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事例3 地域包括支援センターとの連携強化による高齢者被害の防止<東京都西東京市>

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Academic year: 2018

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事例3 地域包括支援センターとの連携強化による高齢者被害の防止

<東京都西東京市>

【背景・取組概要】

東京都西東京市では、年間の消費生活相談件数のうち高齢者からの相談件数 が約4割を占めるなど、高齢者の消費者被害防止が重要な課題となっていまし た。また、健康問題や孤独・不安感など、消費者問題以外の課題を抱えることを うかがわせる高齢者は多い一方で、地域包括支援センターと連携する事案はあ っても個別的な対応にとどまっていました。

そこで西東京市では、平成26年度から、地域包括支援センターと消費生活セ ンターの連携を一層強化し、高齢者の消費者被害の防止に取り組むことにしま した。まず、消費生活センターの職員・消費生活相談員が、市内8箇所の地域包 括支援センターを訪問し、顔が見える関係を構築するとともに、相互の職務上の 役割や範囲について情報交換をし、連携して取り組んでいくことの必要性及び 有効性を確認しました。

【取組の効果等】

平成26年度に、地域包括支援センターから消費生活センターに寄せられた相 談は7件(平成 25 年度3件)、消費生活相談を機に地域包括支援センターが関 わることになったのは 14 件(同5件)、消費生活相談員から地域包括支援セン ターへの情報提供等は12件(同4件)と、いずれも増加しました。また、地域 包括支援センター経由での出前講座の依頼も増加しました。

地域包括支援センターとの連携が強化されたことにより、消費者被害の未然・ 拡大防止が図られるとともに、消費者問題のみならず、高齢者の抱える問題の根 本解決につなげることができるようになりました(具体的な連携事例は別紙参 照)。

【今後の課題】

高齢者を地域社会全体で見守るためには、地域包括支援センターのほか、民生 委員や介護サービス事業者、社会福祉協議会等の機関との連携強化も必要です。 また、高齢者を見守る側の立場の方に対しては、情報発進等を進めていくと同時 に、それぞれの活動の中で消費者被害防止に関する視点も持てるよう、一層の工 夫が必要との認識です。

(2)

【基礎データ(人口・高齢化率等)】

①人口:198,267(平成27年1月1日時点)

②高齢化率:24%

③消費者行政本課の職員数:4名(兼務職員2名、非常勤2名)

④消費生活相談員数:4名(非常勤)

⑤消費生活センター(週5日開所)

⑥相談受付件数:1,195件

(3)

地域包括支援センターとの連携により解決につながった事例

事例①

金曜日の午後3時過ぎ、「明日お金を取りに行く」という電話がかかってきた、 どうしたらよいか、という相談が入った。

怖い思いをしたのであろうことは想像できたが、相談員が、何の代金か、それ についての契約書はあるか等質問をしても、自身の言いたいことを言うばかり で、要領を得ない。

相談者の了承を得て担当地域の地域包括支援センター(以下「包括」という。) に連絡をしたところ、様子を見に行ってくれるとのこと(後に、包括としても、 福祉施設の利用の様子から、認知症気味で見守りが必要な高齢者という連絡を 受けていたものの、本人が拒んでいたため、関わるきっかけが持てずにいた高齢 者であったことが判明。)。

その後、包括の担当者からの連絡で、磁気ベルトのレンタル等の複雑な契約を していることが分かった。

相談者は解約したい思いがあるようで、その旨を事業者に告げたところ、「明 日お金を取りに行く」と言われたようであった。集金金額が高額であり、相談者 本人も非常におびえた様子であったため、包括の担当者が緊急短期入所サービ スの利用を手配し、とりあえず週末をやり過ごすこととなった。

翌週、ケアマネージャー(以下「ケアマネ」といいます。)に付き添われて相 談者が契約書等を持参し、契約の全貌が判明。解約及び返金の交渉を相談員が行 い、約 200 万円分が返金されることとなった。

相談者と包括が関わりを持ったことで、要介護認定の手続が進み、介護保険サ ービスの利用もできるようになったとのこと。また、実は自宅の浴槽が使用でき ない状況にあったが、地域包括支援センターが関わることにより、公的補助制度 を利用して浴室の改修を行い、使用できるようになったとのこと。

それから半年ほど経ったころ、相談者から消費生活相談室へ連絡があり、「ち ゃんとした生活ができるようになった。救われた。」とお礼。

消費生活相談単独ではなし得なかった相談者の問題の根本解決を図ることが できた事例。

別紙

(4)

事例②

「借金をまとめる方法を知りたい」との高齢女性からの相談。借金の内容を相 談員が確認すると、孫娘の借金 300 万円をまとめて返済してあげたい、という ことであった。

話の内容からすると、振り込め詐欺のように思われたが、相談者本人は孫娘が 困っていると信じて疑わず、相談員の言うことに耳を貸さない。高齢者御夫婦世 帯であったが、二人とも孫娘からの連絡と信じ込んでいた。

相談者の了承を得て担当地域の包括に連絡すると、包括ではその方の親族の 連絡先を把握しており、すぐに連絡を取ってくれた。連絡が取れたのは相談者の 娘(孫娘の母)で、相談者が信じ込まされていたストーリーを否定。その後、包 括職員及び家族も一緒に警察に出向いて事情を報告、お金をだまし取られるこ となく、事なきを得た。

包括との連携がスムースであったことにより、被害を未然に防ぐことができ た事例。

事例③

訪問してきた営業マンに勧められて海外の不動産の賃借権の契約を結び、100 万円を渡してしまったと高齢の女性から相談。

契約から8日以内であったため、相談員がクーリング・オフのはがきの記入サ ポートをし、その時の相談者の様子からすぐ近くの郵便局まで相談員が同行。そ の後帰宅しようとした相談者が、長年地元に住んでいるにもかかわらず自宅の 方向が分からない様子であったため、相談者の了承を得て、担当地域の包括に連 絡。包括から担当ケアマネに連絡を取ってくれた。相談員は事業者にクーリン グ・オフの通知をした旨連絡した。

同日のうちに相談者宅に事業者から「なぜそんなに早く相談をしたのか」と脅 すような連絡があったとケアマネから報告があったため、返金時期の確認を含 め、相談員が再度事業者に連絡し、クーリング・オフを受けるよう念を押すと、 事業者は「役所に行ったのは契約した事業者の信用性を確認に行っただけ、契約 は続けると本人が言うのでクーリング・オフは保留にしている」と回答。相談員 は、ケアマネからの連絡を踏まえ、「消費者センターとしては逆の話を聞いてお り、そちらからの連絡に怖い思いをしたと聞いている」と反論。すると、事業者 がクーリング・オフを受けると言い、返金時期についても事務所に戻ったら連絡 するとのこと。その週のうちに返金するとの連絡が入る。

クーリング・オフを受ける旨と返金時期について、すぐに相談員からケアマネ

(5)

に報告、また、相談者には事業者から連絡があっても接触しないよう伝え、家族

(相談者の長男)にも連絡することを依頼した。ケアマネから連絡があり、相談 者宅を訪問していたヘルパーから「ついさっきまで営業マンがいて、配当がもら えるからと契約を続けるよう説得されていたようだった」との報告があったと のこと。時間を確認すると、事業者は相談者宅から相談員に電話をかけてきてい た模様。相談員は、ケアマネからの報告により事業者の言い分が相談者の意思で ないことが把握できていたため、相談者の意思である契約解除を強く主張する ことができた。

後日、相談者の長男から返金を確認したとの報告があり、また、この件がきっ かけで母親の状態を把握、もっと関わる必要があると認識したとのことだった。

包括、介護サービス事業者、相談員の三者の連携により、被害回復を図ること ができ、また、家族の気付きのきっかけとなった事例。

参照

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