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にしもろ畑かん営農通信 第9号 宮崎県:西諸県農林振興局

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Academic year: 2018

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全文

(1)

適期の播種・定植作業の実施、

種子発芽率の向上等の多面的な水利用について

加工・業務用野菜に取り組む農業経営の課題

にしもろ畑かん営農通信「第9号」(平成27年3月発行) 発行:西諸地区畑作営農改善推進協議会

収穫期を予測し、乾燥による発芽率低下を防いで

計画的に播種し、適期に収穫することが課題となっています

加工・業務用野菜をめぐる情勢

○国内野菜の仕向け量割合

56%

44%

加工・業務用 家計消費用

すでに生食用を 上回っている

加工・業務用 家計消費用

近年、食の外部化による加工、調理食品、 外食向けの需要が増えており、

野菜生産の振興を図るためには、

生食用だけではなく、加工・業務用野菜の 生産に取り組むことが求められています。

資料:農林水産政策研究所(H22時点)

○西諸県地区の加工向けほうれんそう作付面積の推移

0 100 200 300 400

H13 H14 H16 H17 H18 H19 H20 H22 H23 H24 資料:西諸県市町村統計(H15,H21は統計無し)

国内の加工用野菜需要の高まりを受け、 近年、加工向けほうれんそうが

西諸地区の重要な品目として 定着しました。

○取引先が加工・業務用取引で重視する点

資料:独立行政法人農畜

産業振興機構(H20調査)

数量確保(82%) ○ 栽培履歴(50%) ○ 品質一定(36%)

→加工・業務用野菜は、納期、数量、規格を事前に契約=定時・定量出荷が重要

ほうれんそう 冷凍加工施設

(受入期間は 11~5月) 加工向け

ほうれんそう の収穫

○加工向けほうれんそうの課題

ほうれんそう等の軟弱野菜は、収穫期の幅が狭く、収穫予測が困難です。

春先に収穫が集中するなど、収穫の平準化を図ることが一つの課題となっています。

多雨や干ばつで播種が重なると、収穫期が重なり、適期に出荷ができません。 1ヶ月間雨が降らず、1ヶ月間分の播種が重なった事例もありました。

(2)

58 67 76

8898 110119

126133 137 133

113 50 75 100 125 150

9/18 10/2 10/16 10/30 11/13 11/27 12/11 12/25 1/8 0 300 600 900 1,200 1,500

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

播種から収穫開始までの積算温度

10/3播種で3/1まで収穫したほ場は、とう立ちがありました。(収穫時の積算温度1,520℃)

播種日 収穫開始日 生育日数 積算温度

H25.9.21 H25.12.2~9 72~79日 1,199~1,320℃

H25.10.3,4 H26.1.6~2.9 95~129日 1,152~1,383℃

H25.10.11 H26.2.20 132日 1,192℃

H25.11.1 H26.3.18 137日 1,102℃

H26.9.25,27 H27.1.19 88~90日 1,239~1,259℃

H26.9.29 H27.1.27 120日 1,406℃

H26.10.8 H27.1.19 103日 1,151℃

R² = 0.7866

60 80 100 120 140

9/15 9/21 9/27 10/3 10/9 10/15 0 5 10 15 20 25 30

9月 10

11

12

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月

H25.9月~H26.8月

平年平均気温

加工・業務用野菜の定時・定量出荷のために①

結果1

播種時期、年度に関係無く、収穫開始の積算温度は1,100~1,400℃

ほうれんそうの定時・定量出荷には、まず収穫時期の予測が必要です。

そこで、積算温度を利用して、正確に収穫時期を予測する方法を調査しました。

結果2

積算温度が1,100~1,400℃に達する日数は、播種する時期で変わる

(例えば、秋に播種する作型では、播種日が遅くなるほど生育に要する日数が増える)

小林市の気象推移(H25.9月~H26.8月)

過去10年間の平均値の積算温度を用いて、予測表を試作しました。数値を基に計画的に出荷する

ための播種計画を立てられることが分かってきました。今後も調査していきます。

収穫開始

日数

10月

11日

10月

4日

10月

3日

9月

21日

9月

21日

9月

21日

10月

3日

H25~26年産の小林市野尻町13カ所のほうれんそう畑で調査。積算温度は、気象庁HPより。目標収量は3t/10a。 品種は、サプライズ7、クロノス。栽培履歴は、クラウド型作業日誌「農業生産管理SaaS」で記録した農家より提供。

11月

1日

ほ場数

播種日

播種日と収穫開始日までの日数の関係

積算温度と加工向けほうれんそう生育の調査結果

10月

8日

10月

8日

H26年産

H25年産

播種から収穫開始までの積算温度は一定

播種が約2週間遅くなると、平均 1ヶ月ほど収穫開始が遅くなっている

播種日

9月

25日

9月

27日

9月

29日

10月11月12月

収穫に適する積算温度1,100℃から1,400℃までの期間は、平均気温約6℃だと50日です。

平均気温15℃だとわずか20日しかありません。(つまり、春先は、収穫作業が追い付かないという事態

や、各生産者の出荷が集中し、加工場の受け入れが不可能となる事態が起きやすくなります。)

日数

【参考】播種日毎の積算温度1,100℃に達する日数

収穫 予定日

逆算した播種日 収穫までの日数 1,400℃ 1,100℃ 1,400℃ 1,100℃

11/15 9/6 9/18 70 58 12/1 9/13 9/25 79 67 12/15 9/18 9/30 88 76 1/1 9/23 10/5 100 88 1/15 9/26 10/9 111 98 2/1 9/30 10/14 124 110 2/15 10/5 10/19 133 119 3/1 10/11 10/26 141 126 3/15 10/17 11/2 149 133 4/1 11/3 11/15 149 137 4/15 11/16 12/3 150 133

5/1 12/10 1/8 142 113 播種日

(3)

排水性改善や水を使って計画的に播種することで、収穫期の幅を広くとれます。 収穫期が重なり、適期に収穫できないことを防げます。

また、干ばつでも収量が安定することで、取引先への正確な出荷量・出荷時期の 情報提供が可能になり、契約取引の安定化につながります。

加工・業務用野菜の定時・定量出荷のために②

ほ場の排水性改善

ほ場の排水性が不良であれば、降雨とその後のぬかるみによる 適期作業が妨げられ、適期に播種ができません。

また、病害発生や品質低下にも結びつきます。

かんがい用水の確保

乾燥した天候でも、計画的な播種と安定的な発芽が可能になります。 また、生育中の乾燥による生育の遅れを防ぐことができます。

ほ場の均一化と農地の集約化

加工・業務用の場合、品質のそろった野菜を、大規模かつ省力的に 栽培し、かつ高反収・低コストを実現する必要があります。

作業の効率化を可能とするほ場整備、集約化が必要になります。

サブソイラ等による心土破砕 緑肥すき込みで土壌物理性改善

ほうれんそうへのかん水

給水栓

県営畑地帯総合整備事業による農地集積 農地中間管理機構の説明会

ほうれんそうの計画的な出荷のためには、計画的な播種が非常に重要であることが 分かりました。他の品目でも適期に作業をするためには、以下の取り組みが重要です。

溝掘り機よる表面排水

にんじん播種前後のかん水

整備前

(4)

黒沢津 岩瀬 鹿児山

無かん水区 2,744 2,189 2,147

かん水区 3,951 3,267 2,630

0 1,000 2,000 3,000 4,000

ダム、幹線水路、ファームポンド゙等の 国営事業は、H29年度完了予定です。

パイプラインがつながったところ から随時水が使えるようになります。

水 は宝 西 諸 の 畑 に 生 農 地 の 水 を

平成26年度 石川さといも試験ほ結果

0.0 50.0 100.0 150.0 200.0

7月 8月

降 水 量(

m m)

日 照 時 間(

h)

26

7

8

月の気象推移

(観測地点:小林市)

H26降水量 平年降水量 H26日照時間 平年日照時間

平成26年は、7月上旬と8月に降雨が多く、日照不足で、さといも疫病が多発

する天候でした。しかし、7月中下旬は非常に降雨が少ない天候でした。

3つの試験区で、収量が平均約1t/10a増加していました。7月中下旬の日照時間がある 時期にかん水によって水分を確保することで、光合成が活発になったと考えられます。 いもの肥大促進のためには、梅雨明け後、適期のかん水が重要です。

かん水区のかん水期間は、降水量が少なかった7月中旬~下旬のみ

ファームポンド パイプライン

浜ノ瀬ダム

平成26年の気象とさといもの生育

かん水期間 7/13~7/20 7/20~7/28 7/18~7/29

10a

当た

収量(

k

g

a

(kg)

【畑かん営農:問い合わせ先】 西諸地区畑作営農改善推進協議会

【事務局】 宮崎県西諸県農林振興局 地域農政企画課 (畑かん営農推進担当) TEL 0984-23-3165 農業経営課(農業改良普及センター) TEL 0984-23-5105

★畑かん営農に関してわからないことがあれば、お気軽にご相談ください★

加工・業務用向け野菜の計画的な出荷や、さといも等の高収量確保のためには、 「干ばつだから水をかけよう」から「計画的に水をかけよう」に転換が必要です!

参照

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