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KKK0066 007 024 学習者に語りかける書き下ろしの教科書教材 : アクティブ・ラーニングの視点による「読むこと」と「書くこと」をつなぐ授業改善

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Academic year: 2018

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熊本大学学術リポジトリ

K umamoto Univers ity R epos itory S ys tem

T itle

学習者に語りかける書き下ろしの教科書教材 : アクティ

ブ・ラーニングの視点による「読むこと」と「書くこと」をつ

なぐ授業改善

A uthor(s )

仁野平, 智明

C itation

熊本大学教育学部紀要, 66: 7- 24

Is s ue date

2017- 12- 19

T ype

D

epar t m

ent al Bul l et i n Paper

UR L

ht t p: / / hdl . handl e. net / 2298/ 38845

(2)

熊 本 大 学 教 育 学 部 紀 要 第66- , 7- 24, 2017

学 習 者 に語

りか け る書 き下 ろ しの 教 科 書 教 材

一ア ク テ ィ ブ ・ラ ー ニ ン グ の 視 点 に よ る 「読 む こ と」 と 「書 く こ と 」 を つ な ぐ授 業 改 善 一

仁 野平

智 明

The  newl y  wr i t t en  t eac hi ng  mat er i al s   whi c h  s peak  t o l ear ner s   i n J apanes e  l anguage  t ext books :

Cl as s  i mpr ovement s   t hat  c onnec t " r eadi ng" and" wr i t i ng" f r om  t he vi ewpoi nt   of  ac t i ve  l ear ni ng

Tomoaki Ni nohi r a

( Rec ei vedbySept ember 30, 2017)

はじめ に

国 語 科の 文 章 教 材 に つ い て の カ テ ゴ ライズ は, ご く 当 たり前 に 行 わ れる. 日 く, 「物 語 教 材 」r 「非 文 学 教 材 」, 「読 む こ と の 教 材」 等, 文 章 の 性 質 や 求め られる学 び の 力 な ど に 応じて, 我 々 は 文 章 教 材を 分 類 し, 分 析 す る. 何 ら か の テ ー マ 性の も と に 考 察 を 加 え る の は 最も オ ーソドッ ク ス な 研 究 方 法 で あ ろう. し かし, 個 々 の 文 章 は, と き

に 我 々 の 下し た 定 義の 領 域を は る か に超え る教 材 性を有 して い る. に も か か わらず, も し我 々 が, 仮 の 定 義 に 捉 わ れ て 全 貌を 問う こ と をやめ れ ば, そ の 教 材 価 値 は お び た だし く損 な わ れてしまう.

本 稿 は, 教 科 書 教 材 の 出 典に 着目 し, 教 科 書 の た め の 「書き 下 ろ し」 教 材と して 生 み 出された 文 章 教 材の 申 か

ら, 虚 構 世 界 を 描 い た い わ ゆ る 「物 語 」 や 「小 説 」 等 を 除く, 一 般 的 に 「説 明 的 文 章 」, 「評 論 」, 「随 想 」 等とみ な される 文 章 のうち, と りわ け 読 み 手 に 対して 書 き 手 が 積 極 的 に 語りか け る行 為 の 現 わ れ たも の を考 察 対 象とす る. 文 章は, 書 き 手と読 み 手 の た め に あ る. そ れ は, 教 科 書 教 材 執 筆 者と学 習 者 の 間 にお い て も 変 わ る こ と の な い, 個 と個 の 濃 密 な 対 話 で あ る. 書 き 下 ろし教 材の 場 合, 書 き手 で あ る教 材 執 筆 者 の側は, 既 に そ の 関 係 をじ ゅ

うぶ ん に 意 識して い る だ ろう. し かし, 次 から次 へと 「勉 強 」 の た め に 文 章 教 材 を 読 み 続 け ね ば ならな い 学 習 者 は, は たして 個 々 の 書き 手 へ のま なざ し を持ち 得 る だろ うか. 例 え ば, 「説 明 的 文 章 」とみ なされ た 文 章 を 読 む

と き, 今, 自 らに 「説 明 」して い る 書 き 手 の 声 は 聞 こ え て い るだろ うか. 一 人 の 書 き 手 の 生 み出した 無 二 の 文 章 が, 「 「説 明 的 文 章 」 の 読 み 方 」と いうような マ ニ ュ ア ル の も と に解 体され, 情 報 の 読 み 取 り作 業 の た め の 道 具 に 堕 する. そ のと き 文 章 は, 書 き 手 の 顔を 失う. 顔 の な い 文 章と, 対 話 する こ とは 出 来 ず, 「 主 体 的 ・対 話 的 で 深 い 学 び 」 は そこ にもた ら されな い. 他 者と し て の 書 き 手 を 想う こ と は, 読 み 手 で あ る 自 己 の 顕 在 化 に つな がり,

さ ら に, 「 読 むこ と」を 契 機 と した 「書く こ と」 へ の 学 び へと発 展 する. 本 稿 は, 学 習 者に 語り か け る 書 き 下 ろ しの 文 章 教 材 へ の 着 目に よ っ て, 学 習 者 の ア ク テ ィ ブ ・ラー ニ ン グ を 啓 発 す る 授 業 改 善 を 希 求 する もの で あ る.

な お, 本 稿 で は, 小 学 校 ・中 学 校 及 び 高 校 「国 語 総 合 」( 分 冊 の 場 合 は 古 典 編を 除く) 現 行 教 科 書 教 材を 考 察 対 象とする. そ れは, 各 校 種 から各 学 年, 各 ジ ャ ンル へと細 分 化し が ち な 教 材 研 究 の 孤 立 性 を 解 体し, 小 学 校 か ら高 校 ま で 学 び 続け る 一 人 の 学 習 者 に 焦 点 を 当 て, そ の 学 習 者 が 経 験 す る で あ ろう学 び の 大 き な 流 れ を 捉 え た う

え で, 改 め て 各 校 種 ・各 学 年 に お け る 学 習 観を 定 め るね らい に よ る. そ の 結 果, 本 稿で 取り扱 う教 科 書 は44種 に 及 ぶ が, 便 宜 上, そ れ ら を 出 版 元 別に ア ルフ ァベットの 仮 番 号 で 表 記 する ものとす る. 小 学 校と 中 学 校 は 出 版

元 全5社 が 共 通し, そ れ らの うち3社 は 高 校 「国 語 総 合 」 の 出 版 元 でも あ る た め, 小 ・中 ・高 全 て の 教 科 書 出 版 元 で あ る3社 を ま ずA・B・Cと し, 小 ・中 共 通 の 残 り2社 をD・Eと して, 高 校 「国 語 総 合 」 の み の 出 版 元6 社 をFか らKま でとす る. ま た, 各 校 種 の 別を 〔小 〕・〔中 〕・〔高 〕 で, 各 学 年 の 別を 丸 数 字 で 表 わし, 高 校 「国 語 総 合 」 の 出 版 元 の うち1社 で2種 以 上 あ る 教 科 書 に は, 「1」, 「2」 等 の 数 字を 添 え る. 例 え ば, A社 の 小 学 校 6年 の 教 科 書 で あ れ ば 「A〔小 〕⑥ 」, A社 の 高 校 「国 語 総 合 」 教 科 書 のう ち2種 め で あ れ ば 「A〔高 〕z 」の よう

に 表 記 するl l ) . 文 章 教 材に つい て は, 「 物 語」・「小 説 」 等を 「虚 構 文 章 教 材」, 「説 明 的 文 章 」・「評 論 」・「随 想 」

等 を 「非 虚 構 文 章 教 材 」として 仮 に 二 分 する.

1. 書 き下 ろ し教材 の諸 相

i - 1学 習者 が 「目にす る」 出典 の 表記

学 習者 が 教科 書 教材 を学 ぶ に あた って は, 本 文 を 「読む 」 こ とだ け でな く, 教 材化 に際 して付 加 され た さま ざ

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参照

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