『中心市街地の元気アップ』
提言書
平成26年11月
はじめに
本市における中心市街地とは、概ねJR矢板駅西周辺地域を指し、扇町
一丁目・扇町二丁目・本町及び鹿島町の一部地域を含んだ地域のことをい
い、区域の大部分が都市計画法上の商業地域、近隣商業地域及び第一種住
居地域に指定されています。
JR矢板駅を含むことから、「矢板市の顔」として発展してきた地域では
ありますが、現在は、居住人口の減少や商業活動の低迷等により市街地の
空洞化が進んでいる状況です。
現在の状況を調査分析し、市の中での位置づけ、新しい役割を検討しな
がら、どういった形での再生(蘇生)が可能か、そのためにどんな取り組
みが必要かを調査研究する必要があります。
矢板市政策研究会議では、今回の調査研究テーマを「中心市街地の元気
アップ」とし、本会議での議論をはじめ、政策課題庁内研究プロジェクト
チームと連携を図りながら活動を行ってきました。
本提言は、まちに新たな活力や賑わいを創出するための一助となること
を願い、各委員から出された意見やプロジェクトチームの資料を取りまと
めたものです。
当局におかれましては、本提言を尊重し中長期的な戦略をもって、中心
1
目 次
現状分析から見えてきた問題点
・・・・・・・・・・・ 2問題点1 地区内の人口減少 ・・・・・・・・・・・・・・・ 2
問題点2 地区内の空き地・空き家の増加 ・・・・・・・・・ 2
問題点3 地区内の商店数の減少 ・・・・・・・・・・・・・ 4
問題点4 地域コミュニティの希薄化 ・・・・・・・・・・・ 5
「中心市街地の元気アップとは何か」
・・・・・・・・・ 6元気アップの提案
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7【短期的取り組みと実施主体】~元気アップの種をまく~ ・・・ 8
市民が主体の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
市民との協働による取り組み ・・・・・・・・・・・・・・ 9
行政が主体の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
【中期的取り組みと実施主体】~元気アップの芽を出す~ ・・・ 14
市民が主体の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
市民との協働による取り組み ・・・・・・・・・・・・・・ 15
行政が主体の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
2
現状分析から見えてきた問題点
問題点1 地区内の人口減少
全国的に人口減少問題が大きくクローズアップされている今日ですが、
当地区内でも人口減少が進んでおります。
その原因は、核家族化の進展により、次の世代が地区外へ流出してしま
うことや新たな住民が流入してこないことにあります。このまま何の対策
も行わないと、高齢化がより一層進み、やがて「消滅地区」となってしま
う可能性が高いと言わざるを得ません。
このようなことから、地区内の人口維持(増加)を図る必要があります。
問題点2 地区内の空き地・空き家の増加
空き地・空き家がこのまま増加すると、様々な問題が発生します。
まず、一つ目が防災の観点から、建物の倒壊や火災等の危険があります。
二つ目に防犯の観点から、放火や不審者侵入の恐れもあります。三つ目に
まちづくりの観点から、景観を損ね、まちのイメージダウンにつながり、
負のスパイラルに陥ってしまいます。
最大の原因は、次の世代に住む人がいない、後継者不足にあります。問
題点1にも述べたように、核家族化の進展により、次の世代が地区外へ流
出してしまうことにあります。他の市町村に魅力的な物件(広い・安い)
があること、借地を売ってくれないこと(自分の土地がほしい)、矢板市内
3
二つ目の原因としては、空き家の利用がされないことにあります。老朽
化が進み、手が付けられない状況の家屋・店舗になってしまっていたり、
建物を維持する費用も無いこと、管理者が不在または不明(相続放棄など)
となっていることなどであります。
三つ目の原因としては、建物を解体しない(できない)ことにあります。
なぜなのかを考えると、解体費用が最大のネックになります。さらに、
建物を解体すると、土地の固定資産税が上がるという税制上の問題も挙げ
られます。
四つ目の原因としては、所有者が土地・建物を売りたくても、この地域
は、公図が混乱しているところがあり、不動産売買が困難な状況になって
いることにあります。さらに、所有者が売らない、不動産業者が扱わない
など悪循環に陥っていることです。
空き家ではないのですが、昔はお店を営業していた店舗兼住宅について、
閉店後は住居のみとして使用しているところも多くあります。見た目です
が、一見すると空き店舗に見えてしまうことにもなっております。
これらの問題を解決するための課題として、防災・防犯の観点から(住
民の安全・安心のために)、空き地・空き家の適正管理を目的とした「制度
づくり」が必要になってきます。また、まちづくりの観点から、不動産が
流通されやすい状況をつくること、空き地・空き家を発生させない取り組
みが必要であり、結果として、地区内の人口減少対策につながるものと考
4
問題点3 地区内の商店数の減少
まちづくりの観点からとらえると、中心市街地は、まちの「顔」であり、
商店街として成り立たないと、まちのイメージダウンに繋がりかねません。
また、市の財政の観点からは、商店数の減少により、失業者数が増加す
ることなど、税収の落ち込みにより市の財政にも影響が生じてきます。
商店の後継者がいないことが最大の原因ですが、売り上げの減少により、
このままでは生活が成り立たないことになるため、閉店せざるを得ない状
況に陥っております。
それはなぜかと考えた場合、大型量販店の出店の影響が大きいところで
す。価格が安い、駐車場が広い、欲しいものが一度に買える、明るい店構
え、豊富な品揃え、商品を買わなくても出てこられる、営業時間が長い、
トイレが気兼ねなく借りられることなど、消費者のメリットが非常に多く
あります。
問題解決のための課題として、賑わいのあった、かつての商店街を復活
させ、まちの「顔」である中心市街地のイメージアップを図る必要があり
ます。それには、商店主が商売意欲をかき立てられるような仕組みづくり
5
問題点4 地域コミュニティの希薄化
社会全体でも叫ばれていますが、地域内住民の地域活動への参加が減り、
活動そのものの存在が危ぶまれています。大規模災害時などでの「地域の
ことは地域で守る」という共助の取り組みが確保できない状況です。この
ままでは、地域内で支え合う生活環境が確保できなくなり、地域内の犯罪
発生数増加が懸念されるところです。
その原因は、地域活動の参加率が低いことや地域活動の参加に興味がな
く、面倒くさいと思ってしまうことにあります。
問題解決のための課題として、地域活動に参加したくなる取り組みが必
6
「中心市街地の元気アップとは何か」
中心市街地の元気アップを考えるうえで、その地域に住んでいる人それ
ぞれの価値観が違うことから、いわゆる「特効薬」や「万能薬」はありま
せん。
道路整備や市街地再開発、コンパクトシティ構想など様々な手法が考え
られておりますが、それらは、まちづくりの「手段」に過ぎず、本来の目
的ではないと考えます。重要なのは、この地区で“どんな生活をしたいか、
どんな人生を送りたいか”にかかっています。
人それぞれの価値観が違うなかで、どうすれば人の「心」が動くか、動
かすことができるか、そのためには、様々な(人生の)「選択肢」を用意し
なければなりません。“この地区に関わる人の「心」が動かなければ元気ア
ップの本質的達成にならない”と考えるところであります。
また、人の心が動くための3要素として「楽しい・仲間・お金」が重要
7
元気アップの提案
元気アップ策として、いわゆる「特効薬」や「万能薬」はありませんの
で、様々な「選択肢」を用意したいと考えております。
今回は「軸」となる取り組みを紹介させていただきます。
ターゲットは「若者」としておりますが、取り組みの「原理」としては、
すべてのターゲットに共通するものです。
【コンセプト】
やいたの笑小町「エコマチ」
やいたの笑小町「エコマチ」
やいたの笑小町「エコマチ」
やいたの笑小町「エコマチ」
① 笑顔があふれる楽しいまち
② エコなまち
③ 小さなまち(コンパクトシティ)
【ターゲット】
若者(45歳まで)
若者(45歳まで)
若者(45歳まで)
若者(45歳まで)
【スキーム】
5年後5年後5年後5年後・・・元気アップの元気アップの元気アップの元気アップの種をまく種をまく種をまく種をまく
10年後
10年後
10年後
10年後・・・元気アップの芽を出す
元気アップの芽を出す
元気アップの芽を出す
元気アップの芽を出す
8
【短期的取り組みと実施主体】
~元気アップの種をまく~
市民が主体の取り組み
30歳の成人式の開催を提案いたします。
30歳の成人式とは、30歳からが本当の成人ととらえ、その地域の出
身者や住民たちが30歳をきっかけに再びふるさとに集まり、未来につい
て考え、地域を活性化する「絆」と「つながり」だけをベースとした新し
い形の地域活性化イベントです。
期待される効果としては、ほとんどの人が社会人を経験し、また、多く
が離れた都市での生活を経験している状況の中で、生まれ育った地元に帰
り、現在・未来の姿を考える絶好の機会であり、矢板にUターンするきっ
かけにしてもらえることです。
その結果、矢板をなんとかしたい!と思ってもらい、街なかに活気が戻
り、再生した矢板を見て、このまちに住みたいと思ってもらえる人が増え
るような好循環につなげていけるものと考えます。
他の事例でも、「今、30歳にできること」をテーマにディスカッション
することなどで、式典の後、地元と積極的に関わる人が増えたり、旧友と
の再会で結婚したカップルも成立するなど、全国各地に開催が広がってい
ます。
その手法としては、30歳の成人式ポータルサイトに登録すること、実
9
に毎年継続して開催することによりキーマンの卵発掘を継続的に行うこと
ができます。(世代ごとのキーマンが発掘できる)
市民との協働による取り組み
一つ目として、公図混乱の解消が挙げられます。
土地取引時の不安や土地境界に関するトラブルを防ぐことにより、まち
づくりを阻害する要因を取り除き、中心市街地の活性化を加速させること
が可能になります。
※公図混乱地域とは
登記された内容や法務局が備え付けている地図が、実際の土地の
位置や形状が相違している地域のこと
公図混乱による問題点として、土地の所有者や境界が不明確であること
から、所有者や境界の確認に多くの時間と費用がかかり、様々な問題が発
生していることにあります。
公図混乱による問題点の数々として、土地の売買や土地を担保とする融
資が実行されにくいことや土地の境界や権利に関するトラブルが発生しや
すいこと、適切な固定資産税が課税できないことや災害復旧の遅れの原因
にもなること、さらに、道路整備などの市街地再開発やまちづくりを阻害
する要因となり得ることなどであります。
解決策としていくつか考えられることとして、集団和解方式による地図
10
採用し、関係者自身で必要な資料を作成し、法務局に地図訂正の申請を行
う手法になります。
次に、地籍調査による是正です。これは主に市が主体となって、一筆ご
との土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量する調
査のことです。どちらの方法を採用するにせよ、境界の立ち会いや同意は
必要となってきます。
想定すべき課題としては、合意形成のための膨大な労力と時間が必要に
なることです。土地が減る、税金が増える、費用がかかるなどの理由をふ
まえ、いかに合意形成を図るかが重要なポイントです。費用負担の対象者
と負担割合の整理することや公図混乱に取り組む市組織の強化を図ること
も急務であります。この問題の課題は多くありますが、関係者全員が一致
団結すれば、数年間で公図混乱は解消できると考えているところです。
二つ目に、空き家バンク制度の創設です。
空き家の解消と定住促進、潜在的な空き家の把握をねらいとして、全国の
54.4%の市町村で設置されており、中には宅建協会との連携もありま
すが、87.3%が市町村単独実施となっております。実績としては、登
録件数10件以下が6割以上、成約件数10件以下が7割弱と必ずしもう
まくいっていない状況ですので、民間の不動産業者にとっては、少しでも
メリットがある方策も必要ではないかと考えます。
三つ目は、ヤイタマチナカフェ~矢板でつながる場所~の提案です。
11
ことにあります。空き家を活用することやカフェ店舗としては空き家もし
くは空き店舗を改装して使用することにより、その後の空き家バンク等に
よる空き家の活用の見本となるものを最初に作っておくことが必要です。
ヤイタマチナカフェとは、矢板+街なか+カフェの言葉を組み合わせた
造語でありますが、まちづくりや地域貢献したい人、その仲間の拠点とな
る場所を設け、人のつながりの強化を図ることと同時に、地元の人が気軽
に行ける「ほっとできる場所」の創出が重要であり、地域の人とキーマン
のつながりの場にもなると考えます。
運営の例としては、まず、物件(空き家)を確保すること、次に、店舗
を改装し、できる部分はボランティアで行い、その他は業者施行(県補助
金など活用)にて行います。
利用法としては、普段は誰でも気軽に入れる一般のカフェであり、ワー
クショップや講座などを定期的に開催することができ、会議(貸切もOK)
などにも使えるようにします。
カフェ併設の施設は発展性を持たせるように、みんなで作り上げていく
ことが理想となります。(コワーキングスペースなど)
県補助金を活用した、鹿沼市の「日光珈琲 朱雀」が良い事例であり、
ア ンケート 結 果か ら も 、「近く にカフ ェ的 な 店 が あ っ た ら 行 き た い 」、
12
行政が主体の取り組み
まず、空き家条例の制定が考えられます。
空き家の適正管理、市・所有者の責務の明確化、管理不全な空き家への
措置など、中心市街地に限らず、市全体に必要な条例でもあります。他の
事例では、除去費用補助などでエリアを限定する例が多く見受けられます。
例えば長崎市では、空き家と土地を市に寄付(または無償譲渡)し、解
体後の管理を地元が行うことを条件に、市が解体・撤去し、公共空間(地
元の活用も含む)として利用しています。
次に、空き家、空き店舗を利用した創業者への支援強化が考えられます。
現行の支援体制でも、創業事業費等に要する経費の一部を補助している創
業促進補助金(栃木県産業振興センター)や経営リーダー育成塾の受講料
を補助(25万円上限)する後継者育成支援補助金(矢板市)があります
が、さらに支援の強化をすることにより、交付対象者や対象エリアの拡充
が図られることを期待するものです。
アイディアの一つとして、創業応援志隊(矢板市商工会、創業支援機関)
を発足し、商工会、金融機関、行政書士会、栃木県産業振興センターなど
が連携して、創業を志す方をサポートすることが考えられます。
また、創業の心構えからビジネスプランの作成まで指導し、修了者特典
として「ココマチ」出店の選抜が受けられることや創業応援志隊のサポー
トが受けられる創業塾 in やいた(矢板市商工会)を開催することも考えら
13
現在の改装補助であります矢板市空き店舗対策事業支援補助金は、交付
対象と対象エリアが限定されており、近年の実績もないため、制度の見直
しが必要となります。
県内の実例では、栃木市が改装補助(1/2 補助、100万円上限)や家
賃補助(1年間、上限50万円)及び専門家相談補助(1/2 補助、16千
円×5回上限)を実施しており、鹿沼市でも家賃補助(3年間、上限3万
円)と経営指導補助(1/3 補助、6万円上限)をしております。
まず、現行の支援体制を強化し、交付対象者や対象エリアの拡充、補助
金額の増額を行い、空き家、空き店舗の紹介を含め、気軽に相談できる窓
14
【中期的取り組みと実施主体】
~元気アップの芽を出す~
市民が主体の取り組み
一つ目として、ひとつの住居を複数人で共有する「シェアハウス」です。
これは、単身赴任者や非正規雇用者を呼び込むことや、空き家の有効活用
及び若い世代の取り込みがねらいであり、空き家を活用して共同スペース
と個室を設置するものです。
期待される効果としては、空き家が活用されること、若者が集まること、
若者が増えること、若者の交流の場になること、人が流動しやすい環境が
生まれること、入居者が家賃を抑えられること、サイクルシェアやカーシ
ェアを一緒に行うと相乗効果が生まれることなどが挙げられます。
想定すべき課題としては、持続的な経営の方法や適切な物件の発掘、規
模、耐震やリフォーム等の問題、シェアハウスの特色を出せるかなどが考
えられるところです。
二つ目として、各個人が独立して働きながら、相互にアイディアや情報
を交換し、オフィス環境を共有することで生まれる相乗効果を目指すコミ
ュニティ・スペースである「コワーキングスペース」が考えられます。
期待される効果としては、空き家などの活用はもちろんですが、出張オ
フィス的な場所になることや矢板で起業する人が増えること、利用者間で
の様々な相乗効果や周辺商店の利用者増にもつながります。
15
の発掘、魅力的な運営コンセプトの打ち出しなどが考えられるところです。
三つ目として、IT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわ
れない柔軟な働き方で「テレワーク」があります。
県外の企業に所属しながら、矢板市内で仕事ができる仕組みであり、自
宅利用型や施設利用型などに分類されるもので、少子高齢化対策の推進や
ワーク・ライフ・バランスの実現などが期待されております。近年、在宅
型テレワーカーの推移から判断すると、大きな伸びを示しており、有効な
手段であることがわかるところであります。
市民との協働による取り組み
カーシェアリングとサイクルシェアリングが考えられます。
カーシェアリングは、一般に登録を行った会員間で特定の自動車を共有
するサービスないしはシステムのことであり、車を持たない人の生活支援
や環境負荷の軽減によるエコノミカルな生活をねらいとするものです。
期待される効果としては、環境負荷が減ることや環境先進的なイメージ
が出ること、車の維持などの出費が減ることや駐車場の費用や土地が不要
になること、駅に近いと相乗効果を見込めることや市街地で用事をしよう
とすることなどであります。
想定すべき課題としては、初期投資や設置場所、利用にかかる需要と供
給のバランス、既存駐車場のニーズが減ることなどが考えられるところで
16
同じような取り組みで、自転車を共同で利用するしくみであるサイクル
シェアリングも、誰でも利用しやすく、市内回遊性が確保でき、市街地で
の買い物が増えることが期待できるものです。
想定すべき課題としては、初期投資や設置場所に加えて、自転車が走り
やすい環境の整備や運営面及びメンテナンスを含めた自転車の管理方法な
どが考えられるところです。
行政が主体の取り組み
主にハード整備の部分となってきますが、まず、道路(歩道)の一部整
備について考えられます。
現地調査の結果からは、波打ちして歩きにくいことや段差が大きくてベ
ビーカーや車椅子が通行できないこと、電柱や街灯が歩道に立っていて通
りにくいことが判明し、住民アンケート調査からも、道のつくりが悪いこ
とや道路整備が必要なこと、区画整理によって交通の便を良くしたいこと
や住宅地と商店とが混在できる歩道の広い区画整理が必要なことが挙げら
れています。
整備の例では、歩道の段差や波打ちの解消、歩道部分のカラー化、歩道
上の電柱や街灯を歩道の外へ移設、電柱の地中化などがあります。
想定すべき課題としては、住民と利用者間のニーズのギャップを解消し、
合意形成を図りながら整備内容を検討することや東京電力等の関係機関と
17
次に、公園が少ないことやたまり場的なスペースがないこと、イベント
広場のような空間がないことや空き地が点在しているなどが現地調査から
見えてきております。
空き地の利活用や憩いの場(公園)としての活用することや若者をターゲ
ットとした、にぎわい創出の拠点として活用することで、将来的には矢板
市のシンボル的な場所となり得るような多目的スペースの整備も必要にな
ってきます。
しかし、多目的スペース、駐車場スペースの選定や用地の買収または賃
借にかかる予算の確保、集客能力の高いイベントの誘致など、利活用の方
18
最後に
まちづくりの大きなポイント、それは結局「人」にあります。他の成功
事例を見ても必ずキーパーソンがいます。若者たちがまちを良い方向に変
えていこうと努力しています。
まちづくりは、基本ベースとなるもの(構想、目的、概念など)がない
となかなか進みません。そこに住んでいる人たちが何を求め、これからど
うしたいのかを汲み上げて、問題意識の統一を図り、いかに良いストーリ
ーを作っていくかが大切になってきます。
日本全体が人口減少、少子高齢化が一段と進み、超高齢社会を迎えるに
当たっては、施設整備などのハード面に頼らず、まず、費用をかけずに出
来るところから始めることが大切です。
それには、話題性も重要なポイントであり、キーマンが自然発生的に出
てこないと難しいところではあります。
しかしながら、矢板市には3つも高校があって、多くの生徒がJR矢板
駅を利用しているということにもっと目を向けるべきであります。駅周辺
では特に若者(主に高校生)も数多く見受けられるため、その秘められた
ポテンシャルはかなり高いものがあると言えます。
県内の事例としては、各高校が学校の枠を超えてチームをつくり、高校
生なりのまちづくり活動を展開し、それを大人がそっとバックアップして
いるという構図も見受けられております。
19
地域の宝でもあります。これからも、矢板市に少しでも関心を持ち、ひい
ては、まちづくりの担い手になってくれることを強く願っているところで
あります。
最後になりますが、市役所の組織体制について、まちづくり実行部隊の
編成も考えていただきたいところです。
中心市街地の活性化に集中して取り組むことのできる実行部隊を作り、
スピード感を持ってまちづくりを進めていくことが大切だからです。
まちづくりという目的の達成には、多方面からのアプローチが必要です
が、現行の組織ではその対応がなかなか難しい状況にあります。中心市街
地活性化を実現するには、現行の枠にとらわれない、新たな組織作りが必
要ではないかと考えます。
中心市街地には様々な分野の人が集まっています。ひとつのカフェを作
るにしても、誰かが仕掛けることが大切であり、旗振り役が必要になって
きます。長期的にまちづくりのストーリーを考え、まちづくりをコーディ
ネートすることの出来る、まちづくりの専門家を育成することが重要であ
ります。
まちづくりに携わるすべての関係者が知恵を出し合い、中心市街地の魅
力を高めていき、中心市街地で暮らしていくことの楽しさ、豊かさをアピ
ールし、その情報を明確に市内外に発信してことが「中心市街地の元気ア