• 検索結果がありません。

画像記録装置における記録媒体取扱技術

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "画像記録装置における記録媒体取扱技術"

Copied!
35
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成17年度

特許出願技術動向調査報告書

画像記録装置における記録媒体取扱技術

(要約版)

平成18年3月

特 許 庁

<目次>

第1章

画像記録装置における記録媒体取扱技術の 背景と調査目的

. . . . 1

第2章

画像記録装置における記録媒体取扱技術の

技術概要

. . . . 1

第3章

画像記録装置における記録媒体取扱技術の

政策・市場動向分析

. . . . 9

第4章

画像記録装置における記録媒体取扱技術の

特許動向

. . . . 14

第5章

画像記録装置における記録媒体取扱技術の

研究開発動向

. . . . 29

第6章

画像記録装置における記録媒体取扱技術の

今後日本が目指すべき研究・技術開発

. . . . 31

問い合わせ先

特許庁総務部技術調査課 技術動向班

(2)

第 1 章 背 景 と 調 査 目 的

現 在 、 デ ジ タ ル 情 報 が パ ー ソ ナ ル か ら オ フ ィ ス に 至 る ま で 広 範 に 普 及 し 、 社 会 の 隅 々 ま で 影 響 す る 時 代 と な り つ つ あ る 。 デ ジ タ ル 情 報 の 種 類 は 多 様 に わ た る が 、 文 字 、 写 真 、 動 画 な ど の 画 像 情 報 が 主 体 で あ る 。 こ れ ら 情 報 は デ ィ ス プ レ イ 上 に お い て 見 る こ と も で き る が 、 紙 等 の 媒 体 へ 出 力 し た 形 で 見 た い と の ニ ー ズ も 多 い 。 ま た 、 デ ジ タ ル 情 報 自 体 が 飛 躍 的 に 増 大 し て お り 、 結 果 と し て 、 特 に 静 止 画 像 情 報 を 紙 等 の 記 録 媒 体 に 出 力 す る ニ ー ズ は ま す ま す 増 大 し て い る 。

代 表 的 な デ ジ タ ル 情 報 の ハ ー ド コ ピ ー 出 力 装 置 に は コ ン ピ ュ ー タ 用 の プ リ ン タ 、 通 信 回 線 を 通 じ た 画 像 伝 達 装 置 で あ る フ ァ ク シ ミ リ 、 画 像 を 読 取 っ て 複 製 す る 複 写 機 が あ る 。 こ れ ら 画 像 記 録 装 置 の 目 標 と す る 性 能 は 画 質 、 出 力 速 度 が 主 で あ る が 、 ほ か に も ユ ー ザ を 想 定 し た 価 格 、 メ ン テ ナ ン ス 性 、 使 用 場 所 を 配 慮 し た 騒 音 、 排 出 物 質 、 将 来 の 環 境 ・ エ ネ ル ギ ー 問 題 へ の 対 応 な ど 、 多 く の 課 題 が 関 わ る 。 こ の た め 、 各 画 像 記 録 装 置 に 特 有 の 問 題 に マ ッ チ す る 技 術 が 求 め ら れ て い る 。

画 像 記 録 装 置 の 技 術 は 主 に 情 報 処 理 技 術 、 画 像 形 成 技 術 、 及 び 記 録 媒 体 取 扱 技 術 に 大 別 さ れ る 。 本 調 査 で は こ れ ら の う ち 、 記 録 媒 体 取 扱 技 術 を 対 象 と す る 。 記 録 媒 体 取 扱 技 術 と は 、 画 像 記 録 装 置 へ の 媒 体 の 供 給 か ら 記 録 後 の 排 出 ま で の 過 程 に お け る 、 媒 体 の 移 送 を 制 御 す る 技 術 で あ る 。 移 送 の 制 御 に よ り 、 画 質 、 速 度 、 搬 送 の 安 定 性 、 メ ン テ ナ ン ス 性 、 コ ス ト 、 環 境 性 な ど の 課 題 を 解 決 す る 。 画 像 形 成 技 術 に は 電 子 写 真 方 式 、 イ ン ク ジ ェ ッ ト 方 式 、 熱 転 写 方 式 、 感 熱 方 式 な ど 多 く の 種 類 が あ り そ れ ぞ れ 特 有 の 機 械 構 造 が 必 要 と さ れ る た め 、 記 録 媒 体 の 取 扱 い に も そ れ ら に 応 じ た 技 術 が 要 求 さ れ る 。

画 像 記 録 装 置 は 現 在 、 世 界 で の 市 場 占 有 率 に お い て 日 本 が 強 み を 持 つ 重 要 な 工 業 製 品 で あ る 。こ の 地 位 を 維 持 発 展 さ せ る こ と は 今 後 の 日 本 の 産 業 発 達 の 方 向 性 に 合 致 す る も の で あ り 、 こ れ を 支 え る 技 術 開 発 の 活 性 化 が 期 待 さ れ る 。 こ の よ う な 背 景 か ら 、 記 録 媒 体 取 扱 技 術 の 現 況 、 及 び 世 界 に お け る 日 本 の 地 位 等 の 情 報 を 提 供 す る こ と は 、 当 該 産 業 の み な ら ず 多 く の 関 連 す る 電 子 産 業 、 機 械 産 業 、 通 信 産 業 等 に と っ て 有 益 で あ る 。 そ こ で 、 本 調 査 に お い て は 画 像 記 録 装 置 に お け る 記 録 媒 体 取 扱 技 術 の 動 向 を 、 特 許 出 願 の 動 向 か ら 調 査 し 、 当 該 技 術 の 現 状 、 及 び 日 本 に お け る 将 来 的 課 題 を 明 ら か に す る 。

第 2 章 画 像 記 録 装 置 に お け る 記 録 媒 体 取 扱 技 術 の 技 術 概 要

第 1 節 調 査 対 象 の 画 像 記 録 装 置 、 及 び 記 録 媒 体 取 扱 技 術 の 関 係 に つ い て

記 録 媒 体 取 扱 技 術 と は 、 広 義 に は 移 送 の 技 術 で あ り 力 学 的 課 題 に 深 く 関 わ る 。 一 部 の 特 殊 な 媒 体 を 除 き 、 記 録 媒 体 の 力 学 的 側 面 で 共 通 す る 特 徴 は 、 厚 み に 対 す る 幅 、 長 さ の 比 が 大 き い こ と に 起 因 し て 媒 体 が 柔 軟 で あ る 点 、 厚 み 自 体 が 薄 い 点 で あ る 。 こ の た め 、 移 送 中 の 媒 体 の 機 械 的 保 持 、 位 置 ・ 姿 勢 の 制 御 な ど が 他 の 機 械 に 比 べ る と 難 し い 。 更 に 、 媒 体 表 面 に 画 像 が 記 録 さ れ る た め 、 媒 体 表 面 の 清 浄 性 維 持 が 必 要 で あ り 、 こ れ が 機 械 構 造 の 大 き な 制 約 と な る 。こ の よ う な 記 録 媒 体 取 扱 い の 特 殊 性 を 考 慮 し た 上 で 、画 像 記 録 装 置 と の 関 係 を 検 討 す る 。 本 調 査 で は 対 象 の 画 像 記 録 装 置 を プ リ ン タ 、 複 写 機 、 フ ァ ク シ ミ リ 、 及 び そ れ ら の 複 合 機 と し 、 刷 版 印 刷 機 は 除 外 す る 。 こ れ ら 装 置 に お い て 現 在 用 い ら れ て い る 記 録 方 式 に は 、 電 子 写 真 方 式 、 イ ン ク ジ ェ ッ ト 方 式 、 熱 転 写 方 式 、 感 熱 方 式 、 ド ッ ト イ ン パ ク ト 方 式 、 銀 塩 写 真

(3)

方 式 等 が あ る 。ま た 、使 用 さ れ る 記 録 媒 体 の 基 本 形 態 は 、カ ッ ト シ ー ト 、ロ ー ル 紙( ウ エ ブ )、 ピ ン 送 り 孔 付 き 媒 体 に 大 別 さ れ 、 更 に 用 途 機 能 形 態 か ら 、 封 筒 、 重 ね 伝 票 紙 な ど 特 殊 形 態 の 媒 体 が 加 わ る 。

記 録 媒 体 の 移 送 に 関 わ る 取 扱 技 術 は 、 カ ッ ト シ ー ト や ロ ー ル 紙 と い う 記 録 媒 体 の 形 態 に よ り 当 然 な が ら 異 な る が 、 記 録 装 置 用 途 あ る い は 記 録 方 式 が 異 な っ て も 、 記 録 媒 体 の 形 態 が 同 じ な ら 取 扱 技 術 は 基 本 的 に 共 通 な 部 分 が 多 い 。 た だ し 、 プ リ ン タ 、 複 写 機 、 フ ァ ク シ ミ リ で は 、 商 品 性 能 と し て の 画 質 、 速 度 、 デ ザ イ ン な ど の コ ン セ プ ト が 異 な る た め 、 個 々 の 開 発 技 術 や 特 許 出 願 の 動 向 に は 違 い が 生 じ る も の と 想 定 さ れ る 。

こ れ ら か ら 、 本 調 査 で は 特 許 出 願 動 向 、 及 び 技 術 開 発 動 向 な ど の 分 析 に お い て 、 カ ッ ト シ ー ト 、 ロ ー ル 紙 、 ピ ン 送 り 孔 つ き 媒 体 、 そ の 他 の 記 録 媒 体 の 基 本 形 態 を 分 析 基 軸 と し て 設 定 し 、 そ の 上 で 記 録 装 置 の 用 途 、 記 録 方 式 な ど を 考 慮 す る 。

第 2 節 画 像 記 録 装 置 に お け る 記 録 媒 体 取 扱 技 術 の 技 術 俯 瞰

第2-1 図、及び第 2-1 表に画像記録装置における記録媒体取扱技術の技術俯瞰図を示す。

前 者 に は 調 査 範 囲 の 全 体 像 を 示 し た 。 記 録 装 置 用 途 の う ち 刷 版 印 刷 機 を 対 象 外 と し た が 、 更 に 乗 車 券 自 動 販 売 機 、 キ ャ ッ シ ュ レ ジ ス タ 、 現 金 自 動 預 入 支 払 機(ATM)、温度記録計など画 像 記 録 装 置 を 一 部 と し て 含 む も の の 、 主 機 能 が 他 に あ る 装 置 も 対 象 外 と し た 。 ま た 複 写 機 や フ ァ ク シ ミ リ で の ハ ー ド コ ピ ー 原 稿 の 取 扱 技 術 は 、 記 録 媒 体 の 取 扱 技 術 と 類 似 で は あ る が 固 有 技 術 も あ る た め 、 本 調 査 の 対 象 外 と し た 。

第2-1 図 画像記録装置における記録媒体取扱技術の技術俯瞰(1)

プリンタ  FAX のソース

の



  

・・・・・・・・・・・

!" #$ソフト トナー・インク

*+ ,- ./

カットシート

ロール+ (ウエブ)

:;きピン-り

?@+ AB

!"C

DE!"

FG

H+IJ

,-

KLMめ

OP

QR・ST

,-

.+・FG

ロールUV

ロールWX ガイドB

シート[\

]り

^え, ab

・・・・・・

cde, fgし

・・・・・・

ローラ, ベルト

・・・・・・

kl, mn, opガイド

・・・・・・

q-, +rまり

・・・・・・

ct,-, tuvw

・・・・・・

ローラ, ベルト, チェーン

・・・・・・

I\, zり, {じ

・・・・・・

UV}~・・・・・・

@€R,klロス

・・・・・・ ‚がりガイド,„…†‡

・・・・・・ ˆPQR, ‰ŠQR・・・・・・ [\, シートFG

・・・・・・

QR}~

QRST

‹ŒST, +Iれvw

・・・・・・

/し・Ž

Ž, ピックアップ

・・・・・・

*-

z’+“”

ピントラクタ-り, KLMめ

œL



!"

œLにおける!"

¢£/¥£

¦§KL

レジストローラ

・・・・・・

l#$

!"-ªみ

(4)

第2-1 表 画像記録装置における記録媒体取扱技術の技術俯瞰(2)

用紙積載

給紙台(手差しセッ多段、マガジン)用紙 揃えガイド高さ昇降機構、検知(サイズ、高さ 用紙有無)表示(サイズ、残量)用紙補給

分離(1枚ずつ の供給)

摩擦分離機構(ピッアップローラ/ 分離ローラ ピッアップローラ/ 分離板、スクレーパ/ 分離 板)厚さ分離(ピッアップローラ/ 厚さゲート 紙の変形抵抗方式(ピッアップローラ/ セパレー ーナ爪)真空吸着分離、ばき(空気吹き付 け、紙押さえ、振動分離)ローラ部品(外形、 異形形状、摩擦係数、変形抵抗、耐磨耗特 性、配置)

搬送

搬送ローラ配置、形状、寸法、材質、シワ発生防 止形状)搬送ベルト配置、形状、寸法、材質、 静電吸着ベルト静電気除去(搬送部材の材質 選定、アース、ロナ放電方式) 反転搬送機構

搬送路配置、切替機構)

位置決め

用紙の前後位置決め機構(ローラの間欠回転、

止爪/ ローラ、停止爪付きローラ把持爪付き チェーン)用紙の左右位置決め機構(傾斜ベルト / 基準ガイド傾斜コロ/ 基準ガイド往復動押付 機構/ 基準ガイド

不正検知

重送検知(機械式、光学式、超音波式)紙詰まり 検知(用紙到着時間の遅れ、紙のたわみ量) 送路はずれ検知(蛇行、スキュー)形状不良検 知(わ、折れ)

駆動・制御

送りローラサーボモータパルスモータ電磁ク チ、ルク歯車

搬送 排紙ローラベルトガイ排紙チェーン

排紙積載 排紙台、レー

後処理

ータ積載紙揃え機構、ステープラ折り 機、孔あけ機

ロール保持

ロールスタンド下部ローラ支持方式、センター支 持(センターシャ方式、センターコーン方式) ロール交換 スピードマッチ方式、ゼロスピード方式

搬送

搬送ローラ配置、形状、寸法、材質、シワ発生防 止形状)搬送ベルト配置、形状、寸法、材質、 静電吸着ベルト進行方向変更機構(ーン バー)ウエブガイ装置

位置決め

用紙の前後位置決め機構(ローラの間欠回転、

止爪/ ローラ、停止爪付きローラ把持爪付き チェーン)用紙の左右位置決め機構(傾斜ベルト / 基準ガイド傾斜コロ/ 基準ガイド往復動押付 機構/ 基準ガイド

不正検知

重送検知(機械式、光学式、超音波式)紙詰まり 検知(用紙到着時間の遅れ、紙のたわみ量) 送路はずれ検知(蛇行、スキュー)形状不良検 知(わ、折れ)

駆動・制御

送りローラサーボモータパルスモータ電磁ク チ、ルク歯車

巻取装置

表面駆動式(駆動ローラダーローラ中心 駆動式(ロールスタンド張力制御)

後処理

ータ積載紙揃え機構、ステープラ折り 機、孔あけ機

スプロケッ

スプロケッピン形状、寸法、材質)

ピント

ベルトピン形状、寸法、材質、ベルト 質)用紙押え板、ロッ機構、給紙ガイレー

駆動制御 駆動モータギヤ、プーリ張力制御、紙切れ検

ピン送り

孔付き 連続紙

折畳み用紙

裏カーボン紙

感圧紙

ベル紙

電子写真

ンクジェ

感熱

ンパク

熱転写

銀塩写真

プリンタ

複写機

シミ

複合機

シート

ロール紙

ウエブ)

普通紙

感熱紙

普通紙

感熱紙

感圧紙

伝票

封筒

記録装置 記録方式

記録媒体の取扱技術

形態 種類 大分類 中分類 小分類(例) 課題

記録媒体

高速化

高精度送り位置

ずれ防止、高画質

化)

重送防止

紙詰まり防止

紙折れ防止

紙のシワ発生防止

記録面の汚れ防止

紙質、温湿度の変 化に安定作動

小型化

環境、騒音低減

省電力 給紙部

搬送部 排紙部 給紙部

搬送部

排紙部

ピン送

(5)

第 3 節 画 像 記 録 装 置 に お け る 記 録 媒 体 取 扱 技 術 の 基 本 構 成 1. 画 像 記 録 方 式

記 録 媒 体 取 扱 技 術 に は 、 媒 体 形 態 で 共 通 な 部 分 と 装 置 の 画 像 形 成 方 式 に 大 き く 依 存 す る 個 別 技 術 か ら な る 。 こ こ で は 、 画 像 形 成 方 式 に つ い て 基 本 事 項 を ま と め る 。

記 録 媒 体 へ の 画 像 形 成 方 式 は 様 々 な 観 点 か ら 分 類 が で き る が 、 第 2-2 表に画像形成原理か ら 見 た 代 表 的 方 式 と そ の 他 の 分 類 を 示 す 。 以 下 に そ れ ぞ れ の 原 理 と 特 徴 を 簡 単 に 説 明 す る 。

第2-2 表 画像形成方式と特徴 画 像 形 成 原 理 記 録 ヘッ有 無 形 成 手 段 と

媒 体 の接 触

記 録 時 の衝 撃

記 録 送 り シーケンス

主 な用 途 例

インパクト ヘッ方 式 接 触 シリアル プリンタ

感 熱 ヘッ方 式 接 触 シリアル

ライン

プリンタ

クシミ

熱 転 写 ヘッ方 式 接 触 シリアル

ライン

プリンタ

インクジェ ヘッ方 式 非 接 触 シリアル

ライン

プリンタ

クシミ

電 子 写 真 非 ヘッ方 式 接 触 ページ プリンタ

複 写 機

クシミ

感 光 銀 塩 写 真

( 1) ド ッ ト イ ン パ ク ト 方 式

原 理 を 第 2-2 図に示す。インクシートと媒体を重ね合わせ て 、 そ の 上 か ら ピ ン の 衝 撃 に よ り イ ン ク を 媒 体 に 移 行 さ せ る 方 式 で あ る 。 圧 力 を 用 い る の で 伝 票 等 の 重 ね 複 写 紙 に 主 に 用 い ら れ る 。

( 2) 感 熱 方 式

原 理 を 第 2-3 図に示す。媒体が感熱発色物質を含有し、押 圧 し た ヘ ッ ド の 加 熱 に よ り 媒 体 を 直 接 、 発 色 さ せ る 方 式 で あ る 。 単 色 記 録 で は 、 文 字 情 報 が 主 体

で あ る ラ ベ ル 、 レ シ ー ト 、 伝 票 等 に 多 く 使 用 さ れ る 。 カ ラ ー 記 録 で は 発 色 温 度 の 異 な る YMC3 色の発色層 を 内 部 に 有 す る 紙 を 、 加 熱 に よ り 1 色 を 発 色 さ せ て 紫 外 線 で 定 着 後 、 こ れ を 繰 り 返 し て カ ラ ー 画 像 を 得 る 方 式 が 実 用 化 さ れ て お り 、 主 に 写 真 用 に 使 用 さ れ て い る 。

( 3) 熱 転 写 方 式

原 理 を 第 2-4 図に示す。記録媒体とインクシートを重ねて、その上からヘッドを押圧しな

が ら 加 熱 を 行 う 。 イ ン ク シ ー ト の 色 素 材 が 溶 融 あ る い は 昇 華 に よ り 媒 体 側 に 移 行 し て 、 記 録 第2-2 図 ドットインパクト

方 式

第2-3 図 感熱方式 第 2-4 図 熱転写方式

aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa

aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaa

(6)

が 得 ら れ る 。 単 色 で も ラ ベ ル 用 に 使 用 さ れ る が 、 3 色 の イ ン ク シ ー ト に よ る 色 毎 の 重 ね 記 録 で カ ラ ー 記 録 が で き る 。 カ ラ ー で は 写 真 用 に も 使 用 さ れ る 。

( 4) イ ン ク ジ ェ ッ ト 方 式

原 理 を 第 2-5 図に示す。ノズルから小さなインク液 滴 を 媒 体 に 噴 射 し て 画 像 を 記 録 す る 方 式 で あ る 。 ノ ズ ル ヘ ッ ド と 記 録 媒 体 が 接 触 し な い 点 が 他 の 方 式 と 異 な る 。 主 に コ ン ピ ュ ー タ 出 力 プ リ ン タ 用 と し て 一 般 用 、 事 務 用 と も に 普 及 し て い る 。

( 5) 電 子 写 真 方 式

画 像 記 録 部 の 装 置 構 成 を 第2-6 図に示す。また、 画 像 形 成 の ス テ ッ プ を 第2-7 図により説明する。

・ 帯 電 : 感 光 体 表 面 を 均 一 な 電 荷 で 覆 う 。

・ 露 光 : 画 像 形 成 部 に 光 を 照 射 し て 電 荷 を 除 荷 し 、 電 気 的 潜 在 画 像 を 形 成 す る 。

・現 像:感 光 体 表 面 の 潜 在 画 像 に ト ナ ー を 付 着 さ せ 、 像 を 顕 在 化 す る

・ 転 写 : 記 録 媒 体 の 裏 か ら 逆 電 位 を 印 加 し 、 ト ナ ー を 記 録 媒 体 に 移 行 さ せ る

・ 定 着 : 熱 と 圧 力 に よ り 記 録 媒 体 上 の ト ナ ー を 定 着 さ せ る 。

・ 清 掃 、 除 電 : 感 光 体 を 初 期 状 態 に 戻 す 。

電 子 写 真 方 式 の 現 像 ∼ 転 写 ∼ 定 着 工 程 に は カ ラ ー 画 像 形 成 、 両 面 印 刷 な ど に 対 応 し た 様 々 な 方 式 が あ る た め 、 そ れ ら が 記 録 媒 体 取 扱 技 術 と 密 接 に 関 連 す る 。

2. 記 録 媒 体 の 種 類

画 像 記 録 装 置 に 適 用 で き る 記 録 媒 体 は 、 画 像 記 録 方 式 に 大 き く 依 存 す る 。 第 2-3 表には各 方 式 に 対 応 す る 記 録 媒 体 の 例 を 示 す 。 な お 、 媒 体 の 材 質 、 形 状 、 表 面 状 態 な ど に よ り 、 記 録 装 置 側 で 特 別 な 対 応 が 必 要 と な る 媒 体 を 、 本 調 査 で は 特 殊 媒 体 と し て 扱 っ た

第2-5 図 インクジェット方式

第2-7 図 電子写真方式の画像形成ステップ 第2-6 図 電子写真方式

(7)

第2-3 表 記録媒体の種類の例

画 像 記 録 方 式 記 録 媒 体 特 殊 媒 体 画 像 記 録 方 式 記 録 媒 体 特 殊 媒 体

普 通 紙 普 通 紙

フォト フォト

伝 票 フォーム紙 ラベル紙

ラベル紙 伝 票 フォーム紙 特 殊 媒 体

ハガキ、封 筒 特 殊 媒 体 ハガキ、封 筒 特 殊 媒 体

帳 票 特 殊 媒 体 帳 票 特 殊 媒 体

名 刺 特 殊 媒 体 名 刺 特 殊 媒 体

OHP フィルム 特 殊 媒 体 樹 脂 カード 特 殊 媒 体

電 子 写 真

ブ紙 特 殊 媒 体

熱 転 写

普 通 紙 感 熱 カッ紙 ( モ ノク ロ )

インクジェ 感 熱 ロール紙 ( モ ノク ロ )

フォト 感 熱 フォト紙 ( カ ラ ー )

ラベル紙

伝 票 フォーム紙 特 殊 媒 体

感 熱

ハガキ、封 筒 特 殊 媒 体 普 通 紙

帳 票 特 殊 媒 体 感 圧 紙 ( 重 ね複 写 紙 )

名 刺 特 殊 媒 体 伝 票 フォーム紙 特 殊 媒 体

OHP フィルム 特 殊 媒 体 ( 重 ね複 写 紙 )

光 ディスク 特 殊 媒 体 帳 票 特 殊 媒 体

布 地 特 殊 媒 体

イ ン ク シ ゙ェッ ト

樹 脂 カード 特 殊 媒 体

インパクト

3. 記 録 媒 体 取 扱 技 術

こ こ で は 記 録 媒 体 取 扱 技 術 の 代 表 例 と し て 、 カ ッ ト シ ー ト の 場 合 の 幾 つ か を 例 示 す る 。 3. 1 給 紙 部

給 紙 部 で は 記 録 媒 体 に 対 し 、 主 に 媒 体 の 保 持 ・ 収 納 、 取 出 し 、 分 離 を 担 う 。 (1) 収納

1 枚ずつ用紙を供給する場合には、手差し給紙口から手動で作業される。しかし、多くの 場 合 は 用 紙 積 載 装 置 か ら 自 動 供 給 さ れ る 。 使 用 状 態 に よ り 変 化 す る 用 紙 取 出 し 位 置 レ ベ ル を 調 整 す る 昇 降 装 置 が 使 用 さ れ る 。 多 種 類 の 媒 体 を 切 替 え て 使 用 す る 場 合 に は 、 用 紙 寸 法 ご と の ケ ー ス に 積 載 収 納 さ れ る 。 ケ ー ス は 必 要 に 応 じ 各 種 機 能 構 造 を 有 す る 。 例 え ば 、 用 紙 の 縦 横 の 位 置 決 め ガ イ ド 、 用 紙 押 上 バ ネ 、 用 紙 残 量 セ ン サ 、 用 紙 乾 燥 装 置 、 用 紙 分 離 装 置 な ど で あ る 。

(2) 取出しと分離

用 紙 の 搬 送 は 、 積 載 用 紙 か ら 用 紙 を 取 り 出 す こ と に 始 ま る 。 取 出 し は 通 常 、 ゴ ム な ど の 摩 擦 係 数 の 大 き い 材 料 で 作 ら れ た ロ ー ラ を 、 積 み 重 ね ら れ た 紙 の 最 上 面 あ る い は 最 下 面 に 押 し 付 け て 回 転 さ せ 用 紙 を 繰 り 出 す 摩 擦 式 が 多 い 。 取 出 し 時 の 用 紙 が 複 数 枚 同 時 に 持 ち 上 が る こ と が あ る た め 、 取 り 出 さ れ た 用 紙 は 1 枚ずつに分離される。この工程は分離と呼ばれる。第 2-8 図に例示する機構では高摩擦ローラで用紙を取出し、コーナー爪と協同してたわみを作 り1 枚を分離する。

第 2-9 図では取り出された用紙が、給紙ローラ部において分離される例である。分離ロー

ラ は 給 紙 方 向 に 対 し 逆 転 し て お り 、 摩 擦 力 の バ ラ ン ス に よ り 最 上 部 の 1 枚のみを分離する。 な お 、 分 離 ロ ー ラ よ り 簡 易 な 構 造 と し て は 上 記 の 第 2-9 図中に示すような静止した摩擦パッ

(8)

ド が 使 用 さ れ る こ と も 多 い 。 給 紙 ロ ー ラ は 、 媒 体 収 納 ・ 給 紙 部 の 出 口 、 画 像 記 録 部 へ の 搬 送 部 入 り 口 に 位 置 す る た め 、 給 紙 部 と 搬 送 部 の い ず れ の 部 品 で あ る か の 定 義 は 難 し い 。 本 調 査 で は 給 紙 ロ ー ラ 部 を 搬 送 部 の 部 品 と し て 扱 う 。

3. 2 搬 送 部

搬 送 部 は 画 像 記 録 部 前 後 の 媒 体 の 移 動 を 担 う 部 分 で あ る 。 特 に 画 像 の マ ク ロ 的 位 置 、 複 数 画 素 の 相 互 の ミ ク ロ 位 置 を 決 め る 工 程 で あ り 、 画 質 に 直 接 影 響 す る 重 要 な 部 分 で あ る 。

搬 送 工 程 は 画 像 記 録 が ヘ ッ ド 方 式 の 場 合 と 電 子 写 真 方 式 の 場 合 と で 大 き く 異 な る 。 ヘ ッ ド 方 式 で は 画 像 記 録 時 に は 記 録 媒 体 は 静 止 し て い る 。 幅 方 向 の 記 録 が 終 了 す る と 記 録 長 の 分 だ け 記 録 媒 体 は 搬 送 方 向(副走査方向)に移動され、記録を繰り返す。すなわち、記録媒体の間 欠 送 り で 画 像 の 連 続 性 を 保 証 す る 点 が 特 徴 で あ る 。

一 方 、 電 子 写 真 方 式 で は 記 録 媒 体 の 搬 送 は 連 続 的 に 行 わ れ る 。 画 像 形 成 は 、 転 写 手 段 、 定 着 手 段 で あ る ロ ー ラ 、 ベ ル ト な ど に 密 着 し て 行 わ れ る た め 、 画 像 形 成 と 記 録 媒 体 搬 送 を 独 立 し た 作 用 と し て は 扱 え な い 点 が ヘ ッ ド 方 式 に 対 す る 大 き な 違 い で あ る 。

し か し な が ら 、 要 素 技 術 レ ベ ル で 見 る な ら 、 記 録 媒 体 の 搬 送 機 構 、 定 速 制 御 、 位 置 決 め 制 御 、 反 転 機 構 な ど 共 通 な 技 術 も 多 い 。 以 下 で は 代 表 的 な 要 素 技 術 に つ い て 説 明 す る 。

(1) 記録媒体の先端位置決め(レジスタリング)

位 置 決 め は 随 所 で 行 わ れ る が 、 最 も 重 要 な 箇 所 は 画 像 記 録 直 前 の 位 置 決 め で あ る 。 こ れ は 画 像 の マ ク ロ 的 形 成 位 置 の み で な く 、 カ ラ ー の た め の 繰 返 し 記 録 で は 各 色 の 画 素 の 重 な り に 影 響 す る 。

位 置 決 め に 使 用 さ れ る ロ ー ラ 部 品 が レ ジ ス ト ロ ー ラ で あ る 。 そ の 代 表 的 な 機 構 原 理 を 第2-10 図に示す。用 紙 は 給 紙 ロ ー ラ か ら 搬 送 さ れ 、 静 止 状 態 の レ ジ ス ト ロ ー ラ の ニ ッ プ 部 に 衝 突 す る 。 給 紙 ロ ー ラ か ら 用 紙 の 送

出 し が 続 い て い る の で 、 用 紙 は ル ー プ(たわみ)を形成しながら先頭端面全体がローラに接す る よ う に な る 。 す な わ ち 、 ロ ー ラ の ニ ッ プ 部 を 基 準 位 置 と し て 記 録 媒 体 の 先 端 が 位 置 決 め さ れ る こ と に な る 。

位 置 決 め が 終 了 す る と レ ジ ス ト ロ ー ラ は 回 転 を 開 始 し 、 記 録 媒 体 を 記 録 部 に 搬 送 す る 。 ヘ ッ ド 方 式 、 電 子 写 真 方 式 い ず れ に お い て も 、 レ ジ ス ト ロ ー ラ 位 置 と 画 像 記 録 位 置 は 厳 密 に 位 置 合 せ さ れ て お り 、 レ ジ ス ト ロ ー ラ か ら 搬 送 が 開 始 さ れ る と 所 定 時 間 後 に 画 像 記 録 が 開 始 さ れ る 。

第2-10 図 レジストローラの作用

第2-9 図 摩擦分離方式 第2-8 図 コーナー爪分離方式

(9)

(2) 記録媒体の搬送手段

搬 送 の 要 素 手 段 と し て は 、 ロ ー ラ 、 ベ ル ト 、 ガ イ ド が 代 表 的 で あ る 。

ロ ー ラ 搬 送 で は 駆 動 ロ ー ラ と 従 動 ロ ー ラ の 組 合 せ で 使 用 さ れ る こ と が 多 い 。 ま た 媒 体 駆 動 の 摩 擦 力 を 得 る た め に 一 方 に ゴ ム ロ ー ラ の 使 用 さ れ る こ と が 多 い 。 ロ ー ラ 間 の 搬 送 方 向 接 触 長 を ニ ッ プ 幅 と 呼 ぶ が 、 ニ ッ プ 部 で は 媒 体 の 厚 み に よ り ロ ー ラ と の す べ り が 生 じ る の で 高 精 度 な 搬 送 で は こ れ に 配 慮 す る 必 要 が あ る 。

ベ ル ト に よ る 搬 送 で は 、搬 送 位 置 、搬 送 速 度 の 保 証 の た め タ イ ミ ン グ ベ ル ト が 使 用 さ れ る 。 ベ ル ト 搬 送 で は 、 記 録 媒 体 固 定 、 ベ ル ト の 速 度 変 動 、 及 び 幅 方 向 の 蛇 行 が 特 に 大 き な 問 題 で あ る 。 媒 体 の 固 定 に は 真 空 吸 着 あ る い は 静 電 吸 着 が 多 く 用 い ら れ る 。 速 度 変 動 と 蛇 行 の 問 題 は 、 機 械 的 な 手 段 と と も に 、 電 気 的 手 段 に よ り 制 御 さ れ る 。

(3) 記録媒体の搬送機構の駆動

記 録 媒 体 の 搬 送 駆 動 力 は モ ー タ に よ る 。 位 置 決 め 、 速 度 制 御 が 特 に 重 要 な 機 能 で あ る 。 ス テ ッ ピ ン グ モ ー タ は 与 え た1 パルスで単位量の回転をするので、パルスの数、周波数で位置、 速 度 の 制 御 が 容 易 に で き る 。 価 格 も 安 く 、 制 御 も 単 純 化 で き る の で 、 画 像 記 録 装 置 で は 一 般 に ス テ ッ ピ ン グ モ ー タ が 使 用 さ れ る 。 し か し 、 大 き な 負 荷 に よ る す べ り 、 静 止 時 の バ ッ ク ラ ッ シ ュ 、 パ ル ス に 基 づ く 間 欠 運 動 に よ る 振 動 な ど の 問 題 も あ る 。 こ の た め 、 最 近 で は 歯 車 減 速 な ど 機 械 的 な 対 策 、 駆 動 量 の 検 知 な ど 電 気 制 御 的 な 対 策 が と ら れ て い る 。

(4) 記録媒体の送り量制御

レ ジ ス ト ロ ー ラ で 位 置 決 め さ れ た 記 録 媒 体 は 、 レ ジ ス ト ロ ー ラ の 駆 動 開 始 に よ り 画 像 記 録 部 に 搬 送 さ れ る 。 ヘ ッ ド 方 式 で は 記 録 媒 体 が 間 欠 的 に 送 ら れ る た め 、 記 録 媒 体 の 送 り 量 は 画 質 に 直 接 影 響 す る 。 送 り 量 は 一 般 に モ ー タ の 回 転 量 に よ り 制 御 さ れ る の で ギ ヤ 等 伝 達 系 部 品 の 加 工 、 組 み 付 け 精 度 が 影 響 す る の は 当 然 な が ら 、 起 動 、 搬 送 、 停 止 に 伴 う 動 的 な 問 題 も あ る 。 こ れ を 解 決 す る に は 、 組 立 て 後 出 荷 時 の 較 正 、 ユ ー ザ に よ る 使 用 中 の 較 正 な ど も 有 効 な 手 段 と な っ て い る 。

電 子 写 真 方 式 の 記 録 装 置 で は 、 レ ジ ス ト ロ ー ラ 起 動 後 に 、 時 間 的 な タ イ ミ ン グ を 基 準 と し て 転 写 画 像 の 書 込 み が 開 始 さ れ る た め 、 媒 体 と 画 像 の 同 期 は 極 め て 重 要 と な る 。 機 械 的 に 安 定 化 を 図 る 以 外 に 、 用 紙 位 置 の 検 知 を 伴 う 記 録 媒 体 の 速 度 制 御 あ る い は 位 置 制 御 な ど 主 に 電 気 的 手 段 が 多 用 さ れ る 。

(5) 記録媒体の反転(両面印刷)

両 面 印 刷 で は 、 多 く の 場 合 は 第 1 面(表面) を 記 録 後 、 媒 体 を 反 転 さ せ て 第 2 面(裏面)が 記 録 さ れ る 。 反 転 型 両 面 記 録 に お け る 記 録 媒 体 の 搬 送 経 路 の 例 を 第 2-11 図に示す。第 1 面 が 記 録 さ れ た 媒 体 は 反 転 搬 送 路 に 導 入 さ れ 、 中 間 ト レ イ 部 に 至 っ て 表 裏 反 転 の 状 態 と な る 。 次 い で 、 中 間 ト レ イ か ら ス イ ッ チ バ ッ ク 搬 送 に よ り 進 行 方 向 が 逆 転 さ れ 第2 面の画像記録 部 に 送 り 出 さ れ る 。 ス イ ッ チ バ ッ ク 部 ま で の

第2-11 図 両面記録用 反 転 搬 送 路 で の 用 紙 の 動 き

(10)

進 入 路 と 、 そ こ か ら の 送 出 し 路 の 経 路 切 替 え 部 を 通 過 す る 。 搬 送 路 の 構 造 が 複 雑 な こ と と 、

第1 面記録時の用紙のカールのため、ジャムが大きな問題となる。

3. 3 排 出 部 、 後 処 理 部

排 出 部 で は 給 紙 部 と は 逆 に1 枚ずつ分離されていた記録媒体を端面、コーナーなどを整列 し て 積 層 す る 整 合 機 能 を 主 な 機 能 と す る 。 排 出 搬 送 中 に は 画 像 に 傷 を 付 け な い 配 慮 は 当 然 な が ら 、 画 像 記 録 後 の 記 録 媒 体 は 画 像 形 成 、 搬 送 の 過 程 に お け る 熱 的 履 歴 、 力 学 的 履 歴 、 イ ン ク 等 の 表 面 被 覆 に よ り 、 寸 法 、 平 面 性 、 表 面 摩 擦 係 数 が 変 化 し て い る 点 が 、 取 扱 い 上 の 特 徴 で あ る 。 こ の よ う な 記 録 媒 体 の 特 性 変 化 は 、 上 記 整 合 に 影 響 す る ほ か 、 排 出 搬 送 に お け る ジ ャ ム な ど に も 影 響 す る 。

排 出 部 で は 単 に 排 出 整 合 を 行 う ば か り で な く 、 各 種 後 処 理 が 施 さ れ る 。 代 表 的 な 後 処 理 機 能 に は 次 の よ う な も の が あ る 。

・ 反 転 排 出

・ 分 別(ソーティング)

・ と じ(ステープリング)

・ 切 断(カッティング)

・ 折 り(フォールディング)

第 3 章 政 策 ・ 市 場 動 向 分 析

第 1 節 政 策 動 向

1. 関 連 す る 政 策 プ ロ ジ ェ ク ト の 概 況

画 像 記 録 装 置 に お け る 記 録 媒 体 取 扱 技 術 に 関 す る 日 米 欧 の 政 策 動 向 を 、 政 策 プ ロ ジ ェ ク ト の 面 か ら 調 査 し た 。 プ リ ン タ 、 複 写 機 、 フ ァ ク シ ミ リ 等 の 画 像 記 録 装 置 に お け る 記 録 媒 体 取 扱 技 術 を 主 要 課 題 と す る 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト は 、 ど の 地 域 に お い て も ほ と ん ど 実 施 さ れ て い な い 。 当 該 技 術 は 、 政 策 に 誘 導 さ れ て 研 究 開 発 さ れ る と い う よ り は 、 専 ら 産 業 側 が 中 心 に な っ て 推 進 さ れ て い る 技 術 と い え る 。

当 該 技 術 に 関 わ る 組 織 的 プ ロ ジ ェ ク ト は 、 日 本 、 米 国 、 欧 州 い ず れ に お い て も 見 ら れ な い が 、当 該 技 術 に 比 較 的 近 い 公 的 支 援 に は 、米 国 オ ク ラ ホ マ 州 立 大 学 の WHRC(Web Handling Research Center)の活動がある。同所は NSF(全米科学財団)が支援する大学の研究成果を民 間 に 移 転 す る た め の 組 織 の 一 つ で あ り 、ウ エ ブ を 各 種 材 料 の 大 量 生 産 に 適 し た 形 態 と と ら え 、 金 属 、 繊 維 、 印 刷 な ど ウ エ ブ が 関 わ る す べ て の 用 途 を 対 象 と し て 、 主 に 力 学 面 か ら 研 究 に 取 り 組 ん で い るA-3-1)

一 方 、 日 本 に お い て は 、 経 済 産 業 省 が 2001 年より「高度情報通信ネットワーク社会形成 基 本 法 」 を 施 行 し 、 現 在 を 「 e − J a p a n 戦 略 の 時 代 」 と し て IT 社会を支える様々なハ ー ド ウ エ ア の 開 発 の 推 進 が 提 言 さ れ て い る が 、 個 別 技 術 と し て 記 録 出 力 装 置 に ま で は 言 及 さ れ て い な いA-3-2)。 ま た 経 済 産 業 省 が2004 年に発表した科学政策「新産業創造戦略」におい て 、「 情 報 家 電 」分 野 で は 川 下 す な わ ち セ ッ ト 機 器 の 分 野 に 注 力 す べ き と し て い る 。画 像 記 録

A-3-1) 情報ソース http://128.150.4.107/pubs/1997/nsf9397/nsf9397.txt

(11)

装 置 は ま さ し く セ ッ ト 機 器 に 該 当 す る 機 器 で あ る 。 上 記 の よ う な 背 景 か ら は 、 画 像 記 録 装 置 の 技 術 開 発 は 、 特 定 さ れ て な い も の の 大 綱 に お い て は 国 の 政 策 方 向 に 適 合 す る 分 野 で あ る

A-3-3)

2. 規 制 政 策

画 像 記 録 装 置 の 規 制 に 関 し て は 、 省 エ ネ ル ギ ー と 環 境 の 両 面 に お い て 実 施 さ れ て い る 。 2. 1 消 費 エ ネ ル ギ ー

消 費 エ ネ ル ギ ー に 関 し て は 経 済 産 業 省 告 示

「 複 写 機 の 性 能 の 向 上 に 関 す る 製 造 事 業 者 等 の 判 断 の 基 準 等 」 に よ り 、 国 内 向 け の 複 写 機 の エ ネ ル ギ ー 消 費 効 率 の 上 限 値 が 第 3-1 図に示すよ う に 規 制 さ れ て い る A-3-4)

大 型 機 、 高 速 機 ほ ど 大 き な 消 費 効 率 が 認 め ら れ て い る が 、 単 位 時 間 、 単 位 画 像 記 録 面 積 を 考 慮 し た も の で あ る 。 対 象 複 写 機 は 「 エ ネ ル ギ ー の 使 用 の 合 理 化 に 関 す る 法 律 施 行 令 」 に お い て 電 子 写 真 方 式 の カ ラ ー 複 写 機 に 限 定 さ れ て い る 。

2. 2 環 境 規 制

「 資 源 の 有 効 な 利 用 の 促 進 に 関 す る 法 律 」 で は 、 様 々 な 面 か ら 工 業 製 品 の 環 境 対 策 を 実 施 し て い る が 、 複 写 機 は 特 定 再 利 用 業 種(再生資源・再生部品を原材料として利用すべき業種) に 位 置 付 け ら れ て い る 。 ま た 、「 国 等 に よ る 環 境 物 品 等 の 調 達 の 推 進 等 に 関 す る 法 律 」(グリ

ー ン 購 入 法)では、国等の各機関では環境物品等の調達方針を作成・公表し、これに基づいて

環 境 物 品 等 の 調 達 の 推 進 を 図 っ て い る 。 本 政 策 か ら 、(財)日本環境協会では環境基準適合性 の 審 査 に よ り 合 格 品 に エ コ マ ー ク を 認 定 付 与 し て い る A-3-5)。最 近 で は 複 写 機 、プ リ ン タ に エ コ マ ー ク 認 定 品 が 多 く な り つ つ あ るA-3-6)

画 像 記 録 装 置 に お け る 記 録 媒 体 取 扱 技 術 と の 関 わ り は 、 例 え ば 発 が ん 性 物 質 不 使 用 な ど 環 境 適 合 性 か ら ゴ ム 材 質 、 ト ナ ー な ど が 変 更 さ れ る と 、 摩 擦 特 性 の 変 化 が 搬 送 性 能 に 影 響 す る ケ ー ス な ど で あ る 。

A-3-2) 情報ソース http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g41217b40j.pdf

A-3-3) 情報ソース http://www.meti.go.jp/press/20050613003/2-sennryaku2005-set.pdf A-3-4) 情報ソース http://www.eccj.or.jp/law/machine/copy.html

A-3-5) 情報ソース http://www.ecomark.jp/pdf/117_b.pdf A-3-6) 情報ソース http://www.ecomark.jp/pdf/copyseni.pdf

第3-1 図 複写機の消費エネルギーに 関 す る 規 制 値 A-3-4)

0 100 200 300 400 500 600

0 20 40 60 80 100

最大速度 枚/ 分

(12)

第 2 節 市 場 動 向 1. 市 場 規 模 の 推 移

画 像 記 録 装 置 に お け る 記 録 媒 体 取 扱 技 術 の 主 な 応 用 製 品 と 考 え ら れ る プ リ ン タ 、 複 写 機 、 フ ァ ク シ ミ リ の 世 界 市 場 規 模 は 、 2003 年において、プリンタでは約 10,200 万 台 、複 写 機 で は 約580 万台、ファクシミ リ で は 約 1,900 万台となっている。

世 界 市 場 の 予 測 で は 、 例 を 第 3-2 図に示 す が 、プ リ ン タ で は 年6%、複写機では年 2

∼3%の伸びが期待されている。市場拡大の

プ ラ ス 要 因 と し て は 、

① モ ノ ク ロ か ら カ ラ ー へ の 買 替 え 需 要 、

② 専 用 機 か ら 多 機 能 複 合 機 へ の 買 替 え 需 要

③ 将 来 の IT・ネットワーク社会の進展に対 応 し た 需 要

④ デ ジ カ メ の 普 及 に よ る カ ラ ー プ リ ン タ 需 要

⑤ 中 国 を 含 め た ア ジ ア ・ 東 欧 市 場 の 伸 び な ど が 想 定 さ れ て い る 。

2. 輸 出 入 の 動 向

プ リ ン タ 、 複 写 機 、 フ ァ ク シ ミ リ の 輸 出 入 で は 、 最 近 で は い ず れ の 装 置 に お い て も 、 輸 入 が 輸 出 を 上 回 っ て い る 。 特 に プ リ ン タ と フ ァ ク シ ミ リ で は そ の 差 が 大 で あ る 。 プ リ ン タ の 例 を 第3-3 図に示す。日本のメーカが海外 に 生 産 拠 点 を 移 し つ つ あ る た め 、 海 外 市 場 に は 生 産 国 か ら 直 接 輸 出 し 、 こ の 結 果 、 日 本 か ら の 輸 出 が 減 少 し て い る と い え る 。 ま た 、 輸 入 は 日 本 国 内 市 場 に 対 応 す る も の と 推 測 さ れ る 。

第3-2 図 複写機の世界市場推移と 2004 年以降の予測

- 2,000 4,000 6,000 8,000

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

A-3-7) 情報ソース: "2004 光産業予測便覧",Vol.2, 富 士 キ メ ラ 総 研, p.118 より作図

第3-3 図 プリンタの輸出入動向

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

2002 2003 2004 2005

輸出 輸入

A-3-8) 情報ソース: 財務省輸出貿易統計、 財 務 省 輸 入 貿 易 統 計 よ り 作 図

(13)

3. 市 場 シ ェ ア

電 子 写 真 方 式 カ ラ ー プ リ ン タ と イ ン ク ジ ェ ッ ト プ リ ン タ の 世 界 シ ェ ア で は 、米 国Hewlett-Packardt が そ れ ぞ れ33%と 41%で 1 位にあり、国別でも米国 が1 位にある。日 本 は わ ず か に 劣 勢 で2 位にあるが、 日 米 で 世 界 の ほ と ん ど を 占 め る 。 フ ァ ク シ ミ リ の 場 合 に は パ ナ ソ ニ ッ ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ズ が1 位に あ り 、 日 本 が 全 体 の 過 半 を 占 め る 。 デ ジ タ ル 複 写 機 で は リ コ ー が1 位であり、日本が全体の 90%を占め る 。 複 写 機 の 例 を 第 3-4 図に示す。このように、全 体 的 に は 画 像 記 録 装 置 の 市 場 は 日 本 と 米 国 が 支 配 し て お り 、日 本 が リ ー ド し て い る 分 野 と い え る 。ま た 、 装 置 の タ イ プ に よ り 上 位 企 業 は 異 な る が 、 少 数 の 企 業 が 市 場 を 支 配 し て い る 構 造 に あ る 。 こ の よ う な 状 況 に お い て は 、 当 該 分 野 に 中 小 企 業 、 ベ ン チ ャ ー 企 業 が 参 入 す る こ と は 難 し い と も の と 考 え ら れ る 。

第 3 節 複 写 機 お よ び プ リ ン タ の 性 能 の 推 移

複 写 機 、プ リ ン タ 、フ ァ ク シ ミ リ 等 の 画 像 記 録 装 置 の 性 能 と し て は 画 質 、速 度 が 代 表 的 で あ り 、 こ れ ら は 近 年 急 速 に 向 上 し て き た 。 こ の よ う な 状 況 は 当 然 記 録 媒 体 の 取 扱 技 術 に も 大 き な 影 響 を 与 え て い る は ず で あ る 。そ こ で 、画 像 記 録 装 置 の 性 能 値 の 推 移 に つ い て 調 査 し た 。 こ こ で は 例 と し て 電 子 写 真 方 式 複 写 機 の 性 能 の 変 化 を キ ヤ ノ ン の 場 合 に つ い て 、 イ ン ク ジ ェ ッ ト プ リ ン タ の 性 能 の 変 化 を セ イ コ ー エ プ ソ

ン の 場 合 に つ い て 例 示 す る A-3-10)

1. 電 子 写 真 方 式 複 写 機 ( キ ヤ ノ ン ) の 事 例 第3-5 図は、新製品のモデル数の推移を装 置 種 別 に よ り 比 較 し た も の で あ る 。1999 年以 降 ア ナ ロ グ 機 は 大 き く 減 少 し て い る 。 一 方 、 デ ジ タ ル モ ノ ク ロ 機 と デ ジ タ ル カ ラ ー 機 が 1998 年頃から増加している。

A-3-10) データはメーカ各社から提供されたカタログ等であり、年次は資料の発行年である。モデル数は入 手 資 料 上 で 解 像 度 、 記 録 速 度 性 能 値 の 得 ら れ た モ デ ル の 数 で あ り 、 厳 密 な 数 字 で は な い 。 性 能 値 は 各 社 の 評 価 値 に 基 づ く も の で あ り 、 メ ー カ 間 の 直 接 の 比 較 は で き な い 。

第3-4 図 デジタル複写機の 世 界 シ ェ ア(売上高)

コー 32%

キヤノ 22% 富士ゼロッ

21% シャープ 9% ニカミ

ルタ 8%

その他 8%

A-3-9) 情報ソース: 経済産業省産業 構 造審 議 会 、情 報 経 済 分 科 会 資 料(2004.12.17)より 作 図

第3-5 図 複写機の新製品モデル数の推移 (キヤノン)

0 5 10 15 20 25 30 35

1994 1996 1998 2000 2002 2004

アナログモノロ機 デジタルモノロ機 デジタルカラー機

(14)

多 く の モ デ ル が 発 表 さ れ て い る が 、こ れ ら は 価 格 、 性 能 が 異 な る 。 そ こ で 性 能 の 推 移 に お い て は 、 各 年 毎 に 最 も 高 い 性 能 値 を 抽 出 し た 。 第3-6 図には、プリント解像度の推移を 示 す 。 デ ジ タ ル モ ノ ク ロ 機 の 解 像 度 は 2400dpi の一定で推移しているのに対し、デ ジ タ ル カ ラ ー 機 の 解 像 度 は1998 年の 400dpi か ら 2002 年の 9600dpi にまで急速に向上し て い る 。

第3-7 図には、モノクロ画像記録時の速度 性 能 の 推 移 を 示 す 。 デ ジ タ ル モ ノ ク ロ 機 で は 1998 年頃から高速化が進行している。2001 年 に は 最 も 高 速 な 装 置 が 発 表 さ れ て い る が 、 こ の 時 期 を 除 く と お お む ね 60 枚/分で飽和し て い る 。 デ ジ タ ル カ ラ ー の モ ノ ク ロ 速 度 は モ ノ ク ロ 専 用 機 よ り も 遅 か っ た が 、 徐 々 に 向 上 し 、2003 年にはほぼモノクロ専用機並みに達 し て い る 。 な お 、 デ ジ タ ル カ ラ ー 機 の カ ラ ー 画 像 記 録 速 度 は モ ノ ク ロ 出 力 に 比 べ 遅 い 傾 向 が あ る が 、 近 年 そ の 差 は 小 さ く な っ て い る 。

2. イ ン ク ジ ェ ッ ト プ リ ン タ ( セ イ コ ー エ プ ソ ン ) の 事 例

前 項 の 複 写 機 の 場 合 と ほ ぼ 同 様 に2000 年以降に多くのモデルが発表された。第 3-8 図に は 、プ リ ン ト 解 像 度 の 推 移 を 示 す 。2002 年から急速に性能向上の進んだことが明らかである。

第3-9 図には、速度性能の推移を示す。電子写真方式に比べると速度が遅いため、速度性

能 の 表 記 単 位 が 異 な る 。 こ こ で は 所 定 の 用 紙 へ の 出 力 に 要 す る 時 間 を 単 位 と し て い る 。 図 よ り 、1999 年から 2001 年までのわずか 2 年で速度が 2 倍以上改善されており、その後も性能 の 向 上 が 継 続 し て 進 行 し て い る 。

第3-7 図 デジタル複写機の記録速度 の 推 移-モノクロ出力- (キヤノン)

モノロ出力

0 20 40 60 80 100 120

1994 1996 1998 2000 2002 2004

アナログモノクロ機 デジタルモノロ機 デジタルカー機

第3-6 図 デジタル複写機の解像度の推移 (キヤノン)

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000

1994 1996 1998 2000 2002 2004

d p i

デジタルモノロ機 デジタルカー機

第3-9 図 インクジェットプリンタの 記 録 速 度 の 推 移(セイコーエプソン)

0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00

1994 1996 1998 2000 2002 2004

A4 A3

第3-8 図 インクジェットプリンタの プ リ ン ト 解 像 度 の 推 移(セイコーエプソン)

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

1994 1996 1998 2000 2002 2004

d p i

(15)

第 4 章 特 許 動 向

第 1 節 調 査 方 法

日 本 へ の 出 願 に つ い て は 、 公 開 ・ 公 表 ・ 再 公 表 特 許 を 調 査 対 象 と し 、 デ ー タ ベ ー ス は

「PATOLIS-Ⅳ」を用いた。外国への出願については、データベース「DWPI」を用い、世界

各 国 ( た だ し 、DWPI 収録範囲内)で公開・登録された特許を対象とした。

調 査 対 象 期 間 は 、1994 年以降に出願された特許とした。プリンタ、複写機、ファクシミリ、 複 合 機 、 及 び 記 録 媒 体 の 取 扱 い に 関 す る 国 際 特 許 分 類 の 組 合 せ に よ り 検 索 を 行 っ た 。

日 本 出 願 、 外 国 出 願 の 特 許 検 索 結 果 は 、 複 数 国 出 願 に よ る 重 複 を 除 い て 統 合 し 、 更 に 内 容 を 確 認 の 上 、 当 該 技 術 に 該 当 し な い 出 願 を 除 い た 上 で 分 析 対 象 と し た 。

第 2 節 全 体 動 向

1. 世 界 全 体 で の 出 願 状 況

1994∼2004 年に出願された当該特許は世界全 体 で 18,630 件である(検索結果 26,966 件から 8,336 件が除外された)。第 4-1 図には出願人国籍 別 の 出 願 件 数 推 移 を 、 第4-2 図に同件数の合計値 比 較 を 示 す 。90%の 16,874 件が日本による出願で あ り 、 米 国(6%, 1,023 件)、欧州(3%, 460 件)、そ の 他(2%、300 件)を大きく上回る。

件 数 の 年 次 推 移 は 当 初 一 定 で あ っ た が1997∼ 2000 年に件数減少時期があり、その後 2001∼ 2003 年で回復して再度一定となっている。全体の

推 移 傾 向 は や や 緩 や か に 減 少 と い え る が 、 こ れ は 件 数 の 大 き な 日 本 の 推 移 傾 向 に 反 映 し た も の で あ る 。 詳 細 に 見 る な ら 米 欧 の 件 数 傾 向 は1999 年前後でわずかであるが増加している。

第4-1 図 出願人国籍別の出願件数推移

0 500 1000 1500 2000 2500

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 優先権主張年

日本国籍出願人 米国国籍出願人 欧州国籍出願人 その他国籍出願人 全体

第4-2 図 出願人国籍別の出願件数

その他 2% 欧州

2%

日本 91% 米国

5%

(16)

4-3図に 出 願 先 別 の 出 願 件 数 推 移 を 、 第4-4図に 同 件 数 の 合 計 値 比 較 を 示 す 。73%が日本を出願先とするも の で あ り 、 米 国 へ の 14%、欧州への 8%、その他地域へ の5%を大きく上回る。

全 体 件 数 の 年 次 推 移 は 出 願 人 国 籍 別 の 全 体 件 数 と 同 様 、 日 本 へ の 出 願 件 数 傾 向 を 反 映 し た も の で あ る 。 米 欧 、 そ の 他 地 域 で は ほ ぼ 一 定 水 準 で 推 移 し て い る 。

第4-3 図 出願先別の出願件数推移

第4-1, 2 図と第 4-3, 4図を 比 較 す る と 、日 本 は 出 願 人 国 と し て89%、出願先として 73%を 占 め 、 特 許 出 願 に 大 き な ウ エ イ ト を 占 め る 。 日 本 か ら の 出 願 件 数 が 大 で あ る こ と は 、 日 本 企 業 が 当 該 ビ ジ ネ ス で 大 き な ウ エ イ ト を 有 し て い る 結 果 と 推 測 さ れ る 。

近 年 で は 出 願 人 国 別 で も 出 願 先 別 で も そ の 他 地 域 が 欧 州 を や や 上 回 る 状 況 に あ る 。 そ こ で 第4-5, 6図 に はそ の 他 地 域 の 出 願 人 国 別 件 数 、 出 願 先 別 件 数 を そ れ ぞ れ 示 す 。 出 願 人 国 は 韓

国 が 79%の大きなウエイトを占める。一方、出願先では中国が 40%で最も多く、韓国は 28%

と 中 国 に 次 ぐ 。 近 年 、 韓 国 、 台 湾 は 製 品 メ ー カ 所 在 国 と し て の ウ エ イ ト が 増 加 し 、 中 国 は 生 産 国 あ る い は 市 場 と し て 重 視 さ れ る よ う に な っ て き た と い え る 。

第4-4 図 出願先別の出願件数

日本 73% 米国

14% 欧州

8%

その他 5%

第4-5 図 その他地域の出願人国別 出 願 件 数

韓国 79% 台湾

8% 中国

0% 13%

第4-6 図 その他地域の出願先別 出 願 件 数

韓国 29%

台湾 4% 中国

39% 28% 0

500 1000 1500 2000 2500

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 優先権主張年

日本への出願 米国への出願 欧州への出願 その他への出願 全体

(17)

2. 日 本 、 米 国 、 欧 州 、 そ の 他 地 域 の 四 極 に お け る 出 願 の 相 互 関 係

日 本 、 米 国 、 欧 州 、 そ の 他 地 域 の 四 極 で の 出 願 件 数 の 収 支 を 第4-7 図に示す。四極に出願 さ れ た 特 許 件 数 は 日 本 、 米 国 、 欧 州 、 そ の 他 地 域 の 順 で あ り 、 日 本 と 米 国 、 日 本 と 欧 州 、 日 本 と そ の 他 地 域 の い ず れ の 関 係 に お い て も 、日 本 か ら の 出 願 が 日 本 へ の 出 願 を 大 幅 に 上 回 る 。 米 国 と 欧 州 と の 関 係 に お い て は 米 国 か ら の 出 願 が 米 国 へ の 出 願 の 約3 倍である。なお、その 他 地 域 と は 第4-5, 6 図に示すように、出願先としては韓国と中国、出願人国としては韓国が 主 た る 国 で あ る 。

第4-7 図 四極相互の出願件数収支

3. 出 願 人 国 籍 別 の 出 願 件 数 と 出 願 人 数 の 関 係

前 項 に お い て 出 願 件 数 の 年 次 推 移 を 示 し た が 、 対 応 す る 出 願 人 数 と の 関 係 を 示 す 。 こ こ で の 出 願 人 数 と は 各 年 次 に お い て 出 願 人(共同出願人を含む)となった、個人を除く機関の数で あ る 。 こ れ は 当 該 ビ ジ ネ ス 分 野 に 対 す る 参 入 者 の 数 量 的 指 標 と い え る 。 第4-8 図に、日本、 米 国 、 欧 州 、 そ の 他 地 域 の 出 願 人 に お け る 同 関 係 を 示 す 。

日 本 は 他 地 域 に 比 べ 出 願 件 数 も 多 い が 、 出 願 人 数 も 大 き く 、 日 本 で は 当 該 ビ ジ ネ ス 分 野 へ の 参 入 企 業 が 多 い と い え る 。

参照

関連したドキュメント

記録表 ワークシート 作品 活動の観察

それは10月31日の渋谷に於けるハロウィンのことなのです。若者たちの仮装パレード

ナレーション/竹下 恵  フルート/白木彩子 チェロ/井上 忍  ピアノ/安浪由紀子

本日は、三笠宮崇 たか 仁 ひと 親王殿下が、10月27日に薨 こう 去 きょ されまし

これらの媒体は、あらかじめ電気信号に変換した音声以外の次の現象の記録にも使 

食べ物も農家の皆様のご努力が無ければ食べられないわけですから、ともすれば人間

この素晴らしい DNA

記録 記録すべき場合 ※1 保存期間 18.安全確保設備等の事故の状況及. び事故に際して採った処置 同上