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「農業・林業の国際認証取得に関する提案」 学校向け講座 青森県庁ホームページ

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Academic year: 2018

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青森県立五所川原農林高等学校

「農業・林業の国際認証取得に関する提案」

(2)

私 た ち 五 所 川 原 農 林 高 校 は 、 青 森 県 の 農業の未来のために「農業・林業の国際認 証取得」に関する提案を行います。(1)

提案の概要です。「県内の生産者と農業 高校生に、農業・林業の国際認証の理解と 取得を進めたい」ということです。今、世 界 の あ ら ゆ る 産 業 で グ ロ ー バ ル 化 が 進 み、その波は農業界にも及んでいます。国 際 的 な 規格化 を 避 けるこ と は 市場規 模 の 縮 小 を 招いて し ま います 。 青 森県の 基 幹 産業である「農業」を将来に向けてさらに 力 強 く してい く こ とで、 県 民 が幸せ に な れるのではと考えています。(2)

な ぜ こ の 提 案 を し よ う と 思 っ た か 、 理 由 を 説 明しま す 。 本県の 農 業 には強 み が あります。①農産物産出額が、3,068 億円 と 東 北 1位で あ る こと。 ② 農 産物輸 出 額 が、194 億円と調査開始以来、過去最高で あること。本県の農業には、りんごや米、 野菜、海産物など、魅力ある農産物が数多 く あ り 、この 2 つ のデー タ か らも大 き な ポ テ ン シャル を も ってい る と 言えま す 。 また、一方で、③農業就業人口が、63,471 人と5年間で約 20%減少するなど、産業 を 支 え る人材 が 少 なくな っ て いる現 状 が あ り 、 その根 幹 が ゆらぎ つ つ あると 言 え ます。(3)

こ の 提 案 に よ り 、 生 産 者 や 農 業 高 校 生 が 、 農 林業の 世 界 水準の 認 証 を取得 す る ことで、経営が安定し、持続可能な農林業 が 行 わ れ、か つ 多 様な販 路 に より所 得 の 向上が期待できると考えました。(4)

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こ の 提 案 を す る に 至 っ た 私 た ち の 取 り 組みについて紹介します。私たちは、将来 必要となる知識や考え方を、グローバル な 視 野 で と ら え 、 学 習 内 容 に 加 え て い ま す 。 世 界 の 農 業 の 国 際 標 準 「GLOBALG.A.P.」と、森林経営の国際標準 「FSC」です。(5)

私 た ち の 学 校 、 五 所 川 原 農 林 高 校 は 、 1902 年創立、今年で 115 年目を迎え、男 女約 440 名が在籍しています。(6)

2年前、私たち 15 人が GLOBALG.A.P.認 証取得のため、立ち上がりました。女子 5 人を含む、1、2年生です。私たちは、生 徒代表チーム「GLOBALG.A.P.チーム」を作 り、認証取得に挑戦しました。(7)

定 期 的 に 園 地 を 見 回 り 、 何 度 も 話 し 合 い、(8)

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リ ス ク 管 理 や デ ー タ 化 な ど の 整 備 を 進 め、本校のりんご販売先約10 カ所以上に ト レ ー サビリ テ ィ の仕組 み を 取り入 れ て いきました。(9)

チェック項目は、農業生産や環境、労働 者の安全など約 200 項目あります。約8 時 間 に わたる 審 査 員の質 問 に は、私 た ち が全て回答し、2015 年、日本の高校で初 と な る GLOBALG.A.P. 認 証 を 取 得 し ま し た。(10)

私 た ち の 取 り 組 み が 評 価 さ れ 、 本 校 の 全学科で学習する科目「農業と環境」の授 業で本格的に GLOBALG.A.P.について学ん でいます。15 人から始まった学習が広が り、毎年卒業生全員が GLOBALG.A.P.の知 識 と 経 験をも っ て 社会に 出 て 行ける よ う になりました。(11)

2016 年9月、オランダ・アムステルダム で 行 わ れ た 、 GLOBALG.A.P. サ ミ ッ ト に 参 加し、世界 49 カ国、約 600 名の代表者が 集 ま る なか、 本 校 は高校 で は 世界初 と な る「GAP 大賞」を受賞しました。教育機関 で あ る 高校で 取 り 組んで い る ことが 世 界 的に大きく評価されました。(12)

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パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン で は 、 当 時 2 年 生 の 先輩が 、 パ ネリス ト と して活 動 発 表と意見交換を行い、(13)

閉 会 式 で あ る 、 ク ロ ー ジ ン グ セ ッ シ ョ ンでは、世界各国の代表600 人の前で、英 語 で 約 5 分 間 に わ た り 、 GLOBALG.A.P. で 世 界 一 の農業 法 人 を作り た い という 夢 を 語 り ま した。 こ の 時にい た だ いた大 き な 拍 手 は 一生忘 れ ら れない も の となり ま し た。(14)

国 際 認 証 と い う 輸 出 の パ ス ポ ー ト を 取 得 し た 私たち は 、 海外の 販 売 実習を 次 の 目 標 と しまし た 。 中国四 川 省 成都市 の 伊 藤 洋 華 堂で中 国 総 代表を し て いる三 枝 社 長 か ら 、五農 の 取 り組み に 感 動した の で 受け入れたい、というお言葉をいただき、 昨 年 1 月、本 校 の りんご を 輸 出販売 す る チ ャ ン スに恵 ま れ ました 。 た だ現地 で 販 売 す る だけで な く 、輸出 の 手 続きか ら 出 荷 準 備 、現地 の マ ーケテ ィ ン グによ る 販 売の企画を行ってきました。(15)

市 内 の 青 果 会 社 に 本 校 の り ん ご を 持 ち 込み、虫や病気を確認しながら、センサー を通して選果し、選んだりんご「ふじ」約 250kgを、発泡スチロールのケースに詰 め、中国へ送りました。(16)

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成都市は、人口1,440 万人。東京の人口 と 同 じ くらい で す 。古く か ら の歴史 あ る 町で、三国志の「蜀(しょく)」の都とし ても有名です。(17)

伊 藤 洋 華 堂 は 、 成 都 市 内 に 7 店 舗 あ る 高 級 百 貨店で 、 私 たちが 販 売 実習を 行 う ことになった双楠(そうなん)店は、1日 に 2 万 人の利 用 者 がいる そ う です。 想 像 よ り 大 きな場 所 で の販売 に 、 身が引 き 締 まりました。(18)

りんごの価格は、1個23 元(日本円で 約410 円)と現地の5倍の値段に設定。最 初 は な かなか 売 れ ません で し たが、 中 央 を高くして立体的に見せ、また、日本から 空 輸 し たこと が 分 かるよ う 、 発泡ス チ ロ ー ル の 容器を 見 せ て、ラ イ ブ 感を出 し ま した。この見せ方をしたその瞬間、すぐに り ん ご が売れ ま し た。私 た ち には大 変 大 きな自信になりました。(19)

最 終 的 に は 自 分 た ち で 改 善 点 を み つ け て は 反 省して い く うちに 、 用 意した り ん ご600 個プラス試食用の50 個も売れ、予 想を上回る計 650 個を 10 時間で完売しま した。(20)

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「 挑 戦 し よ う と い う 意 識 が 、 物 事 を 変 える」この言葉は、伊藤洋華堂の中国総代 表 、 三 枝 社 長 か ら 頂 い た 言 葉 で す 。 GLOBALG.A.P. 認 証 取 得 か ら 輸 出 ま で を 成 功でき、国際認証は、世界共通のパスポー トであると私たちは実感しました。(21)

GLOBALG.A.P.3年目の今年は、りんご、 米に加え、メロンでの認証取得を目指し、 12 月6日、認証が届きました。(22)

こ れ ま で の 先 輩 の 取 り 組 み に あ こ が れ、今年の GLOBALG.A.P.チームはこれま でで最も多い、28 名に大きく増えました。 (23)

本 校 で 農 作 物 の 認 証 取 得 活 動 が 進 む 中、平成29 年1月頃、森林科学科でも森 林 の 認 証取得 へ 挑 戦しよ う と いう声 が 授 業 の 中 で生徒 か ら 上がり ま し た。調 べ た と こ ろ 、日本 で 取 得され て い る森林 認 証 は、日本独自のSGECと、世界基準のF S C で あるこ と が 分かり ま し た。そ こ で 私 た ち は世界 基 準 である F S Cに挑 戦 す ることにしました。(24)

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「森林認証」とは、一定の基準に従って 適 切 に 管理さ れ て いる森 林 で あるこ と を 第 三 者 が証明 し 、 その森 林 か らの産 品 に ラ ベ ル を貼っ て 流 通させ る 仕 組みで す 。 そのうち「FSC」とは、森林認証を通し て 適 切 な森林 管 理 を推進 す る ことを 目 的 と し た 国際民 間 団 体で、 本 部 はドイ ツ に あります。(25)

FSC認証取得のためには、10 の原則 の中の 70 の基準、約 200 のチェック項目 を ク リ アする 必 要 があり ま す 。森林 管 理 マニュアルを用意し、土地の登記状況、森 林 基 本 図など を ま とめ、 持 続 可能な 森 林 生産を行い、生物や環境に配慮し、安全な 森林管理を行う必要があります。(26)

準備を進め、いよいよ10 月の審査の日 が来ました。本校のFSCチーム、3年生 6 名 、 2年生 3 名 で初日 の 書 類審査 に 臨 みました。審査は 70 の基準に従い、すべ て 一 つ 一つ質 問 さ れる形 で 進 められ ま し た 。 初 日は朝 の 9 時から 夕 方 の5時 頃 ま で行われました。(27)

2 日 目 は 現 地 審 査 で す 。 通 常 の 間 伐 作 業 を 行 い、作 業 の 手順や 安 全 配慮に つ い て審査が行われました。林業の作業は、授 業の一環での実習です。そして午後には、 審査員の先生方から、「認証取得を本部へ 推 奨 す る 。」 と い う 言 葉 を い た だ き ま し た。(28)

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今回、FSC取得へ挑戦し、調査はとて も大変でしたが、森林の仕組み、自然環境 へ の 配 慮、マ ニ ュ アルの 重 要 性等を 確 認 す る こ とがで き 、 ますま す 森 林が好 き に なりました。認証は1月29 日に届き、高 校 と し ては世 界 初 の取得 と な りまし た 。 (29)

具体的な提案です。

① 認 証 団体を 増 や すため に 。 認証を 受 け る団体は、審査を広く公開し、後に続く団 体 へ の コンサ ル タ ントを 行 う ことと し ま す。そうすることで、認証団体同士でネッ ト ワ ー クをつ く る ことが で き 、認証 取 得 へ の ハ ードル も 下 げるこ と が できる と 考 えます。

②生産基盤の強化。県内に10 あるJAと 4 つ の 森林管 理 署 に国際 認 証 への窓 口 を 設 け 、 経営指 導 と 販売指 導 を 行うこ と と し ま す 。国際 認 証 を取得 し た 団体を と り まとめ、経営をより強固なものとし、生産 物 を 積 極的に 販 売 先に売 り 込 むこと が で きます。(30)

この提案により、国際認証の理解と取得 を 進 め ること で 、 ①世界 水 準 の生産 者 が 地 域 に 増えて い き ます。 ② 国 際認証 の 理 解 が 進 み、持 続 可 能な農 林 業 が行わ れ る ようになります。③認証により、国内はも ちろん、世界をターゲットとした流通・販 売 が 期 待でき ま す 。これ ら 3 つが進 む こ とで、青森県の基幹産業である「農業」が さ ら に 力強い も の となり 、 県 民が幸 せ に なれると考えています。(31)

世 界 基 準 の 考 え 方 や 知 識 、 管 理 手 法 を 身に付けることで、私たちは、世界の常識 を 知 り 、青森 は も ちろん 日 本 の未来 の 農 業を支えていけると信じています。10 年、 20 年先の未来のために、私たちは、国際 認 証 の 理解と 取 得 を進め る こ とを提 案 し ます。(32)

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【質 疑】

●伊吹 いぶき

信一 しんいち

議員(公明・健政会)

(伊吹議員)

ただ今、五所川原農林高等学校の皆さん方から農業・林業の国際認証取得に関するご提案をいただきました。

私の方から2点にわたってお尋ねをさせていただきたいと思います。

まず1点目の質問でございます。中国での販売実習をされた際に、いろいろな改善点や工夫を重ねられ、そ

の結果、650 個のりんごを完売したとのことでありますが、どのような点を改善されたのか、まずお伺いをし

たいと思います。

(回答)

まず中央を高くして立体的に見せました。また、箱があると思うんですけれども、これを日本から空輸した

ことが分かるようにしました。それプラス、中国語で販売すると、本当は日本人じゃないんじゃないかと思わ

れるかもしれないので、日本語で話すということを改善しました。

(伊吹議員)

では2番目の質問ですが、今、GLOBALG.A.P.とFSC、2つのお話がありました。私の方からは、GLOBALG.A.P.

の認証団体についてお伺いします。

認証団体を県内に増やしていくために、世界的な先駆者である五所川原農林高等学校の皆さんとして、今後

どのように取り組んでいかれるのかお尋ねをしたいと思います。

(回答)

GLOBALG.A.P.でもFSCでもそうなんですが、学校だけではできることが限られてきます。なので、いろん

な方々と交流し、GLOBALG.A.P.やFSCについて理解してもらい、広めてもらうことから始めようと思って

います。

また、国際認証取得を考えている方々に、私たちが手順や認証のために必要なことについて伝えていければ

と考えています。

(伊吹議員)

本日は、現場の体験に基づいた、すばらしいご提案をいただきました。大変感銘をいたしました。今後、議

会の質問等を通じて県にも働きかけを進めてまいりたいというふうに思います。

最後にお願いでございます。今、お話があったように、農業高校の中で、世界認証をけん引している五所川

原農林高等学校の皆さん方が、現場で生産された製品を今度はブランディングしていただいて、さらに所得向

上につなげられるように期待をしたいと思っております。

また、既に先輩方から受け継いでこられた宇宙毛豆、これについてもぜひ製品化を目指して研究を積み重ね

ていただきたいということをお願いして、私からの質問を終わりたいと思います。大変ありがとうございまし

(11)

くしびき

(櫛引議員)

私の方からも2つ質問をいたしたいと思います。今年度、森林認証に挑戦されたということでございますが、 具体的にどのような点に苦労をしたのか、お伺いいたします。

(回答)

お答えします。森林管理マニュアルというものを作らなければいけなかったんですが、森林のデータ化をす るために実習で認証区域の樹木を1本、1本手作業で調査したことです。特に、整備されていないところでは、 藪が多く作業に手間取りました。

(櫛引議員)

一つひとつの木に対しての調査もしなければならなかった、大変な苦労があったのを初めて聞きました。 そこで、今後、国際認証の理解と取得を進めていくために、皆さん方、高校生として、行政、市町村あるい は議会にどのような支援を期待するのか、お伺いをいたしたいと思います。

(回答)

GLOBALG.A.P.やFSCを取得する際にたくさんの費用が掛かるので、行政の方々に国際認証について理解 をしてもらい、認証を取ろうとする方々の支援をお願いしたいと思っています。

(櫛引委員)

そうでしたよね。GLOBALG.A.P.を取った時に、私も皆さんの結果を聞いて、農家の皆さん方にお勧めしよう とした際に、大変費用が掛かるということが問題になっていました。そういった点では、やはりせっかく認証 を受けてもそれを活用できなければ何にもなりませんので、それぞれの自治体、そして議会として、県として もこれからどのような形で携わっていけるのか、私どもも考えていきたいと思っています。

そして何より、五所川原農林高等学校さんが、マスコミにも大きく取り上げられましたけれども、五農のオ リンピック委員会、GOCを設立して、さらにまたこれからオリンピック・パラリンピックに対して、自分た ちができることを考えていこうとしている。皆さん方の意気込みがあまりにもすごいなと、びっくりさせられ ています。

これから人材が不足していきます。皆さんがここで学んだことを、今後、自分たちが社会人になった時に農 林業の発展に寄与できるような、そういった仕事に就いていただいて、青森県をもっともっと広めていただき たいというのをお願いして、私の質問を終わります。

参照

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