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行政視察報告書

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Academic year: 2018

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平成30年3月7日 長野市議会議長 小 林 治 晴 様

報告者氏名(代表)

小・中学校の在り方調査研究特別委員会 委員長

長野市議会議員 岡 田 荘 史 ○印

この度、行政視察をしましたので、その概要について下記のとおり報告いたします。 記

1 視 察 区 分 小・中学校の在り方調査研究特別委員会行政視察 2 視察者氏名

3 随 行 者 書記 唐澤 卓也

4 視 察 期 間 平成30年1月17日(水) ∼ 平成30年1月19日(金) 5 視察先及び視察事項

視 察 先 視 察 日 時 視 察 事 項

広 島 県

福 山 市

1月17日(水) 午後1時30分∼

・福山市の小中一貫教育について

京 都 府

京 都 市

1月18日(木) 午後1時30分∼

・京都市の小中一貫教育について

京 都 府

福 知 山 市

1月19日(金) 午前9時15分∼

・福知山市の小中一貫教育について

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2 6 調査概要

月 日 視 察 先 視察結果(参考となった事項、考察) 1/17 福山市 ○ 福山市の小中一貫教育について

≪市の概要≫

広島県 の東南端に位置し 、臨海工業都 市化を進め、瀬 戸内海の経済 ・文化 ・交通の要衝の都 市として発展し ている。広島県内 では広島市 に次ぎ2番目となる人口46万4千人を擁する中核市である。

平成15 年2月「福山市学 校教育ビジョン 」を策定し、「確 かな学力」 「豊かな 心」「力量ある教職員」「市民 から信頼される学 校」を重点目 標に、 学校教育基盤づく りに取り組む。 平成18年2月「福 山市学校教 育 ビ ジ ョ ン Ⅱ 」 を 策 定 し た 。 各 学 校 に お い て は 、 ビ ジ ョ ン に 基 づ い て、自 校の実態を踏まえ た目標を掲げ、 改善を図りながら 取り組み一 定の成果を挙げた。

平成21年2月、次年度から小学校新学習指導要領が先行実施されるの を 踏 ま え 、「 福 山 市 学 校教 育 ビ ジ ョ ン Ⅲ 」 を 策 定 し た 。 ビ ジ ョ ン Ⅲ で は、「全国水準の学校教育」を目標に、学習指導の強化だけでなく、徳 育や体 育の課題について 現状を踏まえた 改善策を明らかに して、知・ 徳・体 のバランスの取れ た推進により、 概ね「全国水準」 を達成され た。

平成24年2月、次年度中学校新学習指導要領が実施されることに伴い 「福山市学校教育ビジョンⅣ」を策定した。ビジョンⅣでは、「全国に 誇れる 学校教育」を目標 に掲げ、中学校 区で小中学校がさ らに連携を 強め「義務教育9年間を一体的に捉えた教育活動の展開をめざす小中一 貫教育の創造」に取り組む柱とした。

平成27 年6月に小中一貫 教育と学校教 育環境に関する 基本方針を策 定し、 小中一貫教育を推 進すると共に、 平成29年3月に「 第二次福山 市教育 振興計画」を策定 し、「福山100NEN教 育」の推進を掲 げ、“すべ ては子 どもたちのために ”を合言葉に市 民一丸となって日 々の取り組 みを積み重ねている。

≪小中一貫教育の取り組み≫

▼「福 山に愛着と誇りを 持ち、変化の 激しい社会をた くましく生き る 子 ど も 」 を 育 成 す る た め に 、 小 中 一 貫 教 育 に 取 り 組 ま れ て い る。

▼試行による手応え

基礎学力の定着、不登校の減少 小中学校教職員のつながりの深まり 市民からの肯定的な評価

▼小中一貫教育カリキュラム

9年間を4・3・2の「前期・中期・後期」制により、「自ら考え 学ぶ授 業」への転換を図り、児童生 徒の主体的な学 習の定着を図 っている。

ふるさ と学習は、副 読本「大好き! 福山∼ふるさ と学習∼」を 活用して全教科で学習している。

▼推進体制

各小中 学校で小中一 貫教育推進員を 任命、各中学 校区では、校 長、教 頭、小中一貫教育推進員など で構成した中学 校区推進協議 会を設置 全33中学校区で行っている。

現在の 小中一貫教育 では、中学校の 教員が小学校 に乗り入れ授 業や一部教科担任制を取り入れている。

課題で あった教員の 移動等を含めた 負担の増加に 対して、授業 以外の 業務を行う補 助員を2015年は 60人、2017年には 94人を配置 し、負担軽減に向けて積極的に取り組まれている。

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1/18 京都市

より効 果的な教育を 目指す教育方針 を進めるには 施設一体型校 が大切 とのことで、 福山市では、2019 年度に小学校1 校と中学校 1校を再編し(仮称)鞆の浦学園を、 2022年には小学校5校と中 学校2校を再編し、(仮称)千年小中一貫教育校の開校を目指して いる。

また、 適正規模の要 件に該当した 学校の再編につ いても2020年 度まで に進めていく方針が打ち出さ れ、これまで関 係者への説明 を続け ており、賛否はあるものの理 解が広がってい るとのことで ある。 今後、福山市の施設一体型一 貫校は全て義務 教育学校とし て検討を進めていく考えとのことである。

≪考察≫

各中学 校区内での連携型 小中一貫教育 の取り組みの成 果は数値とし て表れ ており、福山市が 掲げる「すべて は子どもたちのた めに」が確 実に進んでいると感じる。

勤 務 改 善 、 授 業 以 外 の 業 務 を 行 う 補 助 員 の 配 置 な ど 教 職 員 が 、「 元 気」に 「笑顔」で教育に あたる配慮、新 規採用者を適正に 採用するな ど、地 域と共に教員を育 て過度な負担を 軽減する方策をし っかり取る ことで教育の質の向上、働き方改革にも貢献している。

学校規 模・学校配置の適 正化は、子ど もの減少が続く 中、重要な課 題であ る。すでに過小規 模校が存在する なかで、今後どこ まで踏み込 んだ議 論が展開出きるか がカギだと思う 。地域はもとより 長野市全体 で我が 事として捉えなが らコンセンサス を得ていくことが 必要となっ てくるのではないかと考える。

ふるさ と学習のための副 読本「大好き !福山」が作成 され、各授業 の中で 活用されているこ とは、故郷を学 ぶ取り組みが素晴 らしい。大 いに参考にすべきである。

○ 京都市の小中一貫教育について ≪市の概要≫

1200 年 を 超 え る 悠 久 の 歴 史 に 育 ま れ 多 く の 国 宝 や 文 化 財 な ど を 有 し、山 紫水明の美しい自 然と落ち着いた 都市景観との調和 が取れた歴 史都市。人口147万5千人の政令都市である。

平成16 年度構造改革特区 制度を活用し て「小中一貫教 育特区」の認 定受け た中学校ブロック において特色あ るカリキュラムを 構築し、小 中 一 貫 教 育 の ス タ イ ル を 築 い た 。 ま た 、 同 時 に 全 て の 小 ・ 中 学 校 に 「小中 一貫教育主任」設 置し、小中学校 の連携強化を図る 取り組みを 開始した。

≪小中一貫教育の取り組み≫

平成19 年度に施設一体型 一貫校1校( 山間部の1つの 中学校と1つ の 小 学 校 )、 施 設 併 設 型一 貫 校 1 校 ( 市 内 部 1 つ の 中 学 と 2 つ の 小 学 校)が スタートし、平成 23年度から全中 学校ブロックで小 中一貫教育 を実施 し、現在、施設一 体型4校、施設 併設型2校、連携 型64中学 校ブロックにおいて一貫教育が導入されている。

平成31(2019)、32(2020)年度に、施設一体型一貫校を各1校開校 予 定 で あ る 。 平 成 30 年 度 以 降 、 す で に 校 長 一 人 校 の 6 校 に つ い て は 「義務教育学校」に移行する計画が打ち出されている。

小中一 貫教育導入の背景 は教育課題が 大きくなり複雑 化したこと、 小 学 校は 小学 校 、中 学校 は 中学 校の 不 合理 さ(固 定 化さ れた 概 念)から の連続性の重要さ、を克服して学力の向上を目指すとしたこと。

平成28 年度に教育委員会 は、一貫教育 を進めるにあた り各ブッロク に5つの実践を指示した

1. 各中学校ブロックで目指す子ども像の実現に向けた「小中一貫構想

図」の作成。

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作成し、「学びのルール・約束」を明確にする。

3. 各部会を設けるなど、推進体制を確立する。

4. 「 つ け たい 力」 の 実 現状 況 や 、「 軸と なる 取 り 組み ・活 動 」 の評 価

を学校評価のPDCAサイクルを利用して絶えず点検する。

5. 小中一貫構想の内容について、学校運営協議会等で協議するととも

に、保護者・地域への周知に努める。

上 記 を 指 示 し た こ と で 、 中 学 進 学 へ の 不 安 「 中 一 ギ ャ ッ プ 」 の 減 少、教 職員の意識改革・ 授業改善、学習 指導、生徒指導の 向上、保護 者の意識改革、学力の向上に繋がっているという説明があった。 連 携 型一 貫校(小 中 ブロッ ク)の 具体 的な 連 携 内容 は 次の 通り の こ と が なされている。

・小学校専科やTT授業を中学校教員が担当

・小中相互による授業研究 小中(中学校ブロック)合同研修 ・生徒指導関連だけでなく学力関連情報の共有

・中学校における授業体験・部活動体験・「ポスター発表会」の合同 開催

・児童会・生徒会交流 ・小中の合同行事 ・小小の合同行事

・○○中学校区「学びのスタンダード」の作成・発行 *生活規律、授業規律 *家庭学習の手引き ・○○中学校区 共通教材の作成・活用

・児童・生徒の作品交流 学校便りの交換 学校HPのリンク

以上の 成果として、中学 進学への不安 「中一ギャップ 」の減少、教 職員の 意識改革・授業改 善、学習指導、 生徒指導の向上、 保護者の意 識改革、学力の向上に繋がっているという説明があった。

また、 一体型一貫校では 、全国学力・ 学習状況調査で 学力の向上が 顕著に なり、私立中学校 への受験者が減 少した。切れ目の ない教育活 動によ り、時間的ゆとり ができた。問題 行動をおこす児童 生徒が少な くなっ た。小中1つの職 員室により「小 中文化の違い」を 乗り越え情 報を共有し相互協力が出来ている。

一方で 、まだまだ課題も あり、教職員 の負担増(部活 時間縮減等で 時間を作り出すよう努力している)、小6児童の最高学年という意識の 低下(施設一体、併設のケース)、9年間の系統制に配慮した指導計画 の作成 や教材の開発、行 事の調整、中学 校区が複数に分か れる小学校 の 一 貫 教 育 の 在 り 方 、 教 員 の 校 舎 間 移 動 、 教 職 員 の 日 ご ろ の 意 思 疎 通、一 人校長の場合の負 担、等が挙げら れている。京都で は校区の再 編の検 討、夏休み等を活 用した研修会開 催等で課題解決に 向けて取り 組んでいくとのことである。

≪考察≫

京都市 での一貫教育では 、構造改革特 区の選定を受け てのスタート で、制 度の特徴を生かし 、小中一貫学習 支援プログラムを 充実させる など、 学力向上に力を入 れ、成果が出て きている。施設一 体・併設型 設置に ついては児童生徒 数の減少が要因 であるが、地域住 民と保護者 におい て十分検討し、地 域からの要望を 受けての設置とな っている。 児童生 徒数減少があって も山間地等で統 合不可能な学校も あり、今後 の推進 に充てっては、リ ーダーシップが 不可欠である。再 編統合に基 準を設けていない等、京都市の取り組みには、「一貫教育を推進してい く」という強い前向きな意識を感じる。

ただ、 小学校の6年生が 「最高学年」 という意識が持 ちにくくなる 側面があり、課題である。

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1/19 福知山市

な る の で は な い か 。 ま た 、 連 携 型 を 進 め て い く 上 で 、 校 区 の 見 直 し 等、難 しい課題への取り 組みの検討も必 要になってくる。 学力向上を 図るう えで、小・中の連 携が果たす効果 を改めて認識する 必要がある のではないか、と考える。

小中一 貫教育は一体型の みならず連携 型をもしっかり 捉えながら取 り組まなければ長野市にあった教育は求められない。

○ 福知山市の小中一貫教育について ≪市の概要≫

北 近 畿 の 中 央 に 位 置 す る 田 園 商 工 業 都 市 で あ り 兵 庫 県 に 接 し て い る。平 成18年に隣接する 三和町・夜久野 町・大江町と合併 し現在に至 っている。人口7万9千人の比較的小規模の市であるが、面積は553㎢ と長野 市の3分の2の面 積であり、そこ に小学校23校、中 学校9校で 児童生徒の教育を行っている。

福知 山市は平成23年に 福知山市立学校 教育改革推進プロ グラム前期 計画(平成23∼27年度)を策定した。また、「保幼小中一貫・連携教育推 進計画(シームレス学園構想)」を中核とした様々な施策や取り組みを 行い、 社会の変化に対応 できる「生きる 力」を備えた人材 を育てるこ とを目 指すと共に、複式 学級の解消を念 頭に置いて、学校 の再編を進 めてきた。

≪小中一貫教育の取り組み≫

しかし ながら、中学校区 単位の説明会 を繰り返してき たが、厳しい 反 対 意 見 が 多 く 、 教 育 委 員 会 の 方 針 が な か な か 受 け 入 れ ら れ な か っ た。再 編は保護者、地域 住民の理解と協 力を得て進めるこ ととし、こ れから の学校の在り方に ついて丁寧に説 明を行う中で理解 が進み、平 成25年 度に旧夜久野町の 精華小学校・育 英小学校・明正小 学校3校を 統合し、夜久野中学校との施設一体型小中一貫校を開校(市内初)。 平成27 年度に旧三和町の 川合小学校が細 見小学校と統合、 三岳小学校 が上川口小学校と統合した。

前期計 画を検証し、平成 28年福知山市 立学校教育改革 推進プログラ ム後期 計画を策定した。 後期計画では、 市立学校の現状と 今後の推移 を踏ま え、加速する児童 の数の減少と学 校の小規模化に対 応する教育 環境の 改善を早期に図る こととし、でき るだけ早期に学校 再編を進め るとしている。

【基本的な再編の進め方と視点】

1.子どもたちの成長を考えるとできるだけ早い対応が必要 2.保護者の理解を得た上で、地域住民の理解と協力を得て進める 3.要望のある地域の学校から進める

4.複式学級を解消し各学年に単学級を確保する 5.一定の学級規模(20名程度)を確保する

6.夜 久野小中学校(夜 久野学園)の 成果を活かし、 三和地域・大 江地域に義務教育学校の設立を目指す

7.コミュニティスクールの導入を進める

8.小希望校のメリットを最大限に生かすとともにデメリットを緩 和する方策を講じる

等の進め方を示している。

後期計 画は終了する平成32年度(2020年 )以降、更な る少子化など 長 期 的 な 展 望 に 立 ち 、 平 成 31 年 度 に 「 第 2 次 福 知 山 市 学 校 教 育 審 議 会」を立ち上げ、継続した検討を行うとのことである。

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旧町に おいては、施設一 体型一貫校とし て一貫教育推進の方向が示 されてい るが、旧市内で は中学校区におい て、連携型の一 貫教育が進 められており、「シームレス学園構想」として小中一貫・連携教育に取 り組んで いる。指導でも 学習内容でも、教 職員も、そして 学校間、家 庭・地域 ・学校をつない でいくことで生き る力を支え、確 かな学力、 豊かな心 の調和の取れた 児童生徒の育成を 図り、福知山市 の目指す子 ども像が示す力の育成を図るという目標が掲げられている。

そんな 中でも課題があ る。施設一体型一 貫校の夜久野学園では、通 学にス クールバス3∼6 台を運行してお り、運転手の確保 が課題とな ってい る。今後、バス路 線の活用を含め た通学手段確保の 検討が迫ら れてい る。学校再編につ いては、まず地 域の意向がまとま るか、合意 があっ て初めてスタート が切れるので、 丁寧に時間をかけ て説明する 必要がある。

≪考察≫

合併により市域が広がり、人口減少の進行が激しい地域を併せ持って いるこ とから、長野市と 共通する教育環 境の課題があると 考える。教 育委員 会主導で学校教育 改革推進プログ ラムにより学校の 再編を進め て い る が 、「 子 供 た ち の成 長 に と っ て 望 ま し い 教 育 環 境 を 実 現 す る た め」家 庭・地域・学校が 連携し、新しい 教育の在り方を掲 げ、保護者 ・地域 の理解を得る努力 が窺える。小中 一貫教育でスムー スな連携で は、中 学校区の地域コミ ュニティでの合 同活動連携カリキ ュラムの作 成、中 学校1年生の担任 が6年生の担任 との連携、小学校 高学年時の 一部教 科担任制、中学校 の体験入学など 、創意工夫がなさ れている。 一体型 小中一貫教育でも 小中一貫で連携 した教育課程で取 り組まれて いるが 、小学校6年、中 学校3年を基本 としており、転校 転入しても 戸惑いはない。

幼保小 連携については「 シームレス学園 構想」に保幼小 の滑らかな 接続と して計画されてい るが、公立幼稚 園3園、私立幼稚 園1園、公 立保育 所9園、私立保育 所20園、地域型 保育事業2園の合 計35園ある が、連携は進んでいないようである。

長野市 における中山間地 域も同様である が、児童生徒数 の減少のみ の理由 で小中一貫校に移 行しても子ども たちの成長にとっ て望ましい 教育環境に実現は望めない。

参照

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