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哲研レジュメ20090106doc 最近の更新履歴 京都大学哲学研究会

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Academic year: 2018

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2009/1/6 哲学研究会 レジュメ

フーコー『監獄の誕生』 第四部第一章「完全で厳格な制度」 担当:門林

◆「文明化社会の刑罰」たる監獄

18 世紀から 19 世紀への転換期にかけて、新しい立法は処罰権力を一般的機能(社会の全成員に同じ やり方で行使され、しかも個々の成員が等しい扱い方で表される機能)として規定する。

「だが、拘禁をこの上ない刑罰と化すことで、ある特定の型の権力に特有な支配方式を導入する。≪平等

≫を自称する裁判、自らを≪自立的≫たらしめたいと望みつつも、規律・訓練による服従強制のさまざ まな不均斉によって攻囲される司法装置、それが『文明化社会の刑罰』たる監獄の誕生における状況全体 である。」

規律・訓練的な機構が司法制度をいわば植民地的に支配するようになる。

◆監獄を手放せない理由

一世紀以上もたたぬうちに、監獄は“忌むべき解決策”であるとみなされたが、その代わりに何をと なると見当がつかない。

(理由)自由こそが万人が平等に有する善であるため、自由の喪失は、罰金よりも優れた「平等主義的 な」懲罰となる。また、監獄を以ってすれば、時間(刑期)という変数に基づく刑罰の正確な数量化が可 能になり、したがって償いをも表すことが可能になる。など

◆完全で厳格な制度

バルタールによれば、監獄は規律・訓練の徹底的な装置でなければならない。この完全な≪矯正施設

≫は、人間実在の再記号体系化を規定する。

〔1〕 孤立化――個人別の孤立化と階層秩序という政治的=道徳的な図式 「独房」

 外部世界、犯罪を動機付けたすべての事柄、犯罪を容易にした共謀関係との孤立化。被拘禁者相互の孤 立化。

⇒集団的反乱や共謀関係を抑止し、また、孤立化により反省・後悔の念の喚起する。

〔2〕 労働――強制労働に適用される力という経済的モデル 「仕事場」

労働は、監禁制度の付加物でも緩和物でもなく、全く必然的に監禁制度に伴うべきものである。

⇒凶暴で荒々しく軽率な被拘禁者を、完璧な規則正しさで自分の役割を果たす一部品へ変える。

(2)

〔3〕 刑罰の軽重の調整――治療と規格化という技術的=医療的モデル 「病院」

 刑罰の期間や内容を修正する機能は、処罰権の保有者(裁判官など)よりも拘禁管理者(監視者、施 設長、司祭、教育者など)に有する。

⇒監禁機構の独立宣言

「監獄が拘禁の役目からはみ出る場合の余白部分は実際、規律・訓練型の諸技術によって満たされる。し かも法律的なるものへのこの規律・訓練面の補足部分、要するにそれこそが≪行刑的なるもの≫と名付 けられたのである。」

◆残りは配布資料 p246~p253 参照

参照

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