第 61 回情報公開・個人情報保護審査会議事要旨
1 開催日時 平成 24 年 10 月 15 日(月) 午後6時 50 分~午後8時 15 分
2 開催場所 浦安市中央公民館第1会議室
3 出 席 者
(委 員)髙木委員、飯田委員、浜島委員、渡邉委員
(実施機関)こども家庭支援センター 尾頭所長、雨宮、竹内
(事務局)工藤総務部長、井上総務部次長、三枝総務課長、金子補佐、中根、寺田
4 議 題
・個人情報の取扱いに関する制限の適用を除外する事項等について
5 資 料
(事前に送付したもの)
・諮問書(第 25 号)
・資料1
1 事務の位置づけと目的等
2 臓器移植に伴う浦安市における児童虐待情報の取扱いに関する指針(案) 3 関連法及び通知(抜粋)
4 臓器移植の流れフローチャート
5 小児法的脳死判定基準に関する検討別資料1の
「脳死下臓器提供者から被虐待児を除外するマニュアル」に関する検討
・資料2 諮問第 25 号 答申審議関係
・参考資料 関連答申第8号及び条例の参照条文等
6 会議経過
・初めに、事務局から当諮問についての説明。次に、実施機関から資料1により、当該諮問内 容に関わる事務について説明した。
・諮問書等については、各委員に事前に送付しており、その内容について委員に意見を求めた。
・以下のような質問及び意見があり、諮問案件が了承された。
委 員:医療機関から児童相談所へ照会が行き、その後児童相談所から市に照会が来るよ うにも読めるが、どの機関からの照会を想定しているのか確認したい。
実施機関:医療機関からの照会を想定している。医療機関は、県の児童相談所と市町村のそ れぞれに対して情報照会を行うことになる。
委 員:市が行うことの範囲はどこまでか確認したい。
事 務 局:最初に医療機関より臓器提供を検討している児童について市の方に照会される。
対象者が臓器提供を検討している児童ということであると、脳死状態にある児童 の個人名や性別等の個人情報を受け取ることになるため、まず、これがセンシテ ィブ情報の収集に当たる。その後、対象児童の虐待情報の有無についての提供を 行うため、これが外部提供に当たると整理している。
委 員:市が照会を契機としてさらに調査して、市が保有しているもの以上の情報を収集 するということではないのか。
実施機関:過去に虐待としての対応をしたかどうかというところのみを回答することになる。 委 員:虐待の相談があった場合に調査等をしているようだが、その事務の法的根拠はあ
るのか。
実施機関:情報の収集については、「児童福祉法」と「児童虐待の防止等に関する法律」を根 拠とし、条例第4条の第3項第2号の「法令等の規定に基づくとき」ということ で事務を行っている。
委 員:虐待を受けていた児童の権利を守るのは理解できるが、その児童を虐待していた 親の権利について害することになる。
実施機関:法律に基づいて、当該児童のみだけでなく、同居する家族、親族についての情報 収集も必要となってくる。要保護児童対策地域協議会という機関を設置して、意 見をもらいながらも行っている。
会 長:規定に基づいて行っている従前の事務と異なり、児童の臓器提供に関する事務に 新たな根拠が必要ということであろう。本案件が個人情報保護条例の例外に当た ることになるため、事前に審査会の承認を得たいとのことであろう。
それでは、諮問内容について実質的な議論の方に入っていきたい。
委 員:回答様式には、児童の氏名を記入する欄しか設けないのか。医療機関側にとって は、個人を確実に識別するためにも、住所等の欄もあった方が良いように思う。 逆に、確実に個人を識別できないとまずいかなとも思う。
また、書面でなく口頭で伝えることもあるとのことだが、その場合に、相手の確 認を確実に行う手段についてはどうするのか。
それと、指針では、照会は市長へ行うとなっているが、実際の機関の名称としな くてよいのか確認したい。
実施機関:指針には市長という表記をしているが、実際にはこども家庭支援センターが児童 虐待の担当部署として事務を行う。
会 長:医療機関からは市長宛という文書を出させるが、その文書は現実にはあなた方の 部署に回ってくるということだろう。
口頭で依頼があった場合のその依頼先の確認についても説明してほしい。 実施機関:緊急時は、まず連絡をしてきた医師の氏名と病院名を聞き、聞いた病院名をこち
らで調べた後、その病院の代表番号から医師を呼び出して伝えるという形を考え ている。このような臓器提供ができる医療機関の一覧があるため、それから病院 名や連絡先を調べられる。
会 長:照会に対しては、相談の内容は含まれず、期間のみを回答するということか。 実施機関:はい。相談等の対応をした期間のみ回答をする。
委 員:臓器提供の相談の有無のみを照会されているが、相談がないからと言って虐待自
体が無かったとは言い切れないだろう。実際に行った虐待件数と実施機関で把握 している虐待件数についての捕捉率はどの位か。
実施機関:捕捉率は不明ではあるが、児童虐待の相談受理件数で言えば、平成 21 年度が 155 件、22 年度が 151 件、23 年度が 200 件であり、全国的な速報値で言えば、22 年 度が約 5 万 5000 件、23 年度が約 5 万 9000 件である。
委 員:マニュアルでは、児童の家庭におけるDVも、児童への直接の虐待同様、臓器提 供の対象から除外する理由となっているが、そこはどう判断するのか。
実施機関:家庭でDVがある場合、子供への精神的な影響も考えられるため、心理的虐待の 一つとして対応できるものもある。市と警察署や児童相談所との連携としては、 最初に警察署等へDV相談があった後、県の児童相談所へその話が行き、そこか ら市のこども家庭支援センターへ話が届けられる形となっている。しかし、家庭 にDVがあったかどうかについてすべての事例を把握しきれないため、DVの有 無の照会という意味では、今回の照会には加味していない。
委 員:医療機関の方が警察へも照会をするということか。 実施機関:はい。
会 長:「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律」の附則第5項にある、「措置を 講ずるものとする。」ことを具体的に言っているのは、厚生労働省のガイドライン のみか。また、政府より法の改正に伴っての協力依頼の通知等は来ているのか。 実施機関:具体的なものはガイドラインだけであり、政府からの通知等は来ていないが、県
は平成 24 年の3月 28 日に指針を作成している。
会 長:市としては、この法律の趣旨に則って、適正な臓器移植が行えるための協力体制 を整えたいということか。また、市の指針も県の指針に準じた内容になっている と理解してよいか。
実施機関:はい。
委 員:本案件の照会のように、市が持っていないような様々な情報を市が結果的に受け 取ることは多々考えられるが、それら全てを「収集」と捉えることには用語の使 い方として違和感がある。それらを「収集」とすると、情報を受け取る度に審査 会を開かなければならないということか。
一般的に「収集」とは、市が一定の目的の下、市がイニシアチブを取りながら活 動することであるのではないか。制度に反対している訳ではないが、少し硬い印 象がある。
会 長:市に情報が届けられる場合に、通常不要なものであれば記録として残す必要はな いという意味で「収集」していないと言えるが、本件の場合は、事実があったこ とが記録として残るものである一方、内容が脳死情報といったものであり、本来 積極的に市が残す情報ではないことから、一種の「収集」になる、ということで あろう。個人情報保護に反しないようにということで当審査会の承認を得ていき たいということだろう。委員からの意見のとおり、実施機関が積極的に虐待の証 拠を集めたりする趣旨ではないが、記録として残る情報であるため、例外の処置 としたいということだろう。
他の自治体でも同様な扱いをしているのか。
事 務 局:はい。
会 長:附則第5項の趣旨から考え、このように市が対応していくことは、この目的に照 らして相応な行為なのかなと思う。指針案や様式等についても、特に問題がある 内容ではない。もう少し踏み込んだ内容の提供があるのかなとも思っていたが、 形式的な部分に留めているということからも問題ないと思うがいかがか。
委 員:こども家庭支援センターで扱っている子供の年齢は何歳か。また、そこで扱う子 供の情報はどのくらいで廃棄するのかだけ確認したい。
実施機関:子供は 18 歳までを対象としており、記録の保存については、基本的には事案終結 時から5年が経過後に廃棄や、その子供が 18 歳を過ぎるまで保管し、その後廃棄 としている。
会 長:よろしいか。他に意見は無いようなので、この案件について了承するという方向 で審査会の意見をまとめたいと思う。意見書は事務局と私に一任していただいて 作成をするということにしたい。
以上