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OHBG 01 最近の更新履歴 ボードゲーム読書会@高田馬場

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Academic year: 2018

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David Parlett, The Oxford History of Board Games, Oxford University Press, 1999.

著者経歴

デヴィッド・パーレット

1939 年サウスロンドン生まれ。語学教師、テクニカルライターを勤める傍ら、1972 年から Games & Puzzles誌に記事を執筆、1975 年ゲームを専門とするフリーの著述家となる。1979 年、500 のトランプゲームを集めた The Penguin Book of Card Games を上梓。日本語を含む 数ヶ国語に翻訳された。後も改訂を繰り返し、現在も出版されている。1990 年、トランプゲー ムの歴史を扱った The Oxford Guide to Card Games を出版(ペーパーバック版は A History of Card Games)。他にもトランプゲーム、ソリテア、ワードゲームに関する本など著書は 21 冊 に上る。ゲームデザイナーとしても著名で、トランプゲームの代表作である 99 は 1968 年に つくったもの。ボードゲームの代表作『ウサギとカメ』はイギリスで 1973 年(実質的には 74 年)に発売。1978 年にドイツで『ウサギとハリネズミ』と改題(ドイツではイソップに馴染 みがなかったため、グリムをテーマとした)して発売され、翌年の第 1 回年間ゲーム大賞を受賞。 10 ヶ国語を超える版が出版され、現在までに 200 万個以上を売り上げている。

① Welcome Aboard

最初の節はゲームの定義の難しさ、ゲームとプレイの違い、ゲームとスポーツについて等。特 に面白くないので割愛。

ゲームとゲームボード

ボードゲームといえば、通常はカードゲームでもダイスゲームでもないものを意味する。じゃ あ実際には何を含んでいるのか?

人が「ボードゲーム」と聞いてイメージするのは 2 種に大別される。伝統ゲームと商標ゲームだ。 ただし 2 つは完全に分離していない。蛇と梯子やルドは当初は商標ゲームだったが現在はパブ リックドメインだし、オセロの例もある。酷似したリバーシは 19 世紀は登録ゲームだったが 今はパブリックドメインだ。

アブストラクトと表象的ゲームで分けるのは? しかしチェスは現在はアブストラクトと言っ てよいが発祥時は異なるだろうし、モノポリーの具象的面をプレイヤーはどこまで意識してい る?

本書ではこの 2 グループを以下のように区分する。

1. ポジショナルゲーム。チェスやドラフツ、バックギャモンなんかが含まれる。マス目の配列 や線と点のネットワークのような、ボード上の「パターン」に着目する。このパターンによっ てコマ同士の位置やコマの動きが定義される。「ポジショナル」(位置的)としたのは、こうし たゲームではボード上におけるコマ位置の相対関係が肝だからだ。伝統的、国民的、「民俗的」 ゲームはすべてポジショナルだ。だけどポジショナルゲームのすべてが伝統的なわけじゃなく、 新たにつくられたものや、商標ゲームの一部にもポジショナルゲームはある。

2. テーマゲーム。モノポリーやクルードやディプロマシーなど。これらは伝統ゲームとは違っ て商業的なもので、商標ゲームだ。ボードでプレイするわけだからポジショナルの要素はある けど、この定義にとって大事なのはこれが表象的であること(不動産取引とか殺人事件の推理 とか国際関係とか)で、ファンタジーゲームのようにロールプレイや擬似演劇的な要素を含む こともある。究極的にはシミュレーションに行き着くだろう。典型的にはボードとコマは用具 の一部でしかなく、ほんの一部であることも多い。ゲームプレイの中心はボードを「超え」、プ レイヤー自身の心理やインタラクションに焦点を合わせる。このグループにはスクラブルなん かのワードゲームや、トリビアルパスートとかのクイズゲームも入る。この種のゲームの底部、 といっても下 90 パーセントには、愚にもつかないキャラクターものやテレビスピンオフもの のゲームが堆積している。

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本書の主要目的はポジショナルゲームの歴史を提示することだが、伝統的アイデアの進歩や拡 張が見受けられるところでは、現代の商標ゲームについても記述する。商標ゲームの扱いにつ いて、アブストラクトか表象的かは関係ない。長く成功しているテーマゲームには、抽象的構 造の力が与って大きいからだ。時代遅れテーマのゲームが遊ばれている理由はそこにある。

ボードゲームの種類

マレー(A History of Board Games Other than Chess, 1952)は伝統的ボードゲームを 5 種に 大別した。

1. 配列ゲーム:コマを一直線などの特定条件に合致するように並べる。

2. ウォーゲーム:敵コマ(すべてもしくは特定コマ)を取る、詰ませる(チェス等)。

3. 狩猟ゲーム:キツネとガチョウなど。多量のコマを持つプレイヤーと 1 つ(もしくは少量) コマのプレイヤーで行い、前者が後者を詰ませる。

4. レースゲーム:コマをゴールに到着させる。通常ダイスやロットを用いる。 5. マンカラ:コマを多く取る。

この分類は「ゲームは人間が初期に従事していた活動の特色を示している」という根拠にのっ たものだ。ベル(Board and Table Games, 1960, 1969)はマレーの狩猟ゲームの項をなくし、 ウォーゲームに統合した。

本書の分類は結果的にマレーの修正版となったけれども、その原理は異なる。文化的付随物や ゲームが実生活上のなにを表象しているか等は切り捨て、ゲームの基礎をなす抽象的原理の近 縁性によって分類した。分類項は 5 つで、レースゲーム、空間ゲーム(配置ゲームの拡張)、 狩りゲーム(狩猟ゲームとほぼ同じ)、消去ゲーム(コマの大部分、もしくは特定コマをとるこ とで勝利。ウォーゲームと豆ゲームを含む)、テーマゲームとなる。

近年のボードゲームの多くがテーマ性のあることから、テーマゲームの項を追加した。マレー はこの種のゲームがすごろくに子ども向けの粉飾をほどこしたものとして無視したが、これは 時代的制約から見ても短絡的だ。テーマゲームも伝統的ゲームに基づいたメカニズムを採用せ ざるを得ないし、そこで新しい重要なメカニズム(ルディーム:パーレット造語。ミームのゲー ム版)が生まれることもある。

マレー   ベル      パーレット

レース   レース     レースゲーム

配列    配列      空間ゲーム

狩猟      狩りゲーム

ウォー   ウォー/狩猟  消去ゲーム

マンカラ  マンカラ    

      テーマゲーム

レースゲーム

ボードが直線的レーストラックを表し、そこに 1 つ以上のスタート位置、ゴール位置がある。 目的はスタートからゴールへとコマを送ること。トラックがループしていたり、ショートカッ トがあったりする。

伝統的には移動にはダイスやロットを用いる。そのため不完全情報ゲームとなるが、トランプ やドミノの「不完全」とは基本的に異なる。近年の進歩により、戦術と計算によって移動数を 決める方式も現れている。パーレットの『ウサギとカメ』はこの最初期の例である。

インタラクションの多くは「追放」であり、重なった敵コマをスタート地点に戻す。「除去」(ゲー ムから消去)をするゲームもある。レースゲームは 4 種に大別される。

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1. 単純なレースゲーム。各プレイヤー 1 個持ちで、それをゴールに送る。選択の余地がなく、 純粋な運ゲー(蛇と梯子)。

2. 複雑なレースゲーム。各プレイヤーは少数のコマを持ち、ゴールへと送る。通常 2-4 個持ち。 選択の余地がいくらかあり、従ってスキル要素がある(パチーシ、ルド)。

3. もっと複雑なレースゲーム。たくさんのコマを持つ(通常は 15 個)。スキル要素が大幅に上 がる(バックギャモン)。

4. 戦略的レースゲーム。ダイスがない。計算と戦術によって移動数を決める(ウサギとカメ)。

空間ゲーム(Space games)

マレーの「配列ゲーム」およびベルの「位置ゲーム」を拡張したもの。基本は 2 次元ボードに コマを配置もしくは移動して、特定のパターンをつくること。配置するゲーム、移動するゲー ム、両方を行うゲームがある。インタラクションは主にブロック(敵コマをそこに置けなくする、 そこから動けなくする)である。碁やメレルのように「除去」を伴うものもあり、このため分 類上ウォーゲームと重なる。空間ゲームは 7 種に大別される。

1. 配列。配置/移動による 3 列(以上)並べ(メレル、ミル、モリス)。 2. 連結。ボードの両側をコマでつなげる(ヘックス、ツイクスト)。

3. 横断。すべてのコマを、ボードを横切って対応場所に移動させる(コノ、ハルマ、チャイニー ズチェッカー)。

4. 到達。上に似ているが、1 つのコマを移動させるだけでよい(ジャングルゲーム、クォンダリー、 エパミノンダス)。

5. 形状(Coniguration)。すべてのコマを特定パターンとなるように配列する(アゴン、ショ ルダートゥショルダー)。

6. 制限。敵を移動/配置できなくする(ホースシュー、ペントミノ) 7. 占領。最大領域を占領する(碁、リバーシ)。

狩りゲーム(Chase games)

マレーの「狩猟ゲーム」より多くを含む。マレーの「狩猟ゲーム」は 2 人用でチェス盤のよう なウォーゲームボード上で行い、1 人は 1-2 個(多くても 4 個)のコマを持ち、他方は多くの コマを持つ。少ない方のみが相手コマを除去できる。多数側の目的は相手を詰ますこと。少数 側は安全地点に到達すること、また相手の詰みを不可能にする(までコマを減らす)こと。多 数側にとってこれはウォーゲームであり、少数側にとっては「到達」の空間ゲームである。よっ てこのグループは非対称であることに特徴がある。テーマを考慮に入れなければ、他の非対称 ゲームもこの枠に入ることになる。よってマレーやベルがウォーゲームとしたタフルはこちら に入る。

消去ゲーム(Displace games)

ウォーゲームと豆ゲームに大別される。現在の用法から言って、ウォーゲームはあまり適した 言葉ではないけれども。碁は空間ゲームと消去ゲームの境界に位置し、マレーはウォーに分類 したが、本書では碁に移動がなく、配置のみであることから空間ゲームとした。

ウォーゲームは域的もしくは網状のマス目でプレイされ、移動を伴う。目的は相手側を制圧す ることで、通常はドラフツのように相手コマの大部分をとることで、もしくはチェスのように どれか 1 つをとることで実現する。インタラクションは除去だが、その方法は包囲、ジャンプ、 そのマスに入る等様々だ。マレーは除去方式からウォーゲームを分類したが、ここではコマの 機能に注目する。

1. 直線的(および等格)。タブランやピュルックのような原始的ゲームは一次元的な直線トラッ クでプレイされる。

2. 等格。コマはすべて同格(ファノローナ、アルケルク)。

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3. 準等格。ドラフツファミリー。コマが出世する。

4. 差別。はじめからコマ機能に違いがある。チェスなど。

オワリやマンカラのような豆ゲームもまた移動と除去のゲームであり、この点直線的ウォーゲー ムに似ている。しかしコマが機能的に同格であるだけでなく、プレイヤー両者にとっても同格

(「自分のコマ」がない)なところに特徴がある。

直線的ボード、域的ボード、網状ボード

直線ボードの拡張方法として、円状にする他に下に並べていく方法があるが、恐らくここから、 つながった上下左右の場所にいけるものとして、域的ボードが出現したのだと思われる。ちな みに斜め移動は同時期にはまだ出現しなかった。交点を使うかかマスを使うかは簡単に変換で きるのでさして大きな問題ではない。たとえばマレーはシャンチーは最初マスだったが後に点 になったとしている。ただしいつでも変換可能なわけではく、メレルやキツネとガチョウのファ ミリーは点でプレイしコマは線上を移動するが、斜め線が部分的に取り入れられている。どの 移動が可能かが明快だ。

このようなゲームは恐らく直線的なものと域的なものの中間点とみなせるだろう。これを「網状」 と呼ぶことにする。上下左右から斜め移動への拡張はいくらかの時間を要し、まずは斜め線と いう補助が取り入れられたのだと考えられる。補助として斜め移動に貢献したのはチェス盤の 黒白チェック模様で、10 世紀以前にはゲームに変化を与えなかったが、後のクイーンとビショッ プという長距離斜め移動のコマと、ドラフツという典型的斜め移動ゲームの出現に寄与した。 直線ボードを用いる最初期のレースゲームが、トラックを重ね移動の自由を得ることによって チェスや碁といったゲームを生み出していったとするのは魅力的な考えだ。実際マレーはチャ トランガのボードはもともとレースゲームであるアスタパーダのものだとしている。しかし直 線ゲームは常に域的ゲームになるという証拠はない。

原始的なウォーゲームであるギリシアのペテイアやローマのラトルンクリのボードのマス数は 様々だった。ほどなく 8 × 8 のボードが主流となり、ついには各種のゲームに用いられるスタ ンダードとなった。

参照

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