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一般社団法人 社会的包摂サポートセンター

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Academic year: 2018

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急がれる依存症への対応

 はじめに 

アルコールやギャンブルにはまる(アディクション、依存症)人は周囲にはとても困った厄介な人、だらし ない人、意志薄弱な人とうつる。失職、離婚、多重債務、暴言、暴力、失踪、犯罪、周りの人はアディクショ ンの本人の言動に振り回され、その人の飲酒やギャンブルをなんとか止めさせようと思いつくことはすべて行 う。なじったり、責めたり、説教したり、酒を隠したり、行動を逐一監視したり、汚物を綺麗に片付けたり、 借金の尻拭いをしたり、それに失敗し、その失敗を何度も繰り返し、ついには自らの心身の健康を損なっ ていく。依存症の人は、外見上は居直り、自分の問題を認めず、図々しく見えるかもしれない。

しかしその外見とは裏腹に、飲酒やギャンブルをしては後悔に歯ぎしりし、苦しみ、コントロールできな いことを恥じて、その苦しみを忘れるためにまた酒やギャンブルに手を出す、そういう脆弱さが見え隠れする。 自殺未遂 (parasuicide)、はては自殺で人生を終わらせる人も多く、その割合は一般人口に比べ、かなり高 い。本報告書は依存症に苦しむ相談者を取りあげ、その苦しみに社会としてどう対応すれば良いのかを提 言する。本稿は IV 部から構成されており、I では依存症、ことに精神疾患との合併(ここでは合併症という) の場合は自殺のリスクが極めて高いこと、そして依存症の周りには様々な生きづらい要因が関連して見いだ せることをデータで示す。II では電話相談者のうち自殺未遂歴のある依存症の人とない人の事例を比較す るとともに、電話相談の後、同行・継続支援を通し回復の途上にある事例を提示する。24 時間、365 日、 自殺リスクの高い人びとを対象によりそいホットラインが電話一本でつながる命の綱、ライフラインとして機 能していることを指摘したい。

III は、福島の郡山市で開催された市民公開講座「見落とさないで依存症のサイン~ギャンブル依存症の 理解と家族支援の視点を考える報告会~」をもとに加筆修正したものである。IV では諸外国で実施されて いる害の最小化政策を比較分析した上で、ギャンブル害の最小化政策の提言を行う。

 I アディクション(依存症)は、病気と認められにくい

アルコール依存症やギャンブル依存症は WHO が認めるれっきとした「回復できる」病気である。とはいえ、 病気の本人も、家族も、社会もすぐには病気と認めたくはない。「朝からお酒を飲んでいたから、お酒隠し たら、殴られたわ・・・。」「給料もらったらギャンブルにすぐにお金を使ってしまって、家に入れてくれないの。 それに借金の尻拭いで、私が結婚前に貯めていた 300 万円もなくなってしまったわ。」「娘は、子どもほった らかし、パチンコに朝から夜遅くまで行っていて。それに『もう、パチンコには行かない』と約束したのに、 嘘ばっかり。」DV ? 経済的 DV ? 子どもの虐待?「お酒飲んで人殴って、逮捕されたの?」「競馬したくて 会社のお金、使い込んだの。全部すぐに返済しなければ訴えられるわ。」犯罪者?

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動を悪化させるだけである。

依存症の人は回復の場に登場しにくい

酒やギャンブルの問題を持つ人たちは、病気であることを自らはなかなか認めない。そもそもギャンブル の問題は隠しやすいので、危機状態になるまで家族も気づいていないことがある。家の中の価値ある物品 がなくなったので警察に届け出たところ、犯人は息子だったという相談さえある。回復の場にたどり着き、 定着すればかなりの確率で回復するにもかかわらず、登場しない。依存症は「否認」の病気とよく言われる 所以である。しかし本人だけでなく、家族や一般の人も依存症を病気とはなかなか認めない。「酒飲んで、 朝も起きられず、だらしない・・・」「子どものミルク代までギャンブルに使ったのか」「自分が好きなギャン ブルで身を滅ぼしたら、それはその人の責任でしょ」「好きな酒飲んで、体を壊したんでしょ。」

依存症には恥やスティグマがまとわりついている。アルコール依存症は世界的によく用いられている DSM-5( アメリカ精神医学会 ) ではアルコール使用障害、ギャンブル依存はギャンブル障害と呼ばれ、否定 的な響のうすい名称に変わったものの、多くの人は「自業自得」の結末としか見ていない。2015 年のアメリ カでの調査でも、「もし家族にアルコール(ギャンブル)依存の人がいたら・・・」という質問に 39% の人が「恥 ずかしい」と答えている。依存症は「性格や意志の問題で、治療に効果があるかどうかわからない」、「地域 の治療資源についてもよく知らない」という意見が多かった (Feeney & Whyte 2016)。

「正直に自分の問題を話せ、認めろ」と言われても、話して、叱責されたり、非難されたり、説教されるなら、 正直に話せる人がいるだろうか?

そもそも依存症の本人はアルコールやギャンブルを止めたくはない。止めると心ぽっかり、耐えられない 空虚感に苛まれる。それまではいろいろな向き合いたくない問題からの逃げ場として酒やギャンブルがあっ たのに、その逃げ場がなくなれば、どう生きていけばいいのか、止めた時の苦しみの方が大きく見えるのだ ろう。

依存症は回復できる病気—回復の場につなげる努力を

依存症は未治療の場合、本人は家庭や職場といった社会での居場所、さらには生命までを失いかねない。 本人のみならず家族にも、経済的困窮、離婚、虐待、心身の不調やうつ、PTSD といった苦しみが待ちか まえている。親を選べない子どもも虐待や貧困といった重荷を負わされ育つことになる。

家族は一生、本人と生活を送る必要はない。親子でも兄弟姉妹、配偶者でも縁を切っても良い。そのよ うな場合家族は、自分の健康を取り戻し、前向きに生活を送る必要性も権利もある。怒りや恨みに束縛さ れた生き方は、家族の健全さを心身ともに損なっていく。家族が関係性を維持する場合には、本人に回復 してもらわなければ家族は「困る」。本人が回復しない場合も、本人との関係を維持しながらも、家族は健 康な生活を楽しむ権利がある。

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自殺と依存症

ここで依存症の最も重篤な結末、自殺念慮、自殺未遂(企図 parasuicide)を取り上げ、依存の問題の ある人の自殺念慮及び自殺未遂(企図 parasuicide)の率の高さに注目したい。

精神疾患の人は自殺率が高いとされるが、依存症の人も自殺のハイリスク群と言える。自殺の危険性は 一般人口の 6 倍とする報告やアルコール治療の専門病院に入院した患者の 20% が過去に自殺念慮を持ち、 8 から 9% が自殺未遂の経験が有るという報告もある(斎藤 2011)。アルコール依存に加え精神疾患の 合併 (co-occurring) の場合は、自殺の危険性はさらに高くなるとされている(斎藤 2011)。海外でも合併 の人たちの自殺の高さはよく知られている (SAMHSA 2016)。ちなみにギャンブル依存では過去 1 年以内の 自殺念慮が 26.7%、一生のうちでの自殺企図有りが 40.5% との報告がある ( 田中 2009 )。

よりそいホットライン(一般ライン)の今年度のデータ ( 2015 年 4 月— 2016 年 2 月 ) もこの自殺リスク の高さを明らかに示している。このデータは今年度の相談(一般ライン)の全体から精神病ありを 1 万件、 精神病なしを 1 万件ランダムに抽出し、精神病と依存症の有無をクロス集計したものである。精神疾患や 依存症の有無は、相談員がチェックしたものを「有り」としており(すなわち、相談の内容で精神疾患や依 存の話題が出てきたもの)、正式の診断によるものではないし、相談で話題が出てこない人の中にも精神疾 患や依存の人はいる可能性はある。一般ラインから抽出した「精神疾患あり」の 1 万件の中で「依存なし」 の実数は 8586 件、「依存あり」の実数は 1414 件である。「精神疾患なしの 1 万件の中で「依存なし」の 実数は 9351 件、「依存あり」の実数は 649 件である。これをデータ 1とし、上記の 4 つのグループの中 で自殺念慮、自殺未遂にチェックのあるものを集計した結果が表 1 である。

表 1-2 全国の一般ラインからの単純集計 (データ 1)

自殺念慮(今まで) あり %

精神疾患なし、依存なし (9351 件) 675 件 7.20% 精神疾患なし、依存あり(649 件) 125 件 19.30% 精神疾患あり、依存なし (8586 件) 1378 件 16.00% 精神疾患あり、依存あり (1414 件) 425 件 30.10%

表 1-2

自殺未遂(今までに) あり %

精神疾患なし、依存なし (9351 件) 185 件 2.00% 精神疾患なし、依存あり(649 件) 47 件 7.20% 精神疾患あり、依存なし (8586 件) 611 件 7.10% 精神疾患あり、依存あり (1414 件) 279 件 19.70%

精神疾患、依存、あるいはその合併の人たちの自殺念慮や自殺未遂の率は極めて高いことがわかる。

多岐の領域にわたる支援の必要性

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である。あくまで依存症有りにチェックが付いているかどうかで分類していることを断っておく。

表 2 依存症に関連する様々な生きづらさの要因(χ二乗検定で p < 0.01 で有意となった要因、効果量 の大きいものから順に)

順位 相談内容 p< .01

1 自殺未遂あり p< .01

2 金銭管理に関する悩みあり p< .01

3 自殺念慮あり p< .01

4 介護・福祉サービスに関する悩みあり p< .01

5 障害(生活への支障)に関する悩みあり p< .01

6 無理解・差別・排除(心と体の問題)に関する悩みあり p< .01

7 精神の病気に関する悩みあり p< .01

8 犯罪・事故加害に関する悩みあり p< .01

8 入退所・入退院に関する悩みあり p< .01

9 精神以外の病気に関する悩みあり p< .01

9 慢性疾患に関する悩みあり p< .01

9 偏見・差別・無理解(人間関係の悩み)に関する悩みあり p< .01

10 人間関係全般に関する悩みあり p< .01

10 年金・社会保険(暮らしやお金の悩み)に関する悩み p< .01 10 生活苦(暮らしやお金の悩み)に関する悩みあり p< .01 11 家族との不和(家庭の問題)に関する悩みあり p< .01

11 犯罪加害の恐れに関する悩みあり p< .01

11 性感染症(性の健康)に関する悩みあり p< .01

11 友人・知人(人間関係の悩み)に関する悩みあり p< .01 12 家族からの暴力(家庭の問題)に関する悩みあり p< .01 12 引きこもり・自立(家庭の問題)に関する悩みあり p< .01 13 別居・離婚・再婚(家庭の問題)に関する悩みあり p< .01

13 性行過多(性の健康)に関する悩みあり p< .01

13 性的嗜好(性の健康)に関する悩みあり p< .01

13 借金(暮らしやお金の悩み)に関する悩みあり p< .01 13 死別・離別・再婚(家庭の問題)に関する悩みあり p< .01

14 被心理的虐待(被虐待)に関する悩みあり p< .01

14 被児童虐待(被虐待)に関する悩みあり p< .01

14 心や体の違和感(心と体の問題)に関する悩みあり p< .01

14 被身体的虐待(被虐待)に関する悩みあり p< .01

15 近隣関係(人間関係の悩み)に関する悩みあり p< .01 15 生活保護関係(法的・行政関係の悩み)に関する悩みあり p< .01 15 性的加害傾向(性の健康)に関する悩みあり p< .01

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図 1 依存症に関連する様々な生きづらさの要因

依 存 症

1自殺未遂

3自殺念慮

8犯罪・事故加害

9精神以外の病気 9慢性疾患 9偏見・差別・無理解

(人間関係)

10 人間関係全般 10 年金・社会保険

(暮らしやお金) 10 生活苦 (暮らしやお金) 8入退所・入退院

12 家族からの暴力 (家庭の問題)

13 別居・離婚・再婚 (家庭の問題)

14 心理的虐待

(被虐待) 14 児童虐待(被虐待) 14 心や体の違和感

(心と身体の悩み) 14 身体的虐待(被虐待)

13 性行動過多 (性の健康) 13 性的嗜好 (性の健康)

13 借金 (暮らしやお金) 13 死別・離別・再婚

(家庭の問題)

15 近隣関係 (人間関係) 15 生活保護関係 (法的・行政関係)

15 性的加害傾向 (性の健康) 12 引きこもり・自立

(家庭の問題)

11 家族との不和

(家庭の問題)

11 性感染症

(性の健康)

11 犯罪加害の恐れ 11 友人・知人

(人間関係)

2金銭管理

4介護・福祉

 サービス

6無理解・差別・排除

(心と身体の悩み)

5 障害

(生活への支障)

7精神の病気

 II  事例の分析

ここでは自殺のリスクの高い精神疾患と依存の合併のうち、自殺未遂歴の有る人とない人を比較し、そ の違いを検討したい。上記と同様、未遂歴にチェックのあるものを「有り」としている。なお守秘義務を遵 守し、相談者のプライバシーを尊重する観点から、いくつかの事例を組み合わせ一つの事例を合成しており、 特定の個人の事例ではないことを断っておく。

事例 1 自殺未遂なし 女性

「ウツでもやもやしている。自分でやろうと決めたことができずに落ち込んでいる」という主訴で電話を 受けた女性である。自殺念慮があり毎週通院。その間にアルコール依存症となり自助グループにも通い、 別の病院で治療している。ひとりぼっちだと感じると飲酒したくなるので、自助グループのイベントや例会に 参加し、ボランティア活動もできる範囲で行なっている。

事例 2 自殺未遂なし 男性

「禁煙外来に通っているが吸いたくてイライラする」という主訴で電話を受けた男性である。たばこ代の 節約のため減らそうとしているがそわそわして何も手がつかない。ウツは改善されつつあるがアルコール依 存もあり、別々の病院に通っている。飲み友達とは関係を絶っているし、自助グループにも通っている。飲 酒欲求が強いときには仲間に助けを求めている。身内も自分のことを心配してくれる。

事例 3 自殺未遂あり 女性

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ぬしかないと思っている」という主訴で電話を受けた女性である。精神科の閉鎖病棟に入ったこともあり、 とても嫌だったという。「死にたい」と思うことも恥ずかしいし、自助グループに行くのも恥ずかしいので、 行きたくない。身内もつめたい、相手にもしてくれない。

事例 4 自殺未遂あり 女性

「自分なりの生き方をしているのに、身内からは無視されている」という主訴で電話を受けた女性である。 身内の葬式すら知らせてもらえず行けなかった。

自分はダメ人間で、身体がボロボロになって早く死んだほうがいいと思い、お酒を飲んでいる。

自殺未遂歴のない相談者の場合は、自助グループにつながっていたり、見守ってくれる仲間や身内がい る。それに対し「誰からも相手にしてもらえない」という思いが、未遂歴のある人には見てとれる。「誰かが 自分の存在を気にしていてくれる」「自分のことを心配してくれる誰かと繋がっている」と感じられることが、 自殺を防ぐ一つの要因であろう。

先に述べたように依存症の人はなかなか回復の場につながらない。ここで寄り添いの相談員が、電話相 談だけでなく、面接を重ね、支援の場に同行した結果、回復につながった例を挙げておく。守秘義務を守 るために、相談の主たる内容以外のことは大幅に変更を加えていることを断っておきたい。

同行・継続支援で回復につながった事例

40 代男性である。50 代姉と 80 代父との 3 人暮らし

小さい時より父から言われることを理解できないことが多く、父からは馬鹿にされたり、時には暴 力も受けてきた。かばってくれていた母は早くに亡くなり、姉が母の代わりに育ててくれた。

仕事に就いたこともあるが、覚えられなく、いじめにもあい、徐々に仕事もさせてもらえなくなり辞 めてしまった。

もともとお酒が好きで、いやなことがあると朝から酒を飲んでいた。この 10 年くらいは仕事もでき ず、ほとんど家に閉じこもって酒を飲んでいる。時々、小遣いがなくなると姉を脅して酒代にして生活 している。父は年を取り、半分寝たきりになっている。

寄り添いには姉の小言の愚痴とか、過去の父の暴力、自分の正当性、介護の問題など訴えてくる。 コーディネーターは高齢者虐待の可能性や、本人の「このままでいいのか」という気持ちがあるこ となどから「折り返し電話の対応」として扱い、継続支援の対象とした。何度か面接、病院への同 行支援、包括支援センター、保健師、社協と連携しケース会議を開いて対応していった。

父親の介護の体制も整い、しばらく時間はかかったが本人はアルコール依存の治療のため入院し、 自助グループともつながっていった。

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自殺未遂と自殺

自殺未遂を何度か繰り返す人の自殺完遂の率が高いのはよく知られている。自殺の動機としてよく挙げら れるのは、「苦しみから逃避したい、解放されたい」、「助けて欲しい」、「私が死んだら、あなたたちはどう 感じるかしら」といった要因である。自傷行為を繰り返す境界性人格障害の治療方法である DBT を開発し た Linehan(2007) によると自殺未遂に関連した感情的な要因として怒り、敵意、うつ、治療への不満、所 属や愛情の希求、人々への不快感が挙げられる。同様に自殺については、無関心、快感を感じない、うつ、 治療に無関心、おそらく依存的で不満足、不安やパニックなどがある。

よりそいホットラインのような相談をする人も受ける人も無名という制度では、効果の科学的な証明は難 しい。しかし 海外の報告では危機状況にある人への電話の相談は、自殺念慮を大幅に下げ、その人の 希望のなさや痛みも低減するとされている (Gould, et al. 2007)。電話相談は、比較的コストのかからない、 相談をしたい人にとってはアクセスしやすい手段であり、重要な社会資源であることは間違いない。

 III 福島における相談員の研修および市民公開講座

○被災地 相談員全国研修

実施日 5/28(土)、29(日) 6/4(土)、5(日) 7/30(土)

開催場所 ラコパ福島 南相馬市情報交流センター 郡山市労働福祉会館

会の名称 見落とさないで依存症のサイン

~ギャンブル依存症の理解と家族支援の視点を考える研修会~

延べ参加数 33 名 6 名 10 名

開催内容 【ねらい】今までの相談を振り返ると共に、依存症への対応の基礎をおさえる。実際ロール プレイなどを体験し、実践から学び、今後に活かす。

・講師  滝口 直子 (大谷大学教授)

○被災地 依存症に関する報告会

実施日 7/31(日) 9:30~12:30

開催場所 郡山市中央公民館・勤労青少年ホーム第8・9・10講義室 会の名称 見落とさないで依存症のサイン

~ギャンブル依存症の理解と家族支援の視点を考える報告会~ 延べ参加数 83 名

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チラシ印刷 5月22日 2000 枚、6月16日 1000 枚  計 3000 枚

開催内容 【ねらい】依存症への理解やさまざまな支援の視点、家族や本人の自助グループの 大切さなどを当事者の方を交え参加者みんなで考える。

①主催者より挨拶と事業紹介 (遠藤智子事務局長)

②講演:『ギャンブル依存症の理解と支援』について(滝口直子 大谷大学教授) ③ゲストトーク:大島直和氏  大島クリニック院長(郡山市内開業)

        当事者 T さん (依存症当事者)         当事者 Y さん (依存症当事者の家族) ④質疑応答

○ゲストトークの内容

① 大島直和氏  大島クリニック院長(郡山市内で開業)

震災後すぐにクリニックに電話がきた人の中で、それまでは自助グループに通っていたのに、自殺未遂し たり、再飲酒した人がいました。その理由は、自助グループを再開できる場所がなかったからです。通院し ていて被災した人も、避難生活に耐えられなかったのです。

その後、コンビニとパチンコ屋の復興は早かったのを覚えています。コンビニには水の販売がなく、焼酎 などの酒類ばかりあり、避難所に酒類の空き缶などがごろごろ転がっていました。ビッグパレット(郡山市 にあった避難所)なんかは最後、警察が常駐したほどでした。このような状態で「酒好き」と言われていた 人たちが半年後には依存になったわけです。そういった人たちは来院してくるものの、予後は良く多くの人 は治療に積極的に取り組み断酒しています。

しかし、3年ほど経った後に、糖尿病、認知症などがひどくなってからくる患者が多かったんです。仮設 で孤立していた方たちです。

賠償金などの一時金は世帯主に振り込まれるため、夫がギャンブルに使ってしまったという話も聞いたこ とがあります。ギャンブルにどんどんはまっていく。東電の賠償金がストップした時にギャンブルの依存がもっ と増えていいのではと思っています。

② 質疑応答

Q:当事者ですが、ギャンブル依存に関してこれからできること、やっていけることは?

滝口:害の最小化政策についての情報提供、ギャンブル依存症は病気だということを言っていくことだと思 います。私自身刑事施設でギャンブル依存からの離脱プログラムをしていますが、身内が犯罪者となれば今 はインターネットにも名前が残りますし、家族は本当に辛い思いをします。忘れられる権利など裁判になっ ていますが・・・。

大島:大きな視点が必要です。依存症の学会がいくつかあるが、日本に536 万人の病的賭博(ギャンブル 依存)の人たちがいて、割合としては世界の3倍くらい多いということを伝えたら、ある県のカジノ建設の話 は突然なくなりました。

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このやり方はおかしいと言い続けることが大切。自助グループとしてはアノニミティ(無名性)が大事ですが。 平成25年にできたアルコール健康障害対策基本法が5年経つと改正になるので、監視し続けなければい けません。

Q:刑事施設に入ったことがあって、新聞に実名で載ったことがあります。結果的にいまは就職できたものの、 刑務所に入ってしまうと「ここで人生が終わった」感があります。ギャンブル依存については、治療や支援 者や機関が少ないのでもっと増やして欲しいところです。

A 滝口:私は外部協力者として刑事施設での教育経験がありますが、出所後の雇用のための協力事業主が います。かなりが土木建築関係で、年齢や経験からマッチしないことがあるようです。以前よりは仕事が増 え始めているので、就職先の拡大をしてほしいと思います。現状は、薬物と性犯罪に関しては教育がありま すが、ギャンブルについての教育はほとんどありません。私の経験から、教育に 10 週間は必要ですし、最 大限ひとりの人として尊重される場が望ましいと思います。

Q(支援者より)ギャンブルについての支援者の理解が薄く、生活保護受給の際に、借金を抱えているので、 どうしても債務整理をさせたがります。それでは意味がないということがわかっていないので、支援者の理 解が必要だと思われますが、その対策はどのようなことがあるでしょうか。

A 大島:まだギャンブルについては、対策はできていません。震災後のアルコール依存症についてもなかっ たです。今年になってようやく支援相談員を対象にアルコール依存症に対しての関わり方について教えて欲 しいと初めて言われました。統合失調症と同じ対応をしていたようです。薬をのめとか、酒を飲んじゃだめ だと説教してしまっていて、依存症の人たちはそういうのを嫌うので、追い返してしまいます。

仮設から復興住宅に移ると支援員が訪問できなくなってしまう。神戸でも同じことがおきました。仮設か ら復興住宅に切り替わった時に、支援を続ける仕組みが必要です。

現在は、(病院に行くための)交通費を出すから治療して欲しいなどと福祉の人から依存症の人が言われ るくらいになりました。

私も刑務所について知りませんでしたが、犯罪の裏にギャンブルの問題があるとは思っていました。

③ T さん(当事者)

春に競馬に行って、夏に借金がばれて、整理して秋にまたはまるというのがギャンブル依存のサイクル。 親には、借金400万があることを隠して200万あると言った。その借金返済のお金も使い込み、大島先 生のところに初めて行った。そこで初めて「あなたはギャンブル依存症です」と診断された。

その時大島先生に「あなたはどうしたいんですか」と聞かれ「やめたいです」と嘘をついた。それが金曜 日で、27万の給料を土日に全部使い込んだ。

ギャンブルは楽しくて、行く前は必ず勝ちに行こうと思うし、負けたことはすぐ忘れる。忘れるのを防ぐの が GA。GA 郡山に行った時に参加者はなぜギャンブル依存症なのに、ギャンブルやめているのだろうと思っ た。

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依存症の全国大会で300人くらいが集まり、当事者の人が発言していたのは「ここの人たちの借金を全 額合わせたら、国を動かせる」といって笑った。ある仲間が「私が回復するのは棺桶に入ったときだけだ」 と言っていた。その日に帰ってからパチンコへ行った。

スポンサーシップというものをやっている。お金くれる人かと思っていたが、特定の人と深い所まで話す 制度。「なんでギャンブルに行っちゃうんですかね」と聞いたら、「別にいいんじゃない。楽しそうだし」と言 われて「えー、それじゃだめなんです」と言った。そこから少し変わった。

5月に宮城のセミナーに行った次の日パチンコに友だちに誘われて行った。ちょうど今日から2週間くら い前に本格的にスリップした。メガネが壊れて15000円のメガネを買おうと思ったら、20000円もして、 差額の5000円をパチンコで勝とうと思ったら、勝った。それからずっと行き続けている。クリニックの途 中でも朝に寄ってしまった。今週の初めくらいにも行った。スリップしても GA にも通い続けている。ギャン ブル依存症は健康な病人で、身体は健康だが、気持ちは本当に病んでいる。

結局仕事でミスって、うさばらしにまたパチンコに行く。自分では勝てると考えている。嘘がうまくなった。 ツタヤに行ってくると言ってパチンコにいく。飲食店勤務なのだが、ぬか漬けまぜにいくと行って休みの日に 職場に行き仕事を少しやり、そのまま競馬場に行き、40万円使った。競馬の場合は携帯で現金をみなく てもできるようになった。お金をつかっているという感覚がない。病んでるなぁと思うけど、「どうすればい いんですか、大島先生。」と聞いている。こんな自分だけどあんまりやめられる気がしない。ギャンブルを やめるとぽっかり穴があいちゃうような気がする。依存しているとわかっているけど、どうしたらいいかわか らない。

④ Y さん(依存症当事者の家族、母親の立場から)

3人の息子がいて、次男がギャンブル依存症。次男は、大学3年の時、欠席が多くて、成績不振という 通知がきて夫と唖然としました。高い授業料など焼け石に水のごとくパチンコにつぎこんでいたことがわかっ たんです。「だらしがない」、と怒り心頭。親の勝手な自己満足でしかなかったんですが、大学で勉強して資 格をとって夫の仕事を引き継いでもらいたいと思っていました。いま思うと親の自己都合でしかなかったと思 います。次男はもう一年やらせて欲しいと泣きついてきたが、資金がなく中退させ、家に戻させました。実 務経験をさせて、国家試験を受けさせて親の仕事を引き継いで欲しいと、親のエゴを出していました。

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家族みんなが心身共に疲れ怒りと絶望感の中、ようやく大島クリニックと自助グループ(GA・ギャマノン) へとつながりました。今日でクリニックと自助グループへつながって2年10ケ月。本人に責任をとらせること なく、私たちでお金を返してしまっていました。

大島先生につながり、依存症の診断と夫と私は共依存と言われました。なんとなくほっとしました。 そして、自助グループに参加するようになりました。「共依存」という言葉には違和感がありましたが、多 くの知識と力をいただきました。次男は家に戻ってもスリップし続け、親として心が休まることがありません でした。次男がなんとかなるなら、次男をなんとかしたいためにやってみよう、と12ステップをやってみよ うと始めました。

やっているうちに、次男ではなく、自分自身に目を向けるようになりました。自分の中の共依存に気付か されました。自分の生き方と家族の生き方を同じ枠の中に入れてしまって、家族を支配し、コントロールし てきたことがわかりました。一生懸命やってきたのだけれど、ひとりよがりだったんです。自分の言っている ことが正しいと思っていました。自分の本質に気付いて落ち込んでしまいました。独善的だった。自分の生 き方や生い立ちに関わってくるのですが、家のことを本当に一生懸命やってきました。子どもの頃からの原 体験を考えると夫、姑に「良く思われたい」「職場にもよく思われたい」と考えていました。けれど達成感が なくて、不平と不満を口にしていました。今度は「いい母親になりたい」と転換してきてしまったのだと思い ました。典型的なダメ母親だと思いました。子どもたちと向き合って決めたと思っていたんですが、そんなこ とはなかった。長男と三男はすり抜けて行ってしまいましたが、次男は心優しい子どもだし、親の重圧を一 身に受けていたに違いないと思いました。

12ステップ1をやると、生き方でとらわれていたものから離れていくことを覚えました。60年も生きてき た考え方、ものの見方はそう簡単に変わるものではないと豪語していましたが、今は「息子は息子の人生。 私は私ができることをする」と謙虚に息子を思うことができるようになりました。

いまスリップをしているかもしれません、わかりません。私は無力を認めています。私は12ステップを1 年と3ヶ月かかって終了しました。これからもミーティングで怒りや悩みを手放していきたい。「桃栗三年柿 八年、ゆずのおおばか18年」と言いますが、残りの人生を成熟した果実を、ひっそり残して去っていきた いと思います。夫も今年から始めました。お互いに棚卸しをするようになりました。共に回復し続けている ことに感謝しています。

滝口:自助グループにつながっていたら、いつかは止めていきます。とにかく通うという、足を動かすこと が回復につながっていきます。私は回復途上の人たちのエネルギーにはげまされます。名前を出すような華々 しい分野ではないのですが、当事者のエネルギーがプラスになって回復の場に蓄積されていっていると思い ます。

○参加者アンケート(一部抜粋)

• 人生での健康なご褒美は意味ある人生。回復するまでには家族でいろんなことがありました。また、病 気と知らず苦しんでいる方がたくさんおりますので、このような話を聞ける場を沢山作っていただきたい。 • ノルウエーのギャンブル対策は参考になった。大学教授とドクターのコラボが面白かった。

• 当事者の話が聞けてよかった。いろいろと思い出しました。

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• 自分も早い回復をGAメンバーと歩みます。 • 私がGAに繋がれたのも関係機関のお陰です。

• ギャンブラーより店や国が悪いと思う人がいるのだなーと不思議に思った。 • 今苦しんでいる仲間に伝えたい。自助グループの大切さを学びました。

• 依存症の根っこは皆、同じなので、12 ステップを勉強して実行することが回復につながると信じています。 • 当事者の話に力をもらいました。

• 支援・環境整備と共依存にならない境界を日々探りながら、自分の回復を目指しています。

• 被災地ではないが、依存の問題については深刻。依存症の最前線の話や海外の取り組みが印象的でした。 • 今までより問題意識が強くなりました。当事者の辛さが分かった。

• 周りの支援の大切さに気付いた。ギャンブル依存は病気だということに驚いた。

提言:社会の中での依存症の理解と支援、そして国の政策の確立を!

よりそいホットラインは、先に述べたように 24 時間、365 日の運用を通して自殺リスクの高い人たちの 悩みや苦しみに耳を傾けている。また必要な人には専門機関を紹介するだけでなく、面接及び同行支援を 通して専門機関につなげる努力を行っている。自殺のハイリスク群には、多岐にわたる領域の手厚い支援 が必要である。

アルコール依存については、アルコール健康障害対策基本法の施行により、予防や治療について基本方 針が定められた。とはいえ依存症への社会の理解はまだまだ進んでおらず、統合失調症などの精神疾患と 依存症の合併グループにいたっては、専門の治療機関も多くない。依存症の回復の場として断酒会や 12 ス テップの自助グループが重要な役割を果たすものの、合併症の人のニーズを満たせるかどうかは不明である。 合併症といっても統合失調、うつ、双極性障害や人格障害、症状や状況はさまざまである。一人の人が様々 な疾患を合併している場合、別々のあちこちの相談機関に行かなければならない、それは、大変な労力、 エネルギーを要することである。支援機関の連携(病院、司法、福祉など)や統合的な視点からその人を 支援できるケース・マネジャーの存在が必要となる。

さらには家族への支援(教育も含めて)が重要である。家族は何に、どう対応すればいいか分からずに 混乱のただ中にいる。本人を説教したりなじったり行動を監視したり、本人の失敗を尻拭いしたり、借金の 肩代わりをしたりすることになり、結果は状況の悪化を招くだけである。どうすればうまく本人や本人がひき 起こす問題行動に対応できるか、家族が疾患を理解しスキルを身につければ、問題行動によりうまく対応 し状況を悪化させずに済むであろう。社会も同様である。依存症真っ最中の親と生活を送る子どもが虐待 を被ると、その子どもが成人した時の依存症や自殺のリスクも高くなる。子どもの未来を親の飲酒やギャン ブルに賭けるようなことをしてはならない。

(14)

クラフト (CRAFT)

治療を拒否しているアルコール依存の本人に家族が働きかけ、治療につなげる方法。本人が治療を拒否 している家族に対し、依存症行動のパターン分析、コミュニケーション方法や問題解決の方法、自分の生 活を健康的にする方法などを教えトレーニングするプログラム

J.E. スミス& R.J. メイヤーズ 『CRAFT 依存症患者への治療動機づけ - 家族と治療者のためのプログラム とマニュアル』 (監訳)境泉洋、原井宏明、杉山雅彦 2012 金剛出版

DBT

自傷行為を繰り返す人を対象にした治療方法 マーシャ. M.リネハン (Linehan) (翻訳)小野和哉

『弁証法的行動療法実践マニュアル―境界性パーソナリティ障害への新しいアプローチ 』 2007 金剛出版

参考文献

斎藤利和 アルコール・薬物乱用と自殺に対する共同宣言案骨子 2011

日本アルコール関連問題学会、日本アルコール精神医学会、日本アルコール・薬物医学会 田中克俊 いわゆるギャンブル依存症の実態と地域ケアの促進 : 厚生労働科学

     研究費補助金 障害保健福祉総合研究事業 2009 American Psychiatric Association. DSM-5. Arlington:APA, 2013

Feeney, D. & Keith Whyte, K. Public Opinion on Problem Gambling. NCPG 2016 http://www. ncpgambling.org/wp-content/uploads/2016/10/NCPG-PublicOpinionReport-July-2016.pdf 閲 覧 日  2016/12/2

Gould, M.S., Kalafat, J., Harrismunfakh, J.L. & Kleinman, M. An Evaluation of Crisis Hotline Outcomes, Part 2: Suicide callers. Suicide Life Threat Behav. 37(3):338-52., 2007

SAMHSA Co-occurring Disorders

http://www.samhsa.gov/disorders/co-occurring 閲覧日 2016/11/03

ギャンブルの問題を持つギャンブラーの集いである GA については GA 日本インフォメーションセンター (http://www.gajapan.jp)をご覧いただきたい。

 IV ギャンブルに起因する害の最小化のための統合的政策の提言 

ギャンブルの機会の拡大 

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Adams(2008) 言うところのギャンブルのノーマライゼーション、ギャンブルの機会があって当然の社会となっ たのである。 

諸外国におけるギャンブルに関する世論

ギャンブルの機会が大幅に拡大した諸外国では、社会はギャンブルをどう見ているのだろうか。諸外国に おける世論を見ていく。

アメリカでは、「多くの人はギャンブルの社会への影響が否定的であると信じており」(Toce-Gerstein & Gerstein 2007)、イギリスでは「ギャンブルの機会が多すぎる」、「家族生活には危険であり」「薬物のよう なもの」「時間の無駄」と見られている (Orford 2011)。オーストラリアでは「ギャンブルの機会が多すぎ る」「ギャンブルは家族の生活に危険」(McAllister 2014)、カナダでも「ギャンブルの機会が増えると犯罪 が増える、政府は問題ギャンブルの否定的影響を抑えるためにもっとなすことをすべきだ」、と思われてい る (Smith et al. 2011)。ラスベガスをしのぐギャンブルの街、マカオでも「ギャンブルは家族の不和や借金、 犯罪につながりやすく、はまりやすいもの」とみられている (Vong 2008、Smith et al. 2011 に引用 )。

従来のギャンブル害への対策の実効性

ギャンブルが引き起こす害を予防するために国や産業は、どう考え、どういう対策を実施しているのだろ うか?国や地方自治体(州)が独占的なギャンブルの運営者である場合、それなりに合理的なやり方をとる ことはできる。後ほどみていくように、ノルウェーはギャンブル害を出さないように厳しく規制しながら、利 益を公共善(人道や文化、スポーツといった公共の目的)のために使っている。害がゼロというわけではな いが、公共善によりいわば相殺される、その上ギャンブル害を最小化できれば国として社会的コストを低減 できるという考え方であろう。

では民間ギャンブル産業の場合はどうであろうか?ギャンブル産業の歳入はギャンブラーの賭け金であ る。規制を厳しくすれば歳入は減っていく。ギャンブル歳入のかなりの部分 ( 三分の一から70%) は問題あ るギャンブラーに由来するものである (Banks 2011, Lam 2013, PC 1999, Williams et al. 2011)。ギャンブ ルをしてもまったく問題をおこさない金額は総世帯収入の 1% までであり (Currie et al. 2008 )、この限度を プレイヤーの大半が守った場合、利益をあげられるギャンブル産業などあるのだろうか。問題ギャンブラー をなくすためとはいえ、民間のギャンブル産業が利益を減らしてまでも規制を強化するであろうか。ギャン ブルに起因する問題の最小化は、社会のために良いことであり、ひいては企業の社会的価値を高めること につながるのではあるが。

産業側が従来採ってきた対策としては、ギャンブラー自らがカジノ立ち入り禁止を申請する自己排除 (self-exclusion) がある。もっとも申請するのはごくわずかのギャンブラーであり、申請後、カジノでギャンブルを する場合も、アメリカやオーストラリアのようなギャンブルが民間産業である国ではギャンブラーに責任が帰 せられる ( Kelly & Igelman 2009 )。つまりは自己責任ということである。問題ギャンブルについての公衆 向けのキャンペーンなども必要であるが、それだけではどの程度、ギャンブル問題の低減に効果があるか疑 問である。

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損なうような対策が支持や賛同を受けるであろうか。

このような流れに多少とも変化が生じてきたのは最近である。責任ギャンブリング、Responsible Gambling (RG) という消費者(=ギャンブラー)保護の概念のもと、害を最小化すべく、実効性が期待で きる対策が提案されるようになってきた。Responsible Gambling が中核テーマとなり学術会議が開かれた のは 2013 年の第 1 回 New Horizons in Responsible Gambling ( バンクーバー ) であり、専門の学術雑誌 Responsible Gambling Review が刊行されたのは 2014 年 1 月である。もっとも責任ギャンブリングという 概念は、その意味も政策も国によって違いがある。そもそも責任といっても、責任を取るべき主体はどこに 在るのであろうか。アメリカは、ギャンブラーを合理的な判断を下すことのできる成人とみており、ギャンブ ラーの責任を重視するが、大陸ヨーロッパは産業側、ひいては国に責任があるとする立場をおおむね支持し ている。

日本は、世界中の Electronic Gaming Machine(EGM、パチンコやパチスロ)の 60% が集中する国であり、 その数は 2002 年以降現在まで世界一の座を譲ったことがない (s.ziolkowski 2016)。さらに全ての種類の ギャンブルを含めた歳入では、世界のトップ 3 に入っている (GBGC 2016)。そのギャンブル大国日本で、ギャ ンブル害の最小化を計る政策は何もないといってよい。政府はパチンコやパチスロをギャンブルと認めてす らいない。その結果が厚労省研究班によると成人人口の約 5% という世界的に極めて高いギャンブル障害 の有病率と考えてよい ( 日本経済新聞 2014 年 8 月 20 日 )。ギャンブル障害を治療するには資格は何も必 要とされないし、倫理コードも確立されていない。

ギャブル害の社会的コストは家族が負担

過度のギャンブルのもたらす悲劇、それはたとえ 1 件のみであろうと、当事者にとってはたえ難い苦しみ である。有病率が低ければ悲劇の度あいが低いというものではない。とはいえ総体としてギャンブル害の社 会コストを知る必要がある。しかし社会的コストの測定にはコンセンサスなどはなく(Fong et al. 2011)、そ もそも客観的に測定可能というものではない。例えば、離婚した母親がパチンコにはまりこんだとして、夜 遅く、その帰りを待つ幼い子どもの傷、不安、将来への影響をどう客観的に測ればよいというのだろうか。  

ギャンブル問題の特徴はひとつに、本人のみならず家族をはじめとして周りが大きな被害を受けることで ある。もうひとつはアルコールと違って臭わないので、周りの人も長らく気づかないことである。さらにどこ に助けを求めていいか分からないまま悪化する状況が長きにわたり、本人や周りも苦しみ続けることになる。 アルコールや薬物と同様、周りを巻き込んで悪化しさざ波のごとく被害は拡大する。ここで仮の例を通して 被害拡大について考えてみたい。仮といってもまったくの虚構ではなく、守秘義務を守るためにいくつもの 実例をもとに作成したものであり、実例との部分的な一致は偶然にすぎない。

 事例 1 会社勤めの A さんは 60 代で、自助グループに通いながら長年のギャンブルを止めること ができた。幸いにも仕事はあり、家族も妻と子どもがいる。しかし子どものうちのひとりは摂食障害を患っ ている。その子どもには幼い子どもがいるが、時には叩いたりしているようだ、と A さんは心配している。

(17)

たくりの加害者には、ギャンブルの借金があった。

 事例 3 妻は夫がギャンブル好きなことは分かっていた。以前は借金をして親戚からお金を借りて返 済した。このごろは借金をしていないので大丈夫だと安心していたが、なんと夫は会社の顧客のお金を使 い込んでギャンブルをしていたのだ。夫の犯罪が暴かれ新聞に住所も名前も載ってしまった。思春期で難し い時期になっている子どもが心配で、転校させることにした。夫が実刑になったら生活はもっと苦しくなる。 子どもたちの将来 ( 就職や結婚 ) にも悪影響がでることが心配になり、妻は離婚するしかない、引っ越しも しなければいけないと思い詰めている。夫の勤務先の会社も社会的信用を損なうことになった。

ギャンブラーが犯罪をおかし受刑生活を送ると、逮捕から裁判、刑事施設への収容、保護観察、けっこ うな税金が費やされるわけだが、これもギャンブルの社会コストである。ギャブル障害の治療にも税金はつ かわれる。ギャンブル障害はWHOが認めている疾患であり、うつなど気分障害を一時的に発症しているギャ ンブラーも多いし、最近はギャンブル障害も公的な精神医療センターでの治療が開始されている。そうなる と保険医療が適用される。

不公平なことに、Fong らも指摘するように、問題ギャンブルにかかわるコストの多く(借金返済、保釈金、 治療費など)は家族や親戚が負担している (Fong et al. 2011)。家族愛、恥意識、世間体、いろいろな理 由から家族は本人の借金の肩代わりをする。そうなるとコストの多くは社会的にならずに、私的領域にとど められる。さまざまな文献で算出された社会的コストが、どの程度、この本来なら社会的であるべき私的 なコストをも含めたものとなっているだろうか。

さらに社会的コストの計測を困難にするものとして、害の越境がある。マカオやシンガポールのように大 半の客が地元以外から来る場合、借金、犯罪、自殺、家族の崩壊などのコスト(害)はギャンブル場のあ る地域ではなく,客の地元が負うことになる (Zeng 2008, Gu et al. 2013 に引用 )。

社会的コストが数値としてどの程度あれ、ギャンブルに由来する苦しみが社会にかなりの程度存在する限 り、その苦しみ(コスト)を最小化する必要がある。そのための政策が Responsible Gambling Policies  責任ギャンブリング (RG) 政策である。日本ではどのような RG 政策を実施すべきであろうか、以下、RG の 代表的なモデルについて述べた後に、日本ではどういう統合的な政策を実施すべきか提言したい。

RG 政策:リノモデルの実効性と RG チェック(認証制度)

RG 政 策のよく知られたモデルとして、インフォームド・コンセントを重 視するリノ (Reno) モデル (Blaszczynski et al. 2004) や消費者保護を重視するハリファック (Halifax) モデル (Schellinck 2005、 Roberts & Associates 2008 に引用 )、すでにカナダで実 施されている RG 認証制度の RG チェック (Responsible Gambling Council 2016 ) などがある。

(18)

リノモデルではギャンブラーが合理的な、最適の選択をすることのできるように、産業側が充分かつ科 学的に根拠のある情報を提供すること ( インフォームド・チョイス ) が重視される。ギャンブルをするかし ないか、あるいはその限度を決めるのは、ギャンブラー個人であり(個人の責任)、そのための情報を提 供するのが産業側の責任となる。そしてどういう情報が必要かを決定するのに貢献するのは、科学である (Blaszcznski et al.2005)。

インフォームド・チョイスがその目的を達成するには、個人がその情報にもとづき合理的な選択が出来 ること、個人は、その商品やサービス(ギャンブル)のリスクや結末についてよく知らされ認識していること、 この 2 つが条件となる。さらに情報がギャンブラーにとって分かりやすいこと、アクセスしやすいことも重要 である (Blaszcznski et al. 2005)。

適切な情報を効果的にギャンブラーに提供することは、これまでは、単に仮想の話であったが、IT 技術 の発達やビッグデータの解析により、これは 2016 年現在、可能となってきた。しかしこの情報提供のみで ギャンブルのコントロールが可能かどうかは、定かではない。そもそも巨大なギャンブル産業と客では情報 の量、力の差があまりにも大きすぎる。IC チップが組み込まれたマシーンやカジノチップの動き、稼働状況 は常にモニター可能であり、それはビッグデータとして蓄積されていく。しかしギャンブル産業(北欧を除き) は情報開示に消極的である。例えば、プレイヤーは消費者としてどこで、いつ、どれだけギャンブルをした かのギャンブル歴を自分で確認する権利があるし、自分のギャンブルのやり方が安全圏内なのかどうかも知 りたいであろう。マシーンのプレイを長引かせる特徴(ニアミス)についても知る権利があるし、ギャンブル 場(例えばカジノ)のフロアのデザインとギャンブルへのはまりやすさについても知る権利がある。そういっ た情報が十分、提供されているだろうか。しかもギャンブルへのはまり込みの本質は、ギャンブルへのコン トロール喪失である。すなわち「止めようと思っても止められない」、たとえ適切な情報提供があっても合理 的な選択ができないこと、「分かっているが止められない」のがギャンブル依存症である。

したがってより積極的なギャンブラー(すなわち消費者)保護が必要であり、その必要性を強調するのが ハリファックス モデルであり (Schellinck 2005、Roberts & Associates 2008 に引用 )、それは以下のよ うな概念に基づいている。

• ギャンブルのデザインそのものが、その商品(ギャンブル)の安全性に影響を与える

• マーケッティングやギャンブル開催の場のデザインも、問題ギャンブルの発生に影響を与える • ギャンブルの産業側のマーケッティング慣行と RG には基本的に葛藤がある

• ギャンブルの商品やサービスに関しては、ギャンブラーによるインフォームド チョイスが出来るほどの情 報を提供することはできない

• 明確に定義された規準により、ギャンブルの商品やサービスは消費者にとって安全であるべきだ

すでにカナダではカジノが責任ギャンブル対策を実施しているか査定するための基準を設定し、その基 準を満たしているカジノを認定する政策 (RG チェック ) を実施している。その基準とは以下のようなもので ある。

(1) 企業の対策/方針

(19)

(2) 従業員教育 

• 従業員が問題ギャンブルおよび RG 概念を理解している

• 従業員が問題あるギャンブラーを援助するスキル(技)や手順を熟知している • ギャンブルについての誤った思い込みを従業員が客に伝えないように教育する、など (3) ギャンブル場への立ち入り禁止プログラム

• 禁止登録した人にはギャンブルの宣伝などを送らない • 地域の援助資源を紹介する

• 登録した人が立ち入っていないかをチェックする、など (4) 問題あるギャンブラーへの支援

• 従業員が問題を認識しており、必要な情報を提供できる • 悩んでいる人(客)に対応できる

• 問題がありそうに見える人(客)に、従業員のほうから慎重に声をかける、など (5) 情報提供とそれに基づくギャンブルについての自己決定

• ギャンブルについての情報(一般的な)を提供する

• ギャンブラーは、自分のプレイの情報(使った金額や時間)へアクセスできる、など (6) 広告と宣伝

• ギャンブル問題をもつ人や未成年をターゲットにするような広告をしない • 勝ち負けについて誤解を与えるような広告をしてはいけない、など (7) お金へのアクセス

• 信用貸しやクレジットカードによるギャンブルは禁止する

• ギャンブルのマシーンやテーブルでのお金の入手(電子操作による)を禁止する (8) ギャンブル場とギャンブル(ゲーム)の特徴

• ギャンブル場内で、時間の経過をギャンブラーが認識できる • 24 時間営業ではない

• アルコール飲料は無料にすべきではない  • マシーンは、RG のメッセージを明示できる

• 新しいゲームに関しては、問題ギャンブルの起こりうる程度を査定する、など この基準にそって独立した第三者機関が認定をする。

日本は RG 政策の実施されていないギャンブル大国である。以下、日本でのギャンブルの害を最小化す べく統合的な RG 政策を提示したい。ここで中核に位置づけたいのは、消費者としてのギャンブラーの権利、 公平性、透明性である。

1 情報提供、それに基づきあらかじめ費やすお金を決定する(プリコミットメント)権利

(20)

る。とはいえ大衆化されたギャンブルは、安全な枠組みや約束事のもとに提供されるべきだ。安全な楽し みとは、客が払うことのできる金額、費やすことのできる時間の限度をこえない範囲でギャンブルをするこ とである。そのためにも効果的に適切な情報がギャンブラーに提示されるべきである。

一般的な問題ギャンブルの説明や援助資源、フロアのスロットマシーンの平均の勝ち負け率やマシーンの メカニズム、そのゲームの特徴など、こういった情報は提供されなければならないが、それだけでは十分で はない。同じ警告文でも、例えばスロットマシーンに「限度内でギャンブルを楽しみましょう」というステッカー を貼りつけるよりも、画面のポップアップ・メッセージのほうがプレイヤーの注意をひくことが指摘されてい る (Gainsbury 2014a)。

現在もっとも期待されているのは、プレイと同時にギャンブル行動を追跡しながら (Behavior Tracking) プレイヤーに情報(時間経過や使った金額など)を伝え、問題ギャンブルにつながる可能性のあるギャンブ ル行動に警告を発するプログラムである。自分のギャンブル履歴も知ることができる。プレイヤー自ら時間 や金額限度を設定できるし(プリコミットメント)、限度額をゼロにすれば自粛も可能である。自分のギャン ブルが問題となっているかどうか査定もできるし、治療・援助資源の情報を得ることもできる。スウェーデ ンの PlayScan、オーストリアの neccton 社の mentor、イギリスのベンチャー企業 Bet Buddy が開発した ものなどが先駆的なプログラムである。

こういったプログラムは徐々にマシーンに組み込まれるようになってきているが、プリコミットメントの完 全実施には産業側は抵抗を示しており、北欧の一部でのみ完全実施されている。ギャンブルが国営である ノルウェーのマシーンは 1 日、1ヶ月の使える金額(国が上限を決めている)を越えてギャンブルをすること はできない。マシーンの初期画面は「Hi ( プレイヤーのファーストネーム )」から始まり、自分のギャンブル であることが自覚できるし、自分で金額の情報を入れないと次の画面に移らない。自分のギャンブル歴を見 ることもできるし、透明性が保証される。しかしオーストラリアのマシーンはあらかじめ金額を決めるプログ ラムは備わっているものの、金額を越えてもギャンブルを続けることができる。これではあらかじめ金額を 決定した意味がない。

ただこのような自己モニターシステムは問題のない、あるいは問題ギャンブルのリスクのあるプレイヤー、 すなわち青から黄色信号までを対象にしており (Auer et al. 2014)、いわば早期発見、予防システムといえる。 ギャンブルにどっぷりはまっている人には、人間(従業員)による介入が必要である。

2 ギャンブル場への立ち入り禁止

ギャンブル場への立ち入り制限に関して従来行われてきたのは、ギャンブラー本人による立ち入り自粛願 いである。しかし自粛願いのみではギャンブル害の効果低減は疑問である。そもそも問題あるギャンブラー のうち自粛を申し出る割合は、取り組みに熱心なカナダでさえせいぜい 7% である ( Gainsbury 2014b)。 自粛申し出の理由は、かなりの困った事が既に起きているからである (Nuske 2013)。すでに家族も本人 もかなりの負の影響を受けている。さらに自粛の後で 26% から半分くらいの申請者はカジノに入っている (Ladouceur & Stephens 2013,Nuske2013)。自粛者が申請後にギャンブルをした結果の損失について民 事訴訟を起こしているが、現在のところギャンブラー側よりカジノ側の言い分が認められている。すなわち カジノは自粛者の損失に責任ないということである ( Ladouceur & Stephens 2013)。

(21)

理的な手段を講じなければならない。さらに産業側は 2 年間を限度とし、その人がギャンブル場に入らない よう立ち入り禁止にも出来る (section309) とされている。オランダのカジノでも月に 8 回をこえる客には従 業員が声をかけ (Goudriaan et al. 2009)、シンガポールは財政的に弱い状況にある人に対し行政側からの カジノへの立ち入り禁止、立ち入り回数制限を行っている ( Casino Control [Problem Gambling-Exclusion orders and visit limits] Rules 2008, Casino Control Order 2013)。ここで自粛の後にギャンブル場に入っ てギャンブルをした人の勝ち金は没収することを提言したい。

家族からの立ち入り禁止申請

ギャンブルに起因する問題が生じると、まず困難に直面するのは家族である。筆者の経験でも治療の場 に最初に登場するのは家族が多い。では困った家族が本人に代わり立ち入り禁止申請をすればよいではな いかと思う人もいるであろう。実際、家族からの申請を受け付ける制度はある。ただし、家族申請にはいく つかの障壁が想定される。「隠れた依存症」といわれるギャンブル問題は家族でさえ逮捕や自殺といった 最悪の状況が生じるまで知らないことがある。知っている場合も家族の恥意識がつよく、問題が表面化す るのを恐れることが多い。さらに家族申請を出すことで本人との十分に悪化した関係がさらにこじれること も、家族にとっては心配である。家族からの申請といっても、ある程度は本人の同意がなければ申請後、 暴力や失踪といったかたちで問題悪化が懸念される。家族からの申請よりも、家族が本人に働きかけ、本 人が申請するような、あるいは本人同意のもと家族が申請するような方向性が望ましい。

3 治療や支援の社会資源の充実とギャンブル産業からの直接の寄付の禁止

ギャンブラーも家族も、治療や支援を受けるまでには産業側に多額のお金を支払っている。ギャンブラー やその家族には無料で国の制度として治療や支援が提供されるべきである。治療・支援機関に直接お金を 産業側が提供することは、望ましくない。互いの相互利益、利権を生み出しかねないし、治療の目的(例え ば、断ギャンブルではなくコントロールされたギャンブル)や支援の方法において産業側の影響力が強くな る恐れがあるからだ。倫理上、禁止されるべきである。

世界的に共通のギャンブル治療の最大の課題は、およそ 90% のギャンブラーが治療の場に登場しない ことである。治療を中断する率も高い (Gainsbury & Blaszczynski 2011)。問題が発生してから治療の場 に登場するまでの時間も長い。筆者の調査では過半数が問題発生から10 年以上をへて GA に初参加して いる ((Takiguchi 2009)。そのためインターネット上の治療も行われている (Myrseth et al. 2013, Nilsson 2013)。インターネット上では自分が何者かを誰にも告げることなく治療が受けられる。「お金が必要で働か なくてはいけない。病院なんて行く暇もない」というギャンブラーでも、ネット上の治療ならば可能である。 さらにはどこにいても受診可能である。ギャンブル依存の専門家がいない地域にすむギャンブラーや家族も、 ネット上でなら治療・支援にアクセスできるであろう。そして何よりも社会が、ギャンブルに起因する問題が どのようにギャンブラーや周囲の人たちに深刻な影響を与えるか、その問題を理解し、害の最小化政策の 実施を支持し、ギャンブルにはまった人やその家族の苦しみに共感することが重要である。

4 従業員教育

参照

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