• 検索結果がありません。

資料置場 コマの物理から素粒子のスピン

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "資料置場 コマの物理から素粒子のスピン"

Copied!
39
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

剛体の力学

こまの運動の理解にむけて 剛体の運動方程式 オイラーの運動方程式

(2)

剛体の力学

コマをうまく立たせるには?

       

→ どうして?

フリスピーをうまく飛ばすには?

      

→ では、どうしてうまく飛ぶのだろう?

剛体の力学

(3)

そんな事を考えて、なにかいいことあるか?

ジャイロスコープ?

いったいそれはなんだ?

(4)

剛体とは

剛体

物体中の任意の2点の距離が常に一定のもの

外部からどのような力が加わろうとも全く変形しないもの

“オリハルコン”?

そんなものは現実には存在しないのだが、、、、、、、

“コマ”は剛体か?

無理矢理外力を加えれば変形する。

でもコマの運動を考える時には “剛体” として考えても問題ない

想定している環境下で、外力による変形を “無視” できるもの 場合によっては軟式テニスボールだって剛体。

(5)

剛体の運動

質点の運動を記述するためには、質点の「位置」を決めればよい。 座標 自由度

1次元運動 x 1個

2次元運動 x, y 2個 3次元運動 x, y, z 3個

r

では剛体の運動を記述するのに必要な『自由度』は?

(6)

剛体の運動の自由度: 剛体の位置

物体中の任意の2点間の距離は常に一定 基準の点を1点決めれば、

物体中の任意の点は表現できる 剛体の位置は、任意の一つの点

例えば 重心

(7)

剛体の運動の自由度: 並進運動

並進運動

物体の各点が同じ方向に移動する

剛体中のある一点の運動を考えればよい

質点の運動と見なすために重点の移動を考える

(8)

剛体の運動の自由度: 回転運動

回転運動

物体のある点を中心に回転する

剛体中のある一点のまわりの運動を考える 重点まわりの回転を考える

平面内だと回転角は一つ 3次元だと、例えば、

それぞれの軸まわりの3つの回転

(9)

回転運動といっても

3つの軸それぞれの周りでの回転を考える

となかなか難しいので、剛体の重心を通る「回転軸」を決め、 その軸周りの回転を考えるようにする。

(直交座標系を考えるとすると、例えばz軸を回転軸と考えて、

z軸を傾けるのに必要な2つの角度 θ、λ。それからz軸まわりの角度φ)

 

自由度は 3個

(10)

剛体の運動における自由度

並進運動=重心の移動 r= x y

z

回転運動: 3つの自由度

合計6個の自由度を持つ

 ,  , 

(11)

剛体の運動方程式

重心の方程式は、質点の運動方程式と等しい。 今は並進運動を考えずに、回転運動のみを考える。

(剛体の1点がどこかに固定されている場合) 固定点を O とする。

剛体を

剛体を構成する質量 mi の質点の固まり と考える。

固定点 O からの距離は変化しないので、 質点の運動は

m i

r i

Fi

O

d L i

dt =r i × F i

と考える事ができる。

L i = r i ×p i =m i r i ×v i

(12)

剛体の運動方程式

i

d L i

dt = i r i × F i

剛体を構成するすべての質点について足し上げると、

i

d  L i

dt = i N i

N

i

= r

i

× F

i

˙L = N N =

i

N

i

L =

i

L

i

m i

r i

Fi

O

(微少部分の固定点に対する 外力によるモーメントの和)

(13)

剛体の運動方程式: 剛体を固定しない場合

重心 O を回転の中心と取ると

m i

r i

Fi

OR

重心の運動方程式

M d

2

R

dt 2 = i

Fi

i

m

i

= M

i

m

i

r

i

=0

重心周りの回転

i

d L i

dt = i r i × F i

結果を先に書いてしまうと

の独立した二つの微分方程式で記述できる

(14)

重心

m

i

r

i

F

i

OR

O '

r

i'

重心とは

重力中心 質量平均

R=

i

m

i

r

i'

i

m

i

=

1

M

i

m

i

r

i

'

i

m

i

= M

剛体の固定点を O とすると、

M  R=

i

m

i

R r

i

= M  R

i

m

i

r

i

i

m i r i =0

重心から見た、「剛体の重心」は原点ということ。 当然といえば当然の結果。

(15)

剛体の運動方程式の導出

原点 O' を剛体の外にとり、

剛体内の固定点 O の位置ベクトルを R とする。

剛体内の微少部分の位置ベクトルは 固定点を基準に、 ベクトル r であらわす。

微少部分

位置ベクトル 運動方程式

r

i'

=  Rr

i

m

i

¨R ¨r

i

= F

i

全体では

i

m

i

¨R ¨r

i

=

i

F

i

i

m

i

¨R

i

m

i

¨r

i

=

i

F

i

重心 O を回転の中心と取ると 重心 O を回転の中心と取ると

i

m

i

= M

i

m

iri

=0

i

m

i ¨ri

=0

M ¨ R=

i

F i

重心にある質量 M の質点に、剛体に作用する

すべての外力を合成した力が作用している場合と同じ

m

i

r

i

F

i

OR

O '

r

i'

(16)

剛体の運動方程式の続き

m

i

r

i

F

i

OR

O '

r

i'

˙L

i'

=r

i'

× F

i

微少部分の原点まわりの回転を考える

R r

i

× F

i

˙L

i'

= d

dt Rr

i

× m

i

˙Rm

i

˙r

i

M ¨ R

i

˙L

i

= R×  F 

i

r

i

× F

i

˙L

i'

= d

dt m

i

R× ˙ R m

i

˙r

i

m

i

r

i

× ˙ Rr

i

× m

i

˙r

i

˙L

i'

= d

dt Rr

i

× m

i

˙Rm

i

˙r

i

重心にOを取ると

i

m

iri

=0

i

m

i ˙ri

=0

˙L

i

d

dt R× ˙ R = ˙ R× ˙ R R× ¨ R

重心に O をとって、微少部分について足し上げると、

M =

i

m

i

F =

i

Fi

M ¨ R=  F

i

˙L i =

i

r i × F i

原点周りの運動=重心の運動方程式 剛体の回転は、重心の運動と切り離し、 重心まわりの回転を考えれば良い

(17)

剛体の運動方程式のまとめ

重心の運動方程式 重心の運動方程式

M ¨ R=  F

重心周りの回転 重心周りの回転

i

˙L

i

=

i

r

i

× F

i

m

i

r

i

F

i

O

R

O '

重心周りの回転運動と 重心の運動に分解できる。

モーメントを使って書き直すと

˙L = N

剛体の(重心まわりの)角運動量の時間的変化は 剛体にかかる重心まわりのモーメントの和に等しい

(18)

剛体の回転運動とモーメント

m

i

r

i

F

i

O

R

O '

˙L = N

N

i

= r

i

× F

i

N  =

i

N

i

N  = r×  F dV

(19)

角速度ベクトルの導入

剛体 剛体の中の任意の2点間の距離がつねに一定 つまり重心まわりの回転を考える場合、

「回転座標に固定されている質点の運動」に等しい

質点の角速度ベクトル ωi を導入する

v i = × r i

L =

i

L i =

i

r i × m i r i

L =

i

m i r i ×  × r i

L =

i

m i r i 2

i

m i r i r i ⋅ 

A×B×C=BAC−CAB

(20)

角運動量ベクトルと角速度ベクトル

L =

i

m i r i 2

i

m i r i r i ⋅ 

この項が存在すると、角運動量と 角速度は平行でなくなる。

※平面内での質点の運動

位置ベクトルはつねに角速度と垂直

※ 平面内での質点の運動 L = m r2 ω = m r v = rp

(21)

慣性テンソル・角速度・角運動量

r

x

r⋅  =

k =x , y , z

r

k

k

r

x

=

k

 r

k

r

x



k

r r⋅ =

r

x

r

x

r

x

r

y

r

x

r

z

r

y

r

x

r

y

r

y

r

y

r

z

r

z

r

x

r

z

r

y

r

z

r

z

x

y

z

L =

i

m i r

i

2 −

i

m i r

i

r

i

⋅ 

rxr⋅=

r

x

r

x

r

x

r

y

r

x

r

z

x

y

z

位置ベクトルの x 成分を見ると

r

2

=

r

2

0 0

0 r

2

0

0 0 ∣ r

2

L = I  

I

kl

=

i m i r i 2 kl −r ik r jl

慣性テンソル

(22)

慣性モーメント・慣性乗積

L = I  

I

kl

=

i m i r i 2 kl −r ik r jl

慣性テンソル

k = l の場合

慣性モーメント

k ≠ l の場合

慣性乗積

I

kk

=

i m i r l

2 r m 2

I

kl

=−

i m i r k r l

I =

i

m

i

y

2

 z

2

−xy −xz

− yx x

2

z

2

− yz

−zx −zy x

2

 y

2

成分で書き出してみると

(23)

慣性モーメント

I =

i

m

i

y

i2

 z

i2

−x

i

y

i

−x

i

z

i

−y

i

x

i

x

i2

z

i2

− y

i

z

i

−z

i

x

i

−z

i

y

i

x

i2

 y

i2

r

i2

m

i

 

回転軸との距離が r

i の質点 mi の回転運動を考える。 質点の角運動量の大きさは

L i =m i r i 2

角速度ベクトルを x, y, z の軸まわりの回転で考えて、 それぞれの(軸への距離の自乗)×(質量)を独立に考えた ものが       慣性モーメント

(24)

慣性テンソルとはなんぞや?

L = I  

I

kl

=

i m i r i 2 kl −r ik r jl

m

i

r

i

F

i

O

R

O '

微少部分の質量 微少部分の位置に関係

剛体中での質量分布

剛体の形状 に関係する量

あくまで、剛体中の固定点に対する量  → 固定点が変化すれば慣性テンソルも変化 剛体中の固定点周りの慣性テンソル I が分かっている剛体があったとき、

固定点を中心に角速度ベクトル ω で剛体を回転させると 剛体は固定点を中心として角運動量 L をもって回転する。

固定点に対し角運動量 L で運動している剛体は、その慣性テンソルを I とすると、 固定点周りに、角速度ベクトル ω をもって運動する。

剛体の角運動量は外力によるモーメントできまるので、

˙L = N

(25)

I

kl

=

i m i r i 2 kl −r ik r jl

r i

m i = dV

I

kl

= dV  r i 2 kl −r ik r jl

I =

 y 2 z 2  dV  xy dV  xz dV

 yx dV  x 2 z 2 dV  yz dV

 zx dV  zy dV   x 2  y 2  dV

慣性テンソルの積分表示

剛体の微少部分の質量は、 その体積と密度の積

(密度は剛体内で変化してもよい)

(26)

慣性テンソルのいろいろ

z

r

 

回転軸( z 軸)に固定されている半径 r0 の円柱

 =

0

0

z

角速度ベクトルは z 軸と平行

I =

I

xx

I

xy

I

xz

I

yx

I

yy

I

yz

I

zx

I

zy

I

zz

0

0

z

=

I

xz

z

I

yz

z

I

zz

z

剛体がz軸まわり以外には回転しない場合は Izz のみを考える

(27)

慣性テンソル (慣性モーメントの計算)

z

r

 

m

i

= dV

i

I

zz

=

0 r0

 r

2

dV

dV =dz dr  r d 

dz

d 

r d 

dr

I

zz

=

0 2

d 

0 z0

dz

0 r0

dr  r

3

2  z

0

 r

0

4 半径 r0 高さ z0 の円柱の体積は

4

V = π r02 z0

密度をρ(一定)とすると、質量は

m = π r02 z0 ρ

I

zz

=

m r

02

2

ρは一定とする

(28)

剛体の運動方程式と慣性テンソル

N  = ˙L

N  = d

dt I

もし回転軸に対する慣性テンソルが分かっているのであれば、

外力によるモーメントによって、回転軸まわりの角速度の変化量が分かる

(29)

回転軸に固定された 円盤・円柱 の回転運動

z

r

 

m

r

0

z

0

F

I

zz

= mr

0

2

N

z

= I zz d

z

2

dt

回転軸と垂直に、円柱側面に沿って外力 F を作用させる 外力によるモーメントは Nz = r0 F

角速度の時間変化は

 ˙

z

= N

z

I zz =

2 F

mr 0

角速度の変化

大きな力 大

重い物体 小

半径の大きな物体 小

(30)

回転軸に固定されていない剛体の運動: 固定点のある剛体

固定点

N = d L

dt =

d

dt I

運動方程式

固定点まわりの『外力のモーメント』 N 固定点まわりの『角運動量』 L 固定点まわりの『慣性テンソル』 I 固定点まわりの『角速度ベクトル』 ω

コマの動きを見てみると、軸周りの回転に加えて、軸自体が回転している 角速度ベクトルが時間とともに変動

角速度ベクトルが2成分を持つ

固定点まわりで回転しているので、回転と共に 『慣性テンソル』 が変化する。

  =  1   2

計算の煩雑さを避けるために、

『剛体に固定された座標系』 を使って考える。

空間に固定された座標系で

慣性テンソルを計算する事が原因

(31)

慣性主軸

y

x

z

固定点 O を原点とする (x, y, z) 座標軸をとる

この軸に対する『慣性テンソル』が分かっているとする

OX方向を向いた基本ベクトル

n=

i

r i

r

i

=

x

i

y

i

z

i

OXまわりの慣性モーメントを考える

OX

l

i=

ri

sini

cos 

i

= n⋅r

i

∣  n r

i

l

i2

= r

i

2

sin

2

i

l

i2

= r

i

2

1 − n⋅ r

i

2

r

i

2

l

i2

= r

i

2

−n⋅r

i

2

(32)

慣性主軸 つづき

l

i2

= r

i

2

−n⋅r

i

2

n=

r

i

=

x

i

y

i

z

i

2



2



2

=1

l

i2

= x

i2

 y

i2

 z

i2

− x

i

 y

i

 z

i

2

l

i2

= x

i2

 y

i2

z

i2



2



2



2

− x

i

 y

i

 z

i

2

l

i2

= y

i2

z

i2



2

 z

i2

 x

i2

 

2

 x

i2

 y

i2



2

−2   x

i

y

i

−2  y

i

z

i

−2 z

i

x

i

I

OX

=

i

m

i

l

i 2

I

OX

=

2

i

m

i

 y

i

2

z

i2



2

i

m

i

 z

i

2

 x

i2



2

i

m

i

 x

i

2

 y

i2

I

OX

= −2 

i

m

i

x

i

y

i

−2 

i

m

i

x

i

z

i

−2 

i

m

i

y

i

z

i

I

OX

=

2

I

xx



2

I

yy

 I

zz

2  I

yz

2  I

xz

2   I

xy

この式の意味する事はなんだろうか?

(33)

慣性主軸

I

OX

=

2

I

xx



2

I

yy

 I

zz

2  I

yz

2  I

xz

2   I

xy

I

OX

=1

を考える

I

x ' x'

 '

2

 I

y ' y'

'

2

I

z ' z '

'

2

=1

は楕円面を構成する 適当な回転により

となる座標系を選択できる。(3次元は難しいので2次元の楕円で考えるとよい) この楕円面で構成される 楕円体の主軸を  『慣性主軸』 という。

慣性主軸に対し 慣性乗積=0 となる。

剛体には、慣性乗積が0となるような、剛体に固定された座標系が必ず存在する。

回転体の場合、 慣性主軸は 回転軸と、それに垂直な任意の相直交する2軸

(34)

楕円: 2次元の場合

I

xx

2

I

yy

2

2 I

xy

 =1

2次元で見てみると

I

xx

2

I

yy

2

2 I

xy

 =1

  '

'

楕円を回転したもの

I

x ' x'

 '

2

 I

y ' y'

'

2

=1

1 /' I

x ' x '

2

1 /' I

y ' y '

2

=1

軸を適当にとる事で、

軸に対して傾きのない楕円をとるように出来る。

これは3次元でも同じ

(35)

回転体の慣性主軸

回転体の場合、 慣性主軸は  回転軸と、

それに垂直な任意の相直交する2軸

慣性乗積を考える必要がなくなる

(36)

コマの運動

コマのような『回転対称』な物体の場合、 対称軸を座標軸の一つにとる。

→ 『慣性乗積が0』

→ 回転軸に対して『慣性モーメント』は時間に対して一定

コマに固定されている系から見た回転を考え

→ 空間に固定されている系からはどの様にみえるか 考える。

『回転座標系での慣性力の問題』

→ 平面内ではなくて、3次元空間での問題

(37)

回転座標系で見た質点の運動のまとめ

x

y

x '

y '

r

˙=

 

˙r' =R  [ − ×r  ˙r ]

¨r' =R  [ −

2

r −2  × ˙r  ¨r ]

r ' =R r

F ' =R [ −m

2

r −2 m  × ˙r   F ]

コリオリの力

˙A ˙A − × A

静止座標系の任意のベクトル A を回転座標系でみる

˙A ˙A  × A

回転座標系の任意ベクトル A を静止座標系でみる

みかけの成分

(38)

剛体に固定した系での運動方程式

˙A ˙A ×A

˙L ˙L ×L

角運動量の時間微分

N  = ˙L   × L

慣性主軸(剛体に固定した座標)からみた慣性モーメントは時間によらず一定

N  = I  ˙    × L

剛体上からみた 角運動量の変化

剛体の回転によって生じる みかけの成分

(39)

剛体の運動方程式: オイラーの運動方程式

N  = I  ˙    × L

慣性主軸に対し慣性乗積は 0

I =

I

xx

0 0

0 I

yy

0

0 0 I

zz

成分毎に書き下すと

N x = I xx˙ x  I zzI yy   zy

N y = I yy˙ y  I xxI zz   xz

N z = I zz˙ z  I yyI xx   yx

オイラーの運動方程式

固定点を持つ剛体の、慣性主軸まわりの回転運動を記述する方程式

参照

関連したドキュメント

微小粒子状物質は、大気中に浮遊する粒径が2.5μm

微小粒子状物質は、大気中に浮遊する粒径が2.5μm

➂ブランチヒアリング結果から ●ブランチをして良かったことは?

うのも、それは現物を直接に示すことによってしか説明できないタイプの概念である上に、その現物というのが、

 第1報Dでは,環境汚染の場合に食品中にみられる

マーカーによる遺伝子型の矛盾については、プライマーによる特定遺伝子型の選択によって説明す

熱が異品である場合(?)それの働きがあるから展体性にとっては遅充の破壊があることに基づいて妥当とさ  

3000㎡以上(現に有害物 質特定施設が設置されてい る工場等の敷地にあっては 900㎡以上)の土地の形質 の変更をしようとする時..