地域のつながりは
地域の力で
地域コミュニティ活動の手引き
目 次
1 はじめに- - - 1
Ԭ 隣近所のつながりが希薄化
ԭ 地域のつながりはなぜ必要なの?
Ԯ 自分の住む地域をより良くしよう∼地域コミュニティ活動∼
ԯ 今までの行政区活動や公民館活動と何が違うの?
2 活性化プランをつくろう- - - 3
Ԭ 活性化プランって何?
ԭ なぜ活性化プランが必要なの?
Ԯ 活性化プランは誰がつくるの?
3 活性化プランはどうやってつくるの?- - - 4
Ԭ 活性化する地域の範囲を決めよう
ԭ 地域の現状や課題を調べよう
Ԯ 将来像・目標・スローガンを決めよう
ԯ 具体的な取組を決めよう
スケジュールや役割分担を決めよう
Ա 活性化プランをまとめ、地域住民にお知らせしよう
4 活性化プランを推進会議で発表しよう- - - 7
5 実際に事業をしてみよう- - - 7
6 活動をふり返ってみよう- - - 8
7 市からはこんな支援が受けられます- - - 8
8 継続は力なり- - - 8
9 個人情報の保護と活用のバランス- - - 9
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1 はじめに
地域のつながりは、昔は強いつながりの下で、生活にかかわる多くの部分で
地域住民と共同で行ってきました。しかし、経済・社会環境が変化する中で、
地域との関わりがなくても生活できるようになってしまい、人々の価値観の変
化や生活スタイルが大きく変化したため、近所づきあいの必要性が薄れてきて
しまいました。
地域のつながりが希薄化したことによって、隣近所の付き合いがなくなり、
近年子どもが被害にあう事件が起こったり、子育てに関する相談相手がいなく
て悩んだり、一人暮らしの方の孤独死などの問題が起こっています。
地域のつながりは、防災や防犯をはじめ、いざという時に助け合うことがで
きるなど、その地域に住むためには欠かせない「安全で安心な地域社会」を作
ることにつながります。
安全で安心な住みよい地域
地域のつながりがある地域
子どもが被害にあう事件、子育てに対する 不安、孤独死などの不安
地域のつながりがない地域
こんにちは
Ԭ 隣近所のつながりが希薄化
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あなたは普段生活をしていて、こうなっていたらもっと快適で便利なのに、
とか、こんなことに困っている、ということはありませんか?
あなたが思っていることは、自分や家庭の中で解決できるもの(自助)もあ
るでしょう。しかし、自分だけでは解決できない内容は、地域で解決する(共
助)か、行政の力で解決する(公助)しかありません。
普段感じていることを地域みんなで話し合ってみると、地域の課題や特色、
地域でやるべきことなどが見えてきます。地域で解決できることは、地域みん
なの力で解決していきましょう!それが地域コミュニティ活動です。
これまでも、皆さんの行政区や公民館などを単位としていろいろな活動を行
っていると思います。それらの活動と地域コミュニティ活動に違いはありませ
んが、より良い地域社会をつくるために、さらに充実した活動に地域全体で取
り組みましょう。また、自分の故郷に愛着が持てるよう、地域の特色を生かし
た活動や、地域の課題を解決する活動などを目指しましょう。
Ԯ 自分の住む地域をより良くしよう∼地域コミュニティ活動∼
ԯ 今までの行政区活動や公民館活動と何が違うの?
自
助
自分でできるこ とは自分で
共
助
自分でできない ことは地域で
公
助
地域でもできな いことは行政で
地域コミュニティ活動
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2 活性化プランをつくろう
活性化プランとは、地域コミュニティ自らが、自分たちの地域の特色や課題
を再認識し、将来像や活動計画等を話し合い、まとめたもので、地域コミュニ
ティ活動の指針となるものです。
活性化プランは、将来に向かって活動していくための地域みんなの共通認識
になり、活性化プランを作成することによって、地域の魅力や課題を再認識し
たり、地域のことをみんなで共有することができ、地域の連帯感や住民自治(自
分たちの地域は自分たちでより良くすること)の意識につながります。
活性化プランは、その地域に住んでいる人たちが自分たちで作ります。活性
化プランは、自分の住む地域がどんな地域になってほしいのかをまとめるため、
地域住民全員でつくることが原則です。そのために、行政区や自治公民館、子
ども会、PTA、老人クラブ、女性団体等、地域の様々な団体や、子どもから
高齢者までいろいろな人ができるだけ多く参加して話し合いましょう。
すでにそのような組織ができていれば、新たにつくる必要はありません。
Ԭ 活性化プランって何?
ԭ なぜ活性化プランが必要なの?
Ԯ 活性化プランは誰がつくるの?
地域の魅 力や課題 の再認識
地域の
情報共有
地域の
連帯感
住民自治 の実現
活性化プラン
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3 活性化プランはどうやってつくるの?
活性化プランの作成に当たって、地域コミュニティの単位としてふさわしい
範囲を決めましょう。元気プランにおいては、活性化する地域の範囲は「行政
区単位を基本」としていますが、それにとらわれることなく、例えば隣の行政
区と連携したり、複数の行政区でひとつの活性化プランをつくったりすること
も考えられます。それぞれの地域の歴史や人口規模、特色などを考慮し、それ
ぞれの地域にふさわしい範囲を定めましょう。
(行政区よりも小さな単位(班や育成会など)の活動だけでは市の支援を受けられません。
行政区単位か、複数の行政区がまとまって活性化プランを作成してください。)
活性化プランをつくるには、地域住民全員の意見を反映する必要があります。
まずは、住民に対してアンケート調査を行い、普段から感じている地域に対す
る思いや願いを把握し、その結果をまとめて話し合ってみましょう。そうする
ことで、地域の現状や課題、特色が浮かんできます。また、必要に応じて現地
を調査したり、地図に書き込んだり、写真を撮ったりして、見やすい資料をつ
くることも重要です。
アンケート調査や現地調査を行いましょう
現状と課題をもとに、今後自分たちの地域がどうなるべきか、どのような地
域にしていきたいかなどを話し合い、将来像や、簡潔でわかりやすい目標・ス
ローガンを考えましょう。また、何年間でその目標を達成するのかについても、
Ԭ 活性化する地域の範囲を決めよう
ԭ 地域の現状や課題を調べよう
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地域の現状(例:役員の任期や取り組む内容)に合わせて決めましょう。
目標やスローガンを実現するための具体的な取組を検討しましょう。取組を
検討すると、地域でやるべきこと、市の協力を得てやること、他の団体と連携
してやること、市に要望することなどに分類されますが、地域でやるべきこと、
市の協力を得てやること、他の団体と連携して協働
※ 1
で行うことを中心に活性
化プランづくりを行いましょう。
※ 1 協働:市民・行政・市民活動団体などが、共通の目的の実現のために、それぞれが自ら
の役割を自覚し、ともに考え、ともに汗を流して取り組んでいくこと。
取組が決まったら、それをいつ頃実行するのか、誰が中心となり、どの団体
と連携して行うかなど、スケジュールと役割分担を明確にしましょう。
ԭ∼をまとめると、活性化プランの出来上がりです。活性化プランには、
表紙やアンケートの結果または地図などの資料を添付しましょう。
活性化プランを作成したら、地域住民に配布・回覧し、できるだけ多くの人
に見てもらう必要があります。広くお知らせしておくことで、その後の活動を
スムーズに行うことができます。
ԯ 具体的な取組を決めよう
スケジュールや役割分担を決めよう
Ա 活性化プランをまとめ、地域住民にお知らせしよう
地域でやるべきこと
市の協力を得てやること
他の団体と連携してやること
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活性化プラン作成の例
A地区「ホタルを守ろう」
B地区「安全安心の地域をつくろう」
現状と課題
最近、近くの川にホタルが戻ってきた。きれいな川を維持して、次 世代までホタルの住むきれいな環境を受け継ごう!
将来像
河川環境を整え、ホタル保護を行い、地域住民の誇りとしよう。 子どもたちの環境教育の場としても使えるぞ!
目標・スローガン
ホタルが飛び交うA地区を目指して
①ホタルに関する勉強会
自治公民館が中心。外部講師の活用。5月実施
②河川清掃
行政区が中心。毎年5月と9月に実施
③ホタル観察会
育成会が中心。毎年7月
現状と課題
児童への声かけ事案や、不審者情報が多数出ている。子どもの安全 安心を確保しよう!
将来像
子どもからお年寄りまで安心して暮らせる安全な地域をつくる
目標・スローガン B地区の犯罪ゼロ作戦
①学校で防犯教室を開催
育成会が中心。P T A との連携。6月頃実施
②防犯マップの作成
行政区が中心。夏休み中に実施
③防犯パトロール隊の結成
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4 活性化プランを推進会議で発表しましょう
活性化プランを作成した地域コミュニティは、矢板市地域コミュニティづくり
推進会議
※
(以下「推進会議」)において活性化プランを発表し、推進会議の承認
を受ける必要があります。発表会は公開して多くの方が参加できるようにすると
ともに、複数の地域コミュニティによる発表を行い、他の地域コミュニティの活
動内容を知る機会を設けます。
※矢板市地域コミュニティづくり推進会議とは?
矢板市の地域コミュニティを活性化するために組織した市民主体の団体。地域コミュ
ニティ活動の発表を聞いて承認したり、活動に対する助言や指導を行ったりします。推
進会議で発表することによって、地域コミュニティ活動のノウハウや情報を推進会議に
蓄積していきます。
5 実際に事業をしてみよう
地域コミュニティは、推進会議で承認された活性化プランに基づいて活動しま
す。活動には、地域コミュニティ内の多くの人に声をかけ、参加して行いましょ
う。知らない人どうしが話せるようなきっかけを作ったり、全員が名札をつける
などして、顔見知りの関係を築けるように工夫しましょう。
活性化プランに基づく地域コミュニティ活動には、市からの助成金を活用する
ことができますので、活動に先立ち、活性化プランに記載のある活動のうち、そ
の年度に実施する事業とその内容・予算などを記載し、市に支援申請をしましょ
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6 活動をふり返ってみよう
活動を行った地域コミュニティは、年度ごとに事業報告書をつくり、活動の結
果を推進会議において発表し、活動をふり返りましょう。
推進会議は発表を聞き、必要に応じてその地域コミュニティに指導・助言を行
うとともに、次の地域コミュニティ活動へと活かしていきます。
7 市からはこんな支援が受けられます
市は、地域コミュニティ活動に対して、助成金や人的・物的支援及び情報支援
などの支援を行います。(詳しくはお問い合わせください。)
活性化プランに基づく活動に対して、3年間助成金を交付します。交付額は
行政区に加入する世帯数に応じて決定されます。
地域コミュニティ活動やボランティア活動に対して、備品の貸出を行ってい
ます。(例:映像機器、音響機器、調理器具、イベント用具、スポーツ用品、作
業用器具など)
広報やいたや市民力かわら版、市ホームページなどで、地域コミュニティ活
動を紹介し、情報発信を行います。
市民力を発揮した活動を行う個人や団体に対し、市長から表彰させていただ
きます。
8 継続は力なり
地域コミュニティ活動は、継続することが大切です。活動をふり返って見えて
きた課題や成功例を次回の活動の際の参考にしましょう。また、地域の役員の交
代などで活動が途切れることのないよう、活動や会議の記録を残したり、引き継
ぎをきちんと行ったりすることも大切です。
地域コミュニティ活動助成金
市の備品貸出
地域活動の情報発信
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また、活性化プランは、一度作成したら終わりではなく、何年かおきに更新し
ましょう。
役員の引き継ぎはきちんと
9 個人情報の保護と活用のバランス
個人情報とは「生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別することがで
きるもの」をいいます。
個人情報については、何でも保護しなければならないという誤解(いわゆる「過
剰反応」)が一部に見られ、学校や行政区活動において支障が出ている場合があ
ります。個人情報は、保護と活用のバランスが大切であり、制度を正しく理解し
て適切に管理すれば、上手に活用することができます。
名簿作成時に利用目的(緊急連絡網の作成と、行政区内配布)を通知し、
同意を得ておけば問題ありません。配布に当たっては、利用目的の範囲を超
えてはいけません。(行政区内に配布することで同意を得ている場合、それ以
外に配布してはいけません。)トラブルを避けるためにも適正な管理を心がけ
ましょう。
地域防犯パトロールなどの活動では、地域の児童・生徒の安全を守るため、
子どもの顔と名前が一致するように把握しておく必要があります。
学校が児童・生徒の名簿を地域に提供する場合には、ケース1と同様に、
利用目的の明示と同意が必要になります。学校と地域と保護者が連携し、適
正な手続きと管理を行えば、地域への提供が可能と考えられます。 ケース1 行政区や自治会における緊急連絡網などの作成・配布
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10 推進体制
地域コミュニティ活動を推進するため、地域コミュニティを構成する各主体が
相互に連携を図り、行政や推進会議及び地域活動サポートセンター(今後設立を
検討)がそれらの活動を支援します。(下図参照)
お問合わせ
矢板市秘書政策室政策班
〒3 2 9 - 2 1 9 2 栃木県矢板市本町5番4号
電話 0 2 8 7 - 4 3 - 1 1 1 2 F A X 0 2 8 7 - 4 3 - 2 2 9 2
E - m a il ya it a @c it y.ya it a .t o c h ig i.jp 地域コミュニティ活動の推進体制図
地域活動サポートセンター 市民活動団体
支援・情報発信
行政(市) 地域コミュニティづくり推進会議
活
性
化
プ
ラ
ン
の
発
表
活
性
化
プ
ラ
ン
の
承
認
・
助
言
相談 支援・情報発信
相談
連
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情
報
共
有
連
携
学校
事業所
連携
連
携
支援・助言
支援申請