次世代の資源問題に挑む!?

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次世代の資源問題に挑む!?

大学院工学研究院・大学院工学院 准教授

伊藤

いとう

真由美

ま ゆ み

(工学部環境社会工学科資源循環システムコース)

専門分野 : 地球・資源システム工学,資源工学,リサイクル工学,鉱物処理工学

研究のキーワード : リサイクル,資源開発,未利用資源,都市鉱山,レアアース

HP アドレス : http://mp-er.eng.hokudai.ac.jp/indexjp.htm

次世代の資源って何ですか?

「都市鉱山(アーバンマイン)」という言葉を聞いたことがありますか?携帯電話やパ

ソコンなど、私たちの身の回りの製品には多くの資源が使われています。しかしこれらの

製品は都市でゴミとして大量に処分されています。このゴミの山を有用な鉱山として見立

てる考えを、都市鉱山と言います。貴重な資源をリサイクルするためには、ゴミと資源を

分ける選別技術や、素材ごとに高度に分ける技術が必要になりますので、研究室では様々

な廃棄物から資源を取り出す方法を研究しています。

ところで、ゴミと資源を分けるには、資源開発の現場で使われている技術を応用するこ

とができます。石炭や金属の鉱山では、岩石と有用な鉱物を分ける技術が使われています。

これは鉱物と鉱物を分けるので、鉱物処理(選鉱)とよばれており、鉱山で掘られた鉱石

は選鉱場で価値ある鉱物だけを取り出して、これを海上輸送などで製錬工場に送り、携帯

電話の素材となる地金(銅や金などの素材)が作られます。最近は、世界各地で資源の開

発が盛んに行われており、金属分がたくさん含まれている(品位の高い)鉱石が採れなく

なってきているため、これまで開発できなかった資源(未利用資源)の開発技術が必要に

なってきています。研究室ではこのような未利用資源の開発に必要な、選鉱技術の高度化

の研究も行っています。

ワケなく分けるリサイクル?

この写真はプラスチッ

クとプラスチックを種類ご

とに分けるために改良した

装 置 で す 。 家 電 製 品 や コ

ピー機などは廃棄後、手解

体して部品を取り出しますが、細かな部品は取れませんので、破砕機で砕いてから、素材

ごとに分けます。プラスチックは金属よりも軽いため、密度の差を利用して分けます。写

真の装置は密度の差を利用した選別装置なので、このような金属とプラスチックの分離も

できます。さらにプラスチックといっても多くの種類があり、塩素や鉛など、リサイクル

利用の際に有害な元素を含むプラスチックは、他のプラスチックと分ける必要がでてきま

す。研究室では、密度差の小さなプラスチック同士も選別できるように装置を改良しまし

た。さらに密度がほぼ同じプラスチックにも対応するため、表面の化学的な性質も利用す 出身高校:栃木県立宇都宮女子高校

最終学歴:北海道大学大学院工学研究科

土と土地/環境系

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る装置(ハイブリッドジグ)や、水に浮くプラスチックを分ける装置(リバースジグ)も

開発し、写真のようにプラスチック同士を高精度で選別できるようになりました。これら

の装置は次世代のジグ選別技術という意味を込めて、アドバンスド・ジグセパレーション・

テクノロジーと名付け、さらに研究を進めており、最近では選別の難しい鉱物と鉱物をよ

り精度良く分けるための選別機としても使えることが分かってきました。

レアアースやレアメタルという言葉を耳にしたことはありますか?これらも携帯電話 やハイブリッドカーなど先端技術の発展に欠かせない元素です。研究室では廃液晶パネル

からのインジウムの回収や、ハイブリッドカー用電池からのレアアース含有成分の選別・

回収などのリサイクル研究も行っています。

未利用資源の開発にむけて

レアアースやレアメタルはリサイクル原料だけで足りるでしょうか?リサイクルでは 100%の回収は難しいですし、濃度が薄かったり、選別や抽出が難しい場合もあります。

そこでこれまで開発できなかった資源(未利用資源)の開発技術が必要になるのです。最

近はアンデス山脈の高度3500m以上の高地や、海面下1000m以深の深海にも資源がある

ことが分かってきており、開発のための研究がすすめられています。海底資源には、ニッ

ケルや白金、コバルトなどを含むコバルトリッチクラストや、金・銀・銅などを含む熱水

鉱床鉱石などがあり、これらの貴重な鉱石から有価鉱物を取り出す研究をしています。

レアアースを含む鉱石の処理では、

風化の影響を受けている試料や、未

開発の鉱床の鉱石の選鉱方法などを

研究しています。

将来を担う学生さんへのメッセージ

私のいるコースでは、金属資源や石炭などのエネルギー資源を安全に効率よく開発・生

産するため、地質構造や岩盤物性の調査、岩盤の爆破技術や高精度な鉱物選別技術の発展

に努めています。また、不要になった製品から有用な資源を回収し、再利用できれば、都

市はまさに無尽蔵の鉱山となるでしょう。このような資源の開発・循環のためには物理や

化学、生物、地質学など様々な知識が必要になりますので、この分野は総合工学に分類さ

れています。あなたも幅広い知識を駆使して未来の資源について研究しませんか? 重液選別 比重選別

チタン鉄鉱ザクロ石 石英 チタン鉄鉱ザクロ石 石英 磁力選別 渦電流選別

浮遊選別

風力選別 選鉱

Cu,Au,Ag Pt,Co,etc

コバルトリッチクラスト マンガンノジュール 海底熱水鉱床

水深5006000m Pt,Co,

Ni・・・

製錬

採鉱

深海底の資源の開発

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参照

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