平成16年度 第3回浦安市文化財審議会議事要旨
1 開催日時 平成16年9月15日(水) 10:00∼13:00
2 開催場所 浦安市郷土博物館 集会室
3 出 席 者
(委 員)泉澤委員長、相馬副委員長、吉野委員、宇田川委員、岩下委員、森田委員
(事務局)西谷教育長、佐久間部長、常世田次長、河野館長、狩野副館長、 林主任学芸員(記)
(傍聴人)なし
(その他)前丸山委員
4 内 容
1.委嘱状の交付
2.教育委員会あいさつ 3.委員長及び副委員長選出 4.委員長あいさつ
5. 議事 ( 1) 報告事項
① 千葉県指定無形文化財30周年記念事業、企画展「浦安のお洒落踊り」の開催結 果報告について
② 夏休み特別こどもミュージアム
「『ぜね』物語−たどろう、お金の歴史」の開催結果報告について
③ 国土交通省江戸川河川事務所による清瀧神社水準標石の調査報告について ( 2) 協議事項
<史跡表示板の原稿確認> 船圦緑道
( 3) その他
① 県外視察について
② 境川藻の調査について
会議に先立ち、委嘱状の交付式が行われた。
交付の前に、今回退任される丸山純前委員にご挨拶いただき、西谷教育長より丸山委員 へ謝辞が述べられた。
1. 委嘱状の交付
西谷教育長より、各委員に対し、委嘱状が交付された。
2. 教育委員会あいさつ
西谷教育長より、就任に際しての挨拶が行われた。
3. 委員長及び副委員長選出
吉野委員より、委員長と副委員長の推薦が行われ、満場一致で、委員長に泉澤伸吾氏、 副委員長に相馬和子氏が選出された。
4. 委員長及び副委員長あいさつ
今期の委員長として選出された泉澤委員と、副委員長の相馬委員によるあいさつが行わ れた。
また、司会の狩野副館長より、委員全員の紹介がなされたのち、議事に入った。
5. 議事 ( 1) 報告事項
① 千葉県指定無形文化財30周年記念事業、企画展「浦安のお洒落踊り」の開催結果報 告について
河野館長より、資料に基づいて報告が行われた後、質疑応答に入った。
委 員 : 最後の「所見」という部分は、これまでのこういう報告にはなかったよ うに思うが、大変すばらしい。次の「ぜね物語」の報告にはないようだが、 総括として非常に重要なので内容なので、今後もこういう所見を入れてほ しい。また、この所見を今後の博物館活動に活かしていって欲しい。 事務局 : 了承
委 員 : 南小学校の子どもたちの真摯な踊りを見て感激した。オシャラクという と、地元に育った私でもなんとなく年寄りのものという感じしかもってい なかったのであるが、子どもたちが真剣に取り組んでいる様子を知って、 認識を改めた。子どもたちに伝えていくこのような機会を今後もつくって いくことが大切である。
② 夏休み特別こどもミュージアム
「『ぜね』物語−たどろう、お金の歴史」の開催結果報告について
担当学芸員林より、資料に基づいて報告が行われた後、質疑応答に入った。
委 員 : 三つのことがとてもよかったと思う。 1.ターゲットを絞ったこと。
2.テーマが身近なものであったこと。
3.内容、コンテンツが、専門家をお願いしていて、充実していたとい うこと。
この3つをコーディネートした学芸員のマネージメントが非常によく機 能していたということであろう。なおかつ、来館者が満足して帰っている ことが、アンケートの「来るたびに違う発見ができた」という言葉にも表 れている。これは、まさしく顧客の満足度が非常に高いことを示している ものと思われる。今後の展示にも、このような3点を意識した学芸員のコ ーディネートを期待し、また他の職員もそれをうまくサポートして、来館 者の顧客満足度を高められるような運営をしていってほしい。
委 員 : 何度か足を運んだが、親子連れできていたお客さんがいて、親が子ども にいろいろな説明をしている姿が見られた。子どもたちが歴史に関心をも つこと、これがとても大切なのではないかと思う。親子でのコミュニケー ションにもつながり、いい企画であったと思う。
われわれは、今まで自分の口から「ぜね」などという言葉を出すのはい いことではないような世代であったが、思い違いであったと思った。
部 長 : 資料に、他の博物館へ浦安から行っている人がいる、という報告がある が、本当か?
事務局 : そのようです。
委 員 : われわれ「ぜね」という言葉があまりいいようには感じなかったが、こ うして改めて見直すと、いいところに目をつけた企画だったのだというこ とができる。
委 員 : あるお母さんから、子どもの夏休みの宿題といっても、毎年親はさほど 力をいれるようなこともなかったのに、今回の「ぜね」ということで子ど もにせがまれて初めて博物館に来た、という話を聞いた。こんなにすばら しい博物館ということを初めて知って今後もよく利用したい、と言ってい た。「ぜね」という自分の生活に身近な問題をとりあげるということは、 すばらしいことだったと実感した。
委 員 : 子どもが親をひっぱってきているということですね。
委 員 : 浦安弁で、お金のことを「ぜね」ということも知らなかったという人が いた。
委 員 : さきほど、他の博物館との関係がでたように、今後も類似館や関係する ような博物館との連携、パートナーシップを大切にして、お客さんが相互 に来るようにしてほしい。
委 員 : 資料として添付されている「キュリオマガジン」とはどのような雑誌か? 事務局 : 古銭コレクターを対象とした雑誌らしい。
委 員 : とてもいい記事になっている。
事務局 : ミニコミ紙や地域新聞にも情報を流したが、残念ながらやったことに対 しての掲載はなく、イベント情報としての掲載だけであった。
この企画展は、資料が非常に高価なものであることから、保険や警備な どについての壁が大きく、学芸としても開催していいものかどうか非常に 迷っての開催であったが、結果的には大成功であったといえる。
委 員 : 今回の成果を、事例報告として是非博物館関係の業界紙にまとめて欲し い。今回の企画は、博物館業界でもかなり画期的なことであると思う。
他の博物館の参考にもなることであるので、是非文字にして残して欲し い。それも、勤務時間外の学芸員の余技としてなのではなく、業務として、 きちんと勤務時間中に執筆などができるように配慮してほしい。博物館の 成果をそのままにしておくのではなく、外に公表し、社会に還元するとい うことも、学芸員の大切な仕事である。
事務局: 今回の企画展について、開催前に他館の学芸員にチラッと相談してみた ところ、「よく開催するねぇ」という反応であった。というのは、借用資料 として非常に高価であるため、保険・警備をどうするかということがもっ とも大きな問題であった。
小判一枚500万円ぐらいしてしまうものもあるため、全資料の評価額 を計算すると何億円にもなってしまい、それに対して保険にかけるとなる とそれだけでものすごい金額になってしまう。どこまで、保険をかけるか、 などの見極めや警備、鍵の管理など、いままでの企画展にはなかった問題 が多かったのだが、事故など何事もなく、資料も無事返却できたことがな によりもよかった。
委員長 : 正直言って、最終日には本当にほっとしました。紛失などの事故につい て、大変心配であったが、何事もなくてよかった。
③ 国土交通省江戸川河川事務所による清瀧神社水準標石の調査報告について
担当学芸員より、江戸川河川資料に基づいて報告が行われた。
江戸川河川事務所がまとめた報告書の内容を簡単に事務局から説明し、また委員が リンドの調査のためにオランダへ調査に行ったことについてのご報告をお願いした。
委 員: 8月31日∼9月5日まで、日本の数学・測量史料についてのプロジェク ト( 文部科学省から補助金をもらっての「江戸のものづくり」というテーマの
プロジェクト) のお手伝いとして、調査にいったもの。いずれ、写真やデータ は公開する予定。
リンドは、オランダのハーグの土木局長をやっていたので、関連するよう な場所に行ったりした。
問題は、この清瀧神社の石が本当にリンドの設置したものなのかどうか、 というところである。リンドが堀江に水準標石をつくったという事実はハッ キリしている。また、神社にそれらしき石がある、というのも事実。
しかし、その二つが直接結びつくような史料がまだでてこないということ である。この石が、本当に記録上言われているリンドの水準原標である、と いうことはまったくわからない。
それを示すような資料がほしい。考えられるのは、リンドが当時学んだと 思われる当時の測量技術についての書籍などを調べれば、図面などでこの石 と同じような形のものがでてくれば、リンドのつくった石であることを裏付 けることができると思われる。しかし、残念ながら今回の調査では時間的な 制約もあり、そこまではできなかった。
いずれにせよ、もう少し時間が必要である。
委 員 : この前の審議会で初めてこの報告を聞いた。浦安には、昔から江戸川に潮 位を計るためのものはある。神社そのものに何も資料がないというので、な かなか難しいと思うが、時間をかけてじっくり調べていきたいことである。
委 員 : 龍神社そのものが移設されていると聞いたが?
事務局 : 大正期の写真と昭和20年代の図面をあわせてみると、昭和20年ごろま で龍神社は今の社務所裏の三峰神社などと並んだ位置にあったようだ。今の 社務所や宮司宅を建てる時におそらく移設したものと思われる。この石が、 龍神社移設と一緒に動いたのか、あるいはもともと今の位置にあったのか。
どちらとも判断もつかない。
委 員 : 玉垣もあとからつくっているから。玉垣をつくったのは、いつ頃だった だろうか?
委 員 : 自分の父がお父さんが総代を勤められているころだったので、そんなに 古い話しではないと思う。40∼50年代だと思う。
委 員 : 今回江戸川河川事務所から提出された報告書の中にかかれているリンドの 日記が非常に重要だと思う。報告書には、残念ながら一部が翻訳されて掲載 されているのみである。
リンド自身が書いたものを、あるオランダ人が入手し、それをオランダ語 に活字化している。それを翻訳したものが一部掲載されているが、リンドが 書いた原資料と、その活字化されたものの双方を入手することが大切である。
それを突き合わせて、翻訳していく、ということが必要になってくるので、 入手できるようにしてほしい。
委 員: 江戸川河川事務所の方の態度がもう少しはっきりしてほしいところだ。市
として前にでてしまっても、都合がよくないと思うので、河川事務所ともよ く話し合って進めていって欲しい。いずれにせよ、時間をじっくりかけてや っていくものであろう。
( 2) 協議事項
<史跡表示板の原稿確認> 船圦緑道
担当から、史跡表示板設置の経緯について簡単な説明を行った後、「船圦緑道」の原 稿を見ながら、内容についての検討を行った。
以前の審議会で出されて意見をもとに、原稿の手直ししたものが「訂正後」という 原稿になっている。
事務局 : 前回の審議会で、船圦川は自然の川ではなくて、人工的に掘削されたもの だといわれている、ということを付け加えるべきではないか、という意見が だされたので、「狩野浄天・田中十兵衛により∼」という一文を付け加えた。
また、「船圦川」ではなく「船圦」と呼んでいた、という指摘もあったので、 そのことも一文付け加えた。
委 員 : これは、今後どういうスケジュールで発注するのか?
事務局 : 今年度予算で作らなくてはならないので、3月までにつくらなくてはなら ない。ただ、緑道の工事の進捗状況によっては、製作だけしておいて、設置 は4月以降ということになる可能性もある。
現在のところの予定では、今回の審議でさほど直すところがなければすぐ に契約にはいりたい。まだ、直すところがたくさんあるようであれば、次回 の 11 月の審議会は県外視察で会議はできないので、郵送などで確認をとりな がら進めたいと思っている。
委 員 : 視察のとき、バスの中でやってもよい。
委 員 : 「狩野浄天・田中十兵衛により∼」といきなりでてくるので、この前に{当 代島を開拓した狩野浄天...いうようにつけくわえればいいと思う。また、
「田んぼへ水を運んだ」という表現は、船で運んだような誤解も生むので
「流した」とした方がいい。また、「貝類を荷揚げする光景」とあるが、貝 だけでなければ「魚介類」としたほうがよい。
「川であることの必要性」という言い方が判りにくいので、もう少し表現 を考えた方が良いのではないか?
委 員 : 当代島で生まれ育ったものとしては、当時生活水準が変っていったこと が一番の原因であったように思う。生活水準があがって、洗い物なども川 までいく必要がなくなっていった。
委 員 : 生活に密着した川としての機能が、生活水準の向上によって薄れてきた ということであろうか?
いずれにしても、小学生にもわかるような表現にすることが大切である。
委 員 : われわれの年代の者としては、漁業権が放棄され、船を止める必要がな くなって、次第に当代島に住む人が増えていって、次第に役目を終えた、 というイメージがそのままある。
委 員 : 境川も水門をつくるようになったら、汚れちゃったね。
委 員 : それと同時に、北部土地改良で農業ができなくなって、用水としての役 目もなくなった。父が、北部改良に関係していて言っていたことには、今 の道路をつくるときに、田んぼの土を採って道路につかったら、田んぼの 固い地盤がでてくるまでになってしまい、田んぼとして使えなくなってし まったと聞いた。その後南部土地改良のときには、山から泥をかったらし い。そんな関係で、この時代に川が必要なくなってしまったということで あろう。
委 員 : 今の緑道の下には、太い土管が埋められている。その工事のとき、年寄り たちがよく覗き込んでみていた記憶がある。やっぱり川がなくなることはさ みしいことだったと思う。水神祭のとき、よくここにも入り込んでいた。 事務局 : では、「川であることの必要性」を「生活に密着した川としての機能が次第
に薄れ」ではどうでしょう。何分文字数が少ないので、なにもかも入れ込 むのは無理なので。
教育長 : 訂正前の文章と比べながら考えると、「その必要性」となっていて「その」 が指すことは、飲料水・船・水路の重要性をさすものと思われる。そう考え ると、下の訂正後の文章も、「当代島地区の∼ 」の文章を整理すれば、もう 少しよくなるのではないか。
委 員: もう少し時間をかけてよく考えてみましょう。
事務局 : では、次回の視察のバスでまたご検討をお願いします。
部 長 : 最近緑道工事をやって、半分しか植え込みがなくなってしまったので、「緑 の道路」という表現が合わなくなっている。
事務局 : そちらも、現場を確認しながら、もうすこし表現を変えて、次回提出しま す。
( 3) その他
① 県外視察について
担当林より、11 月17日( 水) に予定している県外視察について、資料に基づいて説明 を行った。
事務局: 茨城県自然博物館は、今年10周年を迎えるので、そのことについてとボ ランティア活動についてを中心に視察したいと考えている。
当館も、来年5周年記念を迎えるが、リニューアルなど大々的なものにつ いては10周年を目標にやりたいと考えている。5周年については、これま
で活動をキチンと記録に残すことと、これからこういう方向でやっていくの だ、ということをPRするような形で考えている。学芸の企画展だけでいう なら、これからは浦安市内についてだけできなく、行政区域にとらわれず、 外に向っても情報発信していく博物館を目指したいと思っている。来年は、 水産庁の「豊かな海づくり大会」と連携して、「アオギス」展をやり、また北 西部地区文化財行政担当者連絡協議会での展覧会の開催地が当館になってい る。いろいろな機関と連携を取り合いながら、館の事業を進めている、とい うPRを意識して、事業を組む一年にしたい。
② 境川藻の調査について
館長より、9 月 7 日に環境部から依頼を受けて、県立中央博物館の植物課長と元副 館長を中心に藻の調査が行われた。千葉県の絶滅保護生物Bクラスに指定されている リュウノヒゲモという植物が群生していることが発見されたとのことである。今後も、 なにか情報が入ったら、審議会で報告したい。
以上、昼食後、閉会した。