第 ? 期 プ ロ ・ ナ ト ゥ ー ラ ・ フ ァ ン ド 助 成 成 果 報 告 書 ( 1998)
伊豆犬島でのウ
゛ベ
ガメの繁殖と漂着状況
みどりの地球大好き会
村上博基・成瀬裕昭・植松直子・佐々木睦彦・市石学・新井智明・成瀬善子
St r andj ng 3nd r ePr oduc t i v e dat a of s ea t ur t l es i n t he l z u“ O s hi m a
l z u- Os hi maGr een Ear t h Sodet y
Hi r omot o Mur ak ami , Hi r oak i Nar us e, Naok o uemat s u,Mut s uhi k o Sas ak i , Manabu l c hi i s hi ,Chi ak i Ar ai ,¥os hi k o Nar us e
ウミガメ類は絶滅が危倶され、保護対策が急務 とされている野生生物である。日本列島は北太平 洋でのアカウミガメの重要な繁殖地であり、その 中でも南関束の沿岸は同種の繁殖地の北限域であ るにもかかわらず、海浜の幣殖環境は急速に悪化 している。伊豆諸島の近海で、は、年間を通じてダ イバーや釣り人などからウミガメの目撃情輯があ り、ウミガメ類の生息海域と考えられている。伊 豆大島は、東京湾を控えた相模灘の中央部に位置 しているため、船舶の航行が多く、海上交通にょ る事故などの人為的影響が原因と思われるょうな ウミガメの漂着体が確認されている。
これらのことから、当会はアカウミガメの繁殖 地の保護とウミガメ類の漂着状況の調査を通して、 私たち人間と白然環境の関係を考え、野生生物と の共存の道を探ることを活動の目的としている。 繁殖地の保護は、砂浜の清掃、初夏から秋に掛 けての繁殖期に各海岸を定期的に巡回し、上陸足 路を確認して、産卵巣周辺に保護構を設置した。 可能な限り白然な状態で孵化降海できるょうに環 境を整え、子ガメの降海跡を確認後、産卵巣を掘 り出し、種の同宛・孵化率などを調査した。 漂着体調査は、通年で住民や滞在者から情報提 供を戴くほか、不定期で各海岸を巡回し、打ち上 げられたウミガメを発見し、種の同定・身体測定・
63
性別等を記録した。また、解剖して死因などを推 測した。
今シーズンは島内の3ヵ所の海岸で、各1回ず つの上陸と、この内の1ヵ所での産卵しか確認で きなかった、この巣は流失の危険があり、安全な 場所へ移櫨保護した。降海後の調査で、種はアカ ウミガメ、卵数120個、孵化率81. 66%を記録した。 漂着体調査は、2個体の漂着死体を確認した。 アカウミガメとアオウミガメが各1個体であった。 アカウミガメは直甲長が71. 7c m、アオウミガメの 直甲長は44. 2c mで、どちらも未成熟体と思われ る。解剖の詰果アカウミガメの食道と胃の内容物 は、ポリ袋とビニール袋のみであった。
今牟は日本各地でアカウミガメの上陸・産卵が、 例年より減少したが、大烏でも同様の傾向が見ら れた。
各地の保護グループとの情報交換や日本ウミガ メ会議への参加などで、ウミガメの保護活動の在 り方を学び、繁殖海岸も含めた海の白然環境に対 する私たち人間の貴任の重大さを痛感した。
同種の温度依存性決定の様式から北限域の保謹 も重要と考えられる。本年は産卵数が少なかった 上に、地温記録計のデータ採取に失敗したことな どもあり、種の性比バランスについて言及するだ けの資料が得られなかった。
漂着死体を解剖したところ胃などからポリ袋を発見 自然環境学習に訪れた東大付属中学生を案内して
オ オ バ エ の 浜 で 確 認 さ れ た ア オ ウ ミ ガ メ の 漂 着 死 体 今 シ ー ズ ン た だ 1 ヵ 所 、 地 曳 浜 で 確 認 さ れ た 産 卵 巣
64