• 検索結果がありません。

第3 監査結果のまとめ 平成18年3月30日 堺市監査委員公表 第15号 堺市

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "第3 監査結果のまとめ 平成18年3月30日 堺市監査委員公表 第15号 堺市"

Copied!
11
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

第3 監査結果のまとめ

1 指摘すべき事項

(1)延滞金の徴収について

以下の貸付金は、施行令又は条例等において、特別の事由がなく貸付金の償還を延

滞した場合は、遅延利息を徴収する旨を規定されているにも拘らず、遅延利息等の延

滞金を徴収していない。

法令等で明記されている事項については、それらに準拠して適正に執行されるべき

であり、延滞金についても適切に徴収する必要がある。

・堺市小口更生資金貸付金

・同和更生資金貸付金

・災害援護資金貸付金(阪神淡路大震災)

・災害援護資金貸付金(昭和 57 年台風水害)

・奨学資金貸付金

(2)履行期限延長の決裁のとられていない貸付金利子について

母子・寡婦福祉資金貸付金及び堺市小口更生資金貸付金は、有利子貸付けであり(た

だし、母子・寡婦福祉資金貸付金は一部無利子貸付け有り)、利子は元利均等償還され

るため、貸付け時に月額を決定している。

しかし、履行期限の延長が認められた場合は、延長後の回収条件に基づいて改めて

算定され調定及び回収される一方、履行期限の延長の決裁がないままに延滞している

場合には、当初計算された利子しか調定されていないため、延滞期間分の利子は回収

されていないことになる。

現状では、滞納している借受人については履行期限の延長の決裁がされておらず、

このことは規定に則って手続を行った者の方が多くの利子を支払っていることを意味

し、公平性を欠く事は言うまでもなく貸付利率を定めた条例や規則等にも準拠してい

ないと考えられる。要件に該当する者には、履行期限の延長を申請するよう助言し、

適切に手続を行うべきであり、延長後の回収条件に基づいて算定された利子を調定し、

回収する必要がある。履行期限の延長が認められない場合には、公平性の観点からも、

延滞金を徴収すべきである。

なお、母子・寡婦福祉資金貸付金において、延滞金の徴収を行わないのであれば、

(2)

(3)母子・寡婦福祉資金貸付金の国と市の規則等の不整合について

① 母子・寡婦福祉資金貸付金の根拠法令は、国が定める「母子及び寡婦福祉法」、「母

子及び寡婦福祉法施行令」及び「母子及び寡婦福祉法施行規則」に基づき市が定めた

「堺市母子福祉資金及び寡婦福祉資金貸付規則」「堺市母子・寡婦福祉資金貸付業務に

係る事務取扱要綱」である。

しかし、国が定める「母子及び寡婦福祉法」が、平成 15 年に改正されたにも拘らず、

市が定める貸付規則等は改正されず、このため、市が定める貸付規則及び取扱要綱の

国の母子及び寡婦福祉法等を参照している箇所に不整合が生じている。

② 母子及び寡婦福祉法施行令第 17 条及び第 38 条においては、償還を延長したときは

年 10. 75%の延滞金を徴収すると規定されている。しかし堺市母子福祉資金及び寡婦

福祉資金貸付金規則には延滞金の徴収については、記載されていない。

①及び②ともに、国の法令等との整合性を図るため、規則等を改正する必要がある。

(4)金融機関に対する資金預託額について

中小企業融資制度の一環として、金融機関に対し市が資金預託を行っている。これ

は、融資原資の一部を低利で預託することにより金融機関が一定の利率を確保できる

ようにするためのものである。

堺市中小企業融資制度に関する契約では、融資総額を預託倍率で除して算定するこ

ととしており、融資総額に応じて預託金を算出することになっている。

しかし、堺市中小企業協同組合振興資金融資に係る預託金額は、預託金額算定の計

算式に準拠しておらず、貸付金残高(911, 717 千円)を大幅に上回る預託(1, 500, 000

千円)が行われていた。

資金の有効的な運用を行うためにも、融資総額に応じた預託金の設定を行う必要が

ある。

2 改善をすることが望ましいと考えられる事項(意見)

グループA:市民の福祉及び生活環境の向上に資するための貸付金について(貸付先が広

く市民全般)について

第1 監査対象の概要 2 貸付金の形態別分析【表3】からわかるように、グル

ープAに分類される貸付金の多くが、延滞債権となっており、母子・寡婦福祉資金貸

付金、堺市国民健康保険出産費資金貸付金及び堺市環境整備資金貸付金を除き、グル

(3)

なお、母子・寡婦福祉資金貸付金も延滞債権率 10. 0%と低いものの、絶対額では

195, 299 千円と最も多く、また堺市国民健康保険出産費資金貸付金も出産育児一時金

と相殺して回収することを前提としていることにも拘らず、延滞債権率は 18. 0%とな

っており、決して回収状況が良好な訳ではない。

また、第1 監査対象の概要 2 貸付金の形態別分析【表4】からもわかるよう

に、グループAの貸付けは、その回収期間は長期に及んでおり、3 年以上滞納してい

るものがほとんどであり、10 年以上滞納となっている貸付金も少なくはない。

(1)延滞債権率 80%以上の貸付金について

・堺市小口更生資金貸付金

・同和更生資金貸付金

・生活資金特別貸付金

・生業資金貸付金

・災害援護資金貸付金(阪神淡路大震災)

・災害援護資金貸付金(昭和 57 年台風水害)

・奨学資金貸付金

① 組織的・専門的回収チームの組成

グループAに分類される貸付金で、特に、延滞債権率 100%の貸付金については、

貸付事由及び貸付対象者の返済資力等から、元来、回収率は低いものと想定される

が、地方自治体には、市民の生活困窮時に経済的自立の助成や生活の安定を支援す

る社会的使命があり、民間の金融機関のように経済性、回収可能性だけでは一概に

貸付制度の廃止、貸付拒否等は行い得ないのが実情である。

しかし、一方では当該貸付金は市民の税金が投入されており、そのため市は、そ

の回収に向けて日々回収管理していくことが要求されるものである。

この一見相反する使命を抱え、所管部署の担当者は、戸別訪問や督促状の送付等

を実施している。

しかし、グループAに分類されるような貸付金は、物的担保はとっておらず、債

権保全策としては人的担保である保証人のみであり、民間の金融機関でも回収が困

難とされているものである。

このような回収困難な債権を、回収を本業としない市の職員が回収を促進してい

くことは、非常に難しいものと考えられること、また、回収ノウハウも担当者レベ

ルのものが多く、それでは職場の定期異動により、そのノウハウも蓄積できない状

況下にあることから、内部の職員による専門回収チーム等の組成又は「行政機関個

人情報保護法」に抵触しない範囲での外部の債権回収会社等へのアウトソーシング

(4)

② 適時適法な不納欠損処理等の実施

グループAに分類される貸付金で、特に、延滞債権率 80%以上の貸付金について

は、回収管理コスト(人件費、運営費等)と回収額(平成 16 年度末延滞債権額 69, 921

千円)を比較衡量し、行方不明や長期延滞債権等で回収活動が不可能な債権につい

ては、不納欠損処理等の債権償却も検討すべきと考えられる。

過去、不納欠損処理を行ったのは堺市小口更生資金貸付金において 543 千円、同

和更生貸付金 4, 678 千円、及び生活資金特別貸付金 100 千円だけであり、一部の債

権者に対してのみに債権放棄することは、公平性の観点や延滞債権を発生させた責

任等の問題もあり実施が困難とは考えられるが、回収可能性が低い貸付金に対し、

管理コストとして税金を投入することの意義を検討する必要がある。

その意味で不納欠損処理の積極的活用が必要と考えられる。しかし、それには、

法で定められている延滞債権に対する各種市長決裁で可能な諸手続を、適法に適用

する必要がある。その手続は以下であるが、現時点では適切に当該処理はなされて

いない。議会の議決に基づく不納欠損処理はあくまで、このような市長決裁に基づ

く処理によっても償却できない延滞債権に対する最終的償却手段であることを鑑み

ると、先ずこの一連の手続を徹底することが肝要と考えられる。

ア.債務免除

地方自治法施行令第 171 条の 7 では、普通地方公共団体の長は、債務者が無資力

又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした債権について、当初

の履行期限から 10 年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い

状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該

債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができると規定されている。

しかし、現状では、履行期限の特約を行っていない場合がほとんどであり、免除

できない状態にある。このため回収可能性の極めて低い債権に対しても、回収管理

コストをかけているという状況が続いている。今後は、履行延期の特約等(地方自

治法施行令第 171 条の 6)が認められるか否かを判断し、履行期限の延長が認めら

れる場合は、履行期限の延長申請をするよう借受人に助言していく必要がある。

そのうえで、債務免除を行い、不良資産の償却を図り、市の財産及び資産価値の

適正な把握並びに資産の健全化を図っていく必要がある。

なお、履行期限の延長が認められる「特段の事由」等、及び免除が認められる「弁

済することができる見込みがないと認められるとき」等について一定の判断基準も

設ける必要がある。

イ.議会承認による債権放棄

上記の免除規定は、債務者が履行期限の延長や債務免除の意思表示をする必要が

あり、行方不明等の意思表示及び書面提出を行い得ない借受人の債権には適用でき

ない。そのため、これらの債権を不納欠損処理するには、議会の承認を受けて債権

放棄をする(地方自治法第 96 条第 1 項 10 号)ことが唯一の手段となる。

(5)

化のためにも、不良債権を償却するという不納欠損処理を適時に行うべきと考えら

れる。

また、議会承認による不納欠損処理が困難な場合は、少なくとも、徴収停止(地

方自治法施行令第 171 条の 5)の手続を実施し、債権管理に要する事務コストの軽

減を図っていくべきと考えられる。

③ 制度の有効性

堺市小口更生資金貸付金の新規貸付けは、年々減少傾向にあり、平成 16 年度は

13 件 2, 850 千円であった。これは、金融機関等で手続の簡易な小口ローンが普及し

たこと、また、大阪府社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度と概ね重複している

こと等が原因と考えられる。債権管理の事務コストや制度の有効性等を考慮すると、

改廃も含め抜本的な見直しを検討していく必要があると考えられる。

なお、これに限らず貸付制度全てに対し、定期的に、制度創設当時の社会情勢と

貸付制度の趣旨やその有効性を評価することが必要であると考えられる。

また、生活資金特別貸付金は、平成 10 年度に償還期限が到来しているが、貸付総

額に対し 46%が償還されていない状況であり、その趣旨等から貸付制度としたこと

が適切であったかは疑問が残る。

今後、同様の趣旨の貸付金制度の創設を検討する場合は、その趣旨や延滞率の高

さ等を考慮し、補助金又は交付金による行政目的の達成を検討に入れることも一法

と考える。

(2)上記(1)以外の延滞債権率の低い貸付金について

・母子・寡婦福祉資金貸付金

・堺市国民健康保険出産費資金貸付金

・堺市国民健康保険高額療養費資金貸付金

・堺市環境整備資金貸付金

① 回収マニュアルの完備

グループAは、その貸付趣旨から市民を対象としているため、少額でかつ件数が

多く、しかも、当該貸付グループの性格上、回収に困難を極め、その延滞件数も多

いという特徴を有している。

そのため、その管理は他のグループに増して詳細な管理を実施していく必要があ

るが、現在、ほとんどの貸付金は回収マニュアルがなく、所管部署単位あるいは担

当者単位での債権回収を行っているという状況である。

回収マニュアルが完備されているのは、小口更生資金貸付金だけであり、それ以

外の貸付金はマニュアルが作成されていない。母子寡婦福祉資金貸付金及び堺市環

(6)

このような少額で多件数の債権管理は、回収マニュアル等を作成し、統一的に債

権管理を実施していくことが肝要である。そのうえで、長期延滞債権が発生した場

合は、上記(1)で述べた、回収専門チームにその債権回収を引き継ぐという段階

的、組織的対応が必要である。

各所管部署は、延滞債権について督促状や催告書の送付、必要に応じて電話や個

別訪問を実施している。しかし、延滞者の現況報告や入金状況等を定期的に上長等

に報告する仕組みになっていないため、延滞債権に対して抜本的な対策等が講じら

れていない。仮に各借受人の状況を実質的に上長等が把握していたとしても、現状

ではそれが定型書式による定期的な報告書の閲覧及び承認という形をとっておらず、

管理体制の整備が求められる。

また、連帯保証人への督促に関しても統一された基準がなく、借受人と連絡が取

れている場合は連帯保証人に連絡及び督促はしていない部署もあり、担当者の裁量

によるところが大きく、これについても管理体制の整備が必要である。

また、強制執行、債務免除、及び議会承認による債権放棄等の債権償却の実施時

期を判断する一定の基準等もマニュアルを設ける必要がある。

② 一時返還規定の明確化

母子・寡婦福祉資金貸付金においては、母子及び寡婦福祉法施行令第 16 条に、堺

市環境整備資金貸付金においては、堺市環境整備資金貸付基金条例第 10 条に、堺市

小口更生資金貸付金において、堺市小口更生資金貸付基金条例 9 条に、返還の特例

規定を設けている。

しかし、この規定は、償還の支払を怠ったときに、貸付金の全部を一時に返還す

ることを命ずることができる旨を規定しているにすぎないが、当該規定が、履行期

限の延長に係る所定の手続をとらない滞納者に対するものと解する限り、一時に返

還させるべきものであると考えられる。

現状の任意規定を継続するとしても、どのような場合に、一時返還させることが

できるか等の具体的な運用基準を、規則等で明確にしておくことが望まれる。

③ 貸付審査の強化

現状、審査の手続には特段問題は見受けられないが、延滞債権の発生を未然に防

止するには、より厳格な審査の実施が必要と考えられる。

すなわち、現状の経済的自立に主眼をおいた審査に加え、回収可能性の判断も必

要と考えられる。所得に見合った貸付額の決定や他の借入状況も考慮する等、借受

人の返済能力にも重点を置くことが肝要と考えられる。

④ 債権管理システム

現在、母子・寡婦福祉資金貸付金、堺市国民健康保険出産費資金貸付金、堺市環

(7)

おいても、個別(契約別)残高は把握できるが、その全体の残高すなわち貸付総額

の残高が把握できない。

また、年度末等の一定の基準日の個別及び全体残高が集計できないシステムとな

っている。

年度末でのこれらのシステムで把握される貸付金残高と会計システムから把握さ

れる決算数値(財産に関する調書の残高(注))との照合により、その差異が適正な

差になっていること、すなわち、差異が個々の収入未済額の合計と一致することを

確認することが重要であり、それにより初めて、貸付金残高の妥当性、適正性を担

保することができるものと考えられることから、年度末等の一定の基準日での各貸

付金総額の残高把握は重要であり、システムの改修が望まれる。ただし、既存の貸

付システムにおいて、既に貸付け、回収及び滞納等のデータを集計し出力するとい

う有効な機能が備わっているにも拘わらず、実際当該機能を使用していない貸付シ

ステムもあり、当該機能の有効利用が望まれる。

また、母子・寡婦福祉資金貸付金においては、13 種類の貸付制度があり重複する

借受人もおり、名寄せが必要であるが、その集計機能も備わっていない。さらに、

延滞債権の延滞理由もシステムに反映できれば管理上より望ましいと考えられる。

現状では延滞債権の状況(行方不明、生活保護、転出等)は各担当者が把握してい

るのみであり、システムで理由別に把握できれば、今後の対応を検討する際の有効

な情報となり、回収強化に繋がるものと期待できる。

いずれにせよ、プログラムの改修等により、これらの機能の付加を検討していく

必要がある。

なお、堺市環境整備資金貸付金は、平成 18 年度末までに新システムを導入予定と

のことであるが、上記改善事項を考慮に入れたシステムの検討が望まれる。

(注)財産に関する調書の残高は、償還額を実際の入金額ではなく、調定額をもとに計算している。

⑤ 連携強化

母子・寡婦福祉資金貸付金及び堺市小口更生資金貸付金においては、所管部署で

ある健康福祉局と実際の貸付け及び回収等の管理を行っている各支所との 2 箇所で

の管理となっているが、現状では、各支所は所轄部署のシステムと繋がっておらず、

所管部署と支所間の情報交換や確認は制度的に実施されていない。また、支所にお

ける管理も担当者ごとに工夫されたあくまで個人的な管理台帳にすぎず、債権管理

制度として整備された管理台帳に基づく組織的な管理になっていない。

具体的には、母子・寡婦福祉資金貸付金を管理している各支所の地域福祉課では

手書きの貸付台帳にて、また、堺市小口更生資金貸付金を管理している各支所の生

活援護課では、別途データ入力を行いシステムによる管理と手書きの貸付台帳にて

管理を行っているという状況である。しかも、母子・寡婦福祉資金貸付金について

は、各支所で作成している手書きの台帳も口座振替による回収については記帳して

(8)

付及び管理を行っている支所での債権管理状況を把握すべき台帳は、適宜に正確な

情報を把握できるような台帳にはなっていない。

本来、健康福祉局に導入されている各貸付金管理システムが各支所とシステム的

に連携し、情報の共有による一元管理が望ましいが、現状の、手書きの管理台帳の

作成を継続するのであれば、台帳としての網羅性、完全性を確保したものにする必

要があり、また、手書きの台帳を廃止するのであれば、適宜に支所にシステムのデ

ータを送付する等の連携強化による、管理コストの削減及び情報の有効利用の促進

を図っていくことが望まれる。

グループB:市内の地域福祉の推進、保健医療の充実や地域振興に資するための貸付金(貸

付先が選定による団体)について

・堺市障害者福祉支援費制度移行事業経営資金貸付金

・堺市医師会立介護老人保健施設いずみの郷運営資金貸付金

・地域総合整備資金貸付金

① 事業者の選定過程の明確化

堺市医師会立介護老人保健施設いずみの郷運営資金貸付金は、市が「堺市老人保

健施設整備にかかる調査報告書」に基づき、老人保健施設の建設及び運営について

社団法人堺市医師会に対して要請した「いずみの郷」の運営に要する資金を貸し付

けたものであるが、選定されるに至る検討過程が必ずしも十分ではなかったと考え

られる。また、地域総合整備資金貸付金は、株式会社ファームを連携先に選定して

いるが、選定の際の起案等の決裁書類が保管されていなかった。双方ともに公共性

の高いプロジェクトであり、業者選定にあたっては、選定過程を明確に記録し、保

管すべきであったと考える。

また、市は社団法人堺市医師会が「いずみの郷」の建設事業経費として金融機関か

ら借入れた資金の元金及びその利子の償還額を老人保健施設償還金補助金という形

で毎年交付しており、結果として老人保健施設の建設費のほぼ全額を交付している。

この点に関しても、施設の建設から運営までの手法を検討しているが、コスト等の

数値的具体的な比較は行われておらず、補助事業方式により老人保健施設の整備を

するに至る過程並びに建設費のほぼ全額を補助金として交付することの妥当性の検

討が十分ではなかったと考えられる。

② 運転資金融資の融資期間等の妥当性の検討

堺市医師会立介護老人保健施設いずみの郷運営資金貸付金は、「いずみの郷」初年

度の運営資金の支出超過額を全額、無担保及び無利子で貸し付けている。しかし、

(9)

転資金を充当する等、開設当初における収支の安定化を図るためであることを鑑み

ると 16 年 4 ヶ月という長期間の貸付期間は合理性に乏しく無利子融資であることを

合わせると不公平感は否めない。運転資金であれば長くとも 5 年程度が許容される

貸付期間と言え、今後、同様の貸付制度の際には貸付期間の検討が必要と考えられ

る。

グループC:市内の中小企業の保護育成のため及び市の公有地拡大の推進に資するための

貸付金等(貸付先等が外郭団体等)について

・中小企業融資制度

・堺市土地開発公社貸付金

(1)中小企業融資制度について

① 保証審査の強化

中小企業振興会における代位弁済の実行額はここ数年増加傾向にあるが、これは

保証実行に係る審査において、一般の金融機関から融資を受けられないような場合

でも、中小企業振興の制度趣旨から担保による回収可能性が確保されるならば積極

的に融資してきた経緯があり、本来重視すべき損益予測や事業計画等よりも担保重

視の審査になっていたことに起因すると考えられる。もちろん、代位弁済でも、担

保権の行使によって債権保全はできるが、市内中小企業者の振興育成のための保証

融資であることを鑑みると、今後の回収可能性にも重点を置いた審査体制にしてい

くことが必要である。

なお、担保は十分であるが、今後の事業計画等では返済に不安が残るような場合

においては、中小企業振興会の経営支援事業と連携し、その改善を図るべく指導及

び育成していくことが、より中小企業振興会保証融資の制度趣旨に適うものと考え

られ、そうすることにより、追加融資後に代位弁済が実行されるような事例も防止

できると期待される。

また、審査の決定に至る経緯を示す資料が無く、当該資料の作成と決裁文書への

添付及び保管の徹底が望まれる。

② 回収マニュアルの完備

中小企業振興会においても、債権保全のための回収マニュアルが作成されていな

い。中小企業振興会における代位弁済により取得した債権の回収は、他の債権者と

の権利関係も複雑であり、回収の専門性がより要求されるものと考えられる。その

ためにも、グループAで述べたように債権保全のための回収マニュアルの作成は必

(10)

③ 貸付金制度の見直し

中小企業に係る 13 種類の融資制度において、現在、利用されているのは金融環境

対応資金融資の 1 種類のみであった。中小企業融資に係る融資制度が周知徹底され

ているかを検証するとともに、当該融資制度の趣旨並びに管理コスト及び業務負担

等を勘案のうえ、融資制度の抜本的な見直しが必要と考えられる。

④ 資金預託金額の予算精度

平成 15 年度より中小企業金融環境対応資金制度が創設され、平成 15 年度及び平

成 16 年度においては、それぞれ 10, 000 百万円の予算設定が行われたが、実際の資

金預託額は、平成 15 年度で 376 百万円、平成 16 年度で 1, 520 百万円であった。今

後は精度の高い予算設定を行う必要がある。

(2)堺市土地開発公社貸付金について

平成 15 年 5 月 30 日に堺市土地開発公社より堺市土地開発基金に 2, 150 百万円の返

済が行われた。

しかし、堺市土地開発公社においては、金融機関からの多額の有利子負債(平成 15

年度末残高 15, 437 百万円)を有しており、無利子である市の借入金を返済すれば、有

利子である金融機関からの借入金を返済するより堺市土地開発公社の金利負担は増加

する。堺市土地開発公社の金利負担が増加すれば、ひいては将来市が堺市土地開発公

社から土地を買い取る際に金利部分が買取価格に上乗せされるため、結果的に市の負

担が増加することとなる。

土地開発公社は、本来的には市に代わって必要な土地の一部を先行取得することを

目的としており、その運営についても実質的に一体の関係にあると言える。したがっ

て、堺市土地開発公社からの貸付金の返済を行う場合には、両者のトータル的な財務

コストの負担にも配慮することが望ましい。

グループD:市職員への福利厚生等のための貸付金について(貸付先が市職員又は厚生会)

について

・非常勤職員等社会保険料資金貸付金

・堺市職員厚生会貸付金

(1)非常勤職員等社会保険料資金貸付金について

当該貸付金は、第1 監査対象の概要 2 貸付金の形態別分析【表4】に記載の

(11)

はなく、社会保険料負担についての市との感情的な問題が背景にあることから、法的

措置も含めた組織的な対応を検討する必要がある。

(2)堺市職員厚生会貸付金について

当該貸付金は、堺市職員厚生会が実施する派遣職員貸付事業の原資として貸し付け

たものであるが、平成 16 年度における利用実績はなく、50, 000 千円の資金が有効利

用されていないのが現状である。

資金の有効活用のためにも、利用実績に応じた貸付額の設定が必要である。

参照

関連したドキュメント

向老期に分けられる。成人看護学では第二次性徴の出現がみられる思春期を含めず 18 歳前後から

監査役 御手洗冨士夫、小杉善信、真砂靖は、会社法第2条第 16 号及び第 335 条第3号に定める社外監査役であります。. 2.

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に

対象自治体 包括外部監査対象団体(252 条の (6 第 1 項) 所定の監査   について、監査委員の監査に

( 同様に、行為者には、一つの生命侵害の認識しか認められないため、一つの故意犯しか認められないことになると思われる。

AMS (代替管理システム): AMS を搭載した船舶は規則に適合しているため延長は 認められない。 AMS は船舶の適合期日から 5 年間使用することができる。

⑴調査対象 65 歳以上の住民が 50%以上を占める集落 53 集落. ⑵調査期間 平成 18 年 11 月 13 日~12 月

さらに, 会計監査人が独立の立場を保持し, かつ, 適正な監査を実施してい るかを監視及び検証するとともに,