• 検索結果がありません。

告発および青山意見書pdf 最近の更新履歴 wwwforumtohoku3rd

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "告発および青山意見書pdf 最近の更新履歴 wwwforumtohoku3rd"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

2009年10月9日

井上明久氏らを著者とする Materials Transactions JIM 誌, および Materials Transactions 誌所収論文における研究不正問題について

980-8577

仙台市青葉区片平2−1−1 東北大学研究協力部

研究協力課気付

研究倫理相談窓口 御中

拝啓

私たちは,東北大学の教員,元教員および代理人弁護士です。

本日,貴大学の「研究活動における不正行為への対応ガイドライン」(平成19 年 3 月 1 日 研究推進審議会研究倫理専門委員会)に基づき,井上明久氏らを 著者とするMaterials Transactions JIM 誌, および Materials Transactions 誌所収 論文,及び論文の基礎となった実験,並びに井上氏らが特許を取得した差圧鋳 造式金属ガラス製造法(特開平 8-109419)における研究不正問題について告発 を行います。

この告発に関する調査が,貴大学の上記「対応ガイドライン」および「研究 者の作法」に従って,厳密かつ公正中立に行われること,その際,研究不正に 関する説明責任は,あくまで論文著者にあるという,研究不正問題に関するガ イドラインの原則が堅持されることを強く要望します。

本告発が対象としている井上氏らを著者とする論文,および論拠は別紙の通 りです。

ご査収下さい。

敬具

日野 秀逸 (東北大学名誉教授)

大村 泉 (東北大学大学院経済学研究科・教授) 高橋 禮二郎(東北大学大学院国際文化研究科・客員教授) 松井 恵 (弁護士)

ご返信は松井 恵 (代理人弁護士) 宛で下記住所にお願い申し上げます。

〒980-0804 仙台市青葉区大町二丁目 3-12 大町マンション 401 号 松井法律事務所

TEL: 022-722-0366 FAX: 022-224-6515 告発および青山意見書

(2)

12 図5は井上氏らの回答(2009 年)に掲載された画像であり,図6は 2007 年論文に掲載さ れた4分割写真です。濃淡は措くとしても,図5の右下 4 半分部分に明瞭にみられる黒い 斑点の位置が,図6とは場所が異なり,図6では同様の斑点が3箇所に視認されます。こ こから,誰の目にも,両者は「同じバルク金属ガラス試料の断面the same cross-sectional BMG specimen)」画像であって,両者の撮影対象は「同一」(identical)と見なすことは出来ないで しょう。

他方,井上氏らは,この回答で,「我々の論文における図 4(2007 年論文の 4 分割写真 を指す− 引用者)が,分割写真それぞれに直線的境界を示しているという単純な事実は, 我々がオリジナル画像を編集しようとしたのではないことを示しているThe simple fact that Fig. 4 in our paper shows straight-line boundaries of individual photographs confirms that we have not attempted to manipulate the original images)」,としています。しかしこれも,私たちの 疑問に対する科学的反論とはなりえません。

2007 年論文の写真に直線的境界が認められることは,大きなサイズの試料を分割したこ とを示しているだけです。なんら編集操作を加えていないことを示したいなら,最低限, 2007 年論文の,一つの像に合成する前の,分割試料4つについて撮影した4枚の写真それ ぞれを示す事が必要不可欠です。そして,単純に寄せ合わせただけだ,と言うなら,すな わち,分割して撮影したそれぞれの写真を単純に一つの像に組み合わせただけだというな ら,切断面の直線的境界付近で,像(模様)の詳細が境界を挟む2つの写真間に整合性が あり,両者の間に点や濃淡模様がごく自然に繋がって見えることを示す必要があります。 図6の2007 年論文の 4 分割写真は丸棒の断面写真だというのに,中心を求めることがで きません。それにもかかわらず,井上氏らが,「この写真には編集上の操作が加えられて いない」,ということを主張したいのなら,オリジナル試料とともに,最初に撮影した写 真そのものを公開し,主張の正当性を確証する必要があります。

4 特許申請に関わる疑問 4−1 データの使い回し疑惑

以上が,井上氏らの3論文について研究不正(捏造ないしは改ざん)の疑い を抱くにたる科学的合理的根拠です。他方,研究論文そのものではありません が,研究者倫理の観点から,井上氏には,説明責任が求められる極めて重大な 問題があります。

特許庁電子図書館から,井上氏が申請した特許(特開平08-109419)として「差 圧鋳造式金属ガラス製造方法(出願日1994年10月14日)」を閲覧できます。こ の特許は,「アーク溶解方法で溶かした溶融合金を銅製鋳型中に高速で注入し, 大きなサイズの金属ガラス製造を可能にした発明」と言う内容で,装置図面と 共に,実施例として,本発明で製造された直径10mmおよび直径16mmの円柱状 大型バルク状Zr65Al7.5Ni10Cu17.5合金塊の横縦断面における中央域からとられた X線回折パターン(次ページの図7、参照)を付しています。

一方,次ページの図8のデータは,Materials Transaction JIMVol. 34,No.12 (1993),p.1234-1237 に掲載された井上氏の論文のFig.3です。

この1993年論文には次のように記されています。

  

 中 略

特許告発

(3)

"Bulky amorphous alloy in a cylindrical shape with diameters up to 16 mm were found to form by water quenching a Zr65Al7.5Ni10Cu17.5 melt in a quartz tube. "

引用から,1993年論文のFig.3の結果は,「石英管中で溶融した合金メルトを水 中に焼き入れて作製した試料」に関するX線回折パターンであるのは明かです。

図7 図8

図7 特 開 平 08- 109419 に 掲 載 さ れ て い る X 線 回 折 図 図8 1993 年論 文 に 掲 載 さ れ て い る X 線回 折 図

両図を比べると,波形の微細部分まで酷似しており,ほぼ同一に見え,ほぼ 重なります。 Zr65Al7.5Ni10Cu17.5 合金について,全く異なる手法(銅製鋳型・差 圧鋳造法と石英管・水焼き入れ法)で作製された2種類の試料の実験結果,と くにX線回折パターンの波形がこれほどまでに酷似することは,常識的には考 えられません。例えば,井上氏の1995 年論文(Materials Transaction JIM,Vol.36, No.9 (1995),p.1184-1187)の Fig. 2 に,Zr55Al10Ni5Cu30合金について得た,直径1.6 cm,長さ 7.0 cm の円柱状金属ガラス試料に関する横断面および縦断面のX線回 折パターンを見れば,このことは,容易に理解できます(下図9参照)。

図9 1995 年論文に記載された直径 1.6cm 長さ 7.0cm の金属ガラス棒の X 線 回折図 (a)横断面 (b)縦断面

(4)

14

この場合,同一試料に関するデータであり,両者ともブロ−ドなハローパタ ーンと言う特徴は当然一致しています。それでも,X線回折パターンの波形の 詳細は,明瞭に異なっており,これが普通の結果です。言い換えると,異なる 手法で作製した2種類の試料のX線回折パターンにおいて,波形の詳細まで酷 似することは極めて不自然なのです。その理由を補足すると以下のとおりです。

一般に,金属ガラスを含むアモルファス物質のX線回折パターンに現れる微 細なシグナル(縦軸のギザギザ)は,対象物質固有の性質に依存するものでは なく,測定ごとに異なる「統計的な揺らぎ」に起因することが知られています。 そのため,同一試料であっても2回測定すれば,通常,それぞれ微細なシグナ ル(縦軸のギザギザ)が全く異なった結果を得るのです。したがって,1994 年 の特許申請の図は,1993 年論文の実験結果で代用したことが推断され,研究者 の倫理に反する行為がなされた可能性が極めて高いことをうかがわせます。私 たちも,特許申請と研究論文とを同等には必ずしも扱わないことを承知してい ます。しかし,事実と異なる実験結果を使って自らの権利を主張することは, 明らかに研究者倫理を逸脱していると考えられます。井上氏は,この内容につ いて,研究者としての社会的説明責任があります。

4−2 使用アーク炉の問題

さらに,この特許申請には,次の問題があります。この特許申請【0025】(こ の数字は,申請書の各段落の通し番号 − 引用者,以下同様)で井上氏は、(実 施例)本発明に係る…..[中略]…..直径 10mmφ x 長さ500mm,16mmφ x 長さ 200mm,30mmφ x 長さ100mm の3種類の大型のアモルファス Zr65 Al7.5 Ni10 Cu17.5 合金塊を製造した(原文のまま)」と述べ、さらに、【0030】で「本実施 例においては,……[中略]……アーク溶解中の電流と電圧は,それぞれ 250A と 20V であり,水冷電極と粉末状及びペレット状金属試料との間の距離は 0.7mm に調節 された(原文のまま)」,と記しています。

私たちは、この記述に、「2.合金インゴットの溶解方法に関わる疑問」で 述べた1996 年論文,2007 年論文と同様の問題を見出します。というのは、ここ に記述されている内容は、井上氏が、1995 年論文の直径 16mm,長さ 70mm,1996 年論文の直径30mm,長さ 50mm より,さらに2倍も大きな合金塊(合金組成に 依存しますが,200g超および 400g 超と考えられる)を,「250A と 20V」,す なわち5kW 程度の普通のアーク溶解炉 で,一度に完全に溶融状態にしてガラ ス試料を作製したことを表しているからです。これは,全く誰にも理解できま せん。

ここに実施例として書かれた大型のアモルファス合金塊を製造するために 不可欠な,大量の合金塊を、単に流動性が認められるシャーベット状態ではな く一度に完全な溶融状態にできるアーク溶解設備とは,どのようなものだった のか,井上氏には説明責任があります。されなければ,虚偽の実験結果を付し て特許という公的権利を取得したと見なさざるを得ないでしょう。

(5)

別 紙2

平 成21年11月14日

対 応 委 員 会 へ の意 見 書

帝 京 大 学 法 学部 教授 、 元特 許 庁 審 判 長 青 山紘 一

問 題 の 図 面( 【 図5】) は 、 本 件 発 明 の 目的 」 「構城 」 の 理 解 に は 関 係 せ ず 、 発 明 の 効 果 」 を サ ポ ー トす る も の で は あ る が 、 本 件 発 明 の 特 許 性 を 判 断 す る う え で 不 可 欠 な もの で は な い 。

して 、 問 題 の 図 面 は 、 特 許 出 願 の 代 理 人 が 、 申 請 時 に 本 来 の 図 面と 取 り違 え て 誤 っ て 添 付 し た も の と 聞 い て お り、 ま た 、 本 来 の 図 面と実 際 に 添 付 した 図 面 の 「X線 回 析 パタ ー ン 」 は ほ とん ど違 わ な い も の で あ る と の こ と で あ る。 そ で あ れ ば 、 特 許 出 願 に お い て 、 こ の 様 な 誤 りは し ば し ば 見 受 け られ る と こ ろ で あ っ て 緊 急 に 対 応 を 要 す る ような 問 題 と は 考 え難 く、 まして や 、 捏 造 や 改 ざ ん 等 の 研 究 不 正 と は 次 元 が 異 な る 問 題 で あ る。

青山意見書

参照

関連したドキュメント

停止等の対象となっているが、 「青」区分として、観光目的の新規入国が条件付きで認めら

(b) 肯定的な製品試験結果で認証が見込まれる場合、TRNA は試験試 料を標準試料として顧客のために TRNA

( 同様に、行為者には、一つの生命侵害の認識しか認められないため、一つの故意犯しか認められないことになると思われる。

ASTM E2500-07 ISPE は、2005 年初頭、FDA から奨励され、設備や施設が意図された使用に適しているこ

脱型時期などの違いが強度発現に大きな差を及ぼすと

 しかしながら、東北地方太平洋沖地震により、当社設備が大きな 影響を受けたことで、これまでの事業運営の抜本的な見直しが不

そのため、ここに原子力安全改革プランを取りまとめたが、現在、各発電所で実施中

最終的な認定データおよび特性データは最終製品 / プロセス変更通知 (FPCN) に含まれます。この IPCN は、変 更実施から少なくとも 90