付録 数学の復習:数と数の関係
● 〇〇〇〇〇〇〇
基準を決めて数える~分数の考え方
「数」が「意味」を持つためには「数える対象」と「数
える基準」の
2
種類が必要.
分数は「数える対象」と「数える基準」が明示的になる
ように数を表す方法である.
数える
対象
が「
分子
」
〇●〇〇〇〇〇〇
基準を決めて数える~分数の考え方
分数・割り算と単位の変換
リンゴが
x
個 あるとする.
リンゴ
2
個を
1
パック
の「パック詰めリンゴ」とする
.
1
パック
=
リンゴ
2
個 ⇒
リンゴ
2
等分
し「カットリンゴ」とする.
1
カット
=
リンゴ 個 ⇒
〇〇●〇〇〇〇〇
基準を決めて数える~分数の考え方
「割るという操作」は計算単位(数える基準)変える操
〇〇〇●〇〇〇〇
基準を決めて数える~分数の考え方
具体例
1
) 試験の成績
たとえば
43
点でも
50
点満点か
100
点満点かで
意味が違う
.○○満
点が重要.
具体例
2
) 時間の測り方
1
分は
60
秒,
1
時間は
60
分,
1
日は
24
時間.
75
秒は
〇〇〇〇●〇〇〇
基準を決めて数える~分数の考え方
具体例
3
) お金と為替
1
ドル
=110
円とする.このとき,
1
円は何ドル?
1
ドル
=90
円とする.この時,
1
円は何ドル?
110
円と
90
円では
90
円の時のほうが
1
円で買えるドル
の量が多い(円高).
〇〇〇〇〇●〇〇
基準を決めて数える~変化率・成長率
変化率・成長率
何かの「動き」や「変化」の大きさをその変化の前を
基準にして表現したものを「変化率」という.
変化前(基準点)の値を
x
とし,変化後の値を
y
とす
ると
例)
360
円から
350
円への変化率は
〇〇〇〇〇〇●〇
基準を決めて数える~分数の計算規則
分数の逆数は分子と分母を入れ替える.
分数の掛け算は分子どうし,分母どうしをそのまま掛
ける.
分数の割り算は
割る項をひっくり返して
(逆数にし
て)掛ける.
〇〇〇〇〇〇〇●
基準を決めて数える~分数の計算規則
分数は約分してより簡単な数の分数に書き換える.そ
れ以上約分できない分数を既約分数という.
分数どうしを足し引きする場合,
基準(分母)をそろ
える(通分)必要がある.
● 〇〇
比例関係
分数は「対象(分子)」と「基準(分母)」の相対的な
関係を表現する手段.
比例関係・比例式
も相対的な関係を表現する手段の一つ
.
2
:
1=4
:
2
2
と
1
の相対的な関係は
4
と
2
の相対的な関係と
〇●〇
比例関係
2
:
1
は「
2
と
1
の相対的な大きさ」という意味で,
「
1
を基準としたときの
2
の大きさ
」ともいえる.
2
を
1
で基準化する
ということは,.
4
:
2
は「
4
と
2
の相対的な大きさ」という意味で,
「
2
を基準としたときの
4
の大きさ
」ともいえる.
4
を
2
で基準化する
ということは,.
2
:
1=4
:
2
⇔
〇〇●
比例関係
比例式を記号であらわすと:
比例関係の数式表現
「
外項の積
=
内項の積
」として知られる有名な関係.
外項の積
ad
● 〇〇
関数とは何か
2
:
1
という比例「関係」は,
4
:
2
や
3
:
1.5
などほかの数字の組み合わせによっても表現すること
ができる.
この関係をもう少し一般的に表現すると,「
1
と
2
の
相対的な関係と等しいような様々な変数
x
と変数
y
の組み合わせが他にもあり得る」となる.
これを比例式で表現すると,
〇●〇
関数とは何か
分数または「内項の積
=
外項の積」で表現すると,次
のようになる.
「
変数
x
と変数
y
の相対的な関係は,
1
と
2
の相対
的な関係に等しい
」という比例関係は「
変数
y
は変
数
x
の
2
倍に等しい
」ということと同じ意味.
のように「
ある変数と他の変数の関係を規定する数
式
」を「
関数
」という.
〇〇●
関数とは何か
比例関係を表す関数を「
1
次関数
」という.
y
= 2
x
+ 3
のように
x
の変化に対して
y
が比例的に変化す
るもの.
不比例的関係を表す関数もある.
y
= 2
x
2+ 3
このように,変数
y
が変数
x
に依存して決まるとき,その
対応関係を表現した式を「
関数
」といい,以下のように表記
する.
● 〇
数直線と座標平面
関数
y
=
f
(
x
)
は変数
x
に応じて変数
y
が決まることを意
味する.
x
と
y
の対応関係を表現する方法として「
座標平面
」
がある.
変数
x
の取り得る値の全体に対応する数直線(
x
軸)
と変数
y
の取り得る値の全体に対応する数直線(
y
軸)の
2
本を直角に組み合わせる.
2
本の数直線が交わる点を原点(
0
)とする.
〇●
数直線と座標平面
座標平面上の一つの点を,以下の
2
つの点で表現したもの.
その点から
x
軸方向に垂直に移動したときにぶつかる点(
x
座
標
)と,
その点から
y
軸方向に水平に移動したときにぶつかる点(
y
座
標
)
1 2 3 4 5 x
y 5 4 3 2 1
-5 -4 -3 -2 -1
-3
-2
-1 0
(
1
,
2
)
(
4
,
● 〇〇〇〇
1
次関数の性質
1
次関数とは変数
x
と変数
y
の関係を次のように表したもの;
y
=
ax
+
b
a
,
b
は未知の定数(パラメータ )
a
を「係数」または「傾き」と呼ぶ.
b
を「定数項」または「
y
切片」と呼ぶ.
関数であることを表現する方法は様々.
y
=
f
(
x
) =
ax
+
b
とか
y
(
x
) =
ax
+
b
などと表現することもある.
f
(
x
)
や
y
(
x
)
は
f
×
x
,
y
×
x
という意味ではない
ので注意.
〇●〇〇〇
1
次関数の性質
1
次関数を
描
く.
y
= 2
x
を
図
示する.
1
次関数は「直線」の関係
1 2 3 4 5 x
y 5 4 3 2 1 -
5 -4 -3 -2 -1
- 4 - 5 - 3 - 2 - 1 0 (1,2) (2,4 ) (0,0)
(-1,-
〇〇●〇〇
1
次関数の性質
1
次関数を
描
く.
y
= 2
x
-
1
を
図
示する.
y
= 2
x
-
1
は
y
= 2
x
を下方向
1 2 3 4 5 x y 5 4 3 2 1 -
5 -4 -3 -2 -1
- 4 - 5 - 3 - 2 - 1 0
(0,-1)
( -1 , -
3)
(1,1 )
〇〇〇●〇
1
次関数の性質
平面上の点から
1
次関数を
導
く.
平面上に
2
つの点が
与
えられれば,その
2
点を通る直線を
描
くことができる.ということは
1
次関数も
導
くことが
可
能
.
1 2 3 4 5 x
y 5 4 3 2 1 -
5 -4 -3 -2 -1
- - 2 - 1 0
(
4
,
3
)
(
1
,
〇〇〇〇●
1
次関数の性質
1
次関数とは変数
x
と変数
y
の関係を次のように表したも
の;
y
=
ax
+
b
この式が
(1,2)
,
(4,3)
を通るとする.
x
=1
の時,
y
=2
x
=4
の時,
y
=3
ということ.
x
=1
から
x
=4
に
x
が
3
変化
すると,
y
=2
から
y
=3
へと
y
は
1
変化
する.⇒
x
の係数(傾き)は すなわ
ち
,
● 〇〇〇
関係と関係の関係~
連立
方
程
式
もし,
x
と
y
の関係が
二
通りある場合,
両
方の関係を同
時に満たす
x
と
y
がある
かもしれない.
x
と
y
の関係を規定する
1
次関数が
2
本あるとする.
y
=
x
+ 1
y
= 2
x
2
本の
1
次関数は
右図
のように
(1, 2)
で交わる.
(1, 2)
は
y
=
x
+ 1
と
y
= 2
x
を同時
に満たす点である.
2
本の関数が表す関係を同時に満た
す
x
と
y
の組み合わせを
求
めることを
1 2 3 4 5 x y 5 4 3 2 1 -
5 -4 -3 -2 -1
〇●〇〇
関係と関係の関係~
連立
方
程
式
連立
方
程
式の
解
き方~
加減
法
3
⇒
(
×2
)⇒
上の式から下の式を引くと
従
って,
.
上のど
ち
らかの式に
代
入し,
.
連立
方
程
式の
解
き方~
代
入法
下の式を上の式に
代
入
.
これを
x
について
解
くと,
.
〇〇●〇
関係と関係の関係~
連立
方
程
式
連立
方
程
式の具体例
予
算
3500
円を
使
い切って,
ビ
ール(
1
本
300
円)とから
揚げ
(
1
個
100
円)を買う.
ビ
ール
購
入本数を
x
,から
揚げ購
入個数を
y
とすると,
書き換えると,
ビ
ールを
1
本も買わなければ(
x
=0
)から
揚げ
は
35
個買える
(
y
=35
).
ビ
ールを
1
本買う
ご
とに,から
揚げ
を
3
個
減
らさなければなら
ない.
この式を「
予算制約式
」という.
〇〇〇●
関係と関係の関係~
連立
方
程
式
連立
方
程
式の具体例
予
算
3500
円を
使
い切って,
ビ
ール(
1
本
300
円)とから
揚
げ
(
1
個
100
円)を買う.
ビ
ール
2
本につき,から
揚げ
を
1
個買う.
⇒ これらの関係は次の
連立
方
程
式で表現できる.
この例
だ
と
代
入法でも
加減
法でも となり,
x
=10
,
y
=5
.
●
未知の定数を
含
ん
だ
1
次関数
係数や定数項が
未知の定数(パラメータ)の場合
の
1
次
関数もある.
未知の変数
x
,
y
に対して未知の定数(パラメータ)
a, b, c, d
とする.
次の
連立
方
程
式を考える.
この
連立
方
程
式を
x
,
y
について
解
くとは,
⇔
もとの式に
代
入すると,
● 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
2
次関数の性質
変数
y
が変数
x
の
2
次式によって決まるような関数を
2
次関数という.
2
次関数の表現方法は以下の
3
パターンある.
一般
形
標準
形
因
数分
解形
〇●〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
2
次関数の性質
を
展開
.
,
を
展開
.
,
3
つの表現方法は一
見
すると違うけど,同じもの.
〇〇●〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
2
次関数の性質
2
次関数 の
形状
x
の値を-
3
から
6
まで動かすと
右
の
表の値を取る.
x
=0
を
中心
に
左右
対
称
.
y
=
x
2は下に
凸
,
y
=
-
x
2は上に
凸
な
形
状
.
x
の値を-
3
から
6
まで動かすと
右
の
表のような値を取る.
x
=
3
を
中心
に
左右
対
称
.
〇〇〇●〇〇〇〇〇〇〇〇〇
2
次関数の性質
グ
ラ
フ
で
描
くと下の
図
のようになる.
2
次関数は
2
次項
x
2の係数が
正
であれば
下に
凸
,
負
で
あれば
上に
凸
の
形状
をしている.
2
次関数は
左右
対
称
な
形
をしている.
-3 0 3 6
-20 0 20 40 x y
-3 0 3 6
〇〇〇〇●〇〇〇〇〇〇〇〇
2
次関数の性質
経済学では
2
次関数の
頂
点座標を調
べ
る必要が
あったりする.
頂
点座標を調
べ
る上で標準
形
が
役
に
立
つ:
標準
形
標準
形
の
部
分は の時
0
となる.
ということは
y
=
e
である.
〇〇〇〇〇●〇〇〇〇〇〇〇
2
次関数の性質
x
が
d
から
離
れると,
y
の値は,
a
> 0
の時
e
より
増加
.
a
< 0
の時
e
より
低
下.
y
の
最小
値は,
a
> 0
の時
e
.
y
の
最
大値は
a
< 0
の時
e
.
〇〇〇〇〇〇●〇〇〇〇〇〇
2
次関数の性質
一般
形
と標準
形
の間には次の関係があった:
一般
形
標準
形
標準
形
を変
形
〇〇〇〇〇〇〇●〇〇〇〇〇
2
次関数の性質
一般
形
の未知の定数(パラメータ)
a
,
b
と標準
形
に
出
てくる未知の定数(パラメータ)には以下の関係が
ある:
⇔
従
って,
の時,
2
次関数は
最
大・
最小
値を持つ
.
一般
形
しか
与
えられてなくても,標準
形
に直すことは
可
能
.
〇〇〇〇〇〇〇〇●〇〇〇〇
2
次関数の性質(具体例)
を考えてみる.
との交点は, の
解
として
求
めればよい.
この
解
は, より,.
下の
図
から分かるように,
2
次関数は
頂
点の
x
座標
を
中心
に
左右
対
称
な
形.
-1
0
1
2
3
4
5
-1
0
1
2
x
y
y
=
0
となる
〇〇〇〇〇〇〇〇〇●〇〇〇
2
次関数の性質~応
用
例
2
次関数の
使用
例~満足
度
と「
飽
きる」の表現
経済学では
非
単調な関係を
扱
うこともある.例えば
,何かの「
行
為」とそこから得られる「満足
度
」の
関係
お
腹
が
空
いている時に
ハ
ン
バ
ー
ガ
ーを「
食べ
る」
と「
美
味しい」.
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇●〇〇
2
次関数の性質~応
用
例
ハ
ン
バ
ー
ガ
ーを
食べ
る個数を
x
,そこから得ら
れる満足
度
を
y
とする.
ハ
ン
バ
ー
ガ
ーと満足
度
に次の関係があるとする
.
「満足
度
」は「
効用
」とも言い換えられる.
「
行
為」と「
効用
」の関係を表す関数を「
効用
関
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇●〇
2
次関数の性質~応
用
例
効用
関数
x
を
0
から
6
まで変化させた時の
y
の値は
右
の表.
図
にすると
右
下の
グ
ラ
フ
.
ハ
ン
バ
ー
ガ
ーを
1
個も
食べ
ない場合(
x
=
0
)
ハ
ン
バ
ー
ガ
ーを
食べ
ることから得られる
満足
度
y
は
0
.
x=1
の場合,満足
度
y
は
5
.
x=2
の場合,満足
度
y
は
8
.
x=3
の場合,満足
度
y
は
9
.
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇●
2
次関数の性質~応
用
例
効用
関数
x
=0
から
x
=1
に
ハ
ン
バ
ー
ガ
ーを
1
個
増
やした時の満足
度
y
の
増
分
は
5
.
x
=1
から
x
=2
に
ハ
ン
バ
ー
ガ
ーを
1
個
増
やした時の満足
度
y
の
増
分
は
3
.
x
=2
から
x
=3
に
ハ
ン
バ
ー
ガ
ーを
1
個
増
やした時の満足
度
y
の
増
分
は
1
.