公共経済学 第 1 講 講義ノート 1/ 4
0 ガイダンス
0.0 今回のアウトライン
A. 本講義を受けるにあたっての約束事を理解する B. 公共経済学とは何かを大まかに理解する
講義資料HP
0.1 担当教員
A. 担当教員の紹介と連絡先
1. 氏名 川出 真清 (かわで ますみ)
2. 連絡先 @nihon-u.ac.jp
3. 教員 HP https://sites.google.com/site/kawademasumi/ B. 簡単な質問や意見、オフィスアワーの面談の予約も、電子メールで対応 C. 講義直後の質問でも、講義の内容にかかわらず可能
0.2 科目の概要
A. ミクロ・マクロ経済学の復習をふまえ、公共経済学の基本概念の理解を深める B. 各概念の理論的な背景を理解し、現実的課題の論理的解決の方法論を理解する
0.3 達成目標
A. 公共経済学の基本概念を公的部門の存在理由と課題について理解できる B. 課題解決のための基本的な規範的解説と計算が実際にできる
0.4 講義の方針
0.4.1 履修の注意点
A. 前提履修科目はミクロ経済学 I およびマクロ経済学 I とする 1. 講義内容の理解には講義時間外の復習で時間が必要 B. 講義中の私への質問は歓迎するが、講義での私語は厳禁
1. 著しいマナー違反は警告ごとに不可比率の 5%ポイント引上で対応
Ver. 1.8 Masumi Kawade, 2017
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0.4.2 講義の進め方
A. 講義は 90 分間の講義形式で行われる
B. 教科書は井堀利宏 (2013)「財政学 (第 4 版)」(新世社) を使う C. 参考書などは Web シラバスに記載、教員 HP では補足情報 D. 講義用配布資料を教員 HP のみで配布、板書は必要に応じて利用
1. 講義資料は各自ダウンロード・印刷の上、講義に持参すること
2. 書き写す手間を省き、理解したり、計算を自分で行ってみることを目的とす るので、計算用のレポート用紙等を持ってくることを勧める
3. ノートは穴埋めと、マーカーによる強調、グラフ描画を併用するので、色の ついたペン(マーカータイプ)を持参することを勧める
E. 中間課題レポートは、EcoLink のみでの掲載、および提出とする
0.4.3 試験および成績の決定方法
A. 期末試験 : 70 %、前期レポート : 30 %で評定した上で、相対評価1 B. ノートの間違いを指摘した学生には、回数に応じて評定の際に加点する C. 原則、出欠は取らないが、前期課題に当たる中間レポートがある
D. ゲスト講義等では評定枠外の特別出席点を設ける
0.5 要望について
A. 講義の方法など、講義への意見、要望は電子メールでも、直接でも歓迎 1. 意見により成績等で良い評価はあっても、悪い評価は一切しない 2. 個別より全受講者への回答が効率的なら、次回講義か教員 HP で回答 B. 「単位がほしい」等の適切性を欠くと思われる質問には無返答
C. 正当な理由なく欠席した場合の穴埋め、マーカ事項の質問は受け付けない
0.6 履修について
A. 経済学部生は教室に余裕がある限り許可する
B. 他学部生は教室の余裕と履修の前提知識があると推定される場合のみ受け入れ
1私語ペナルティ制度により、不可比率は最終試験受験者数の最大 60%まで引き上げられる。
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1 公共経済学の概要 1 : ミクロ・マクロ経済学との違い
1.1 公共経済学とは
A. 公共経済学は近代経済学の前提とする市場の限界を補正する研究領域 1. ミクロおよびマクロ経済学が基盤で、それを補修すると思えばよい B. 公共経済学はトリッキーで技術的な話が多い
1. 動機から導かれる現状の課題をしっかりと把握することが大切
1.2 ミクロ経済学、マクロ経済学と公共経済学
A. ミクロ経済学は近代経済学の基盤となる根本原理を描写・考察
B. マクロ経済学はミクロ経済学では捉えられない集合的挙動を描写・考察 C. どちらも市場の一貫した世界観を示し、その原理、利点、内在する問題を描く
1. 両者とも、市場の性質についての表現に関心、解決は応用経済学分野で D. ミクロ経済学・マクロ経済学は基礎経済学、公共経済学は応用経済学
1. 基礎とは原理を描き、応用とは現実への原理や便益の適用を目指す 2. 原理はそのまま使うことは困難で、応用分野は原理と現実の間に 3. 公共経済学は制度やルールを活用して、市場を補正、ただ副作用も 4. 主作用と副作用を理解して、総合的に判断、政策を実行する
1.3 公共経済学の鳥瞰図
A. 公共経済学の基本は市場から調達して、再配分する 1. なぜ公的部門が必要がなのか、存在理由をまずは理解
2. 集め方は市場への負荷との対話、どう配分するのかは公共経済学の動機 B. テーマ毎にストーリー (枠組) を設定し、配分、調達、個別分野と説明
1. 各課題に注視するので、精緻な一貫したストーリーが作りにくい
2. 前期は公共経済学の存在理由と配分、後期は集め方と、個別分野の説明
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1.4 講義計画
第 1 回 公共経済学の概要 1 :ミクロ・マクロ経済学との違い (第 1 講) 第 2 回 公共経済学の概要 2 : 財政活動の全体像 (第 2 講)
第 3 回 ゲスト講義 (時期未定) : 財政の現実的課題
第 4 回 ミクロ・マクロ経済学の復習 : 入門レベルの復習 (第 3 講) 第 5 回 ミクロ経済学の復習 : 理想的な交換経済の基本定理 (第 4 講) 第 6 回 なぜ公共経済学が必要か 1 ただ乗り問題と市場の失敗 (第 5 講) 第 7 回 なぜ公共経済学が必要か 2 サミュエルソン・ルール (第 6 講) 第 8 回 公共財問題の解決法 1 : リンダールメカニズム (第 7 講)
第 9 回 公共財問題の解決法 2 : クラークメカニズム、クラブ財 (第 8 講) 第 10 回 公共財問題の解決法 3 : まとめと復習
第 11 回 市場の不在による「市場の失敗」 : 外部性 (第 9 講) 第 12 回 外部性問題の解決法 1 : ピグー税 (第 10 講)
第 13 回 外部性問題の解決法 2 : コース定理 (第 11 講) 第 14 回 外部性問題の解決法 3 : まとめと復習
第 15 回 学期全体の復習とまとめ 後期は次の内容を予定している。
第 16 回 資金調達の課題 1 : 労働所得課税 1 (第 12 講) 第 17 回 資金調達の課題 1 : 労働所得課税 2 (第 13 講) 第 18 回 資金調達の課題 2 : 資本所得課税 (第 14 講) 第 19 回 資金調達の課題 3 : 消費課税 1 (第 15 講) 第 20 回 資金調達の課題 3 : 消費課税 2 (第 16 講)
第 21 回 資金調達の課題 4 : 税制改革のあり方とまとめ (第 17 講) 第 22 回 政策決定の問題点 1 : 公共選択と多数決ルール (第 18 講) 第 23 回 政策決定の問題点 2 : 財政運営と景気 (第 19 講)
第 24 回 政策決定の問題点 3 : 公債の役割と世代間負担 (第 20 講) 第 25 回 官か民か 1 : 補助金の便益と費用 (第 21 講)
第 26 回 官か民か 2 : 公的規制 (第 22 講)
第 27 回 個別分野の課題 1 : 社会保障の意義と課題 (第 23 講) 第 28 回 個別分野の課題 2 : 地方自治の意義と地方分権 (第 24 講) 第 29 回 学期のまとめと質疑応答
第 30 回 一年のまとめ
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