次世代分散型電源と再生可能エネルギー

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次世代分散型電源と再生可能エネルギー

大学院工学研究院・大学院工学院 准教授

はま

やす

ひ ろ

(工学部環境社会工学科衛生環境工学コース)

専門分野 : 建築環境・設備,環境技術,エネルギー学

研究のキーワード : 省エネ,発電,エネルギー有効利用,熱電併給,再生可能エネルギー

HP アドレス : http://labs.eng.hokudai.ac.jp/labo/envsys/

何を目指しているのですか?

2011年3月11日の東日本大震災を契機として、社会のあり方の再構築、未来のリスクへ

の備えが求められています。私たちは、住宅および地域の自律型エネルギーシステムに関

する研究を行っています。ここでは、省エネに寄与する技術として、次世代分散型電源と

再生可能エネルギーの一つであり、寒冷地固有の自然冷熱エネルギーの有効利用に関する

取り組みを紹介します。分散型電源の一例として、家庭での発電を可能とする燃料電池等

を取り上げ、その高い省エネ性と、地域全体の節電への大きな導入効果を得ることを目指

しています。また、自然冷熱エネルギーは主に雪氷資源の活用で、空調分野、農業、水産

業など幅広い分野での実用化を目指しています。

どんな装置を使ってどんな実験をしているのですか?

実験は、再生可能エネルギー、発電時に生じる熱を廃棄するのではなく同時に有効利用

する熱電併給(Combined Heat and Power:CHP)システムを活用することをねらいと

して行っています。種類の異なる燃料電池等の寒冷地仕様開発と性能検証、エネルギー需

要特性による省エネルギー性・環境保全性の評価、再生可能エネルギーとの複合利用効果

について実証研究を実施し、その高い導入効果を明らかにしてきました。また、「スマート

エネルギーネットワーク(Smart Energy Network: SEN)」を実現する事による大幅な省

エネルギーを目指した取り組みを進めています。SENとは水素を含めた先進的な分散型エ

ネルギーシステムと大規模集中電力、熱エネルギーの融通などを組み合わせ、エネルギー

の効率的利用や新エネルギーの有効活用を促進するシステムです(図1)。そして、地域複

合的なエネルギー融通には各家庭との連携も考慮に入れるべきであり、エネルギー制御を

出身高校:宮城県仙台第一高校 最終学歴:北海道大学大学院工学研究科 エネルギー

図1 スマートエネルギーネットワークの概念図 図2 スマートエネルギーハウスの考え方

統合合制制御御

電気 コージェネーション

ボイラ

風力 雪氷

木 太陽光

冷凍機

排熱

冷却水

コージェネ(低温排熱)

太陽電池(PV:Photovoltaics)

熱電併給

(CHP:Combined

Heat and Power)

バッファデバイス

(BD:Buffer Device)

エネルギー

電力

従来型エネルギー利用の低減

エネルギー利用効率向上

電気と熱の高効率利用

電気&熱の 最適制御

(2)

積極的に住宅で行うことでSEN全体とし

ての省エネルギー性も向上します。燃料電

池等CHPを核とし、さらに太陽電池と蓄

電池等バッファデバイスを組み合わせ、エ

ネルギーの一元管理を行う住宅をスマート

エネルギーハウス(Smart Energy House :

SEH)とし、図2に考え方を示します。

次に、自然冷熱エネルギーの有効利用に

ついてですが、寒冷地では冬期間に雪氷を

貯蔵し、夏期に冷熱として利用する概念が

古くから存在していました。今後、様々な分野に雪氷冷熱エネルギーの導入が進むものと

期待されます。北海道十勝支庁池田町の無動力冷蔵アイスコンテナシステムを導入した食

糧貯蔵庫の概念を図3に示します。冬期に寒冷な大気を利用して製造した約500トンの氷

で小豆の貯蔵実験を行っています。また、山形県川西町の施設に新しい雪冷房を実規模で

導入したシステムフローを図4に示します。大型複合文化施設を963トンの雪で冷房する

実験です。いずれの施設においても計画通りに高効率に稼動しています。

次に何を目指しますか?

今後、 SEHには家庭内のエネルギーマネジメントだけではなく、住宅での電気自動車、

プラグインハイブリッド車の充電等、SEN全体のエネルギー安定供給への寄与を目的とし

たSENとの協調が求められることになると考えます。

雪氷資源に関しては、寒冷地における除排雪に関わる予算は、非常に大きく、例えば、

札幌市では、年間約160億円もの雪対策費を必要としています。都心の雪を河川敷などの

雪堆積場に大量のトラックで運搬する費用などがこれに含まれます。人と環境を中心に据

えた地域づくりを推進しており、雪の冷熱エネルギーの有効利用も重要な課題です。

冷 気 導 入 ( 製 氷 期 間)

貯 蔵 庫A

貯 氷 庫 B 貯 氷 庫A

貯 蔵 庫 B

(a)立面図 (b)平面図

貯氷庫 貯蔵庫

自然換気

図3 無動力冷蔵アイスコンテナシステム概念図(製氷期間)

図4 システムフロー図

熱交換器

集水ピット

図書館

ホール

熱交換器 冷熱

冷熱

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参照

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