• 検索結果がありません。

set 140804 1 「大型MICE施設整備と街づくりへ向けた基本構想」報告書2

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "set 140804 1 「大型MICE施設整備と街づくりへ向けた基本構想」報告書2"

Copied!
30
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

52

6.

事業収支と想定される整備・運営手法

本章では新規MICE施設の収支の推計を行い、シミュレーション結果より想定される整

備・運営手法について整理を行う。

なお、整備・運営手法の選定には建設地の状況や民間事業者との連携可能性が大きく影

響することから、以降の整理は標準的な状況を想定した場合の整理である点に留意が必要 である。

6.1. 新規MICE施設の事業収支

需要予測結果をもとに、新規MICE施設の収入、および支出の推計を行う。施設の収入

は施設貸出収入および付帯収入(飲食・ケータリングの手数料、設営の手数料、駐車場収 入)から構成され、稼働率によって変動するものとした。

支出は、沖縄コンベンションセンターの支出状況(過去の実績)をもとに、新規MICE

施設の規模や想定される面積稼働より拡大推計し算出した。

6.1.1. 事業収支結果概要

図表 展示場規模 2 万㎡(稼働率 30.1%)・民間整備を前提とした事業収支結果

・新規MICE施設の収入は需要推計中位シナリオ(30.1%;展示場規模2万㎡)で約12

億1,000万円であるのに対して、管理運営費、維持管理費は約12億4,000万円となり、収 支はほぼ均衡する。

・ただし、施設所有者が支払うべき建物修繕費や損害保険料を考慮すると赤字となる。ま た、民間が施設を整備、所有した場合に必要な公租公課、減価償却、借入金金利の負担を

(2)

53 6.1.2. 収入

■施設貸出収入

・施設貸出収入は稼働率30.1%(中位シナリオ)の場合、約10億6,000万円と推計される。

(稼働率37.7%(高位シナリオ)の場合は約13億3,000万円)

施設収入は、沖縄コンベンションセンターや国内他MICE施設の事例を参考に、日・㎡

当たりの貸出料金を設定し、需要予測より算出した想定面積稼動(利用面積×稼動率)を 乗じることにより推計した。料金設定は下記のとおりである。

展示場、中小会議室については、以下に示す沖縄コンベンションセンターの事例よ

り、展示場:250円/㎡・日(施設利用料200円/㎡・日+備品代50円/㎡・日)、中 小会議室:600円/㎡・日(施設利用料500円/㎡・日+備品代100円/㎡・日)と設 定した。

多目的ホールについては、沖縄県内に類似施設がないため、東京国際フォーラム、 パシフィコ横浜の展示場と多目的ホールの料金比を算出したところ、多目的ホール

は展示場の約2倍であった。そのため、上記で設定した展示場料金(200円/㎡・日)

の2倍となる施設利用料400円/㎡・日+備品代100円/㎡・日とし、多目的ホール:

500円/㎡・日と設定した。

以上の設定のもと、施設貸出収入は稼働率30.1%(中位シナリオ)の場合に10億6,000

万円、稼働率37.7%(高位シナリオ)の場合は13億3,000万円と推計された。

図表 展示場・中小会議室の料金設定方法

対象

貸出対象 面積( ㎡)

料金

平米・ 日当たり料金 ( 円/ ㎡・ 日)

展示棟 2 , 5 0 0 4 8 2 , 0 0 0 1 9 3

劇場棟

劇場 2 , 8 2 1 1 9 0 , 0 0 0 6 7

 C1 9 7 4 9 , 0 0 0 5 0 5

 C2 7 0 3 0 , 0 0 0 4 2 9

会議棟A

 A1 5 1 6 2 3 4 , 0 0 0 4 5 3

 A2 1 4 7 6 6 , 0 0 0 4 4 9

 A3 6 7 2 9 , 0 0 0 4 3 3

会議棟B

B1 2 8 0 1 2 2 , 0 0 0 4 3 6

B2 1 1 7 6 2 , 0 0 0 5 3 0

B3 5 9 4 0 , 0 0 0 6 7 8

B4 5 5 4 0 , 0 0 0 7 2 7

B5 5 6 4 0 , 0 0 0 7 1 4

B6 6 5 4 0 , 0 0 0 6 1 5

B7 5 7 4 0 , 0 0 0 7 0 2

展 示 場 は 沖 縄 コ ン ヘ ゙ ン シ ョ ン セ ン タ ーの展示棟の料金 193 円/㎡・

日+備品代 50円/㎡・日より

250円/㎡・日と設定

同 様 に 中 小 規 模 の 会 議 室 の 料 金 の 加 重 平 均 値( 499 円/

㎡・日)に備品代 100 円/㎡・

(3)

54

図表 多目的ホールの料金設定方法 ※

東京国際フォーラム パシフィコ横浜 新規MICE施設

展示場の料金

1,050円/㎡・日

(展示ホール)

347円/㎡・日

(ホールA)

200/円㎡・日

(展示場)

↓約1.7倍 ↓約2.3倍 ↓2倍に設定

多目的ホール の料金

1,715円/㎡・日

(ホールB5)

799円/㎡・日

(アネックスホール)

400円/㎡・日

(多目的ホール)

+備品代100円/㎡・日

=500円/㎡・日

※東京国際フォーラム、パシフィコ横浜とも平日の午前午後利用の料金を対象施設、ホールの面積で除す

ことで日・㎡当たりの料金を算出。

図表 国内主要 MICE 施設の多目的ホールの料金 日・㎡当たり料金

(円/㎡・日)

多目的ホール 展示場 中小会議室

コンコース・ 付帯設備等

札幌コンベンションセンター 206 316 135 -

パシフィコ横浜 799 347 643 463

神戸コンベンションセンター 249 193 285 -

福岡コンベンションセンター - 263 323 249

沖縄コンベンションセンター - 193 499 -

新規MICE施設 400 200 500 -

(4)

55

■付帯収入

・付帯収入は稼働率30.1%(中位シナリオ)の場合、約1億4,800万円(飲食・ケータリ

ング手数料約5,600万円、設営手数料約5,900万円、駐車場収入約3,300万円)と推計さ

れる。

(稼働率37.7%(高位シナリオ)の場合は約1億8,700万円;飲食・ケータリング手数料

約7,200万円、設営手数料約7,600万円、駐車場収入約3,900万円)

○飲食・ケータリング手数料

MICE開催に伴う飲食やケータリングの手配に係る施設側の手数料収入を見込む。手数

料率は国内他施設の事例を参考に一律10%と設定した。

MICE開催に伴う飲食やケータリング利用の想定は下記の通りである。

図表 飲食・ケータリング利用の想定・手数料設定

種別 飲食・ケータリング利用の想定 手数料

M 全員が昼食に弁当(1,000円)、会議終了後に立食パーティー

(4,000円)に参加

一律

10%

I 全員が着座のパーティー(10,000円)に参加

C 会期中1人1回弁当(1,000円)を購入、レセプション等の

立食パーティー(4,000円)に来場者の3分の1が参加

Ex(県外客向け) 会期中に参加者の半分が1回弁当(1,000円)を購入

Ex(県民向け) 会期中に参加者の半分が飲料(500円)を購入

Ev 参加者の半分が飲料(500円)を購入

その他 参加者の半分が飲料(500円)を購入

以上の設定のもと、飲食・ケータリングの手数料収入は、稼働率30.1%(中位シナリオ)

の場合に約5,600万円、稼働率37.7%(高位シナリオ)の場合に約7,200万円と推計され

た。

○設営手数料

MICE開催に伴う各種設営に関する窓口業務や業者手配に係る施設側の手数料収入を見

込む。手数料率は国内他施設の事例を参考に一律10%と設定した。

設営が行われるのは、Convention、Exhibition、Event(コンサート)とした。手数料の

推計には、平成23年度に観光庁が発表している「MICE開催による経済波及効果測定のた

(5)

56

図表 主催者支出に占める施設利用料と会場設備工事費

種別 施設利用料 会場設備工事費

施設利用料に対する 会場設備費の比率

Convention 13.4% 16.8% 1.25倍

Exhibition 54.9% 22.9% 0.42倍

Event 54.9% 22.9% 0.42倍

以上の設定のもと、前述した施設貸出収入(=主催者にとっての施設使用料)に、施設

使用料に対する会場設備費の比率を乗じ、それに手数料率10%をかけることで、設営によ

る手数料収入を算出した。

例)Conventionの施設使用料が100万円の場合、その1.25倍の125万円が会場設備工事

費となり、その10%である12.5万円が設営に関する手数料収入となる。

その結果、設営の手数料収入は、稼働率30.1%(中位シナリオ)の場合に約5,900万円、

稼働率37.7%(高位シナリオ)の場合約7,600万円と推計された。

○駐車場収入

来場者のうちの県内客割合が約7割(約77万人中の約50万人)2であり、そのうちの60%

が新規MICE施設への交通手段として自家用車を利用すると仮定した場合、約33万人の来

場者が自家用車を利用することとなる。1車当たり2人が乗る場合、年間を通じて約16万

台の駐車場需要が見込まれる。これらに、1車当たりの売上1日当たり300円のうち100

円を管理費、200円を利益として想定する。

以上の設定のもと、駐車場の利用料金収入は、稼働率30.1%(中位シナリオ)の場合に

約3,300万円、稼働率37.7%(高位シナリオ)の場合約3,900万円と推計された。

(6)

57 6.1.3. 支出(管理運営費および維持管理費)

・管理運営費および維持管理費用は稼働率30.1%(中位シナリオ)の場合、約12億4,000

万円と推計される。(稼働率37.7%(高位シナリオ)の場合は約14億2,000万円)

新規MICE施設の運営費用(減価償却、一定額以上の修繕費、建物損害保険料、固定資

産税や都市計画税等は除く)は、沖縄コンベンションセンターの年間運営費等(約3億7

千万円;H22-24年の実績値の平均)を参考に拡大推計を行うことで算出した。

この際、主に以下に示すように、OCCと新規MICE施設の面積稼働に伴う拡大推計や、

延床面積による拡大推計、あるいは面積稼働と延床面積で半額ずつといったような拡大推 計方針をとっている。

○面積稼働に比例

賃金(臨時人件費)や施設管理委託費(舞台操作、照明操作、警備等の委託費)は施

設を利用した日数(=面積稼働;日・㎡)に比例すると考え、OCCの面積稼働に対す

る、新規MICE施設の面積稼働の倍率で拡大推計した。

具体的には、OCCの面積稼働(H22-24の平均)が約104万日・㎡であるのに対して、

新規MICE施設の面積稼働が約313万日・㎡(需要推計中位シナリオ時)であること

から、この場合には約3倍(313万/104万)に拡大推計を行う。

○延床面積に比例

被服費等の一部の費用は、施設の稼働量(面積稼働)に比例するのではなく、施設の

規模に比例すると考えられることから、施設の延床面積により拡大推計した。

OCCの延床面積が約21,000㎡であるのに対して、新規MICE施設の延床面積を53,500

㎡(展示場規模2万㎡時)とし、約2.5倍に拡大推計を行う。

○面積稼働と延床面積に半額ずつ比例

保守点検業務委託費や修繕費(軽微なもの)、賃借料(車両やOA機器のリース料)は

施設規模に応じて費用が増加するとともに施設の稼働量(面積稼働)にも左右される。

上記のような支出項目については面積稼働と延床面積に半額ずつ比例することとした。

○その他

人件費については、35人を雇用、一人当たり費用800万円で固定とした。

光熱費(冷暖房費用)については、施設の体積(容量)が大きいほど費用が必要とな

ることを考慮して、半額を体積倍率3、半額を面積稼働により拡大推計した。

(7)

58

図表 新規 MICE 施設の支出推計値

支出費目 OCC実績値

(百万円)

拡大推計方法

新規MICE

施設推計値

(需要推計

中位シナリオ) (百万円)

人件費 64 35人×800万円で固定 280

賃金 3 面積稼働に比例 10

旅費 2 面積稼働に比例 6

消耗品費 1 半額は延床面積、半額は面積稼働に比例 2

印刷製本費 1 面積稼働に比例 2

燃料費 0 半額は延床面積、半額は面積稼働に比例 0

通信費 1 面積稼働に比例 4

保険料 1 面積稼働に比例 2

公租公課 4 面積稼働に比例 13

役務費 2 半額は延床面積、半額は面積稼働に比例 4

賃借料(車両やOA

機器等)

4 半額は延床面積、半額は面積稼働に比例 11

負担金 0 延床面積に比例 0

雑費 0 半額は延床面積、半額は面積稼働に比例 1

被服費 0 延床面積に比例 1

営業渉外旅費 1 面積稼働に比例 2

商品仕入費 13

主に 弁当購入 代だが、 付帯収入 で手数料 部分のみを考慮するため対象外

-

広報宣伝事業費 5

現状 で不足し ているた め、元の 原単位を

1.5倍したうえで半額は延床面積、半額は

面積稼働に比例

21

備品購入費 2 半額は延床面積、半額は面積稼働に比例 5

施設管理委託費 ( 専 門 操 作 、 清 掃 等委託)

149 面積稼働に比例 450

保 守 点 検 等 業 務 委 託費

16 半額は延床面積、半額は面積稼働に比例 45

修繕費

(軽微なもの)

31 半額は延床面積、半額は面積稼働に比例 86

光熱水道費 70 半額は体積比、半額は面積稼働に比例 298

合計 370 - 1,244

なお、上記の推計はOCCの実績をもとにしていることから、現在はOCCの施設所有者

(8)

59 6.1.4. 事業収支

・新規MICE施設の収入および支出より事業収支(需要推計中位シナリオ時)を推計する

と、施設運営による収支(収入:施設賃貸収入および付帯収入、支出:管理運営費および

維持管理)はほぼ均衡する。

・ただし、建物修繕費や損害保険料、固定資産税等を考慮すると収支が合わず、民間によ

る整備は採算性が極めて低い。

これまでに整理した収入および支出をもとに、条件の最も厳しい民設民営の場合の事業 収支シミュレーションの結果は以下の通りとなる。なお、稼働率は開業初年度に需要予測

の中位シナリオの半分とし、開業後10年(開業11年目)で中位シナリオの需要を達成す

るものとした(1年目稼働率が15.0%、11年目稼働率が30.1%となる)。

主に民設民営の場合、施設の所有権は民間企業であることから、管理運営費、維持管理

費以外にも、建物修繕費や損害保険料、固定資産税、都市計画税、整備費用の借入金金利 負担が発生することが条件を厳しくしている。

図表 民設民営方式 事業収支シミュレーション結果

-4,000 -3,000 -2,000 -1,000 0 1,000 2,000

Pre FY2 FY4 FY6 FY8 FY10 FY12 FY14 FY16 FY18 FY20

賃貸事業収入 附帯事業収入 営業外収入 施設管理費 減価償却費 公租公課 建設年度経費 営業外支出 当期純利益

) -45,000 -40,000 -35,000 -30,000 -25,000 -20,000 -15,000 -10,000 -5,000 0

Pre FY2 FY4 FY6 FY8 FY10 FY12 FY14 FY16 FY18 FY20

当期純利益 累積損益

(9)

60

以上より、民設民営による事業収支シミュレーションを行った結果、支出が収入を大き

く上回り、新規MICE施設の民間が整備費用を負担する事業形式は難しいことから、公共

が施設を整備、所有する手法が有望である。この場合、整備費用の減価償却負担や固定資 産税、都市計画税負担がなくなり、事業の採算性が向上する。また、本推計結果において

は、現状のOCCと同様に一定規模以上の修繕費や建物の損害保険料を公共負担することで、

収支が成り立つことが予想される。

図表 民間整備を前提とした事業収支結果

6.2. 想定される運営手法

6.2.1. 想定される事業方式

前項までに示すように、民設民営の場合では毎年20億円以上の赤字が発生することとな

り、民間による施設整備、運営における採算性の確保は極めて厳しいと考えられる4。

上記の結果は民間による施設整備、運営を前提としたものだが、施設を公共が整備する、

あるいはPFIにより民間が整備し、所有権を公共に移転する場合は、固定資産税や都市計

画税が課税されないため収支の改善が見込まれる。他にも、OCCと同様に一定金額以上の

修繕費や損害保険料を施設所有者が負担する場合は、施設運営者に必要な費用は管理運営 費、および維持管理費の合計となり、この場合は稼働率が一定以上であれば、施設収入の

みで管理費が負担可能となる。

そのため、新規MICE施設の整備・運営手法としては公設民営方式、あるいはPPPの

DBO方式、PFI方式が考えられる。とりわけ、本施設整備は4.1 MICE施設整備の基本

方針施設整備の基本方針で取りまとめているように、設計・建設・運営に関する費用の最

小化を図るという点から、DBO方式、あるいはPFI方式を積極的に検討すべきと考えられ

(10)

61

る。次項以降で施設運営が実現可能な、DBO方式、およびPFI方式とした場合の事業収支

シミュレーションを記載する。

図表 新規 MICE 施設に想定される事業方式

方式 公設民営

PPP

DBO サービス購入型

概要

県が施設を建設、所有し

運営を民間企業等に委

託(OCCと同様の方式)

設計(Design)、建設

(Built)、運営(Operate) を民間企業に一括発注

公共との事業契約に基づ

きPFI事業者が施設を整

備、運営。公共がサービス

購入料を割賦払いにより 建設費等を確保

役 割

資金 調達

行政 行政 民間

建設 行政 行政 民間

所有 行政 行政 行政

※1

運営 民間 民間 民間

行政の コスト

△ ○ △

事業化 スピード

○ △ △

施設運営 効率化

△ ○ ○

メリット

一般的な施設整備手法

であり、事業化スピード

は他手法よりも早いと 考えられる

設計、施工、運営の一括発

注により施設整備時のコ

スト低減や、運営時の効率

化が可能

設計、施工、運営を民間が

担うことにより施設整備

時のコスト低減や、運営時

の効率化が可能

デメリット

設計と建設、運営が分か

れることによりコスト 削減インセンティブ等 民間活力の導入は限定 的

事業者選定の際の基準作 りや契約時の手続きに一 定の負担が発生

事業者選定の際の基準作 りや契約時の手続きに一 定の負担が発生

また、民間企業の借入金利

分も負担する必要がある

(11)

62 6.2.2. DBO方式による事業収支シミュレーション

DBO方式は設計、建設、運営を一括発注することにより、施設整備時のコスト低減や運

営の効率化といった効果が得られると想定される。本シミュレーションではその効果を考

慮し、施設の整備や運営管理に必要な費用は民設民営と同様とした。一方、DBO方式では、

土地や施設を沖縄県が所有することから、減価償却負担や固定資産税、都市計画税の支払

が発生しないため、施設運営を受託する民間事業者の収支は民設民営方式と比較して改善 する。この際、沖縄県は土地や施設の費用、その他に施設の損害保険料の支払い、および

民間事業者に対する施設運営サービス対価 ※

の支払いを負担することとなる。

※施設運営サービス対価には、建物修繕費の他に、運営会社の利益相当分が含まれている。この利益相当

分とは施設運営に対する報酬分である。その金額は施設運営を受託する民間事業者と県との間の取り決め

によるものであるが、ここでは、国内PCOの㈱コングレ、日本コンベンションサービス㈱、㈱コンベンシ ョンリンケージの営業利益率をもとに、売上に対して4.2%と設定している。

以上の設定をもとに事業収支を計算すると、本推計の前提条件では累積の収支が黒字に

なるまでには至らないが、開業後11年目以降の単年度収支は黒字となる5。

5 この結果は調査の中で設定された需要推計結果や収支計算の仮定に基づくものであり、運営事業者によ

る経営の効率化等を十分に反映したものではなく、整備、運営方法によってより収支状況が好転する可能

(12)

63

図表 DBO方式 事業収支シミュレーション結果

-2,000 -1,500 -1,000 -500 0 500 1,000 1,500

Pre FY2 FY4 FY6 FY8 FY10 FY12 FY14 FY16 FY18 FY20

賃貸事業収入 附帯事業収入 営業外収入 施設管理費 減価償却費 公租公課 建設年度経費 営業外支出 当期純利益

-1,200 -1,000 -800 -600 -400 -200 0 200

Pre FY2 FY4 FY6 FY8 FY10 FY12 FY14 FY16 FY18 FY20

当期純利益 累積損益

(13)

64 6.2.3. PFI方式による事業収支シミュレーション

PFI方式ではDBO方式と同様に設計、建設、運営を一括で実施する事業者を募集するが、

その事業に必要な費用を民間企業が一時負担した上で、沖縄県が施設整備サービス対価と

して割賦払いで支払っていく点がDBO方式と異なる。

民間企業の事業収支の状況はDBO方式とはほぼ変わらない。一方、沖縄県の毎年の負担

としては、DBO方式でも発生した損害保険料や施設運営サービス対価に加えて、民間企業

が金融機関から調達した建設資金の割賦払い分となる。この際、民間企業が金融機関から

資金を調達する際の金利は、県が発行する県債の金利よりも高いため、見かけ上は沖縄県

が民間企業の資金調達コストを負担することとなり、県の累積の負担はDBO方式に比べて

大きくなる。

図表 PFI方式 事業収支シミュレーション結果

以上より新規MICE施設の整備・運営方式はDBO方式が有望であることを念頭に、今

後の検討を進めていく必要があると考えられる。 -2,500 -2,000 -1,500 -1,000 -500 0 500 1,000 1,500

Pre FY2 FY4 FY6 FY8 FY10 FY12 FY14 FY16 FY18 FY20

賃貸事業収入 附帯事業収入 営業外収入 施設管理費 減価償却費 公租公課 建設年度経費 営業外支出 当期純利益

) -1,200 -1,000 -800 -600 -400 -200 0 200

Pre FY2 FY4 FY6 FY8 FY10 FY12 FY14 FY16 FY18 FY20

当期純利益 累積損益

(14)

65

7.

新規

MICE

施設整備により想定される効果・課題

本章では新規MICE施設の整備により想定される効果や影響について整理する。

7.1. 整備により期待される効果

7.1.1. 来場者の集客による賑わいの創出

本構想の需要予測においては、新規MICE施設の運営により、年間約150件のMICEが

開催され、約77万人の集客が見込めることとなる。これらの参加者はMICE施設のみなら

ず、施設周辺のエリア、あるいは県内他地域を周遊することが見込まれ、県内各所に賑わ いを創出することとなる。

これは MICE エリア周辺、あるは県内観光地のイメージ向上や今後の開発可能性の向上

に繋がると考えられる。

7.1.2. 宿泊・商業需要等の平準化

沖縄県をはじめとした観光地の課題として観光集客の季節波動、曜日波動が挙げられる。

一方で MICEは学会や展示会を中心に平日に開催されることが多く、開催時期も個別案件

毎に異なるため、一般観光のハイシーズン以外の時期に開催される案件を獲得できれば、 宿泊や商業に関する需要の平準化が可能となる。

一般にホテルや商業施設の立地促進においては、繁閑差の少ない安定した需要の確保が

重要であり、計画的なMICEの誘致開催により集客の平準化を図ることができれば、それ

ら施設の立地可能性は高まり、ひいてはMICEエリア周辺を中心とした地域のポテンシャ

ル向上が期待される。

図表 MICE誘致・開催による需要の平準化

地域の

(15)

66 7.1.3. 経済波及効果の創出

施設運営による経済波及効果は需要推計の中位シナリオの場合に、約400億円/年であり、

この際、年間約5,400人の雇用を創出することとなる。これは現在沖縄で開催されている

MICEによる経済波及効果約200億円/年の約2倍に相当する。また、2013年に沖縄県内

で開催されたプロ野球春季キャンプの経済効果約82億円の約5倍に相当する。

図表 新規MICE施設整備による経済波及効果

7.2. 整備により想定される影響・課題とその対策

7.2.1. 施設周辺の渋滞の誘発

本構想で対象とするような大型MICE施設の特徴として、県内客を対象としたMICEの

開催時に、短期間に集中的に周辺交通量を増加させることが挙げられ、渋滞を引き起こす

可能性がある。これは参加者の満足度を下げるだけでなく、周辺住民の日常生活にも影響 を及ぼしかねない問題である。

既存MICE施設である沖縄コンベンションセンターでは、施設周辺の慢性的な渋滞が長

年の課題となっており、MICE 施設の整備にあたっては、現在、あるいは将来的な交通環

(16)

67 7.2.2. 音漏れによる騒音等の施設周辺への悪影響

新規MICE施設では大型コンサートの開催が見込まれているが、国内の既存MICE施設

では同様の大型催事の際に施設周辺に音が漏れ、住民へ悪影響を与えていることが問題視 されている。

それら施設では施設整備時には周辺に宅地等が集積していなかったものの、施設整備後

に周辺開発が進み、結果的にMICE施設と宅地が近接することになったという経緯がある。

本MICE施設整備においては過去の事例を教訓に、立地先の自治体と十分に協議を行い、

長期的見地観点からMICE 施設運営に支障をきたさないような施設周辺の開発を実現して

いくことが重要である。

7.2.3. 適正稼働の確保

MICE 施設は施設単体の売上では、施設の整備、運営費用を賄うことが難しい。世界的

に見ても、MICE 施設は単体で収益をあげるための施設ではなく、その集客力により地域

全体に利益をもたらす施設として認識されている。本構想においても6. 事業収支と想定さ

れる整備・運営手法で整理したように、施設整備には一定の公的負担が必要である。

ただし、この公的負担は、施設運営による多数の MICEの誘致・開催、ひいては主催者

や参加者の消費による地域への経済波及効果等の創出があってこそのものである。その創 出の実現のためには、施設運営者や沖縄県、沖縄観光コンベンションビューローをはじめ

とした主体が積極的なMICE誘致を行って行く必要がある。

MICE は誘致決定から開催までの期間が長く、特に学会では開催までに数年間を要する

ことも珍しくない。そのため新規MICE施設の供用後に誘致活動を本格化させたところで

は供用開始から数年間にわたる施設の稼働は低く、また開催による効果も限定的なものと

なってしまう。そのような事態を防ぐために、MICE 施設開業の前から積極的な誘致活動

(17)

68

8.

参考

経済波及効果の算出方法

8.1. 経済波及効果推計の考え方

新規MICE施設の運営により新たに沖縄県で開催されるMICEの参加者、および主催者

の消費による経済波及効果の推計を行った。この際、対象とする消費行動は新規MICE施

設の利用に伴う消費だけではなく、MICEを目的に沖縄を訪れた参加者の沖縄県内での消

費活動全体を対象としている。

経済波及効果の算定にあたっては、MICE主催者、参加者の消費額を求める必要がある

が、本推計では主催者の開催費用や、参加者一人当たりの消費原単位を、既存文献(主に

「MICE開催による経済波及効果測定のための簡易測定モデル作成事業」(観光庁、平成23

年3月)、以降、観光庁調査)やヒアリング調査により以下のように設定した。

なお、経済波及効果分析に用いる産業連関表は平成17年沖縄県産業連関表(35部門)で

ある。

図表 MICE 施設運営による消費額算定の考え方

MICE主催者 MICE参加者

Meeting

Incentive

Convention

(併設Exhibiton)

Exhibition

•施設利用料のみを負担。

•県内客、県外客、外国人客についてそれぞれ

消費原単位を設定。

•観光庁調査において設定されたM・I・C・E別の

消費原単位を利用。

当該文献における日帰り客⇒県内客、宿泊

客⇒県外客と読み替えた。

•ただ し、沖縄県の過去の経済波及効果算出事

例より、沖縄-本土間等の航空料金は対象外。

•また、県内交通費については地域性が強い項

目のため、別途設定。

県外客、外国人客の県内交通費は沖縄県

発表の「平成22年度観光統計実態調査」

(平成23年3月)より設定。

県内客については実態を考慮し設定。

•観光庁調査において設定された消費原単位を

利用。

•観光庁調査においてにおいて利用されている

データより回帰式を設定。併設展示会について も主催者費用が別途発生と設定。

•観光庁調査において設定された回帰式を利用。

•イベント主催者へのインタビューにより設定。

Event

そ の他

OCC未対応分

(18)

69 8.1.1. MICE参加者の消費額設定

MICE参加者の消費額は、参加者一人当たりの消費額に需要予測より求めた参加人数を

乗じて計算する。

MICE参加者の消費原単位は「MICE開催による経済波及効果測定のための簡易測定モデ

ル作成事業」(観光庁、平成23年3月)において設定された値に、以下の変更を加えたも

のとしている。

沖縄県発表の「平成22年度観光統計実態調査」(平成23年3月)では、県外、外国

人観光客の航空料金を消費額に含んでいないことから、本推計においても対象外と した。

ただし、県外客、外国人客の沖縄県内の移動に関しては、費用が発生する。こ の県内交通費については、地域性の強い項目であることから、沖縄県発表の「平

成22年度観光統計実態調査」(平成23年3月)において設定されていた値であ

る県外客・外国人客7,154円/人を採用した。

また、県内客の県内交通費については、自家用車の利用や公共交通機関の利用

が想定されるため、より実態に即したものとして、1,000円/人と設定した。

分類がその他(卒業式、入学式)やOCC未対応分のうち県民向けイベントは、県内

交通費、および飲食費(Meetingと同様)のみ発生するものとした。

図表 MICE参加者の消費原単位

MICE種別 費目 県内客 県外客 外国人客 割振り

Meeting 県内交通費(円/人) 1,000 7,154 - 運輸サービス業

宿泊費(円/人・日) 0 4,621 - 対個人サービス業

飲食費(円/人・日) 1,071 2,819 - 対個人サービス業

土産・買物費(円/人) 1,194 4,502 - ※別途配分

観光・娯楽費等(円/人) 489 1,508 - 対個人サービス業

Incentive 県内交通費(円/人) - 7,154 7,154 運輸サービス業

宿泊費(円/人・日) - 2,307 7,972 対個人サービス業

飲食費(円/人・日) - 4,092 1,665 対個人サービス業

土産・買物費(円/人) - 24,533 42,149 ※別途配分

観光・娯楽費等(円/人) - 6,037 4,591 対個人サービス業

Convention 県内交通費(円/人) 1,000 7,154 7,154 運輸サービス業

宿泊費(円/人・日) - 5,509 8,050 対個人サービス業

飲食費(円/人・日) 2,829 3,885 3,059 対個人サービス業

土産・買物費(円/人) 231 4,145 21,748 ※別途配分

(19)

70

MICE種別 費目 県内客 県外客 外国人客 割振り

Exhibition 県内交通費(円/人) 1,000 7,154 7,154 運輸サービス業

宿泊費(円/人・日) 0 4,387 8,897 対個人サービス業

飲食費(円/人・日) 1,040 3,253 4,863 対個人サービス業

土産・買物費(円/人) 372 3,527 39,917 ※別途配分

観光・娯楽費等(円/人) 27 455 10,288 対個人サービス業

Event 県内交通費(円/人) 1,000 7,154 7,,154 運輸サービス業

宿泊費(円/人・日) 0 5,026 8,832 対個人サービス業

飲食費(円/人・日) 1,374 3,582 1,736 対個人サービス業

土産・買物費(円/人) 1,753 5,280 47,758 ※別途配分

観光・娯楽費等(円/人) 117 1,644 8,899 対個人サービス業

その他 県内交通費(円/人) 1,000 - - 運輸サービス業

OCC未対応分 宿泊費(円/人・日) 0 - - 対個人サービス業

飲食費(円/人・日) 1,071 - - 対個人サービス業

土産・買物費(円/人) 0 - - ※別途配分

観光・娯楽費等(円/人) 0 - - 対個人サービス業

なお、MICE毎の催事1件あたりの参加者内訳(県内、県外、外国人)は以下のように

設定した。

図表 催事 1 件当たりの参加者内訳、滞在・宿泊日数の設定

種別 参加者規模

(人) 県内 県外 外国人 県内 県外 外国人 県内 県外 外国人

M 国内 1,5 00 1 ,50 0 2 1

I 国内 1,5 00 1 ,50 0 4 3

海外 1,5 00 1 ,50 0 4 3

C 国内学会 1,2 55 1 2 6 1 ,13 0 3 3 0 2

2,1 61 2 1 6 1 ,94 5 3 3 0 2

5,0 00 5 0 0 4 ,50 0 3 3 0 2

国際学会 1,3 23 1 3 2 66 2 52 9 3 3 3 0 2 2

2,3 76 2 3 8 1 ,18 8 95 0 3 3 3 0 2 2

4,4 94 4 4 9 2 ,24 7 1 ,79 8 3 3 3 0 2 2

Ex 沖縄大交易会 1 0,0 00 4,0 0 0 4 ,00 0 2 ,00 0 3 3 3 0 2 2

離島フェア 1 0,0 00 4,0 0 0 4 ,00 0 2 ,00 0 3 3 3 0 2 2

住居関係展示会 3 0,0 00 3 0,0 0 0 1 0

自動車展示会 1 0,0 00 1 0,0 0 0 1 0

その他(新規需要) 1 0,0 00 4,0 0 0 4 ,00 0 2 ,00 0 3 3 3 0 2 2

Ev コンサート 2 0,0 00 1 2,0 0 0 8 ,00 0 1 2 0 1

1 5,0 00 9,0 0 0 6 ,00 0 1 2 0 1

1 0,0 00 6,0 0 0 4 ,00 0 1 2 0 1

ス ポーツイベント 5,0 00 4,8 0 0 20 0 1 2 0 1

沖縄国際映画祭

-ウチナーンチュ大会

-その他 大学卒業式 2,0 00 2,0 0 0 1 0

就職試験 1,0 00 1,0 0 0 1 0

O CC未対応分 県民向けイベント 1,3 00 1,3 0 0 1 0

(20)

71 8.1.2. MICE主催者の消費額設定

MICE主催者の消費額は下記のように設定した。

■Meeting

主催者の負担経費は施設利用料金(多目的ホール)、および参加者の飲食費(企業負担

分、1人当たり5,000円と想定)とした。

施設利用料金は対事業所サービスに、参加者の飲食費は対個人サービスに割り振る。

■Incentive

主催者が負担する費用は、「MICE開催による経済波及効果測定のための簡易測定モデ

ル作成事業」(観光庁、平成23年3月)において設定された下記の値を採用した。

金額は開催期間5日間のIncentiveの場合の主催者負担額である。

県内交通費については、観光庁調査で把握されている主催者と参加者の負担割合

の比率(主催者64%、参加者36%)を利用し、本推計で設定した参加者の負担金

額7,154円/人(参加者負担の36%相当)であることから、主催者負担額は11,178円/

人(主催者負担の64%相当)とした。

図表 Incentive の主催者消費原単位

費目 単価 割振り

県内交通費(円/人) 11,178 運輸サービス業

飲食費(円/人) 21,200 対個人サービス業

宿泊費(円/人) 64,315 対個人サービス業

観光・娯楽費等(円/人) 3,574 対個人サービス業

入場料・娯楽費(円/人) 320 対個人サービス業

宴会費(円/人) 8,000 対個人サービス業

■Convention

開催事業費(主催者費用)は「MICE開催による経済波及効果測定のための簡易測定モ

デル作成事業」(観光庁、平成23年3月)において作成された会議規模(参加者規模)

と費用の回帰式導出に用いたデータを利用して算出した。

観光庁調査では、会議規模と費用の関係を線形の回帰式で表現したが、本推計で

1,000~5,000人規模の大規模会議を想定するため、規模増大による参加者一人当

(21)

72

開催事業費(千円)=72,056×ln(参加者数)-396,994

図表 Convention 参加者数と費用の関係

開催費用の詳細費目への割り当ては、「MICE開催による経済波及効果測定のための簡

易測定モデル作成事業」(観光庁、平成23年3月)に従い以下の通りとした。

また、併設展示会については、後述するExhibitionにおける主催者費用が別途発

生するものとした。

図表 Conventionの開催事業費の内訳

費目 割合 割振り

会場費・会場設営費 施設利用料 13.4% 対事業所サービス業

会場設備工事費 16.8% 対事業所サービス業

機材レンタル費 6.0% 対事業所サービス業

運送・輸送経費 0.0% 運輸サービス業

講師・招待者接遇費 講師・招待者謝金 1.6% その他

講師・招待者宿泊・飲食費 5.2% 対個人サービス業

講師・招待者交通費 4.2% 運輸サービス業

広告宣伝費 広告宣伝費 1.6% 対事業所サービス業

運営費 運営管理費 19.7% 対事業所サービス業

印刷製本費 11.6% その他の製造工業製品

事務局宿泊費 1.4% 対個人サービス業

事務局交通費 0.5% 運輸サービス業

飲食費 レセプション・パーティー費 12.9% 対個人サービス業

会議中飲料・昼食代等 1.7% 対個人サービス業

アフターコンベンション費 観光・娯楽費 0.6% 対個人サービス業

土産・買物費等 1.8% 対個人サービス業

その他 その他経費(のれん、査読) 0.9% その他

y = 72056ln(x) - 396994 R² = 0.7202

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

費用(千円)

(22)

73

■Exhibition

開催事業費は「MICE開催による経済波及効果測定のための簡易測定モデル作成事業」

(観光庁、平成23年3月)において設定された出展面積規模と開催費用の関係式を用

いて算出した。

なお、出展面積は出展者がブース出展において利用した面積で通路等は含まない。

そのため、会場面積に対する出展面積(レンタブル比)を一般的な展示会程度の

45%と設定した。

開催事業費=主催者事業費(1㎡あたり41,106円;会場設営費等)

+出展者経費(1㎡あたり40,000円;ブース設営費)

=(41,106円+40,000円)×出展面積(㎡;利用会場面積×45%)

開催費用の詳細費目への割り当ては「MICE開催による経済波及効果測定のための簡易

測定モデル作成事業」(観光庁、平成23年3月)に従い以下の通りとした。

図表 Exhibitionの開催事業費の内訳

費目 割合 割振り

会場費・会場設営費 施設利用料 54.9% 対事業所サービス業

会場設備工事費 22.9% 対事業所サービス業

機材レンタル費 1.1% 対事業所サービス業

運送・輸送経費 2.7% 運輸サービス業

講師・招待者接遇費 講師・招待者謝金 0.2% その他

講師・招待者宿泊・飲食費 0.0% 対個人サービス業

講師・招待者交通費 0.0% 運輸サービス業

広告宣伝費 広告宣伝費 3.0% 対事業所サービス業

運営費 運営管理費 9.1% 対事業所サービス業

印刷製本費 4.3% その他の製造工業製品

事務局宿泊費 0.2% 対個人サービス業

事務局交通費 0.4% 運輸サービス業

飲食費 レセプション・パーティー費 1.1% 対個人サービス業

会議中飲料・昼食代等 0.1% 対個人サービス業

アフターコンベンション費 観光・娯楽費 0.0% 対個人サービス業

土産・買物費等 0.0% 対個人サービス業

(23)

74

■Event

開催事業費は、イベント主催者へのインタビューにより下記のように設定した。

本推計で前提とするコンサートやスポーツイベントの開催経費は、参加者のチケ ット代とグッズ販売代金で賄われる。

インタビューによれば、沖縄県で開催されるコンサートの参加費(チケット代)

はおよそ8,000円程度で、参加費と同額程度のグッズが販売されるとのことであ った。

同様にスポーツイベントについては参加費3,000円とグッズ販売1,000円とした。

また総額の80%を対事業所サービス、10%を対個人サービス、10%を運輸サービス業

に割り振るものとした。

■その他およびOCC未対応分(県民向けイベント)

主催者の負担経費は施設利用料金(多目的ホール)とした。

本費用は対事業所サービスに割り振る。

※土産・買物費の割振り

MICE参加者、主催者が支払う「土産・買物費」は、「MICE開催による経済波及効果測

定のための簡易測定モデル作成事業」(観光庁、平成23年3月)を参考に、以下のよ

うに業種別に割り振った。

図表 土産・買物費の割振り

業種 県内客 県外客

外国人

Incentive Convention Exhibition Event

飲食料品 70.9% 77.0% 29.5% 30.8% 14.0% 20.9%

繊維製品 14.4% 8.5% 22.3% 27.6% 25.0% 18.6%

パルプ・紙・木製品 0.7% 1.0% - - - -

化学製品 0.8% 1.3% 17.3% 11.8% 11.5% 14.9%

電気機械 0.2% 0.8% 6.3% 5.1% 4.0% 7.9%

精密機械 1.2% 0.9% 12.8% 11.5% 12.3% 15.5%

その他の製造工業製品 11.9% 10.5% 1.6% - - -

情報通信 - - - 0.5% 7.5% 4.3%

(24)

75 8.1.3. 消費額推計結果

設定した参加者数、消費原単位をもとに、新規MICE施設におけるMICE開催に伴う消費

額の総計は約310億円/年であった。

MICE参加者、主催者の消費額の合計は約310億円となった。セグメント別ではEvent

の県外客による消費や主催者の消費が大きい。

図表 M・I・C・E 毎の消費額(需要推計中位シナリオ)

(百万円)

催事分類

参加者 主催者 合計

県内客 県外客 外国人客

Meeting - 246 - 79 325

Incentive - 229 1,521 2,373 4,123

Convention 43 1,345 128 6,045 7,561

Exhibition 257 594 897 4,005 5,753

Event 1,630 4,360 - 7,000 12,990

その他 6 - - 8 14

OCC未対応分 116 - - 161 277

(25)

76

8.2. 経済波及効果推計結果

新規MICE施設運営に伴う経済効果の推計結果は以下の通り。(需要予測中位シナリオ)

総消費額 :約310億円/年

直接効果 :約238億円/年(沖縄県内への消費効果)

経済波及効果 :約397億円/年(直接効果、間接1次・2次波及効果)

雇用効果 :約5,400人/年

誘発税収額 :約39億円/年(国税)・約8億円/年(県税)・

約9億円/年(県内市町村税)

県外流出分 7 2 億円

県外流出分 2 1 億円

経済波及効果 3 9 7 億円

粗付加価値誘発額 2 2 0 億円

雇用者所得誘発額 1 1 0 億円

雇用効果 5 ,4 1 4 人

税収効果( 県) 8 億円

   ( 市町村) 9 億円

観光消費額(購入者価格) 3 1 0 億円

観光消費額(生産者価格) 3 1 0 億円

雇用者所得誘発額: 7 1 億円

間接1次波及効果 9 6 億円

粗付加価値誘発額: 5 1 億円

雇用者所得誘発額: 2 3 億円 直

直接効果 2 3 8 億円

粗付加価値誘発額: 1 3 0 億円

間接2次波及効果 6 3 億円

粗付加価値誘発額: 3 8 億円

雇用者所得誘発額: 1 7 億円 雇用者所得増加額

9 4 億円

県内消費支出増加額 4 6 億円

(マー ジン率)

(県内自給率) (1-県内自給率)

(粗付加価値係数) (雇用者所得係数)

(逆行列係数)

(粗付加価値係数) (雇用者所得係数)

(消費性向)

(県内自給率) (1-県内自給率)

(逆行列係数)

(26)

77

経波及効果算出にあたっては、平成17年沖縄県産業連関表(35部門)を利用した。算

出フローは以下の通りである。

① 消費額(生産者価格)を計算し、各産業部門に割振り

② 流通マージンを差引、消費額(消費者価格)を計算

③ 県内自給率を乗じ、直接効果を算出

④ 産業連関表より経済波及効果(直接効果、間接1次波及効果、間接2次波及効果)

を算出

⑤ 雇用効果、誘発税収額を算出

なお、各種税率設定は以下のようにしている。

■直接税

〇対個人

種別 税率 設定根拠

国税 所得税 13.8%

平成23年度国税庁資料における平均

税率より6

県税 県民税 4.0% 実態税率より

市町村税 市町村税 6.0% 実態税率より

〇対法人

種別 税率 設定根拠

国税 法人税 35.6%

実効税率(H25年1月現在)

なお復興特別法人税は含んでいない

県税

法人事業税

6.20%

平成22年観光統計実態調査(平成23

年3月沖縄県観光商工部)より

法人県民税

市町村税 法人市町村税 7.80%

平成22年観光統計実態調査(平成23

年3月沖縄県観光商工部)より

(27)

78 ■間接税

産業連関表(取引基本表)より、粗付加価値合計額に対する間接税割合を算出し、そ

れに、MICE施設運営により発生する粗付加価値誘発額を乗じることで間接税の全体

額を算出した。

間接税の全体額を、国、県、市町村に割り振ることで、各主体に発生する間接税を算

出した。

国税庁資料、および総務省資料より、間接税全体額に占める国税、道府県税、市

(28)

79

参考)既存の沖縄開催MICEによる経済波及効果の推計

■対象データ

経済波及効果の対象としたデータは沖縄コンベンションビューローが発表している 2011

年の沖縄県内におけるMICE開催実績の結果を利用した。ただし、2011年は東日本大震災

の影響により特に、インセンティブの開催件数が例年に比べ少なかったため、インセンテ

ィブについては、2010年の開催実績を代わりに採用した。

図表 沖縄のMICE開催実績

2010年度 2011年度

※2010年度と2011年度で大幅にEの参加者数が異なるのは2010年度の結果に沖縄国際映画祭が含まれ ていないためである。

出所)沖縄観光コンベンションビューロー MICE開催実績および開催予定統計調査

なお、Eについては利用した会場と参加者規模により、ExhibitionとEventに区別し、80

件のうち5件をExhibitionとした。また、参加者の飲食費や宿泊費を算出するために、下

記に示すように MICE参加者の滞在日数と宿泊日数を、県内客、県外客、外国人客別に仮

定した。

図表 沖縄の既存開催MICEの経済波及効果推計の対象データ

県内 県外 海外 合計 県内 県外 海外 合計

M 7 2 7 ,2 2 0 9 ,6 6 6 4 7 5 1 7 ,3 6 1 M 9 4 9 ,2 5 5 7 ,1 9 9 6 4 6 1 7 ,1 0 0

I 2 0 9 6 6 1 2 6 ,8 7 7 6 4 2 2 8 ,1 8 0 I 4 8 3 1 7 ,5 0 0 6 1 9 8 ,1 5 0

C 1 0 1 4 ,3 5 7 1 7 ,0 6 8 2 ,8 4 7 2 4 ,2 7 2 C 5 4 5 ,5 7 1 1 4 ,8 9 2 9 4 0 2 1 ,4 0 3

E 2 3 1 4 ,6 1 3 2 5 ,4 6 9 2 5 4 4 0 ,3 3 6 E 8 0 4 8 3 ,3 0 2 2 9 ,1 0 7 7 ,5 7 5 5 1 9 ,9 8 4

合計 4 0 5 2 6 ,8 5 1 7 9 ,0 8 0 4 ,2 1 8 1 1 0 ,1 4 9 合計 2 7 6 4 9 8 ,1 5 9 5 8 ,6 9 8 9 ,7 8 0 5 6 6 ,6 3 7

参加者数 参加者数

分類 件数 分類 件数

県内 県外 海外 合計 県内 県外 海外 県内 県外 海外

M 9 4 9 ,2 5 5 7 ,19 9 6 4 6 1 7 ,1 0 0 1 2 2 0 1 1

I 2 0 9 6 6 1 26 ,87 7 6 4 2 2 8 ,1 8 0 1 4 4 0 3 3

C 5 4 5 ,5 7 1 14 ,89 2 9 4 0 2 1 ,4 0 3 3 3 3 0 2 2

Ex 5 2 3 ,6 0 0 1 ,93 7 5 0 8 2 6 ,0 4 5 1 2 2 0 1 1

Ev 7 5 4 5 9 ,7 0 2 27 ,17 0 7 ,0 6 7 4 9 3 ,9 3 9 1 2 2 0 1 1

合計 4 3 7 4 9 8 ,7 8 9 78 ,07 5 9 ,8 0 3 5 8 6 ,6 6 7 - - -

-分類 件数

(29)

80

■推計の前提

MICE主催者、あるいは参加者による消費額の推計は9.1.1、および9.1.2に示した新規

MICE施設の消費額の設定と同様とした。

ただし、MeetingとEventの開催費用については、以下のように仮定した。

分類 主催者による費用の設定

Meeting 新規MICE施設に関する消費額の推計においては1,500名のMeetingで会議

場3,750㎡を利用(会議+パーティーの会場、平米単価500円)する会場費

と、昼食、パーティー費用の合計で一人当たり5,000円を消費するとした。

上記設定より、参加者一人当たりに主催者が負担する費用を一人あたり6,250

円とし、うち1,250円を対事業所サービスに、5,000円を対個人サービスに振 り分けることとした。

Event Event は催事により開催費用が大きく異なるため、過去に県内で開催された

二 つの Event の 開 催費用 の 平均 値よ り 一人 当たり 開 催費 用と し て約 3 万

3,000円を設定した。

①大型大会(参加者約6,000人)、一人当たり開催費用約6万円

②演劇(参加者数約11,000人)、一人当たり開催費用約6,000円

また、来場人数が40万人以上と極めて大きい沖縄国際映画祭の開催費用は、

(30)

81

■直接消費額、経済波及効果

上記設定をもとに直接消費額、および経済波及効果を推計した結果は以下の通りである。

図表 既存開催MICEの消費額

図表 既存開催MICEによる経済波及効果

総消費額 :約153億円/年

直接効果 :約119億円/年(沖縄県内への消費効果)

経済波及効果 :約198億円/年(直接効果、間接1次・2次波及効果)

雇用効果 :約2,800人/年

誘発税収額 :約20億円/年(国税)・約4億円/年(県税)・

約4億円/年(県内市町村税)

( 百万円)

参加者消費 主催者消費 合計

M 2 5 3 1 0 7 3 6 0

I 1 ,7 0 4 3 ,0 2 6 4 ,7 2 9

C 6 5 5 4 9 3 1 ,1 4 8

E 1 3 9 4 5 6 5 9 5

Ev 3 ,2 0 3 5 ,2 7 8 8 ,4 8 1

参照

関連したドキュメント

の原文は“ Intellectual and religious ”となっており、キリスト教に基づく 高邁な全人教育の理想が読みとれます。.

○池本委員 事業計画について教えていただきたいのですが、12 ページの表 4-3 を見ます と、破砕処理施設は既存施設が 1 時間当たり 60t に対して、新施設は

層の積年の思いがここに表出しているようにも思われる︒日本の東アジア大国コンサート構想は︑

ⅴ)行使することにより又は当社に取得されることにより、普通株式1株当たりの新株予約権の払

ⅴ)行使することにより又は当社に取得されることにより、普通株式1株当たりの新株予約権の払

ⅴ)行使することにより又は当社に取得されることにより、普通株式1株当たりの新株予約権の払

 国によると、日本で1年間に発生し た食品ロスは約 643 万トン(平成 28 年度)と推計されており、この量は 国連世界食糧計画( WFP )による食 糧援助量(約

ⅴ)行使することにより又は当社に取得されることにより、普通株式1株当たりの新株予約権の払