現代社会へのとびら❖2017年度3学期号
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現代社会・政治経済で扱われている「国際貿易」「国 際経済」の単元で,戦後70年間の日本経済の歴史をふま えながら,一つ目の記事をもとに2000年以降に締結交渉 を進めているFTAやEPAなどの貿易協定によってどの ような影響を受けるのかを考える。そして,地域の身近 な「地場産業の将来」を考えることで,企業レベルの対 策だけでなく,個人レベルの技術や能力の育成までを考 えさせる授業を展開したい。
基本編 為替相場の変化による円高・円安のメリット・ デメリットを計算することで,日本の輸出企業の収益の 増減,輸入品の価格増減の要因になることを基準の為替 相場と比較しながら計算させる。
基準 日本 1ドル=150円の日本の輸入と輸出の計算 円高ドル安 1ドル=100円 円安ドル高 1ドル=200円
応用編 変動相場制へ移行した日本企業が,円高ドル安 に,どのように対応したのかを発問する。為替相場の70 年間の推移のグラフを提示し,円高局面は,何回あった のかを発問する。グラフを読解させながら,四つの主な 円高局面に注目させる。まずは,「経営者の視点」で考 えさせる。「もし,あなたが輸出企業の経営者だったら, 円高局面で,どのような企業経営をするか?」と発問す る。次に「消費者の視点」でも同時に円高局面を個人レ ベルで,どのような影響があるか発問し考えさせる。
①ニクソン・ショック ②プラザ合意
③1995年の円高(1ドル=79円)④2011年の円高(75円)
過去4回の円高局面をのりこえた日本企業の動向をグ ラフ「海外への工場移転」「直接投資の増加」「産業の空 洞化」などから,海外へ工場を移転するようすに気づか せ,その理由は何かを発問する。人件費の安いASEAN 諸国などへ移転していることを身近な衣料品や家電製品 の生産国をヒントに気づかせる。経営者の視点で,リス トラ・合理化と工場の海外移転による産業の空洞化が進 行することをふまえつつ,逆に労働者の視点で,「もし, あなたが配置転換や人員削減のリストラにあったらどう
するか」を考えさせる。そして,円高耐性をつけた日本 企業が増えるなかで,1997年のアジア通貨危機や2008年 のリーマン・ショックなど世界経済の激変,IT技術の進 歩や少子高齢化や人口減の影響,AI技術の進歩などから 「未来の日本企業」「未来の自分」を考えることができる。
ここで創業100年以上の老舗企業の例として,日本各 地にある地場産業に注目させる。全国にある地場産業に は,どのようなものがあるか発問する。そして,身近な 地域にある地場産業にも気づかせるために活躍している 地場産業の新聞記事を紹介しながら,日本各地の地場産 業が生き残っているのは,なぜなのかを考えさせる。大 量生産の時代から高技術・高品質の製品への転換や国内 市場から海外市場へ展開することに気づかせ,オンリー ワンの企業へと成長していることを学ばせる。
発展編 世界経済の変化や日本国内の変化(少子高齢化 ・人口減少)に対応するために企業の生き残りも大切で はあるが,個人として,「人生100年時代」を生き抜くた めに必要な技術・能力をのばす必要がある。「国際化・自 由化・グローバル化」とともにIT技術・AI技術の活用 による個人の技術・能力をのばすことが大切であり,二 つ目の記事に登場する地場産業の経営者に学校で講演し ていただき,質疑応答を通して直接「経営学」を学ぶ機 会を設けた。将来の地域経済を活性化させるために必要 な能力・資質や地域経済に貢献できる人材像について, 生徒たち自身が考えるきっかけとなった。
今後の展望 無知・無関心・無理解が社会をゆがめてい る問題が,地域社会だけでなく,日本でも,世界でも起 こっている。小さな授業実践ではあるが,地域の実情に 合わせて応用できると考える。あらゆる世代の人々が, 地域社会だけでなく日本と世界を関連させながら,視野 を広げ,思考を深めながら,知識を活用しながら,課題 解決のために行動できることの大切さを授業を通じて生 徒に学ばせたい。
(兵庫県立姫路東高等学校 佐々木浩二)
トピックス
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「グローバル化」による地域経済への影響(光と影)
■授業での活用■
新聞スクラップ
2017.7
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2017.12
●日欧EPA妥結 19年発効へ
●「革の宝石」なめす情熱