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CSR報告書2007 CSR報告書|投資家情報|サトーグループ について|サトーグループ

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目 次

サトーのCSR宣言

サトーの経営がめざすもの

サトーの経営理念と価値の創造

サトーらしくあるために

なすべきことをなす

人財を育てるために

社会・環境支援活動

サトーと環境

海外子会社におけるCSR活動

経営トップ巻末に語る

サトーの概要

2

3

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 「会社は公器である。故に企業で行う仕事は公事である」と語った創業者佐藤陽は、創業時お世話に なったアジア諸国の留学生のため私財を投じて奨学財団を設立しました。CEO藤田東久夫は社内啓蒙書

『サトーのこころ』において、「サトーは社会貢献を実感できない事業は、たとえ儲かってもやる気はありません」 と明記しています。

 社会に貢献しようとする経営トップの純粋な気持ちは、サトーの本業そのものから湧き出てくるものあり、 CSRを意識したものではありません。サトーのCSR報告書は、このような本業を通した社会貢献と日常のサトーの 社会・環境への思いを素直に表現することを編集方針にしています。

 2007年版は本業による社会貢献と、海外子会社の活動を具体的に掲載しました。

編 集 方 針

2006年4月1日∼2007年3月31日(一部2007年度進行中の事項を含む)

原則としてサトーグループ全社

但し「人財を育てるために」、「社会・環境支援活動」、「サトーと環境」は日本国内のみ サトーグループ:(株)サトー及び国内・海外連結子会社

本報告書中の「サトー」はサトーグループ全体を示し、

株式会社サトーを意味する時は(株)サトーと表記しております。

GRI「サステナビリティ レポーティング ガイドライン 2002」

今回:2007年6月(日本語版)、7月(英語版)  前回:2006年6月(日本語版)、7月(英語版)

広報CSR室

東京都渋谷区恵比寿1丁目21番3号(恵比寿NRビル) TEL:03-5789-2518 FAX:03-5420-5500 E-mail:csr-info@pn.sato.co.jp

http://www.sato.co.jp/ 対 象 期 間

対 象 組 織

参考にしたガイドライン

発 行 時 期

お 問 合 せ 先

ホームペ ージアドレス

このロゴはGRI日本フォーラム会員であることを証明するもので、 報告書の内容に検証を与えるものではありません。

表紙デザイン:白石素子 株式会社サトー シール・ラベル本部大阪デザインセンター所属

(3)

サトーの経営がめざすもの

サト ー の 経 営 が め ざ す も の

社 員 社 会

株 主

会 社

四 者 還 元

 私達サトーは、事業コンセプトであるDCS & Labelingにもとづいて、「正確、省力、省資源」による社 会貢献をめざしています。「サトーは社会貢献を実感できない事業は、たとえ儲かってもやる気はありませ ん。」(社内啓蒙書『サトーのこころ』より)

 サトーでは経営トップあてに社員全員が直接、毎日三行(127文字)の提案や報告をすることが義務と なり権利となっています。内容は気づき、思い、意見、提案、不満など何でもよく、これによりトップはいち 早く社内外の環境を把握し、必要な施策を講じることができます。経営トップは社員の立場と目線でもの を考え、社員はトップの立場と目線で意見を言うことになり、全員参加による経営を実現しています。

 本業による社会貢献活動に邁進しますと、同じ想いから自然発生的に社会や環境への支援活動も 派生してきます。地元での清掃活動に参加したり、使用済み切手を収集してNPOの活動を支援したり、 青年海外協力隊に参加したりといったボランティア活動は、日常の本業を通した社会貢献活動から派 生して、社員が自発的に行っているもので、会社として指導しているボランティアではありません。  その一方で、会社としてのサトーも「サトー国際奨学財団」、「日本児童文芸家協会」の活動支援、植 林活動への出資など、本業による社会貢献と想いを一つにする社会・環境支援活動をおこなっています。

本 業 に よ る 社 会 貢 献

全 員 参 加 に よ る 経 営

四 者 還 元 の 実 行

社 会・環 境 支 援 活 動

 サトーでは株主、社会、会社、社員の四者を等しく重要なステークホルダーと考え、企業活動によって 得た利益をこの四者に分け隔てなく還元しようとしています。

 そのためにサトーは、株主を第一義と考えています。なぜなら社会や環境を含めたあらゆるステークホ ルダーの価値は、最終的には株主価値に表われると考えるからです。株主価値を第一義と考えれば、社 会への貢献はもとより、会社にも利潤が還元され、社員の福利にもつながります。したがって四者還元 のための、株主第一義のコーポレートガバナンスということができます。(なお、サトーでは「社会」の中に、 環境や取引先などのステークホルダーも含めて考えています。)

 サトーのCSRは、「本業による社会貢献」の実践を旨としています。

 サトーでは、経営トップのコミットメントによってCSR(社会貢献)活動が方向づけられ、実行される

とは考えていません。CSRの主体は永年にわたって培われた事業のあり方そのものです。そこには

企業文化や風土も含まれます。一方、経営トップは重要な存在であるとしても、CSRのひとつの要素に

すぎません。

 そのため経営トップが経営方針を売上拡大、多角化、利益重視など様々に変更しても、あるいは

経営トップが交代しても、サトーのCSRは変わることがありません。

 サトーが理想として追求していることは、サトーの事業そのものが、CSRを意識することなく社会

や環境に溶け込み、価値を創造し、その成果物を株主、社会、会社、社員の四者で等しく分かち合う

ことです(四者還元)。

 株主、社会、会社、社員を「環」とし、サトーの事業活動を通して四者が成果を享受すること、これが

「サトーの環」です。

サトーのCSR宣 言

(4)

ハードウェア

プリンタ、ハンドラベラー、 MCカードリーダ・ライタ…

保守サポート

機器メンテナンス、 定期点検

サプライ

シール・ラベル、 ICタグ・ラベル、チケット、

カーボン・リボン…

デザイン

オリジナルデザインや 基材のご提案

ソフトウェア

顧客管理ソフト、 汎用ソフト、 パッケージソフト…

周辺機器

パソコン、スキャナ、 ハンディターミナル…

サト ー の 本 業 で あ る D C S & L a b e l i n g 事 業 と は

サトーの経営がめざすもの サトーの経営がめざすもの

 サトーが事業コンセプトとして掲げる「DCS & Labeling

(データ・コレクション・システムズ・アンド・ラベリング)」は、 バーコード・2次元コード・RFID(ICタグ・ラベル)などの自 動認識技術を活用して、現場データを効率的かつ正確に 収集し、情報処理系に送り届ける、サトー独自のビジネス モデルです。

 流通、製造、食品加工、医療、運輸など、社会のあらゆる 現場に「物」や「人」の動きと「情報」の流れが存在します。 サトーは、自動認識技術により「物(人)」と「情報」を関連 付け、それらの情報を収集する最適なソリューションを提案 することで、正確性の向上や省力化の推進、省資源の実

現を目指します。

 たとえば、医療の現場で正確かつ迅速な医療処置を助 ける「医療過誤防止システム」は、医療スタッフや患者さ んの心的負担の軽減にも役立ちます。小売の現場で、レ ジでの値引き忘れを防止し、正確な精算処理を助ける「マー クダウン(値下げ管理)システム」は、生鮮食品の廃棄ロ スを減らし、環境負担を軽減するという側面も持ちます。  私達サトーは、本業であるDCS & Labelingによって、あ らゆる分野の「正確・省力・省資源」を実現し社会に貢献 してまいります。

お客様のニーズに合わせて、バーコード、2次元コード、RFIDなどの自動認識技術を駆使し、 最適なプリンタやサプライ、周辺機器、ソフトウェアを組み合わせ、

導入後の保守サポートも含めたトータル・ソリューションを提供します。

正 確 省 力 省 資 源

安全・安心をお届けしたい 労力の無駄を排除したい 資源の無駄を排除したい

医療過誤防止システム トレーサビリティ データの自動入力…

棚卸、検品作業の省力化 ラベル貼付作業の自動化

手入力の回避…

複写伝票を1枚のラベルに 廃棄ロスの軽減 台紙ゴミの削減…

ハードウェアからサプライ、保守サポートまで一貫したサービスを提供

●医療過誤防止システム

 看護師ID、患者さんのリストバンド、注射ラベルを照合 することで患者さんの取り違えを防止するだけでなく、「だ れが、だれに、何を」処置したか履歴を記録。

●医療分野のトレーサビリティ

 医療材料への表示が進むバーコード。今後は医薬品へ の表示も進められ、医療材料・医薬品メーカーから卸、医 療機関でのトレーサビリティ

が可能に。

 原材料から製造・加工工程、出荷、店頭まで、食品の流 通履歴を管理。「食の安心」を実現するトレーサビリティシ ステムを構築。

 製造工程管理のための各種ラベルの発行・貼付、製 品の入出荷を正確かつ迅速に。

 レジでスキャンするだけで値引き処理が完了。販売チャ ンスを逃さず、食品の廃棄ロスを減らし、環境への負荷を

軽減します。

 台紙の無いシール・ラベルでゴミを削減。

「 医 療 現 場 の 安 全・安 心 」を 実 現

加 工 食 品 のトレ ー サビリティ

製 造 工 程 の 正 確・省 力 化

マ ークダウン( 値 下 げ 管 理 )シ ス テ ム

「 ノン セ パ®」ラ ベ ル

(5)

■『サトーのこころ』

 社是である「あくなき創造」は、創業者である佐藤陽により1969年に制定されました。「人も企業も自らの啓発によって 世に役立つことが使命である」との考えから、一致協力し、創造力をもって仕事をすることの大切さを、社員全員が意識 しながら社業に励むことを私達の社是としています。

基 本 的 な 考 え 方

サトーの経営理念と価値の創造 サトーの経営理念と価値の創造

企業の評価が「経済的価値」のみならず、「社会的 価値」や「環境的価値」まで含めて行われるという認 識のもとで、社会や環境とともに発展を続けていくため に、サトーが自発的に行う行動や負うべき責任の総称。

サト ー の 経 営 理 念 と 価 値 の 創 造

 サトーは「世界社会の発展に貢献する」ことを経営理 念としています。67年に及ぶ歴史の中で、サトーは本業に よる社会貢献を誠実に遂行する企業文化や企業風土を 築き上げてきました。その根幹にあるのが「サトーの経営 基本方針」であり、行動指針と倫理規程をかねた「仕事 のやり方基本要綱」です。

 企業の透明性や誠実さは、規則や規制によって実現さ れるものではなく、事業のあり方や事業を通して培われた 企業の体質、文化的な成熟によって自然かつ自発的に実

現されるものであるとサトーは考えています。

 サトーの役員及び社員は、経営基本方針を毎朝唱和す ることで「生産・販売を業とするものの本分に徹し、・・・世 界社会の発展に貢献する」基本に立ち返り、良き企業文 化を継承し、誠実さを旨とする企業倫理を守っています。こ うしたサトー精神が綿々と醸成され、遺伝子として継承され 続けていることが、サトーの健全な発展を支え、価値創造 の原動力となっています。

サト ー を 特 徴 づ け る も の

 サトーの価値創造のみなもとであると同時に、サトーを特 徴づけている二本の柱があります。「サトーのこころ」と「三 行提報」です。

 「サトーのこころ」は、CEO藤田東久夫が、先人達から 引き継いできたサトーの精神に自身の経営思想を加え、「サ トーをいつまでも若々しく、楽しく、心がわくわくするような会 社にしたい」という願いを込めて自ら書き起こした社員へ の啓蒙書であり、行動指針です。

 サトー精神の根幹である「サトーの経営基本方針」と「仕 事のやり方基本要綱」を、制定時のエピソードを交えて解 りやすく解説するとともに、「経営のルール」「経営の着想」

「サトーのエスプリ」では一人一人の社員が経営者の視 点で発想するよう導いています。

 日本語、英語、フランス語版に加え、2006年度は新たに マレー語、ベトナム語、ドイツ語、スペイン語、中国語版が 完成しました。価値創造の源泉であるサトー精神が凝縮さ れた冊子であり、サトーの社員全員に配布し、OJTや研修 などを通してサトー精神の伝承に活用しています。

 「三行提報」は、各社員が毎日直接経営トップに報告

や提案を行うサトー独自のナレッジマネジメントシステムです。 社員を通して社内外の情報や改善のアイデアが生の声と して経営トップに伝わり、集められた情報は全員に共有さ れます。経営トップに直接報告できることは組織の透明性 を維持し、社員の積極的な発言を促すとともに、自由闊達 な社風を作り上げています。また、社員一人ひとりの生の 声を聞くことにより、経営トップはより真摯かつ謙虚に経営 に取り組むことになります。

経 営 基 本 方 針( 理 念 )

 「経営基本方針」は佐藤陽により1978 年に制定されました。サトーにどのような価 値があって世の中(社会)に存在すること ができているのか。どのような目標を掲げ、そ れをどのような具体的方法をもって達成・発 展させ、サトーが目的としている社会的使命 を果たしていくのか。これらを明確に示し、

社員全員が共有することをその主旨として います。綱領はサトーの基本的な方向付けを、 信条はサトーが正しいと信じて実行する心

構えを、それぞれ簡潔に述べています。

サト ー に お け る 価 値 の 創 造 とCSR

 CSRに興味を持つ学生から、「企業にとってCSR活動 とは、価値を創造し利益を産み出す企業活動とは二律背 反の関係にあるのではないか」と質問を受けたことがあり ます。サトーでは価値創造とCSRを同義と捉えています。 サトーのCSRの原点は「本業による社会貢献」を地道に 誠実に実践することです。社会に対する責任や貢献はサトー の経営理念に組み込まれており、これを日々実践すること がサトーの価値創造の原動力です。サトーにとってCSRと は襟を正した新たな取組みではなく、経営基本方針に基 づいた「本業による社会貢献」の実践であり、価値創造 活動そのものなのです。

 サトーの企業活動は全世界に広がり、グループ社員の

半数を海外の社員が占めています。文化的な背景や習慣 を異にするグループ社員全員のベクトルを合わせて、更に 大きな価値創造につなげるために、「本業による社会貢献」 を進めます。

サト ー の C S R の 定 義

生産・販売を業とする者の本分に徹し、人類の繁栄と生活文化の向上 をはかり、全力を尽くして世界社会の発展に貢献することを使命とする。

発展・向上を成し遂げるには各人の協力が必要である。私達各人は プロ精神に徹し、サトーの企業責任を自覚して、使命観をもって一致 協力社業に励むことを信条とする。

−綱 領−

−信 条−

サトーの経営基本方針

(6)

■三行提報入力画面

経 営 監 視 機 能 と 業 務 執 行 機 能 の 分 離 独 立

サトーらしくあるために サトーらしくあるために

サト ーらしくあ る ため に ( コーポレ ートガバナンス )

 時代の変化に迅速に適応していくため、「経営の意思 決定および監視機能」である取締役と、「業務の執行機能」 である執行役員の機能を分離し、公正で透明性の高い経 営に取り組んでいます。

 現在、取締役会を構成する取締役10名のうち、独立性 の高い4名の社外取締役は独自の立場から意見や提言を 行っています。取締役には序列を設けず、議長は「輪番制」 としています。

 また社長、副社長、専務、常務などの序列を表す用語は 執行役員にのみ用いています。

 また、サトーでは「委員会設置会社」への移行を行わず 監査役機能を堅持しております。その理由は、上記の取 締役会が充分に監視機能を有していることと、監査役に よる各部署・部門への業務監査の実効性を評価している からです。

ガ バ ナ ン ス 機 能 を 果 た す 三 行 提 報 制 度

 巻頭で触れた「三行提報」の正式名称は、「会社を良く する創意・くふう・気付いた事の提案や考えとその対策の 報告」といい、3行127文字で経営トップあてに毎日意見、 提案、不満などを提出します。毎日書き続けなければならな いことにより、立派な提案より日常レベルでの些細な意見 や気づきについての内容が多くなります。

 社員全員から社内外の様々な情報が上司を通さず毎日 直接経営トップに上がることで、コーポレートガバナンス、 更にはコンプライアンスの一翼を担っています。三行提報 制度が経営にもたらすメリットととして次の4点があります。

●全員参加の企業経営 

 自由闊達な発言の場を用意し、それを真摯に受けとめる 経営トップとともに、全員参加の経営を実現しています。提 出された内容に対する経営トップからの指示やコメントは 関係各部門で共有され、社員の意見もデータベースの自 由な検索で確認できます。

 三行提報制度により、会社を日々変革しつづけていくと いう意識を社内に育成し、社員全員が経営者と同じ感覚 でものを考えるようにしているのです。

●経営トップへの牽制機能

  経営トップが各職場の問題や課題を認識し、製品不具 合やお客様の生の声(要望や不満)にいち早く接すると いうことは、経営トップの経営に対する態度をより真摯かつ 謙虚にさせる役割を果たします。

●迅速かつ的確な業務執行(意思決定)の補助機能  三行提報により、市場の動向から社内の細かな情報ま で得られることから、稟議書や企画書、経営会議の議案な どを正しく判断するための裏づけとして活用されるほか、施 策決定から遂行後の結果、指示の浸透度などを図るバロメー タの役割も果たします。

●リスク察知の機能

 毎日提出する三行提報には、よい情報だけでなく、悪い 情報、不透明な情報などリスクにつながる情報も上がるこ とから、リスクが現実のものとなる前に未然に防ぐことがで きます。

コーポレートガバナンス体制

選 任

統 治

委 任 取 締 役 会

代表取締役 役付廃止

議長持回り

社外取締役

執 行 役 員 会( 経 営 )

会長、社長、専務などの役付あり 役員数を増やし幅広く若手人材を登用

選 任

社内取締役

利 益 の 四 者 還 元

株 主 社 会 会 社 社 員

社 員

情 報 開 示

会長 社長

三 行 提 報

株 主 総 会

監 査 役 会

社員全員による不断の情報供給

三行提報による全員参加の経営

経営トップ

(CEO・COO)

執行役員

スタッフ マネジャー

リーダー

※2007年3月31日現在

(7)

■表彰式

■3ヶ国語の社内報

コ ン プラ イ ア ン ス

なすべきことをなす なすべきことをなす

 全32条からなる「仕事のやり方基本要綱」はサトーの行 動指針であり倫理規程です。

 創業者佐藤陽が「若い頃から身をもって体験した、日々の 仕事をやっていく上において、気をつけなければならない事 項を列記」したもので、その後改訂を加えながら今日にいたっ ています。第2条に「企業は公器である。故に企業で行う仕 事は公事である。」とあり、公事として見過ごしてはならない こと、許してはならないことに対しては、「私心をはさむことなく

断固たる態度で臨むこと」を命じています。

 また第3条に「物事をありのままに素直な心で見る」と書 かれており、第5条には「当然なすべきことをなすこと」とあり ます。事実に対し主観を交えて解釈すれば、誤った行動に つながり、事業は失敗します。物事をありのままに見て(客観)、 しなくてはならないことを当然のこととして行う(主観に基づ き判断し行動する)よう説いているのです。「仕事のやり方 基本要綱」には、現実に起こりうる事項に対して、当然なす べきことが具体的に分かりやすく書かれています。

 サトーにとって「企業倫理」と「社会貢献」は不可分の企

業価値の源泉であり、企業倫理の根幹にあるのが「サトー の経営基本方針」とこの「仕事のやり方基本要綱」です。 社員一人ひとりが「本業による社会貢献」を実践する強い 意志を持つことで、お客様やお取引先様の不利益となるよう な行為は自然と避けるようになります。経営幹部も、社会貢 献とは関係のない保身のために、株主や社員から希望を奪 うような行為は行いません。サトーの企業倫理は、「本業によ る社会貢献」を地道に頑固に続けることで守られています。

リス クとチャン ス

な す べ き こ と を な す

リス ク マ ネ ジメント 体 制

リスクマネジメント委員会

セクハラ対策委員会 安全衛生委員会

PL対策委員会 情報セキュリティ委員会 取締役会

経営会議 重要事項報告

報告 株主総会

会 長 社 長

(株)サトー

国内子会社 サトーインターナショナル

マレーシア工場 ベトナム工場

報告重要事項

内部監査 三行提報

通常報告

 サトーが価値を創造し、社会貢献を継続するためには、 サトー自身が健全な状態で存在し続ける必要があります。 潜在的なリスクをいち早く掌握し、事故・事件を未然に防 止する危機管理が重要となります。

 リスクを受身に考えるだけでなく、視野を広げサトーを新 しい角度から考える絶好の機会(チャンス)として捉えて体

制を作り、社員への啓発を行っています。

 各本部の代表者からなるリスクマネジメント委員会は、様々 な①リスク情報の共有化、②リスク回避のための事前予 防策、③リスク発生後の緊急対応策の審議を行っています。 リスク発生時においては、同委員会は危機対策本部となり、

復旧までの具体的なスケジュール、復旧策などを決定し、 全社を統括する役割を担います。

 潜在的なリスクを掌握するために、リスクマップを作成し、 重要度の高い項目から、対応マニュアルの整備を進めて います。

 本委員会の下には、セクハラ対策委員会、安全衛生委 員会、PL対策委員会、情報セキュリティ委員会がおかれ、 それぞれが問題意識を持って活動を行っています。

●セクハラ対策

 2006年度は『職場のセクシュアル・ ハラスメント防止のために』を改訂し て社員全員に再配布しました。社内 ホームページ、ビデオ拠点回覧などで 啓蒙活動を行うほか、アンケート・提

報から収集した社員の意見を公表しています。また専用メー ルによる相談を受付け、内容に応じた対応策をとっています。

●労働安全衛生管理

 (株)サトーでは2006年度より人間ドック受診の対象者 を「40才以上」から「38才以上」に拡大しました。また共 済会(社員互助会)では24時間健康相談、メンタルヘル ス対応窓口を外部契約しており、社員とその家族がいつ でも気軽に利用できる体制を整えています。このほか煙草 を吸わない人には感謝を込めて「非喫煙手当」(2,000円) を毎月支給しています。

●PL対策

 2006年度はPL対策委員会を再編成しました。  三行提報に上がった、製品に対するユーザーや保守サー ビス員の感想・意見なども、開発部門や品質管理部門の

貴重な情報源となり、PL対策に寄与しています。

●情報セキュリティ

 個人情報保護対策の改善、調査、検討などを行ってい ます。またウイルス感染による個人情報の外部流出対策 も強化しています。

■知的財産権保護について

 サトーでは知的財産権を企業発展の根幹をなすものと

位置づけ、取得と保護に力を 注いでいます。発明の発掘を 推進するなかで、一人ひとり の意識を高めるために、“あく なき創造をたたえ発明を表彰

する式典”を毎年開催しています。また特許出願を促すた めに、各拠点での知的財産権に関する研修を実施してい ます。2006年12月には『WHAT’S 知的財産? −日常 業務の手引きとして−』を作成して社員全員に配布しました。  2007年4月2日に株式会社サトー知識財産研究所を設 立しました。知的財産に加え、人や企業が産み出す付加 価値としてのノウハウ、ビジネスモデル、企業文化等の知 識を価値ある財産として捉え、その財産を増やし経営資源 として保護、活用しながら、サトーの企業価値を向上させる ことを目的としています。

■情報の共有

 サトーは早い時期からナレッジマネジメントに注力してき ました。先に触れた三行提報制度のほか、1977年に始ま りましたSAV(SATO VIDEOニュース)では、紙では伝え られない情報、展示会速報、拠点紹介などがビデオに納め られ、全拠点で視聴されています。

 サトーグループ全体の社内報、『れんたい』“Working Together”は毎月刊行されています。経営者のメッセージ、 製品紹介、事例紹介、社内制度など仕事に直結する事項 から、各国で今話題となっている事柄・行事の紹介、旅行記、 アンケート特集など楽しい話題までが60頁余りの中に盛り こまれています。1996年からは

日本語、英語、マレー語の3カ 国語が併記され、さらにフラ ンス語が加わることもあります。

 社内にはイントラネットが

構築され、経営トップの会議での発言要旨をはじめ、各種 通知、制度の案内、会議の議事録などが公開されています。  そして共有する情報で一番重要なものが、社員が毎日 提出する三行提報です。提出されたものはデータベースと して蓄積されるため、誰でも必要な情報をキーワードで検 索することができます。開発や商談のヒントを得たり、制度 導入後の社員の反応を調べるなど様々な角度から情報が 活用されています。

(8)

人 財 の 採 用

人財を育てるために 人財を育てるために

 採用に際しては、「人の採用は玉石混交で」(『サトー のこころ』)をモットーに活動を行っています。既成の概念 にとらわれず、多彩な人材を幅広く採用して「人財」に育 てようとの意図からです。人はそれぞれ輝き方が異なり、環 境の変化によって突然輝きだす人財も少なくありません。 多彩な人が集まっている「人財の多様性」が組織の活力 を引出し、環境の変化に適応しやすくするとの信念をもっ

て採用と育成を進めています。(株)サトーでは外国籍新 卒者・女性技術者の採用も積極的に進めています。  また、サトーは一度退職した社員に対しても門戸を開け ています。再入社による処遇区分は全くありません。

人 財 の 育 成

 人財の育成は、直接業務に関わる分野に限定せず、各 種の通信教育や英会話スクールの費用補助、TOEIC受 験料の会社負担、外部・異業種との交流会会費の一部を 援助するなど、自己啓発に意欲のある社員を強力に支援

しています。

 これらは、(株)サトー及び国内のサトーグループ会社の 正社員・契約社員・嘱託社員の全員が対象となっています。

働 き 方 の 多 様 性

 サトーでは人財の育成とともに、社員の多様な働き方を 尊重する施策を講じています。

 導入部署が限られていたフレックス制度は、コアタイム を廃止し、導入部署の拡大を推進した結果、仕事のピーク

に合わせて出退社時間を調整したり、個々のワーク/ライ フ・バランスに応じて早く帰る曜日を設定するなど、勤務時 間に柔軟性を持たせる働き方が少しずつでてきています。  また、5日連続リフレッシュ休暇の取得も奨励しています。

カ ジュア ル ウェア

 サトーの「他と違うことをやる。同じことなら先駆けてやる」

(『サトーのこころ』)という特徴は、カジュアルウェアの導 入にも端的に現れています。1998年7月から、営業・CEな どを除く社員が毎日カジュアルウェアを着用することになり ました。

 「毎日カジュアルウェア」の目的は、各社員が仕事のし

やすい服装を自分で選んで業務の効率を上げること、縛り のない自由闊達な雰囲気の中から変化への柔軟さを維 持すること、さらに空調負荷の低減による省資源にあります。 クールビズ、ウォームビズの言葉が生まれる前から、空調の

温度調整だけでなく服装による調整を実施しています。

「 さ ん 」づ け 運 動

 職制に関係なく何でも言える、自由闊達にしてたくまし い社風を育成する一環として、役職ではなく「さん」づけで 呼ぶことを推奨しています。

 トップから社員への意識づけもあり、着実に広まっていま す。

人 財 を 育 て る た め に ( 人 事 政 策 )

 サトーの事業コンセプトであるDCS & Labelingは、顧客ニーズにあわせて製品やソフトを提供するトータル・ソリューショ ン・ビジネスです。このようなビジネスでは、経験と知恵の結集であるノウハウが鍵となります。従って、サトーにおいて は人が付加価値を生み出す源であり、「人が財産」です。人財の育成に力を入れないわけにはいきません。

 私たちは、当社の事業において付加価値を生み出す源泉は人であることを認識し、

「社員が財産」という視点に立ちます。人間性の尊重と多様性の受容を基本として、 人財の確保、配置、育成、評価、処遇などの人事諸施策を進めます。

1. サトーの経営基本方針の理解と徹底を人財育成の基本とする。 2. 社員は良き者、善なる者として信頼する。

3. 権力によらず理解と信頼をもって人を動機づける。

4. 年齢、国籍、性別、学歴等にこだわらず、適材適所をもって多様な人財を活かす。 5. 人財の育成には適切な目標を与え、その遂行に相応しい権限と責任を与えて行う。 6. 評価と処遇は私情によることなく、発揮された能力と成果によってのみ決定する。

−基本的な考え方−

−行動指針−

人 事 方 針

延べ人数 476人 442人 2003年度 432人

2002年度 2004年度 405人 2005年度

575人 2006年度

注:契約社員、嘱託社員を含む

新規採用 99人 121人

2003年度 103人

2002年度 2004年度 132人 2005年度

168人 2006年度

注:契約社員、嘱託社員を含む

■通信教育受講者数推移

 また、優秀社員表彰者のた めの研修制度は2006年度に

「特別選抜社員研修」に名 称を改め、①国内外市場調査、

②語学習得、③資格取得、

④経営知識習得の4つのメ ニューから選べるようになりま した。

 さらに若手社員の経営会議への出席、サトー塾(経営塾) での選抜集中教育、海外子会社での長期研修に加え、海

外・国内でのMOT(技術経営者)取得を支援する制度も

始まっています。社員に様々な経験を積ませることで、多 様な人財がそれぞれに輝きだすきっかけを与えています。  その一方で、全てのサトー社員が共有すべきサトーのこ ころ、サトーの遺伝子を次世代に継承するための「遺伝子 塾」にも力を入れています。また、社員が自発的に新しい 業務に挑戦する機会となる社内公募制度も実施していま す。

■通信教育案内

■研修風景

(9)

■次世代認定マーク“くるみん” 人財

を 育て るた め に

人財 を 育て るた め に

ポ ジ ティブ ア クション の 推 進 数 字 に み る 社 員

 ポジティブアクション推進の目的は、「意欲と能力のある女性が活躍できる職場環境の整備」にあります。

 結婚や出産は個人の価値観や人生設計の問題です。サトーでキャリアを継続する意欲と能力のある女性なら、 未既婚を問わず、また出産、育児の経過中であろうと、希望を持って仕事を続けられる職場環境を整備してまいります。

 サトーを支える戦力となるべき女性が、過大な負担を負うことなくキャリアを継続できる環境の整備を、職場の 声を反映しながら推進します。

ポジティブアクション活 動 方 針

 ポジティブアクション推進委員会では性差による間接差 別の問題や、男女が働きやすい環境づくりを討議し、規則 の変更や新制度の提案、実態掌握のためのアンケート調 査、講演会、ホームページの運営などによる啓蒙活動を行っ ています。

2006年度

①講演会の実施

②全社アンケート

③社外取締役と女性の課長・係長との懇談会(全3回)  後日、女性社員からの提案、質問に執行役員会が回答

④②の質問のうち、「サトーをさらに働きやすい会社にする ためにはどうしたらよいと思いますか?」の回答結果、③ の結果報告など、男性も女性も活躍できる職場環境の 構築をめざすポジティブアクション関係の議題を、取締 役会に提出(3回)

⑤短時間勤務者が職場の理解と 協力を得られやすくするために、シー ル、ステッカーを作成

⑥2005年設定の目標の達成度 a.2009年4月までに女性課長を20

 名以上にする。

  2007年4月1日現在  8名

b.2010年4月までに2名以上の女性部長を誕生させる。   2007年4月1日現在  部長   3名

        執行役員 2名

在宅営業(業務委託契約) 9人 6人 4人

2003年度 9人

2002年度 2004年度 2005年度

労災発生件数 5件 8件

度数率 0.85 2.53

強度率 0 0

行政指導件数 1件 2件

2003年度 6件

2.06 0 0件

2002年度 2004年度

2件 0.621

0 0件 2005年度

勤続年数 10.4年 10.4年

年次有給休暇取得率 36.7% 46.6%

年間離職率 3.0% 3.9%

2003年度 10.2年

39.1% 3.8%

2002年度 2004年度

10.4年 41.8%

6.3% 2005年度

離職率=年度内退職者数÷年度末在籍者数 

介護休業取得者 0人 1人

2003年度 0人

2002年度 2004年度

0人 2005年度

注:2004年度介護休業取得者は男性

上記数値にはすべて契約社員、嘱託社員を含めております。

産前・産後休暇取得者 4人 6人

育児休業取得者 3人 5人

時間短縮利用者 8人 9人

2003年度 2004年度

3人 5人

(うち取得日数20日未満) (1人)

(うち子供の年齢1.5歳超) (1人) (0人) 7人

(うち子供の年齢3歳超)

4人 4人

4人 2002年度

(2人)

2005年度

4人 2006年度

7件 2.57 0 0件 2006年度

10.0年 37.3%

8.5% 2006年度

0人 2006年度

4人 4人

(0人)

(1人) 7人

(3人) 2006年度

注:産前・産後休暇、育児休業取得者数はそれぞれ取得開始年度に計上   時間短縮は、各年度の利用者数を計上

  2005年度20日未満の育児休業取得者は男性

法定雇用率 1.52% 1.56% 1.71%

2003年度 1.54%

2002年度 2004年度 2005年度

1.40% 2006年度

2006年8月実施アンケート結果

2002年 2004年 2006年 2004年 2006年

はい いいえ どちらともいえない

今の職場は女性が働きやすい職場だと感じますか

34.9%

13.0% 11.5%

17.5%

7.1% 12.8% 53.4%

39.9%

49.3%

39.6% 44.9% 31.8%

48.1% 51.0%

40.9%

●2007年5月に次世 代 育 成 支 援 対 策 推 進法による基準適合 一般事業主認定を受 けることができました。

男性

女性

(10)

サト ー 国 際 奨 学 財 団 へ の 支 援

社 会・ 環 境 支援 活 動

社 会・ 環 境 支援 活 動  財団法人サトー国際奨学財団は、グローバルな視野を持っ

た人材育成の支援を目的として、1996年11月に創業者で ある佐藤陽が私財を投じて設立しました。創業当時関係 の深かったアジア諸国への恩返しという主旨で、ASEAN 及び南西アジア諸国18ヵ国からの私費留学生、および海 外での研究機会を求めている日本人学生に奨学金支援 をしています。また、隔月で交流会を催して奨学生相互の 親睦をはかるなど、異文化交流を推進しています。サトーも 物心両面で当財団の活動を支援しています。

 設立以来、サトー国際奨学財団の支援を受けて巣立っ ていった卒業生は272名に上り、全員が世界の様々な分 野で活躍しています。2006年8月には10周年の記念式典 が行われ、母国で活躍しているOBや現役の奨学生、その 家族など120余名が出席しました。記念式典では「タイの 高等教育に対するサトー財団の貢献」、「全児童無就学 集落の衝撃、私たちへの挑戦」と題された講演も行われま した。

「 中 学 校 職 場 体 験 学 習 」へ の 協 力

 初めての試みとして、渋谷区内の中学2年生の職場体験学習に協力し、3名の 生徒を5日間受入れました。この体験学習は区内中学校の2年生全員が参加し、2 回に分けて渋谷区242ヶ所の事業所・施設で行われました。

 生徒の授業における集中度が高まり、試験の平均点が上がったという学習面の 効果のほか、家庭内の会話が増え、「お父さんが疲れて帰ってくる理由が分かった」、

「働く理由がお金のためだけではないということが分かった」などの感想がもたらされ、 当初授業日数が減ることを懸念していた父母からも高い評価を受けたとのことです。

ボ ラ ン ティア 休 職 制 度

 2005年1月に新設されたボランティア休職制度は国際 協力機構(JICA)の青年海外協力隊の活動を対象として

おり、活動後は元の職場に復帰することができます。現在 2名がタンザニアとコスタリカで活躍しています。

社 団 法 人 日 本 児 童 文 芸 家 協 会 へ の 活 動 支 援

 日本の未来を担う子供たちに明るい夢と豊かな情操教育を与え、人材の育成 を通して持続可能な社会の構築に寄与しようとの考えから、社団法人日本児童

文芸家協会の活動全般への支援を行っています。

 当協会は、健全な児童文芸の創造発展につとめ、社会文化の向上に寄与す ることを目的としており、児童文芸家によって構成される文部科学省所管の公益

法人です。

 隔月で雑誌『児童文芸』を発行する他、児童文化の向上発展のために長年努 力された方々の功績を称えて表彰する児童文化功労賞などの各賞を贈呈してお り、2006年度は隔年に行われる創作コンクールが12回目を迎えました。

社 会・環 境 支 援 活 動

 本業による社会貢献にこだわるサトーです。本業に邁進する中で、様々な社会・環境支援活動も自然に派生して きました。

■第12回創作コンクール優秀作品集

■中学校職場体験学習発表会報告書

在コスタリカ 久渡建二郎さんからの報告

 Hola! Como esta?(オラ!コモエスタ?)こんにちは、お元気ですか?

 私は、2006年10月からの訓練期間を経て、中米のコスタリカに赴任しております。「現地の人々と、同じ物を食べ、 同じ言葉で語り、その土地の文化を尊重しながら社会に溶け込む」というコンセプトの元、コスタリカ人に近づけるよ うに奮闘しております。

 私の職種は、「青少年活動」というもので、家庭内暴力や学業放棄等の社会・経済的問題を抱えた青少年の保 護施設(小学校も併設)にて生活をともにしながら、体育のサポートやレクリエーション、日本文化紹介等を行っており ます。

 コスタリカは“豊かな海岸”という意味で、西は太平洋、東はカリブ海、真ん中に山脈があり、動植物に溢れた自然 豊かなところです。私の赴任地は、山の中腹に位置し、首都が見渡せるとてもきれいなところです。けれども、店や娯 楽施設は何もなく、夜の8時過ぎには暗闇に沈みます。

施設内の家には、テレビもクーラーも冷蔵庫もありませ んが、水シャワーと紙の流せないトイレに苦戦しながらも、 快適に生活できております。

 言語はスペイン語で、いまだにカタコトですが、日々子 供たち相手に鍛えられております。

 今までの生活とは180°異なった世界に飛び込み、毎 日が刺激的であり充実した日々ですが、生活してみて、 やっぱり、日本は快適で満ち足りた国であることを実感 しています。

?

(11)

社会・環境支援活動 社会・環境支援活動  2006年度から、社外の方を対象に「シール・ステッカー

デザイン」の公募を始めました。第1回は「こんなものに貼 りたいこんなシール」、「60mm×130mmのステッカー」の

2部門で募集した結果、全国より約500人の方から個性的 で夢のあるデザインが970点も寄せられました。

シ ー ル ・ ス テッカ ー の デ ザ イン 公 募

 毎年8月に行われる北上市と長岡市の花火大会の翌 朝に、会場周辺の清掃活動を行なっています。

地 域 貢 献 活 動

 この活動は、1998年に社員の提案により始まりました。 集まった切手やプリペイドカード、外国コインなどは財団法 人ジョイセフ(家族計画国際協力財団)へ送られ、開発途

上国でジョイセフが実施している地域住民の生活向上と 自立を支援する活動に役立てられます。

使 用 済 み 切 手・プリペ イド カ ード の 回 収

 1996年より、東京大学の坂村健教授によって始められ たトロンプロジェクトを支援しています。トロンはコンピュー タのOS(オペレーティングシステム)です。携帯電話や自 動車など身の周りの機器にこのOSを組み込み、コンピュー

タ・ネットワークで結び、社会生活をより便利で豊かなもの にする「ユビキタス社会」の実現を目的としています。サトー はこの他にもユビキタスIDセンターによる実証実験に協力 しています。

ト ロ ン プ ロ ジェクト 支 援

 「投資事業有限責任組合契約に関する法律」に基づ いたウェル技術ベンチャー投資事業に出資することで、ベ ンチャービジネスの育成を支援しています。

 全国の大学、大学院を発祥とする技術系のベンチャー、 全国の産学提携発ベンチャーなど、先端技術の分野で活

躍が期待される企業や未公開の新進ベンチャー企業に 出資し、成長を支援しています。ベンチャー企業を育成し 企業家を育てることで、産業界の活力を維持し新しいビジ ネスチャンスの創出に寄与しています。

ベ ン チャー 育 成 ファンド へ の 投 資

近 隣 清 掃 活 動

 北上工場では、職場で発生する可能性のある環境リス クの把握を行い、その予防につとめています。その一環と して、緊急事態を想定した訓練を毎年実施しています。

緊 急 対 応 訓 練

■花火大会後の会場清掃

■灯油流出を想定した緊急対応訓練

■参加人数の推移(当社社員および家族)

2004年8月 164人 57人 2005年8月 178人 74人 2006年8月 158人 44人

2003年8月 130人 130人 2002年8月 140人

北 上 長 岡

■「ステッカー部門」最優秀賞

■「こんなものに貼りたいこんなシール」最優秀賞:   ビニール傘に貼りたい蓄光シール

 地域貢献活動の一環として、名古屋支社では毎週水 曜日に、西日本ロジスティックセンター(奈良県)では毎週 月曜日に事務所周辺の道路を清掃しています。また、テク

ノセンター(さいたま市)でも春の桜の開花と秋の落ち葉 の時期に近隣の公園を中心に周辺を清掃しています。

(12)

サト ー と 環 境

製 品 に 含 ま れ る 有 害 物 質 へ の 対 応

 生産から現場での使用、廃棄にいたる製品のライフサ イクルの各段階で、人の健康への影響や環境に与える負 荷への認識が高まり、化学物質に対する規制が世界規模 で厳しさを増しています。サトーでも、RoHS(特定有害物 質の使用禁止)指令やWEEE(製品の回収・リサイクル)

指令を考慮した設計を推進する一方、既存製品に含まれ る有害物質部品の代替部品の選定と設計変更を進めて います。この結果、欧州向けは2006年7月1日には完全切 替えが終了しました。

環 境・安 全 に 配 慮し た 製 品 開 発

 サトーでは、「省エネルギー」「安全性(有害物質規制 対応、リサイクル対応)」等の環境影響を意識したプリン タ製品、アプリケータ製品及びハンドラベラー製品の開発・

設計を進めています。

 サプライ製品に関しては、再生紙や非木材紙を使った タグやラベル「エコマッチシリーズ」で省エネルギー、省資 源に役立つ製品開発に取り組む他、食品衛生法や米国 のFDA※1規格に対応した、青果に直接貼っても安全性の

高いシール製品「セイカベル」を開発しました。

 また、環境ホルモン※2を含まない粘着剤への切替えを進 めています。

お客様

使用済みセパ送付

リサイクル 登録 提供

サトー

セパ+古紙送付

再生工場

トイレットペーパー 消費者 小売店

古紙問屋

リサイクルサポートシステム 登録依頼

サトーと環境 サトーと環境

 私達は地球環境保全が人類共通の重要課題であり、サトーの持続的な企業活動に不可欠であることを認識し、 地球環境にやさしい製品とサービスの提供はもとより、事業全体の環境調和を行動指針として企業活動してまいります。

1. 環境保全に関する法令や要求事項を順守します。

2. 環境負荷の軽減をはかるために、省エネルギー、省資源をめざします。

3. 環境への影響を考慮したプリンタ、アプリケータ、ハンドラベラー等の製品の開発、設計、製造及び省エネルギー、  省資源に結びつくシール・ラベル製品の開発、製造に積極的に取り組みます。

4. 汚染物質の排出抑制と廃棄物の減量化をすすめるとともに、環境汚染の予防を心がけます。

5.「環境マネジメントシステム」を構築し、その有効性を維持するために目的、目標を設定して継続的に改善します。 6. 全従業員に環境方針を徹底し、環境保全に対する意識の向上をはかるなど全員参加の活動とします。

7. 環境への取り組みにおいては、社会とのコミュニケーションに配慮します。

2004年6月4日

−基本的な考え方−

−行動指針−

環 境 方 針

※1 FDA

Food and Drug Administrationの略称。日本の厚生労働省にあたる公的 機関。食品・医療品等の新製品の認可、流通前、流通後の監視を通じて米 国民の安全を確保することを目的としている。

※2 環境ホルモン

正式には内分泌攪乱化学物質といい、体内に取り込まれた場合に正常なホ ルモンの作用に影響を与える科学物質のこと。現在、環境省では65種類を指 定し、調査・分析を実施している。

サト ー・リサ イク ル サ ポ ート シ ス テ ム

 通常、シール・ラベルの使用済み剥離紙(セパレータ) は産業廃棄物として処理されますが、事業所のごみの削 減と循環型社会の構築をめざすため、サトーはお客様に「リ サイクルサポートシステム」への登録をご案内しています。

 このシステムにご登録いただいているお客様から送付さ れた剥離紙は、再生工場へと運ばれ、トイレットペーパーへ と生まれ変わります。

充 電 式 電 池 のリサ イク ル

 (株)サトーは有限責任中間法人JBRCに加盟しており、 バーラベKeやラパン、プチラパンなどで使用したバッテリー

(小形充電式電池)のリサイクルを実施しております。 

      

国 際 資 源 循 環

 日本で使用済みとなったプラスチック、古紙、鉄スクラッ プなどの循環資源を中国に輸出して再利用する仕組みが 具体化しつつあります。2007年初めに行われた経済産業 省による北九州市∼天津間の使用済みプラスチック

のトレーサビリティ実証実験に、(株)サトーも参画しま した。今後は、対象範囲を広げて事業化が進められる見

通しです。

廃 棄 物 の 再 資 源 化

 現在、北上工場から排出されている廃プラスチックの殆 どが固形燃料(RPF)としてリサイクル(サーマル・リサイク ル)されています。RPFは製紙メーカーへ売却され、燃焼

時の熱効率を上げる材料として利用されます。

※廃棄物の焼却時に発生する熱エネルギーを温水などの熱源としたり、  廃棄物を燃料として利用すること。

(13)

SGF( サト ー・グリー ン ファクトリー )

 SGFはISO14001の認定を取得されていないお取引先に対して環境マネジメント システムに準拠したサトー独自の基準を作り、順守していただくシステムです。  環境方針の制定や環境関連法令等の順守、環境目標や環境マネジメントプロ グラムの推進などで、定期的に監査や更新を行ないます。現在では多数のお取引 先にご賛同いただきサトーの環境活動推進に協力いただいています。

 (株)サトーのISO14001の外部監査においてはこうした取り組みがストロングポ イント(高く評価できる活動)として認められました。

 今後も一層の普及活動につとめてまいります。 サト

ーと 環 境

サト ーと 環 境

環 境 負 荷 デ ー タ の 公 表

 2006年度の主要事業所での環境負荷を下記の通りご 報告します。このデータはサトーの中で、比較的大規模か つ環境負荷の高い事業所である、本社、プロプラーザ21、 サトーテクノセンター、長岡事業所、北上工場の主要5事

業所を対象としています。

 今後も一層の削減活動の推進と対象範囲の拡大に努 力してまいります。

 なお化学物質・燃料等の漏出事故はありません。

「 ノン セ パ

®

」ラ ベ ル の 提 案 に よ る 台 紙 の 節 減

 使用後にゴミとして廃棄するラベルの台紙を不要にし た「ノンセパ®」ラベルを積極的に提案することにより、紙 材料を節減しています。これによる森林資源保護量をユー カリ材に換算すると、下図のような本数となります。2006

年度は649本分の削減を達 成 することができました 。 2007年度は1,641本分の削 減を見込んでいます。

 台紙つきからノンセパに変更したことによって削減され たゴミの量は、2006年で2トントラック19台分となります。  2006年に開設した西日本ロジスティックセンター(奈良 県)でもノンセパを使用しており、毎月12kgのゴミが削減

できています。ノンセパの提案は、紙の消費を減らすだけで なく、ゴミ輸送にともなう燃料や排気ガスも減らすことがで きると考えています。

I S O 1 4 0 0 1 認 証 取 得 状 況

 サトーグループは、国際的にビジネスを展開するグロー バル企業として、製造・開発部門を中心に、次の事業所、

子会社において国際環境規格ISO14001の認証を取得 しています。

2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 270本

406本

334本 384本 418本

593本 649本

1,641本

(見込み)

「ノンセパ®」ラベルの提案によるユーカリ保護本数の推移

■北上工場廃棄物排出量

515 総排出量(t)

492 24

リサイクル量(t) 最終処分量(t)

注:リサイクル率(再資源化量÷総排出量)は95.4%です。

■環境負荷データ(排出量が1t以下の物質については、−で表示しました。)

エネルギー使用量 環境負荷物質

39,411 千MJ

水使用量 10 千m3

二酸化炭素排出量 1,640 t−CO2

二酸化炭素以外の温室効果ガス排出量 t−CO2

オゾン層破壊物質 t

PRTR法対象物質 t

排出量 単位

北上工場(2号館・3号館) 事業所・子会社名

2003年2月14日

北上工場(ソフトビル・1号館) 2004年2月3日

サトーテクノセンター 2004年2月3日

長岡事業所 2004年4月9日

SATO MALAYSIA ELECTRONICS

MANUFACTURING SDN.BHD. 2001年6月22日

SATO UK LTD.

SATO ASIA PACIFIC PTE.LTD.

2001年11月13日

2001年11月8日 所在地

岩手県 岩手県 埼玉県 新潟県

マレーシア

イギリス

シンガポール 略称

SMM

SUL

SAP

取得時期

サプライ製品の製造

電子プリンタ及びハンドラベラーの開発、設計 電子プリンタ及びハンドラベラーの開発、設計

サプライ製品の製造

電子プリンタ及びハンドラベラーの製造、販売 電子プリンタ及びハンドラベラーの販売、

サプライ製品の製造、販売 電子プリンタ及びハンドラベラーの販売、

サプライ製品の製造、販売 事業内容 北上工場は2006年3月に岩手県の主催する

「岩手地球環境にやさしい事業所認定制度」で三ツ星の認定を取得しました。

 森林資源の保護は本業に直結する社会的責任である との考えから、王子製紙株式会社の実施するラオスにお ける植林事業に、2006年1月よりパートナーとして事業参

画しています。

 毎年7,000ヘクタールにユーカリおよびアカシア約930 万本を植え、最終的には50,000ヘクタールの植林地をつ くり、8年目から伐採を開始し、跡地は再植林して植林地を

維持する予定です。

ラ オ ス 植 林 事 業 の 共 同 展 開 に つ い て

参照

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Each of our manufacturing locations have CSR working team members from supply chain, human resources, the corporate compliance and ethics program, facilities and environmental,

村上か乃 1)  赤星建彦 1)  赤星多賀子 1)  坂田英明 2)  安達のどか 2).   1)

2011年(平成23年)4月 三遊亭 円丈に入門 2012年(平成24年)4月 前座となる 前座名「わん丈」.

[r]

1.制度の導入背景について・2ページ 2.報告対象貨物について・・3ページ