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時間割表・シケプリ置き場 09年入学文ⅠⅡ22組 Neuling hotoshakai

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Academic year: 2018

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法と社会シケプリ

レジュメは各自ダウンロードして下さい。基本的にこのシケプリはレ ジュメに補足を加える形にしたいと思います。授業内容が必ずしもレ ジュメの順番に沿っていないことがありますが、そこのところは各自臨 機応変に対応して下さい。そもそも、シケ対である僕がほとんど授業に 参加していないので、このシケプリの信憑性や、このシケプリが試験に 有効なのかは甚だ怪しいものです。あんまり信用しないほうが良いと思 われます。申し訳ない。upload されている過去問(3 年分)は見といてく ださい。

1、 法と社会

ⅰ桶川ストーカ事件・・・刑事訴訟で勝った後、民事訴訟でも勝利。

⇒民事において殺人は、不法行為によって損害を与えたものとして扱 われる。被告に財産があれば、損害賠償を受け取ることができるが、 この場合、遺族が民事に訴えた意味はほかにあるのではないか。自 分の娘の死を合理的に究明したい、娘の無実を晴らしたい等々。 東京駅構内コンビニ万引き事件・・・万引きを捕まえようとしたコ ンビニの店長が、無銭の万引き犯に殺される。刑事訴訟・民事訴訟 ともに勝利。

⇒万引き犯は財産がない。8370 万円の判決に意味があるのだろうか。

法学においては、事実とそれに沿った法の運用の議論に終始し、答 え(判決)がでた時点で、思考停止に陥る場合が多い。法は本当に 正義を実現できるのだろうか。

ⅱ医療過誤についての新規の訴訟数  H5:442 件→H14:896 件  社会のトレランスの低下?  マスコミの同調?:「医者叩き」

「紛争展開」モデル 被害の発生→未認知

     ↘認知→泣き寝入り         ↘苦情→相手の受諾

       ↘相手の拒絶→紛争→交渉

(2)

       ↘申し立て→調停・仲裁・訴 訟

詳しい図はレジュメ参照。

この図を見れば、ある被害が発生しても、それが現代の法学の扱う領 域(訴訟など)に至るには、多数の段階が存在することが分かる。先 にふれた、医療過誤訴訟の増加も、被害の発生自体が増えたというよ り、被害全体のうち訴訟などに至って顕在化する事例が増えたととら えるべき。

アメリカでの調査~どのくらいの被害者が訴えるのか~

 Tort 不法行為、Discrimination 人種・性差別、Post-divorce 離婚

⇒アメリカでさえもなかなか訴訟に至らないという現実。

アメリカでは 44000 人が医療過誤で死んでいるという事実

⇔都立病院では 60 万件の事故、入院者数の 4.6%に事故が発生。  →900 件という訴訟数がいかに少ないかがわかる。

教訓:法解釈とは別に、法の real な運用に着目するべき。 2、 法解釈・・・法のイメージとの相違

法は平和的紛争解決手段と言える。法を、論理的説得力と常識的判 断を兼ね備えた法的思考力(リーガル・マインド)によって解釈す ることで、妥当な解決策を考えることが目的。

その解釈の上で重要なのは具体的事例(現実に起こっている問題) に沿って運用することである。そこで、法解釈の上で次のような問 題に直面する。

・文言の多義性

・法の不完全性

・社会の変動性≒法の硬直性 3、裁判の見方

1)なぜ被害者は裁判を起こすのか 2)裁判を起こすのに必要なものは何か 3)弁護士はどのように探すのか

4)裁判が当事者へ与える影響→経済的・心理的コスト 訴訟のコスト(原告側)

(3)

1 経済的コスト~5000 万円請求の場合(請求の基準は将来の稼 ぎ

      の見込み)    ⅰ)訴訟費用

   ⅱ)弁護士費用←一般家庭では大きな負担    ⅲ)弁護士の調査費用

   ⇒勝つ保証がなくても、350 万~450 万の負担を強いられる。 2 心理的コスト

 そもそも訴訟は不幸に起因するため、原告側の心理的コストは必 然的に大きいものになる。

ⅰ)「あの時ああしていれば・・・。こうしていれば・・・。」と いう自責の念。

ⅱ)相手側の対応・弁護士の対応・裁判所の反応・世間の風当たり   ex.「悲しき勝訴」

 訴訟のコスト(被告側) 1 経済的コスト(病院)

ⅰ)裁判沙汰→評判の低下=病院経営に直結

ⅱ)経営陣と医師の間に亀裂

ⅲ)弁護士費用

ⅳ)ミスをした医師はクビ?

2 心理的コスト(ミスをした医師)

)病院内での孤立

ⅱ)医師としての評判低下

ⅲ)医師として、患者を死なせたことに自責の念(そもそも、「人 を助けたい」いう思いからこの仕事に従事しているはずであり、こ の思いは相当あるのではないか。)

 紛争化の過程

被害の発生→被害の認識→加害者の特定→加害者への苦情

→加害者との交渉→訴訟・調停・仲裁(大変な obstacle race)

弁護士に相談しても・・・過失なしと判断されたりして、泣き寝入りす る事例が 96%。訴訟に持ち込んでも、勝つか負けるかは半々。さらに、 裁判所が判決を下すとも限らない。裁判所の強い要請により和解に持ち 込まれることもある。

*訴訟に至るまでに多数の段階が存在し、なかなか訴訟に至らないとい

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う点は民事に限らず刑事裁判でも言えることである。

3、 医療過誤訴訟での加害者・被害者の思い 本事件での紛争化過程

「死因」の特定の難しさ

 →例えば、手術中に死んだとき、その原因が執刀した医師にある のか、補助していた看護師にあるのか、本人の病気・怪我にあるの か判断することは難しい。そこには高度な専門性もかかわってくる。

訴訟へ踏み出す

→不信の念+その不信を裏付ける事柄(他の医師の意見など) そして、「自分は可哀そうな被害者」という意識から、「子供・社 会のために自分には何かができる」という自己のパラダイム変換が 必要。

弁護人探し

→多数の弁護士の中から、自分たちの境遇に理解を示し、裁判におい て自分たちの意見を代弁してくれる弁護人を見つける。意見の相違 がみられることもしばしば。しかし、裁判の専門性故に雇わないわ けにもいかない・・・。

4、 医療訴訟の難しさ

・死因の特定の難しさ

・弁護士は医学に関しては素人である→弁護士二人体制=コスト上 昇

・協力してくれる医療従事者の少なさ

・裁判において勝訴しても、「真実」が明らかになるとは限らない ・・・etc

  裁判の判決に頼らない解決法

1 和解:早期解決・低コスト。真摯な謝罪が得られる?

     和解は双方の納得を最優先するので、flexible な運用が可      能。そして、確実な履行が見込める。

   一方で、正当な権利主張が阻害される可能性がある。    裁判所が和解勧告を出すこともしばしば。

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2 調停:第三者(調停委員)が間に入って、話し合いの補助・促進    を行う。調停を受け入れるかどうかは自由。

3 仲裁:双方が合意した仲裁人による仲裁が行われる。双方は仲裁    に従う必要がある。

5、 司法権の独立と裁判官の独立

司法権の独立:司法権の行使が行政・立法機関その他から干渉・影 響

       を受けずに独立してなされること。

裁判官の独立:司法権の独立を担保として、裁判官個人についても 一

切の干渉を排除すること。

  ⇒大津事件:児島惟謙は司法権の独立を守ったが、裁判官に書簡で 指

        示を出す行為は、裁判官の独立を侵害しているのでは。

6、 医療過誤への刑事的視覚

ex.慈恵医大青戸病院事件・福島県立大野病院事件・東京女子医大事 件

医療と刑事規制-資格規制/医療行為と刑事規制

安楽死・治療の意図的差し止めと医療ミス→殺人行為に当たるのか

*行政が介入する事例も増えている。従来は医療と関係のない場面で 犯罪があったときのみ介入があった。

資格規制→本来、「国民の安全を守る」という意図で行われている も  

     の。本人・家族・医療従事者に負荷?cf.鈴花ちゃん事件 医療ミスと刑事規制→刑法 209・210・211 条

211条:業務上過失致死傷等…5 年以下の懲役 or50 万円以下の罰金     業務上必要な注意を怠った結果、人を死傷させた場合。      =反復継続の意思があることで認定される。

    過失→どんなに小さなものでも、過失と認定され得る。 医師法 21 条:異状死の届出義務…処罰はほとんどない

       死体を検案した結果、異状があれば警察に届け出る。    ⇒医療ミスでの死は「異状死」?…現状、ほとんど適用なし     黙秘権は無いのか・自白強制では?…ほとんど議論なし

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⇒⇒⇒最近の動向

横浜市大病院事件+薬害 HIV 事件(旧ミドリ十字の血液製剤) の結果、マスコミが大きく取り上げるようになった。そして、刑事 訴追数や異状死届出数が上昇した。

これに対する医療界の批判:「故意ではない」ミスが刑事処罰の対 象とされるのは、日本だけである。 訴追の実際:かつては看護師・技師が多かった(注射ミスなど)。 大半は略式起訴により処理され、罰金となった(行政罰もなし)。 この背景には医師の場合過失の証明が難しいことが挙げられる。 ここ 10 年で略式命令による刑事処罰が急増している。

警察の心理:業務上過失致死として届けとかないと・・・ 検察の心理:不起訴にするわけにもいかない・・・

←マスコミのプレッシャか?  訴追される職種→医師が最も多い  訴追される病院→大学病院や国公立病院

*医療不信の進行を食い止めるために、医療ミスによると思われる異 状死・重篤な障害が発生した場合は全て警察に届ける傾向がある。こ れが刑事事件増加の一因。

さらに、刑事訴追に至るプロセスの中で、訴追するかどうかの判断基 準が存在しないことも問題である。これは、事例が少なすぎることに 起因している。

患者側にとっても、刑事訴追はデメリットがある

→必ずしも真実が明らかになるとは限らない

 警察に証拠を保全されてしまうことで、民事訴訟の進行が滞る  病院側の態度が硬化する原因になりうる

 検事も医療に関して素人→結果、無罪率が高まる 量刑の不均衡・・・

100%責任が医者にあるとき→和解 責任が 50:50 のとき→裁判沙汰 看護師の単純ミス→訴追されやすい 7、 医療過誤に対する刑事的規制

なるべく刑事訴追を避けたい→死因チェックする第三者機関の設立       過失ありなら、警察へ届出

      仕方ない時は、患者と交渉

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アメリカでの刑事訴追の事例 ex.Pap Scan事件

  3 度目の検査で初めて陽性とわかる(技師の見落とし)。   この時点で余命わずかに。背景には、技師の給与体制が歩合制 で

  あるがために、粗製濫造が行われていたことがある。

日米比較

日本:過失に対して広範な処罰が設けられている。例えば交通事犯。    医療ミスが起きた時、民事訴訟になると膨大な時間・コスト が

   必要で、医療者のかばいあいになりかねない。

アメリカ:過失犯処罰は例外的となっている法体制。医療ミスに対 て、訴訟以外の alternative が用意されている。

行政処分

従来は、医師による診療報酬の不正請求が行政処分の対象の中心。 若しくは、医療とは無関係の犯罪が対象になっていた。また法務省 と厚生省の連携が乏しかったため、新聞記事の切り抜きによる情報 収集などが行われていた。

近年は、刑事処分の対象とならなかった事例を積極的に処罰しよう という動向が見られる。法務省と厚生労働省間の連携も緊密である。 しかし、厚生労働省内の医療審議会には調査機関が存在しないなど、 問題もある。

cf.オーストラリア:ヴィクトリア州の医師への懲戒が年 600 人          弁護士に依頼して医師を訴えてもらう。

 日本:「お上」による制裁を期待。民事訴訟になると、「裁判沙 汰」

    となり後ろ指を指される。

8、 末期医療と法

医療倫理≒臨床倫理⇔生命倫理(臨床+ゲノム解析の是非など) 生命倫理 4 原則・・・必ずしも正しい判断が導けるわけではなく、       現実的にはあまり役に立たないが…。

生命倫理 4 原則のみで生死に関わる問題を triage 出来るのか?→臨 床倫理の誕生

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末期医療に対する法的分析:困難

9、「安楽死」と「尊厳死」

  安楽死:積極的→薬を飲ませる(日本では違法)       消極的→治療を行わない

      cf.間接的安楽死…痛みの緩和が死期を早める。緩和ケアの       向上により最近はあまり議論されない。   延命治療の中止←常に議論の的。本人の望まない治療は基本的にし て

      はいけないという医業の同意原則。

  尊厳死:回復の見込みがない患者の生命維持措置を断念・中止して、       品位を保ったまま死なせること。

参照

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