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いわゆる「カラオケ著作権」の譲渡に関する相談の急増に対する注意喚起[PDF:](2010年10月21日)

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平成221021日 消費者庁 独立行政法人国民生活センター

いわゆる「カラオケ著作権」の譲渡に関する相談の急増に対する注意喚起

最近、「カラオケに関する著作権」「カラオケ発明者の著作権」といったものの購入 や投資の勧誘に関する相談件数が増加しています。

カラオケで歌われることで収益が生じる著作権としては、カラオケで歌われる楽曲 の著作権が代表的なものです。また、カラオケの機械やカラオケのビジネスモデルそ のものは著作権法に定める著作物に該当せず、著作権は発生しません。

「カラオケに関する著作権」「カラオケ発明者の著作権」と謳って勧誘している場合、 上記のどれにも該当しない、「カラオケに関するビジネスの仕組みや歴史を解説した文 章(例えば本)」の著作権である可能性があります。

このような「カラオケに関する文章の著作権」を小口分割したものを購入したとし ても、カラオケで歌われる楽曲や、カラオケ装置などによって生じた利益が自動的に 受けられるわけではありません。

消費者庁及び独立行政法人国民生活センターでは、「カラオケに関する著作権」「カ ラオケ発明者の著作権」といったものの購入や投資の勧誘に関する相談について典型 的に生じている相談内容や、譲渡を受けた権利の内容と受けられる利益の関係を示し つつ、慎重に確認をした上で判断されるよう、別紙のとおり、消費者へアドバイスを 提供することとしました。

また、消費者からの相談に適切に対応できるよう、各地の消費生活センターへも情 報提供しました。

問い合わせ先

・消費者庁政策調整課 企画官 川上 主 査 山形

電話:03-3507-9187

・独立行政法人国民生活センター 情報部

電話:03-3443-1793

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いわゆる「カラオケ著作権」の譲渡に関する相談の急増に対する注意喚起 平成22年10月21日

消費者庁 独立行政法人国民生活センター

1.PIO-NETによる相談件数

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)により、2009年度、2010年 度 ( 9 月 末ま で )にお け る 、 カラ オ ケに関 す る 著 作権 の 勧誘に 係 る 相 談件 数 をみる と 、 5 3 件 の 相 談 があ り ま し た 。2009年度 に 2 5 件 と な っ た後 、2010年 度 に は 、 9 月末までで既に28件と、そのペースは急増しています。

(年度) 2009年度 2010年度

(期) 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9

(件数) 0件 5件 12件 8件 13件 15件

(注)

2010年9月末日までの登録分。

*相談件数は本調査のため特別に事例を精査して集計したもの。

2.相談の特徴

2009年度、2010年度の相談53件の内訳は、以下のとおりです。

*不明・無回答等は除いて集計している。

(1)年代別

契 約 当 事 者 を 年代 別に み る と 、 6 0歳 以上 の 高 齢 者 が 多く 、6 0 歳 代 ( 1 4件 、 29%)、70歳代(13件、27%)、80歳以上(12件、24%)を合わせ

ると、全体の約8割を占めており、高齢者に多いといえます(図1)。

(2)地域別

契約当事者を地域ブロック別にみると、近畿が最も多く(33件)、全体の7割 近くを占めています。次いで、東海(7件、14%)、南関東(5件、10%)の 順に多くなっています(図2)。

(3)販売購入形態別

販売購入形態別にみると、訪問販売(25件、49%)、電話勧誘販売(24件、 47%)で契約したり勧誘されるケースがほとんどです。相談事例の中には、電

話勧誘のあとに自宅に訪問されるケースもあります。

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(4)契約・購入金額、既支払金額

契約・購入金額別にみると、150万円以上200万円未満が最も多く(22件)、全 体の約7割を占めています。100万円以上150万円未満(6件、19%)と合わせる と、全体の約9割を占めています(図3)。また、既支払金額でも、150万円以上20 0万円未満(7件、54%)が最も多く、支払い前の相談を含めた平均では約130万円 となっています。

3.主な相談内容

2010年度の主な相談事例

(事例1)カラオケ市場でのロイヤリティが配分されると説明された

世界のカラオケ市場で毎年20兆円のロイヤリティが発生しており、著作権を買い 取ることで毎年60万円のロイヤリティが配分されると説明を受けたが、書類をよく 見ると、カラオケを発明した人の言語の著作物の2万分の1の著作権譲り受け書とな っており、カラオケ市場とは関係ないことが分かった。解約を希望。

(相談受付年月:20107月、契約当事者:70 歳代、男性、大阪府)

(図1)契約当事者年代別件数・割合

(図3)契約・購入金額別相談件数

(図2)契約当事者ブロック別相談件数の分布

0

6

22 0

1 2 1

0 5 10 15 20 25

100万円未満 100万円以上150万円未満 150万円以上200万円未満 200万円以上300万円未満 300万円以上400万円未満 400万円以上500万円未満 500万円以上

件数 40歳代以下

(3件,6%) 50歳代 (7件,14%) 80歳以上

(12件,24%)

70歳代 (13件,27%)

60歳代 (14件,29%)

40歳代以下 50歳代 60歳代 70歳代 80歳以上

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3

(事例2)カラオケで人々が歌うとお金が入り配当が出ると勧誘された

業者から電話があった後、説明のため、自宅に来訪してもらった。「カラオケを発 明した人物が著作権を所轄庁に登録している、人々がカラオケで歌うとお金が著作権 登録した人物に入る。150万円でその著作権の権利を買えば、1年間に25万円配 当が出る。今後アメリカの著作権の担当庁に登録し、今まで登録して勝手に使用して いる企業に警告書を出し使用料を回収する。配当金は2年後から支払う。著作権者が 亡くなった後も、配当は50年間貰える」という。申し込みをしたが、まだお金は支 払っていない。

(相談受付年月:20106月、契約当事者:50 歳代、男性、新潟県)

(事例3)夜間に長時間勧誘され帰ってほしくて契約した

業者に訪問されてカラオケに関する著作権譲り受けを申し込めば、分配があると 言われた。将来的には、譲受者が福祉サービスを優遇して受けられるとも説明され た。夕方から深夜10時までセールスマンに粘られ、契約内容を十分に理解しない まま帰ってほしくて契約した。高額なので断りたい。

(相談受付年月:20108月、契約当事者:80 歳代、女性、兵庫県)

4.問題点

~著作権の譲渡により受けられる権利と得られる利益の関係について誤解を与え るような勧誘手法についての考え方~

(1)著作権の移転と登録について

著作権は、著作物を創作した時点で自然に発生するので、特許権や実用新案権 と異なり、権利を取得するための登録はありませんが、譲渡を受けた際に著作権 の移転を登録することで、第三者に対抗することができます(著作権法第77条)。

(2)著作権の譲渡により受けられる権利と得られる利益の関係について

しかし、文章(例えば本)の著作権は、文章それ自体に対する権利に過ぎませ ん。その文章が特定の製品やビジネスなどについて解説していたとしても、当該 製品やビジネスから得られる利益に対して権利を持つことにはなりません。その 文 章 を 印 刷し て 当該製 品 の 販 売や ビ ジネス の 実 施 の際 に そのま ま 付 し て利 用 する、 といったことでもしない限り、その文章を利用したことにはならず、その文章の 著作権者の利益につながるわけではありません。

「カラオケ」の場合について述べると、「カラオケに関する文章の著作権」の譲 渡を受けることも可能ですし、権利の移転の登録を受けることも可能です。しか

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しながら、「カラオケに関する文章の著作権」は、カラオケというビジネスモデル や、カラオケに使われる機材・楽曲に関する権利とは、関係がありません。した がって、「カラオケに関する文章の著作権」の譲渡を受けたからといって、カラオ ケビジネスやカラオケに使われる機材・楽曲の権利などから得られる利益を自動 的に受けられるようになるものではありません。

相談事例を見ると、この点について消費者に誤解を与えるような勧誘が行われ て い る 可 能性 が ありま す ( 事 例1 、 事例2 ) 。 ま た、 夜 間に長 時 間 勧 誘さ れ たり、 福祉サービスの優遇を謳ったケースもあります(事例3)。

なお、「カラオケに関する文章の著作権」のことを、「カラオケというビジネ スモデルや、カラオケに使われる機材・楽曲に関する権利」であるとして、事実 と異なることを告げて勧誘している場合や、訪問による勧誘で、消費者が帰って 欲しいと意思を示したにもかかわらずそのまま勧誘を行った場合には、消費者契 約法に規定する契約の取消事由に当たります。

5.消費者へのアドバイス

① 「カラオケに関するビジネスの仕組みや歴史を解説した文章(例えば本)の著 作権」を小口分割したものを購入したとしても、カラオケで歌われる楽曲や、カ ラオケ装置などによって生じた利益が自動的に受けられるわけではありません。 譲渡を受けようとする権利の内容と、受けられる利益がどのような関係にあるのか を慎重に確認しておくことが大切です。文化庁からも、既に同様の注意喚起が行わ れています。http://www.bunka.go.jp/chosakuken/touroku_seido/warning.html

② また、勧誘の話を鵜呑

みにするのではなく、何かについて書かれた文章の著作 権である場合にはその著作物の実物(例えば本)を確認するようにしましょう。

③ 少しでも不審に感じたら、きっぱりと断りましょう。また、契約内容が十分に 理解できないときは契約しないようにしましょう。

④ 断っても執ように勧誘されたり、断り切れずに契約してしまった場合には、す ぐに消費生活センターに相談しましょう。

●各地の消費生活センター(消費者ホットライン):0570-064-370

参照

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