序
章
市
政
の
概
一
世
界
と
日
本
、
そ
し
て
武
蔵
野
市
冷
戦
の
終
焉
と
ア
メ
リ
カ
一
人
勝
ち
土
屋
市
政
時
代
と
し
て
括
る
昭
和
五
八
(
一
九
八
三
)
年
か
ら
平
成
一
七
(
二
〇
〇
五
)
年
の
二
三
年
間
を
ひ
と
言
で
い
う
と
「
変
革
の
時
代
」
と
い
う
こ
と
が
出
来
る
。
こ
れ
は
、
世
界
の
歴
史
、
あ
る
い
は
日
本
の
歴
史
か
ら
見
て
も
特
筆
す
べ
き
こ
と
で
あ
る
。
世
界
史
的
事
件
で
あ
っ
た
ベ
ル
リ
ン
の
壁
崩
壊
(
一
九
八
九
年
)、
ソ
ビ
エ
ト
崩
壊
(
一
九
九
一
年
)
に
よ
っ
て
、
戦
後
の
冷
戦
構
造
は
終
焉
、
ア
メ
リ
カ
に
よ
る
一
国
世
界
支
配
が
強
ま
る
と
、
そ
れ
に
対
抗
す
る
よ
う
に
イ
ス
ラ
ム
過
激
派
に
よ
る
世
界
貿
易
セ
ン
タ
ー
ビ
ル
へ
の
自
爆
テ
ロ
(
二
〇
〇
一
年
)
を
は
じ
め
と
す
る
国
際
テ
ロ
が
頻
発
し
、
新
た
な
対
立
構
造
を
形
成
し
た
。
こ
の
対
立
の
裏
に
は
、
世
界
経
済
の
グ
ロ
ー
バ
ル
化
に
伴
う
巨
額
な
国
際
マ
ネ
ー
に
よ
る
富
の
集
中
と
、
極
端
な
貧
困
と
い
う
格
差
問
題
が
横
た
わ
っ
て
い
る
。
情
報
産
業
技
術
革
命
の
波
世
界
グ
ロ
ー
バ
ル
経
済
の
ゲ
ー
ム
化
を
う
な
が
し
た
の
は
、
人
類
史
上
、
農
業
革
命
、
産
業
革
命
に
次
ぐ
三
つ
目
の
大
革
命
と
い
わ
れ
る
I
T
(
情
報
通
信
技
術
)
革
命
で
あ
る
。
昭
和
五
八
(
一
九
八
三
)
年
、
日
本
の
パ
ソ
コ
ン
販
売
は
一
〇
〇
万
台
を
突
破
。
平
成
七
(
一
九
九
五
)
年
に
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
が
一
般
に
普
及
す
る
と
、
I
T
化
の
波
は
あ
っ
と
い
う
間
に
市
民
の
全
生
活
を
覆
う
よ
う
に
な
っ
た
。
は
か
ら
ず
も
五
八
年
、
任
天
堂
の
フ
ァ
ミ
コ
ン
が
登
場
、
ゲ
ー
ム
と
い
う
バ
ー
チ
ャ
ル
世
界
が
子
ど
も
た
ち
の
世
界
を
席
巻
し
た
。
昭
和
バ
ブ
ル
か
ら
平
成
不
況
へ
、
そ
し
て
環
境
破
壊
実
質
経
済
力
に
よ
っ
て
国
内
総
生
産
(
G
D
P
)
世
界
ナ
ン
バ
ー
2
の
経
済
大
国
と
な
っ
た
日
本
は
、
昭
和
六
〇
(
一
九
八
五
)
年
か
ら
急
激
な
円
高
と
未
曽
有
の
バ
ブ
ル
経
済
に
呑
ま
れ
た
。
し
か
し
成
四
(
一
九
九
二
)
年
の
バ
ブ
ル
崩
壊
以
降
は
、
不
良
債
権
を
抱
え
た
主
に
金
融
機
関
発
の
平
成
不
況
に
あ
え
ぐ
こ
と
に
な
る
。
同
時
に
、
石
油
化
学
文
明
に
よ
る
「
環
境
破
壊
」
と
い
う
負
の
遺
産
は
、
地
球
全
体
を
運
命
共
同
体
と
変
え
、
地
球
温
暖
化
、
新
ウ
ィ
ル
ス
の
伝
播
を
含
む
環
境
劣
化
か
ら
の
脱
出
を
大
き
な
課
題
と
す
る
こ
と
に
な
る
。
中
央
か
ら
地
方
へ
経
済
か
ら
環
境
ま
で
が
地
球
規
模
で
変
貌
し
て
い
く
時
、
そ
の
変
化
は
国
と
い
う
ク
ッ
シ
ョ
ン
を
経
ず
に
武
蔵
野
市
と
い
う
小
さ
な
行
政
区
に
直
接
打
撃
を
与
え
る
時
代
と
な
っ
た
。
世
界
景
気
の
動
向
は
直
接
市
の
財
政
に
反
映
す
る
。
世
界
を
覆
い
尽
く
し
た
環
境
破
壊
と
I
T
革
命
は
市
民
の
意
識
を
変
え
、
福
祉
や
ま
ち
づ
く
り
に
影
響
し
、
教
育
に
も
抜
本
的
改
革
を
迫
っ
た
。
つ
ま
り
市
政
の
担
い
手
は
、
そ
の
ま
ま
世
界
の
変
貌
に
対
応
す
る
舵
取
り
を
し
な
け
れ
ば
な
ら
な
く
な
っ
た
。
国
の
対
応
は
遅
く
、
む
し
ろ
大
き
な
変
化
に
は
小
さ
な
行
政
区
の
ほ
う
が
速
や
か
に
対
応
で
き
る
と
こ
ろ
か
ら
、
市
民
に
対
し
て
市
政
は
重
大
な
責
任
を
持
つ
こ
と
に
な
る
。
地
球
を
視
野
に
お
い
た
市
政
こ
う
し
た
状
況
の
変
化
は
、
グ
ロ
ー
バ
ル
化
す
る
世
界
の
動
向
と
は
全
く
逆
の
方
向
へ
市
政
を
向
か
わ
せ
る
こ
と
と
な
る
。
つ
ま
り
、
市
民
と
直
接
向
き
合
っ
て
い
る
市
政
が
、
一
つ
の
完
結
し
た
行
政
単
位
と
し
て
市
民
生
活
の
全
て
の
局
面
に
対
応
す
る
こ
と
を
迫
ら
れ
た
の
で
あ
る
。
そ
れ
は
あ
た
か
も
市
政
が
国
政
の
ミ
ニ
チ
ュ
ア
版
と
な
る
こ
と
で
あ
っ
た
。
何
よ
り
も
市
民
の
安
全
と
幸
福
を
追
求
す
る
た
め
に
は
、
国
政
に
先
駆
け
て
施
策
を
打
ち
出
さ
な
け
れ
ば
な
ら
な
い
。
こ
う
し
た
市
政
の
あ
り
方
は
、
戦
後
民
主
主
義
体
制
下
で
初
め
て
の
こ
と
で
あ
っ
た
。
そ
の
た
め
に
、
す
で
に
ハ
コ
モ
ノ
行
政
は
終
焉
し
、
あ
ら
ゆ
る
局
面
で
「
ソ
フ
ト
行
政
」
を
市
民
主
導
の
も
と
に
展
開
す
る
こ
と
と
な
っ
た
。
荒
波
の
只
中
に
向
か
っ
て
土
屋
市
政
は
漕
ぎ
出
す
こ
と
に
な
る
二
改
革
の
あ
ら
し
(
一
)
難
問
解
決
の
波
昭
和
五
八
(
一
九
八
三
)
年
―
。『
武
蔵
野
市
百
年
史
』
の
続
編
と
な
る
本
書
は
、
こ
の
年
か
ら
稿
を
起
こ
し
、
平
成
一
七
(
二
〇
〇
五
)
年
ま
で
の
本
市
の
歩
み
を
、
市
政
を
中
心
に
記
述
す
る
こ
と
に
な
る
。
本
市
に
視
線
を
据
え
る
前
に
、
ス
タ
ー
ト
と
な
る
こ
の
年
の
内
外
の
動
き
に
少
し
触
れ
て
お
く
。
ヨ
ー
ロ
ッ
パ
で
は
ソ
連
の
核
戦
略
に
対
抗
し
て
米
国
製
の
中
距
離
核
ミ
サ
イ
ル
を
英
国
、
西
ド
イ
ツ
な
ど
五
か
国
に
配
備
す
る
計
画
に
対
し
、
広
範
な
市
民
の
反
対
運
動
が
空
前
の
盛
り
上
が
り
を
見
せ
、〝
熱
い
秋
〟
と
言
わ
れ
た
。
ア
ジ
ア
で
は
、
亡
命
先
か
ら
帰
国
し
た
フ
ィ
リ
ピ
ン
の
ア
キ
ノ
元
上
院
議
員
が
暗
殺
さ
れ
、
サ
ハ
リ
ン
沖
で
は
大
韓
航
空
機
が
ソ
連
軍
に
撃
墜
さ
れ
た
。
ビ
ル
マ
で
は
北
朝
鮮
の
テ
ロ
と
さ
れ
る
ラ
ン
グ
ー
ン
事
件
が
起
き
る
。
政
治
的
緊
張
が
各
地
で
高
ま
っ
た
。
そ
し
て
日
本
―
。
前
年
就
任
し
た
中
曽
根
康
弘
首
相
が
一
月
、
韓
国
、
米
国
を
訪
問
、
米
国
で
は
レ
ー
ガ
ン
大
統
領
と
会
い
「
日
米
は
運
命
共
同
体
」「
日
本
列
島
は
不
沈
空
母
」
と
語
っ
て
物
議
を
醸 か
も
し
、
田
中
角
栄
元
首
相
は
ロ
ッ
キ
ー
ド
事
件
で
有
罪
判
決
を
受
け
た
。
四
月
。
N
H
K
テ
レ
ビ
が
「
お
し
ん
」
の
放
映
を
始
め
、
千
葉
県
浦
安
市
に
東
京
デ
ィ
ズ
ニ
ー
ラ
ン
ド
が
開
園
し
た
。
武
蔵
野
市
で
は
メ
デ
ィ
ア
が
大
々
的
に
報
じ
て
き
た
平
均
四
〇
〇
〇
万
円
と
い
う
市
職
員
の
高
額
退
職
金
問
題
が
市
長
選
と
重
な
っ
て
ピ
ー
ク
を
迎
え
る
。
二
期
目
を
目
指
す
革
新
系
の
現
職
に
挑
ん
だ
の
は
、
保
守
層
の
支
持
を
受
け
た
四
一
歳
の
新
人
。
僅
か
八
五
九
票
差
で
高
額
退
職
金
題
を
正
面
に
据
え
た
前
市
議
の
新
人
が
激
戦
を
制
し
た
。
五
期
二
〇
年
の
革
新
市
政
は
幕
を
下
ろ
し
、
土
屋
正
忠
が
市
長
に
就
任
す
る
。
冒
頭
で
本
書
は
昭
和
五
八
年
か
ら
始
ま
る
、
と
書
い
た
が
、
厳
密
に
は
土
屋
が
市
長
に
就
任
し
た
同
年
五
月
か
ら
、
任
期
半
ば
で
辞
任
す
る
平
成
一
七
年
八
月
ま
で
で
あ
る
。
土
屋
は
就
任
早
々
の
高
額
退
職
金
是
正
を
手
始
め
に
、
数
々
の
難
問
を
解
決
に
導
い
て
い
く
。
就
任
一
か
月
足
ら
ず
で
退
職
金
問
題
に
ケ
リ
「
高
額
退
職
金
是
正
」
は
市
長
選
で
土
屋
が
第
一
に
掲
げ
た
公
約
で
あ
る
。
が
、
簡
単
な
話
で
は
な
い
。
勤
務
条
件
に
絡
む
か
ら
職
員
組
合
の
同
意
も
い
る
。
五
月
二
日
、
初
登
庁
の
日
か
ら
土
屋
は
動
い
た
。
早
々
に
改
正
案
の
検
討
を
関
係
部
局
に
指
示
す
る
。
九
日
に
は
骨
子
が
固
ま
っ
た
。
翌
一
〇
日
、
組
合
と
の
最
初
の
団
体
交
渉
を
持
ち
、
話
し
合
い
を
申
し
入
れ
る
。
一
七
日
、
市
議
会
代
表
者
会
議
で
改
正
条
例
案
を
示
し
、
同
じ
日
、
二
回
目
の
団
交
で
組
合
に
も
提
示
し
た
。
約
一
〇
〇
〇
万
円
の
減
額
、
七
月
一
日
施
行
な
ど
に
組
合
は
猛
反
発
す
る
。
翌
一
八
日
、
自
治
労
都
本
部
は
市
役
所
内
に
現
地
闘
争
本
部
を
設
け
、
二
五
日
に
は
二
〇
〇
〇
人
集
会
で
気
勢
を
上
げ
た
。
翌
二
六
日
に
は
早
朝
一
時
間
の
時
限
ス
ト
を
打
つ
。
こ
の
間
、
連
日
団
交
や
事
務
折
衝
、
ト
ッ
プ
会
談
が
開
か
れ
た
。
大
詰
め
を
迎
え
、
団
交
は
三
日
連
続
深
更
に
及
ん
だ
末
、
二
八
日
未
明
、
妥
結
し
た
。
ま
さ
に
電
光
石
火
で
あ
る
。
七
月
一
日
、
新
条
例
が
施
行
さ
れ
た
。
詳
細
は
第
一
章
二
節
二
に
譲
る
。
高
額
退
職
金
是
正
は
、
行
革
の
第
一
歩
で
あ
る
。
間
髪
を
入
れ
ず
行
財
政
点
検
委
員
会
を
立
ち
上
げ
る
が
、
そ
の
後
の
動
き
は
後
に
回
す
。
正
面
突
破
で
実
現
の
吉
祥
寺
駅
北
口
広
場
難
問
と
い
え
ば
、
吉
祥
寺
駅
北
口
広
場
の
整
備
が
あ
る
。
や
は
り
市
長
選
の
公
約
に
掲
げ
た
。
広
場
を
含
め
た
同
駅
の
北
口
開
発
計
画
が
決
ま
っ
た
の
は
昭
和
三
九
(
一
九
六
四
)
年
。
四
一
年
に
事
業
決
定
が
下
り
た
。
以
来
一
七
年
余
、
四
本
の
都
市
計
画
道
路
は
出
来
た
が
、
肝
心
要
の
北
口
広
場
は
用
地
買
収
が
難
航
、
事
業
計
画
を
三
回
延
長
し
て
な
お
、
手
が
付
か
な
い
。
五
五
〜
五
七
年
度
は
一
件
の
買
収
も
出
来
ず
、
市
長
が
交
替
し
た
五
八
年
度
は
国
の
補
助
金
も
打
ち
切
ら
れ
て
い
た
。
早
速
、
国
や
都
と
の
折
衝
が
始
ま
る
。
五
九
年
三
月
、
四
回
目
の
事
業
計
画
延
長
が
認
め
ら
れ
、
五
九
〜
六
一
年
度
へ
の
変
更
が
認
さ
れ
た
。
未
買
収
地
は
二
七
件
残
っ
て
い
る
。
同
年
三
月
の
市
議
会
の
施
政
方
針
演
説
で
市
長
は
、「
法
的
措
置
を
含
め
…
不
退
転
の
決
意
」
で
取
り
組
む
決
意
を
語
る
。「
法
的
措
置
」
と
は
土
地
収
用
法
の
適
用
で
あ
る
。
X
デ
ー
を
設
定
し
た
。
地
権
者
に
市
長
の
「
本
気
」
が
伝
わ
る
。
メ
ン
バ
ー
を
一
新
し
た
買
収
担
当
の
用
地
部
メ
ン
バ
ー
が
地
権
者
の
自
宅
に
日
参
、
目
覚
ま
し
い
〝
戦
果
〟
を
上
げ
、
残
り
約
一
二
七
平
方
メ
ー
ト
ル
ま
で
漕
ぎ
つ
け
る
。
六
〇
年
三
月
一
日
、
土
地
収
用
法
に
基
づ
く
都
知
事
の
「
手
続
き
開
始
の
告
示
」
が
行
わ
れ
た
。
交
渉
は
な
お
難
航
し
た
が
、
翌
六
一
年
二
月
、
強
制
収
用
に
至
る
こ
と
な
く
契
約
が
成
立
し
た
。
総
面
積
約
一
万
平
方
メ
ー
ト
ル
の
北
口
広
場
が
完
成
す
る
の
は
翌
六
二
年
三
月
。
市
長
の
一
期
目
の
棹 と
う
尾 び
を
飾
る
難
問
解
決
だ
っ
た
。(
→
第
六
章
第
二
節
一
)
放
置
自
転
車
対
策
に
思
い
切
っ
た
財
源
投
入
今
期
、
吉
祥
寺
駅
周
辺
が
全
国
ワ
ー
ス
ト
ワ
ン
の
汚
名
を
浴
び
た
こ
と
が
あ
る
。
平
成
三
(
一
九
九
一
)
年
総
務
庁
(
現
総
務
省
)
実
施
の
全
国
主
要
駅
の
放
置
自
転
車
の
数
で
あ
る
。
実
に
四
九
四
九
台
。
自
転
車
問
題
を
含
む
交
通
対
策
は
、
市
政
ア
ン
ケ
ー
ト
で
も
昭
和
五
四
年
以
来
平
成
四
年
ま
で
連
続
一
四
年
、
市
民
の
望
む
施
策
の
一
位
を
占
め
て
き
た
。
と
に
か
く
ひ
ど
か
っ
た
。
ご
存
じ
の
風
景
だ
ろ
う
か
ら
改
め
て
語
る
の
は
や
め
る
。
歩
道
は
狭
め
ら
れ
、
乳
母
車
や
車
い
す
が
し
ば
し
ば
立
ち
往
生
し
た
。
改
善
は
急
を
要
す
る
。
市
は
五
八
年
五
月
、「
自
転
車
の
放
置
防
止
に
関
す
る
条
例
」
を
作
っ
て
「
整
理
区
域
」
を
設
け
る
な
ど
し
た
が
、
効
果
は
上
が
ら
な
い
。
ウ
ル
ト
ラ
C
は
な
い
。
市
は
こ
こ
で
思
い
切
っ
た
財
源
投
入
に
舵 か
じ
を
切
り
換
え
る
。
大
い
な
る
決
断
だ
っ
た
。
駅
の
近
く
に
用
地
を
確
保
し
、
駐
輪
場
づ
く
り
に
全
力
投
入
し
た
。
五
八
年
度
、
約
七
四
六
五
万
円
だ
っ
た
自
転
車
対
策
費
は
、
平
成
三
年
度
約
三
億
六
六
一
八
万
円
、
四
年
度
一
二
億
八
四
七
七
万
余
円
、
ピ
ー
ク
の
五
年
度
に
は
約
一
七
億
四
三
二
九
万
円
に
達
す
る
。
そ
の
間
、
駐
輪
場
は
J
R
三
駅
を
中
心
に
昭
和
五
九
年
度
五
か
所
、
六
〇
年
度
二
か
所
、
六
一
年
度
三
か
所
と
整
備
さ
れ
、
通
期
で
は
三
八
か
所
・
約
二
万
五
〇
〇
〇
台
分
を
確
保
し
た
。
J
R
三
駅
周
辺
の
放
置
自
転
車
は
平
成
五
年
度
の
六
六
七
四
台
を
ピ
ー
ク
に
減
り
始
め
た
。
一
方
で
六
年
四
月
か
ら
交
通
対
策
課
を
化
、
同
一
二
月
に
は
前
記
の
条
例
を
全
面
的
に
改
め
(
七
年
六
月
施
行
)、
放
置
禁
止
区
域
を
設
け
る
な
ど
し
て
改
善
の
後
押
し
を
し
た
。
交
通
関
係
で
は
、
違
法
駐
車
問
題
の
解
決
も
喫
緊
の
課
題
だ
っ
た
。
全
国
初
の
「
違
法
駐
車
の
防
止
に
関
す
る
条
例
」
を
設
け
た
。
こ
の
条
例
で
配
置
し
た
交
通
指
導
員
が
大
き
な
成
果
を
上
げ
る
が
、
詳
細
は
「
第
六
章
第
三
節
三
」
に
譲
る
。
行
財
政
改
革
で
も
目
覚
ま
し
い
成
果
行
財
政
改
革
に
つ
い
て
も
ひ
と
言
。
昭
和
五
八
(
一
九
八
三
)
年
七
月
に
行
財
政
点
検
委
員
会
を
立
ち
上
げ
、
翌
年
八
月
市
長
自
ら
推
進
本
部
長
に
就
い
て
旗
を
振
り
、「
中
期
行
財
政
運
営
懇
談
会
」(
平
成
七
年
六
月
)「
新
し
い
仕
事
の
や
り
方
委
員
会
」(
一
〇
年
八
月
)「
行
財
政
改
革
検
討
委
員
会
」(
一
五
年
一
二
月
)
と
、
間
断
な
く
行
革
に
取
り
組
ん
で
き
た
。
高
額
退
職
金
関
連
で
は
、
高
額
に
至
っ
た
要
因
の
一
つ
、
在
職
者
調
整
制
度
を
昭
和
五
九
年
、
わ
た
り
昇
給
制
度
を
平
成
二
年
に
完
全
廃
止
し
た
。
職
員
の
数
も
三
次
に
わ
た
る
適
正
化
計
画
の
結
果
、
通
期
で
一
六
六
人
減
っ
た
。
一
四
年
四
月
に
は
市
政
始
ま
っ
て
以
来
の
組
織
改
革
を
断
行
し
た
。
若
手
中
心
の
プ
ロ
ジ
ェ
ク
ト
チ
ー
ム
は
通
期
で
一
〇
五
に
及
び
、
縦
割
り
組
織
に
横
の
風
を
吹
き
こ
ん
だ
。
山
歩
き
で
培
っ
た
決
断
力
・
忍
耐
力
難
問
解
決
の
幾
つ
か
を
駆
け
足
で
な
ぞ
っ
て
き
た
。
市
長
で
あ
れ
ば
当
然
だ
が
、
難
問
解
決
は
土
屋
市
長
を
抜
き
に
は
語
れ
な
い
。
ス
ピ
ー
ド
・
決
断
力
・
粘
り
腰
―
そ
れ
ら
を
育
ん
だ
道
を
、
や
は
り
駆
け
足
で
振
り
返
る
。
昭
和
一
七
(
一
九
四
二
)
年
一
月
、
神
田
で
生
ま
れ
た
。
戦
時
下
で
あ
る
。
縁
故
疎
開
で
群
馬
県
へ
。
父
親
は
戦
争
で
失
っ
た
。
母
一
人
子
一
人
で
辛
酸
を
な
め
る
。
小
学
校
五
年
で
本
市
に
越
し
て
き
た
。
市
立
第
三
小
、
同
第
三
中
を
経
て
都
立
武
蔵
高
校
へ
進
む
。
三
中
時
代
か
ら
山
に
は
ま
り
、
高
校
で
は
山
岳
部
に
入
っ
た
。
傍
ら
生
徒
会
長
を
務
め
、
ラ
グ
ビ
ー
部
を
創
設
す
る
。
早
稲
田
大
学
で
は
ワ
ン
ダ
ー
フ
ォ
ー
ゲ
ル
部
に
入
り
、「
多
い
年
は
年
間
一
五
〇
日
間
」
を
山
で
過
ご
す
。
指
導
力
・
危
機
管
理
・
人
心
掌
握
術
を
学
ん
だ
。
昭
和
四
一
年
四
月
、
武
蔵
野
市
役
所
に
入
る
が
、
在
職
九
年
間
、
国
民
健
康
保
険
担
当
で
終
始
す
る
。
不
満
だ
っ
た
。
革
新
市
政
へ
の
幻
滅
と
反
発
の
日
々
。
組
合
活
動
に
も
熱
を
入
れ
、
執
行
委
員
も
務
め
た
が
、
自
身
の
処
遇
を
巡
る
問
題
で
こ
こ
で
も
苦
汁
を
な
め
る
な
ら
ば
外
か
ら
組
織
の
改
革
を
、
と
止
め
る
周
囲
を
振
り
切
っ
て
五
〇
年
、
三
三
歳
で
市
議
選
に
挑
み
、
八
位
で
当
選
し
た
。
二
期
八
年
間
、
野
党
の
立
場
で
徹
底
し
て
市
政
批
判
を
展
開
し
た
。
そ
し
て
五
八
年
、
四
一
歳
で
市
長
の
座
に
座
る
。
個
人
の
経
歴
に
あ
え
て
踏
み
込
ん
だ
の
は
他
で
も
な
い
、
そ
の
軌
跡
か
ら
土
屋
市
長
の
資
質
の
数
々
を
生
ん
だ
源
が
見
え
て
く
る
。
土
屋
は
初
当
選
直
後
、「
目
指
す
の
は
日
本
一
の
市
長
」
と
語
っ
て
い
る
。
そ
う
豪
語
す
る
程
に
、
市
政
を
熟
知
し
、
す
で
に
理
想
と
す
る
都
市
像
を
思
い
描
い
て
い
た
の
だ
ろ
う
。
難
問
と
い
え
ば
、
本
市
は
長
く
ご
み
処
理
問
題
に
悩
ん
で
き
た
。
前
市
長
が
解
決
の
道
を
付
け
、
土
屋
は
果
実
を
摘
む
幸
運
を
得
る
。
市
民
文
化
会
館
の
建
設
も
然
り
。
運
も
ま
た
実
力
の
内
で
あ
る
。
時
代
の
風
も
味
方
し
た
。
口
さ
が
な
い
人
は
、
財
政
力
あ
っ
て
の
こ
と
と
揶 や
揄 ゆ
す
る
が
、
カ
ネ
さ
え
あ
れ
ば
誰
で
も
出
来
る
の
か
、
と
問
い
返
し
て
お
く
。
(
二
)
発
想
の
転
換
前
項
で
は
、
今
期
の
行
政
の
大
き
な
特
徴
と
し
て
、
数
々
の
難
問
を
解
決
し
て
き
た
こ
と
を
挙
げ
た
。
行
政
の
歩
み
で
も
う
一
点
強
調
し
て
お
き
た
い
の
は
、
全
国
の
自
治
体
に
先
駆
け
て
次
々
と
ユ
ニ
ー
ク
な
施
策
の
展
開
、
施
設
の
実
現
を
果
た
し
て
き
た
こ
と
で
あ
る
。
行
政
は
し
ば
し
ば
住
民
か
ら
「
お
役
所
仕
事
」
と
い
う
批
判
を
浴
び
て
き
た
。
事
な
か
れ
主
義
が
は
び
こ
り
、
前
例
の
な
い
仕
事
は
避
け
て
通
る
。
ま
た
縦
割
り
に
固
執
し
て
組
織
横
断
的
な
課
題
に
は
あ
ま
り
手
を
出
さ
な
い
。
当
然
、
そ
れ
で
は
新
し
い
道
は
開
け
な
い
。
殻
を
破
っ
た
ポ
イ
ン
ト
は
幾
つ
か
あ
る
。
常
識
の
壁
に
と
ら
わ
れ
な
か
っ
た
こ
と
、
外
部
の
知
恵
に
耳
を
傾
け
た
こ
と
な
ど
、
つ
ま
り
は
発
想
の
転
換
に
躊
躇
し
な
か
っ
た
こ
と
で
あ
る
。
そ
し
て
も
う
一
つ
、
最
も
肝
心
な
こ
と
だ
が
、
前
項
で
も
触
れ
た
土
屋
市
長
の
登
場
で
あ
る
。
詳
し
く
は
別
稿
で
触
れ
る
が
、
そ
の
成
果
の
一
端
を
ま
と
め
て
お
く
住
民
の
声
か
ら
「
0
1
2
3
」
住
民
の
声
に
応
え
、
多
く
の
人
の
知
恵
を
借
り
な
が
ら
、
ど
こ
に
も
な
か
っ
た
施
設
づ
く
り
に
成
功
し
た
例
か
ら
。
昭
和
六
二
(
一
九
八
七
)
年
八
月
、
吉
祥
寺
東
町
二
丁
目
に
あ
っ
た
巴
幼
稚
園
の
関
係
者
が
市
役
所
を
訪
れ
た
。
諸
般
の
事
情
か
ら
二
年
半
後
に
は
廃
園
せ
ざ
る
を
え
な
く
な
っ
た
と
い
う
の
で
あ
る
。「
幼
児
教
育
の
空
白
地
帯
」
に
な
る
こ
と
を
危
惧
し
た
地
元
の
住
民
か
ら
、「
敷
地
を
市
が
買
い
取
っ
て
子
ど
も
の
た
め
に
な
る
施
設
を
作
っ
て
ほ
し
い
」
と
い
う
声
が
上
が
る
。
市
が
素
早
く
対
応
し
た
。
幼
児
教
育
の
専
門
家
な
ど
で
構
成
す
る
委
員
会
を
作
っ
て
論
議
す
る
中
で
、
幼
稚
園
に
も
保
育
園
に
も
通
え
な
い
乳
幼
児
の
存
在
が
ク
ロ
ー
ズ
ア
ッ
プ
さ
れ
る
。
同
時
に
、
育
児
に
忙
殺
さ
れ
て
孤
立
感
に
苛
ま
れ
て
い
る
母
親
の
存
在
も
浮
か
び
上
が
っ
た
。
そ
う
し
た
母
子
を
受
け
入
れ
る
新
し
い
タ
イ
プ
の
乳
幼
児
施
設
の
必
要
性
が
提
言
さ
れ
る
。
さ
ら
に
別
の
委
員
会
を
設
け
て
討
論
を
重
ね
た
末
に
、
平
成
四
(
一
九
九
二
)
年
一
一
月
、「
0
1
2
3
吉
祥
寺
」
が
、
巴
幼
稚
園
の
跡
地
に
誕
生
し
た
。
子
ど
も
を
預
か
る
施
設
で
は
な
く
、
〇
〜
三
歳
児
を
抱
え
る
親
子
が
対
象
。
乳
幼
児
は
自
由
に
遊
び
、
親
同
士
は
交
流
し
、
か
つ
相
談
機
能
や
情
報
機
能
も
備
わ
っ
て
い
る
。
画
期
的
な
施
設
で
あ
る
。
し
か
も
利
用
料
は
無
料
。
施
設
名
は
ヨ
チ
ヨ
チ
歩
き
の
乳
幼
児
に
か
け
る
オ
イ
チ
、
ニ
、
サ
ン
か
ら
市
長
が
命
名
し
た
。
一
三
年
五
月
に
は
八
幡
町
一
丁
目
に
二
館
目
が
開
館
し
た
。(
→
第
三
章
第
三
節
三
)
一
通
の
手
紙
か
ら
「
ム
ー
バ
ス
」
が
「
私
は
足
が
悪
く
歩
く
の
が
大
変
で
す
。
吉
祥
寺
に
買
い
物
に
出
か
け
た
り
、
人
に
会
っ
た
り
し
た
い
の
で
す
が
、
な
か
な
か
出
か
け
る
こ
と
が
で
き
ま
せ
ん
。(
略
)市
長
、な
ん
と
か
し
て
く
れ
ま
せ
ん
か
」―
市
内
の
路
地
を
走
っ
て
人
気
の
〝
町
内
会
バ
ス
〟
ム
ー
バ
ス
は
、
吉
祥
寺
南
町
に
住
む
高
齢
の
女
性
か
ら
市
長
宛
て
に
来
た
一
通
の
手
紙
だ
っ
た
。
市
長
が
直
ぐ
反
応
し
た
。
交
通
対
策
課
を
中
心
に
討
議
が
始
ま
る
。
外
部
か
ら
交
通
問
題
の
専
門
家
に
も
参
加
し
て
も
ら
っ
た
。
足
の
確
保
は
高
齢
者
だ
け
で
な
く
、
障
害
者
、
妊
産
婦
、
幼
児
連
れ
の
親
に
も
共
通
す
る
悩
み
で
あ
る
。
市
内
に
細
か
い
網
の
目
を
か
け
、
バ
ス
停
留
所
か
ら
三
〇
〇
メ
ー
ト
ル
以
上
離
れ
て
い
る
地
域
な
ど
を
徹
底
的
に
あ
ぶ
り
出
し
た
。
人
口
密
度
全
国
二
位
の
本
市
の
あ
ち
こ