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日本語英語pdf 最近の更新履歴 川原繁人の論文倉庫3

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Academic year: 2018

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(1)

日本語と英語の

音声学的違い

慶應義塾大学

言語文化研究所

川原繁人

(2)
(3)
(4)

免責事項

私は日本語教育の専門家ではありません。

それどころかちゃんとした(恥ずかしながら)日本 語教育の経験もありません。

ですので、このスライドはあくまで音声学的知見の まとめです。

(5)

簡単そうで難しい問い

英語と日本語は音声的にどれだけ違うの?

一般的な見方「そりゃ、全然違うでしょ」

近代言語学の見方「いやいや、根本は一緒で しょ」

最近の私の考え「やっぱり結構違うでしょ」

答えはありません。

(6)

似てるけど違う音:/f/ vs. /ɸ/

富士山 => Mt. Fuji。つまり「ふ」は[f]?

/f/ /ɸ/

(7)

/f/ vs. /ɸ/

/ɸ/は/f/に比べて非

常に弱い。

英語話者には聞こ

えないことも多い。

「富士山」が「う

じさん」

Time (s)

0 4.659

-0.1216 0.1349

0

Time (s)

0 4.659

0 8000

Frequency (Hz)

/f/ /ɸ/

Time (s)

0 4.659

(8)

/ʃ/ vs. /ɕ/

日本語の「シャ行」は英語の/ʃ/とも多少異なる (= /ɕ/)

個人的な経験では、日本語の「シャ行」は音が「十 分に低くない」。(/s/と/ʃ/は、英語では摩擦の音の 高さで区別される。)

英語の/ʃ/は唇が丸まる。日本語を発音する時はあま り唇を丸めない方がいいかも?

(9)

Vance (2008) The Sounds of Japanese. Cambridge University Press. (p. 15)

(10)

/u/ vs. /ɯ, ɨ ???/

日本語の「う」も英語やフランス語の/u/に比べて口 の丸まりが少ない。

ただし、唇で何もしないわけではない。

正直この母音がどんな母音なのかは正直わかりませ ん(研究すればするほどわかりません)。

(11)

Vance (2008: 55)

(12)

日本語の[t]音(EPG)

かなり広い範囲で上顎

に接触がある。

英語のように舌先だけ

で作る音とは違う。

(13)

日本語と英語の比較

日本語 英語

Nolan 1992

(14)

ら行の音について

日本語の「ら行」は/r/なの?/l/なの?中間なの?

おそらく、周りの環境、人によって色々変わる (Arai 2013)

(15)

長短の区別

型 /kata/ vs. 買った /katta/

磯 /iso/ vs. いっそ /isso/

こな /kona/ vs. こんな /konna/

おばさん /obasan/ vs. おばあさん /obaasan/ いわゆる促音

いわゆる撥音

いわゆる長音

(16)

基本的には長さの違い

Time (s)

0 0.3

-0.6237 0.3534

0

Time (s)

0 0.3

0 5000

Frequency (Hz)

n i t o

Time (s)

0 0.3

Time (s)

0 0.3

-0.648 0.441

0

Time (s)

0 0.3

0 5000

Frequency (Hz)

n i tt o

Time (s)

0 0.3

子音自体長い(2.5倍ほど) 前の母音も長い

後ろの母音はちょっと短い

(17)

そして調音的にも強い

カタカタ カッタカタ

Prof. Yukari Hirataの研究では留学後でも、促音の習得は 難しいとか。

(18)

日本語のアクセント

a’me (雨) vs. ame( )

kurumade(車で)vs. ku’rumade (来るまで)

ka’rasu (HLL) koko’ro (LHL)

atama'(ga) (LHH(L)) usagi(ga) (LHHH)

基本的に音の高さ(ピッチ、F0 )の区別。問題になるのは高いか(H) 低いか(L)のみ。

(19)

どうせ難しいから教えない?

(20)

日本語のアクセント

(21)

基本的にLHで始まる 基本的にLHで始まる

アクセントがあるとHL

直前のHは普通のHより高い

(22)

英語のストレス

長さ&強さ、多くの場合、高いピッチ。

Time (s)

0 1.87

-0.4367 0.6128

0

o’ b j e c t o b j e’ k t

o’bject (noun) obje’ct (verb)

Time (s)

0 1.87

(23)

英語はストレスのない母音は弱化する(ə- reduction

日本語を発音するときに、これをしてしまうと、訛 りが強く聞こえる。

(逆に日本人の英語はə-reductionが足りなくて訛り の原因になってしまう)

(24)

日本語は基本的にCV言語?

日本語は基本的に子音の後に母音が来る。例外は

「ん」。

子音と子音の間に「自動的に」母音を聞いてしまう。 Dupoux et al

(1999)

ebuzo ebzo

(25)

EMA で見てみると?

/st/-cluster?

赤線:マスター 青線:ますだ

/st/は調音的には子音連続

(26)

結論

日本語と英語には細かい違いがたくさんある。

ただし、近代科学技術をもってしてしか分からなかっ た違いもたくさんある。

果たしてそこまで細かい違いが第二言語習得で大事 なのかはわかりません。

参照

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