事業経営戦略」を策定することとしました。
(2)経営戦略の位置づけ
総務省より「公営企業の経営戦略の策定等に関する研究会報告書」や「公営企業の経営に当たっての
留意事項について」が公表され、全国の水道事業を取り巻く経営環境の変化に対応する「経営戦略」を
策定し、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上に取り組むことが求められています。これを受けて、
「土岐市水道事業経営戦略」を策定し、本市水道事業の中長期的な経営の基本計画と位置づけます。
土岐市水道事業経営戦略の位置づけ
公営企業の経営に当たっての 留意事項について( 総務省)
平成26年8 月 新水道ビジョン
厚生労働省 平成2 5年3月
土 岐市水道事 業ビジョン
土 岐 市水道事業経営戦略
( 平 成30 年度∼平成3 9年度)
第6次土岐市総合計画 平成2 8年3 月
2
2.事業の概要
(1)給水
(2)施設
(3)料金
(4)組織体制
料 金 体 系 の 概 要 ・ 考 え 方
・総括原価方式により算定しており、口径別の基本料金と従量料金からなる。 ・資産維持費は特に考慮していない。
料 金 改 定 年 月 日
(消 費 税 の み の 改 定 は 含 ま ない )
平 成 1 2 年 10 月 1 日
∼10m 3 11∼20m 3 21∼50m 3 51m 3
以上
13 1,100 20 2,100 25 3,400 40 8,200 50 15,000 75 30,500
100以上 51,500
13 1,100 20 2,100 25 3,400 40 8,200 50 15,000 75 30,500
100以上 51,500
公衆浴場用 75 170 260 290
従量料金(円 /m 3
) 基本料金
(円/月) 口径
(m m) 用途
一般用 75 170 260 290
人
人
千 /ha
法 適 ( 全 部 ・ 財 務 ) ・ 非 適 の 区 分
法適(全部適用)
現 在 給 水 人 口 59,092
有 収 水 量 密 度 0.51
供 用 開 始 年 月 日 昭 和 30 年 8 月 計 画 給 水 人 口 62,000
平成2 9 年4 月時点 事業管理者
( 市長)
水道部長
水道課長
合計 1 6 人
課長補佐
臨時職員 3 人 職員数 技術職
事務職 7 人 6 人
工務係
技術職 管理係
技術職
3 人 事務職 1 人 臨時職員 1 人 2 人 庶務係
3.現状分析
(1)経営の健全性・効率性について ①経常収支比率
経常 収支 比率は、100%を超えて黒字経営 を維持してお
り、平成 26 年度以降は会計制度改正の影響もあり数値が
伸び、類似団体平均値を上回っています。
②料金回収率
料金回収率は、平成 26 年度以降、会計制度改正の影響
もあり 100%を超え、平成 27 年度で 105%となっています。
③施設利用率
施設利用率は、給水人口の減少等の要因から配水量も減
少し、類似団体との比較でも低い値となっています。この
ため、施設規模の見直し等を検討し、更新の際にはダウン
サイジング等を考慮する必要があります。
④有収率
有収率については、類似団体平均値、全国平均値を上回
っていますが、ピーク時から比較すると漏水調査職員の退
職 等 の 要 因 か ら 漏 水 の 発 見 が 難 し く な っ て い る た め 有 収
率が下がっており、引き続き漏水調査の強化及び老朽管更
新等の実施により、高水準を目指す必要があります。
経営及び施設の状況を表す経営指標を活用し、経営環境の
類似した団体平均値との比較、複数の指標を組み合わせた現
状分析を行いました。
経常収益 経常費用
×100 経常収支比率(%)=
供給単価 給水原価
×100 料金回収率(%)=
一日平均配水量 配水能力
×100 施設利用率(%)=
年間総有収水量
年間総配水量
4 (2)老朽化の状況
(3)全体総括
①有形固定資産減価償却率
施 設の老朽化度 合を示す有形 固定資産減価償 却率
は、類似団体と同程度で約 46%が老朽化している状
況です。今後においても法定耐用年数を超過する資産
が増大することが予想されることから、着実に更新を
行っていく必要があります。
②管路経年化率
管路経年化率は、水道管路の老朽化度合いを示す値
で、管路更新を積極的に行ってきた結果、類似団体と
の比較で見ると低い値となっています。
③管路更新率
管路更新率は、当該年度に更新した管路の割合を示
す値で、平成27年度は類似団体と同程度の値となっ
ています。このペースで更新すると管路の更新サイク
ルは 170 年以上かかることから、更新計画の見直しを
行う など中長期を 見据えた更新 投資額や事業の 平準
化を検討する必要があります。
減価償却累計額 償却資産
×100 有形固定資産減価償却率(%)=
法定耐用年数を経過した導・送・配水管延長 導・送・配水管延長
×100 管路経年化率(%)=
当該年度に更新した導・送・配水管延長 導・送・配水管延長
×100 管路更新化率(%)=
本市水道事業は、現在のところ比較的良好な状態を保っていると言えます。しかしながら、今後
給水人口の減少に伴う給水収益の減少、老朽施設の改修・更新費用の増大が見込まれるため、より
一層経営の健全性と効率性の向上が求められます。また今後の課題としては、施設規模の適正化を
図るため、施設の統廃合や用途に応じ優先度を加味した管路更新など中長期的な経営戦略を策定す
4.経営の基本方針
本市水道事業を取り巻く経営環境は大きく変化しており、拡張の時代から維持管理の時代を迎えてい
ます。これらの時代や環境の変化に柔軟かつ的確に対応しつつ、安心・安全な水を持続的に供給するこ
とを目指します。
本経営戦略では土岐市水道事業ビジョンで掲げている「信頼される水道でありつづけるために」の基
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5.主要な実現方策
(1)実現方策1:基幹管路や重要給水施設管路の耐震化の推進
送水管や配水本管などの基幹管路や重要給水施設(基幹病院、指定避難所)への配水管を優先的に耐
震化していきます。
(2)実現方策2:耐震化の前倒し及び土岐市独自の更新基準による着実な水道施設の更新
アセットマネジメントによる検討を行い、本市独自の更新基準による今後 50 年の更新需要を整理し
ました。今後 50 年を前期、中期、後期に分類した場合、更新需要のピークは後期に到来します。
・前期(2018 年度∼2027 年度)の年平均投資額:600 百万円/年
・中期(2028 年度∼2046 年度)の年平均投資額:633 百万円/年
・後期(2047 年度∼2066 年度)の年平均投資額:837 百万円/年
これに基づき、構造物・設備・管路の更新や優先・前倒しすべき管路の耐震化等を考慮するととも
に、投資の平準化を図り、効率的な施設更新を行っていきます。
今後50 年間の更新需要及び年平均投資額
837 4.5 7.7 12.4
計
更新需要(百万円) 6,000 12,035 16,724 年平均投資額( 百万円) 600
管路
更新需要(百万円) 5,042 7,865
633
11,930 年平均投資額( 百万円) 504 414 597
年平均更新延長(k m) 構造物及び 設備
更新需要(百万円) 958 4,170 4,794 年平均投資額( 百万円) 96 219 240
前期 中期 後期
2018∼2027年 2028∼2046年 2047∼2066年
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 2 018 2 019 2 020 2 021 2 022 2 023 2 024 2 025 2 026 2 027 2 028 2 029 2 030 2 031 2 032 2 033 2 034 2 035 2 036 2 037 2 038 2 039 2 040 2 041 2 042 2 043 2 044 2 045 2 046 2 047 2 048 2 049 2 050 2 051 2 052 2 053 2 054 2 055 2 056 2 057 2 058 2 059 2 060 2 061 2 062 2 063 2 064 2 065 2 066
百万円 管路 構造物 設備
前期:2018年∼2027年
【耐震化前倒し】
中期:2028年∼2046年
年平均:414百万円
後期:2047年∼2066年
年平均:597百万円
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6.投資・財政計画
(1)投資計画
本市においては更新投資がほとんどであり、特に管路については基幹管路や重要給水施設管路の更新
に併せた耐震化を優先し、併せて配水池等施設の更新事業を推進するものとし、計画期間において約 60
億円の投資計画を見込みます。
(2)収益的収支計画
今後の料金収入は人口推計の結果に基づき算定した計画有収水量に計画供給単価を乗じて算定しま
した。現行料金水準の計画供給単価として、平成 28 年度実績より 239円/m
3
と設定しました。計画期
間における収益的収支の見通しは、現行料金水準で目標年次である平成 39 年度まで継続して利益を創
出することができる見込みです。また、料金回収率も継続して 100%以上を維持することができ、平成
39 年度で 106%となる見込みです。
単位:百万円
2 0 18 2 0 19 2 0 2 0 2 0 2 1 2 0 22 2 0 23 2 0 2 4 20 2 5 2 0 2 6 2 0 2 7
①収益的収入 1 , 72 1 1 , 71 3 1, 7 3 1 1 ,7 1 3 1 , 69 7 1 , 68 9 1 , 6 74 1 , 6 55 1 , 6 4 2 1, 6 3 3
給 水 収 益 1 , 3 8 9 1 , 3 8 4 1, 4 1 5 1 ,4 0 5 1 ,3 9 5 1 ,3 8 9 1 ,3 75 1 , 3 65 1 , 3 5 4 1, 3 4 7
他会計補助金 6 5 6 3 5 8 5 3 5 1 4 7 46 4 4 4 3 4 2
長 期 前 受 金戻 入 2 1 9 2 2 1 2 1 3 2 1 2 2 1 0 2 1 0 2 1 0 20 3 2 0 2 2 0 2
そ の 他 収 入 4 8 4 5 4 5 4 3 4 0 4 3 43 4 3 4 4 4 3
②収益的支出 1 , 51 0 1 , 51 1 1, 5 0 7 1 ,5 0 0 1 , 50 4 1 , 49 1 1 , 4 83 1 , 4 73 1 , 4 6 8 1, 4 7 1
人 件 費 8 3 8 3 8 3 8 3 8 3 7 8 78 7 8 7 8 7 8
維 持 管 理 費 6 4 6 4 6 5 6 5 6 6 6 6 66 6 7 6 7 6 7
受 水 費 6 0 8 6 1 2 6 2 3 6 2 1 6 1 8 6 1 6 6 09 6 0 3 5 9 7 5 9 1
減 価 償 却 費 5 6 5 5 7 2 5 6 4 5 6 6 5 7 8 5 8 1 5 87 5 8 9 5 9 5 6 0 8
支 払 利 息 7 1 6 2 5 3 4 7 4 0 3 2 25 1 9 1 3 9
そ の 他 費 用 1 1 8 1 1 8 1 1 8 1 1 8 1 1 8 1 1 8 1 18 1 1 8 1 1 8 1 1 8
①−②単年度損益 2 1 1 2 0 2 2 2 5 2 1 3 1 9 4 19 9 19 1 1 82 1 74 1 6 2
2 2 2 2 2 3 2 1 8 2 1 9 2 2 2 2 2 0 2 2 1 22 2 2 2 3 2 2 5
2 3 9 2 3 9 2 3 9 2 3 9 2 3 9 2 3 9 2 3 9 23 9 2 3 9 2 3 9
1 0 8 1 0 7 1 0 9 1 0 9 1 0 8 1 0 8 1 0 8 10 7 1 0 7 1 0 6
料金回収率(%)
前期 後期
項目
給水原価(円/m 3
)
供給単価(m 3
/円)
単位:百万円
事業費 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027
管路耐震化・更新事業 5,042 625 494 687 569 440 471 542 534 355 325
設備・施設更新事業 958 174 104 107 184 26 8 40 32 205 78
6,000 799 598 794 753 466 479 582 566 560 403 事業名称
(3)資本的収支計画
資本的収支の見通しについて、収支不足額は 4∼9 億円/年程度であり、この不足額は損益勘定留保
資金等で補てんする予定です。
また、内部留保資金は平成 28年度末で 12 億円程度保有しています。企業債の借入は、確保すべき
内部留保資金の最低ラインを 3 億円と設定し、可能な限り企業債借入を行わない財源計画により、平
成 36 年度で 3.5 億円まで減少する見込みとなりますが、以後上昇し目標年次で 5.3 億円にまで回復す
る見込みとなります。また、企業債残高は平成 28 年度末で約34億円保有していますが、今後は着実
に減少し目標年次である平成 39 年度において約 5.1 億円程度まで減少する見込みです。
単位:百万円
2 0 18 2 0 19 2 0 2 0 2 0 2 1 2 0 22 2 0 23 2 0 2 4 20 2 5 2 0 2 6 2 0 2 7
①資本的収入 25 4 21 6 4 4 1 5 0 0 22 3 23 2 2 52 2 5 3 1 9 8 1 6 4
企 業 債 0 0 2 0 2 2 4 8 0 0 0 0 0 0
国庫補助金等 4 9 7 2 9 4 1 0 6 7 5 8 3 1 00 1 0 0 5 5 3 8
他会計出資金 6 7 7 7 7 7 7 8 7 4
他会計負担金 6 4 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 21 2 1 2 1 2 1
他会計補助金 6 5 6 6 6 8 6 9 7 1 7 2 74 7 5 6 6 5 2
そ の 他 7 1 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 50 5 0 5 0 5 0
②資本的支出 1 , 16 0 94 6 1, 1 2 5 1 ,0 9 0 81 1 79 4 8 63 8 2 7 7 8 4 5 6 8
建 設 改 良 費 7 9 9 5 9 8 7 9 4 7 5 3 4 6 6 4 7 9 5 82 5 6 6 5 6 0 4 0 3
企業債償還金 3 6 1 3 4 8 3 3 1 3 3 7 3 4 5 3 1 5 2 81 2 6 1 2 2 4 1 6 5
①−②差引不足分 △ 9 0 6 △ 7 3 1 △ 6 8 4 △ 5 9 0 △ 5 8 7 △ 56 1 △ 61 1 △ 5 74 △ 5 85 △ 4 0 4
6 4 2 4 7 8 3 8 2 3 7 3 3 6 0 3 8 2 3 5 1 35 8 3 5 3 5 3 0
2 , 6 6 9 2 , 3 2 1 2, 1 9 1 2 ,1 0 2 1 , 7 5 7 1, 4 4 3 1, 1 6 2 9 0 1 6 7 7 5 1 3
前期 後期
項目
内部留保資金
10
7.事後検証、更新等
本経営戦略の各施策を着実に実施するために、PDCA サイクルにより、計画、実施、検証、見直しを行
います。計画期間は平成 30 年度∼平成 39 年度の 10 年間とし、毎年度末に事業の進捗状況や計画に対す
る達成状況等の確認を行います。また、前期5年、後期5年に分類し、前期5年目の平成 34 年度にフォ
ローアップ及び必要に応じて見直しを行い、計画期間が終了する平成 39 年度に経営戦略の更新を行うも
のとします。
経営戦略の事後検証、更新計画 土 岐 市 水道事業ビジ ョン
施 策 ・ 事業の見直し
施 策 ・ 事業の実施
施 策 ・ 事業の評価
Plan
計 画Do
遂 行評 価 ・ 検証 改 善 ・ 次年度判断
H 3 0 H 3 1 H 3 2 H 3 3 H 3 4 H 3 5 H 3 6 H 3 7 H 3 8 H 3 9
経
営
戦
略
計
画
期
間
確認 確認 確認 確認 確認
フ ォロ ー
アッ プ
確認 確認 確認 確認 確認