力学演習
期末試験(August 11, 2010) 1✎問題にない量や記号を用いるときは定義すること。
✎解答用紙は,たて長に用いる。全ての用紙の上部に氏名・学籍番号を記入し,表だけに解答を記述する。 (100点満点)
問題1. 全質量M の気球が加速度αで降下している。質量mの砂袋を捨てることで,加速度βで上昇する ようにしたい。気球の浮力Fが一定と仮定して以下の問いに答えよ。(20点)
1-1.砂袋を捨てる前と後の運度の様子が分かるように図を描け。 1-2.砂袋を捨てる前と後の運動方程式を書け。
1-3.運動方程式から,捨てるべき砂袋の質量mを求めよ。
問題2. ばねの一端を固定し他端に質量mの質点をつけ,ばねの振動方向が水平になるように配置する。ばね が伸びる方向をx軸に,質点のつり合いの位置を原点に選ぶ。質点の座標がxのとき質点に働く力をf = −cx とし,この力のほかに質点に働く力は無いとする。(25点)
2-1.質点がつり合いの位置からずれたときに働く力を図示せよ。 2-2.運動方程式を書け。
2-3.運動方程式の一般解を求めよ。 2-4.周期Tを求めよ。
2-5.初期条件を各自で指定し,そのときの解を求めよ。
問題3. 次の保存力についてポテンシャルU を計算し,それを用いて力学的エネルギー求めよ。(15点) 3-1.重力Fz= −mg = −
dU(z)
dz 。ポテンシャルの基準点としてU(0) = 0とする。 3-2.単振動 Fx= −cx = −
dU(x)
dx 。ポテンシャルの基準点としてU(0) = 0とする。 3-3.万有引力 F
r= −GM m r2 = −
dU(r)
dr 。ポテンシャルの基準点としてU(∞) = 0とする。 問題4. 質量mの質点の位置ベクトルをr,働く力を力F として以下の問いに答えよ。(20点)
4-1.質点の角運動量lの時間微分を求めよ。
4-2.この質点に働く力が中心力の場合,角運動量lが保存することを示せ。
4-3.角運動量lが保存するなら,質点の運動が1つの平面内で行われることを示せ。
✎座標系のz軸を角運動量lと同じ向きに選び,lx= ly = 0, lz̸= 0からz= 0を導く。 4-4.前問と同じ状況で,面積速度
dS
dt をh:= xvy− yvxで表せ。この結果より面積速度一定の法則が成り 立つことを示せ。
O P(t)
P(t+dt) dS
2
以下の問題から大問を 1 つ選択して答えよ。
(各大問20点)問題5. ばね定数cのばねの一端を固定し他端に質量mの質点をつけ,水平方向にばねを振動させる。この質 点に速度vに比例する抵抗力f = −2kmvが働く場合を考える。以下,ばねの重さは無視する。
5-1.ばねの伸びる方向をx軸とし,質点がつり合いの位置からずれたときに働く力を図示せよ。 5-2.kの次元を求めよ。
5-3.固有角振動数(抵抗力が働かない場合の角振動数)をΩとして運動方程式を書け。
5-4.抵抗が比較的小さいk < ωの場合,減衰振動となることを示せ。初期条件はx(0) = A,˙x = 0とせよ。 5-5.この減衰振動の周期Tを求めよ。
問題6. 質量mの質点について,以下の手順で力学的エネルギー保存則を導け。
6-1.直線上の運動で,質点には保存力かどうか分からない力F が働いている。運動方程式
md2x
dt2 = Fx (1)
の両辺でそれぞれvdtとdxとの積をとった後,それを時間で積分し,運動エネルギーの変化を力が行った仕 事を用いて表せ。境界条件はx(t1) =: x1,x(t2) =: x2,およびv(t1) =: v1,v(t2) =: v2とする。
6-2.前問で力が保存力すなわちFx= − dU(x)
dx で与えられる場合,力が行った仕事W が途中の径路に依 らず両端の座標x1, x2だけで決まることを示せ。
6-3.以上の結果を用いて力学的エネルギー保存則を導け。 6-4.同じことを3次元の場合に拡張せよ。
問題7. 次の手順に従い,ケプラーの法則から惑星に働く太陽の引力f(r)の形を f(r) = −GM m
r2 er
と決定せよ。ここで,Gは万有引力定数,M は太陽の質量,mは惑星の質量であり,太陽を原点とする2次 元極座標(r, ϕ)を用いて惑星の位置を表す。
✎楕円の性質に関する証明は不要。簡潔な説明を添えて用いてよい。
7-1.惑星に働く太陽の力が中心力すなわちf(r) = f (r)erとなることを示せ。
7-2.この力の成分f(r)がf(r) = −mh
2
lr2 と書けることを示せ。
✎楕円の極座標表示r(ϕ) = l
1 + ε cos ϕ を用いてよい。 7-3.上式の
h2
l が太陽系内の全ての惑星に共通な定数であることを示せ。 7-4.さらにこの定数が太陽の質量M に比例することを示せ。