医学部・大学院医学研究科 ・大学院保健科学研究院

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全文

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宇宙と医学

大学院医学研究科 教授

吉岡

よ し お か

みつ

ひ ろ

(医学部医学科)

専門分野 : 神経薬理学

研究のキーワード : 創薬,ストレス,宇宙環境

HP アドレス : http://hokudaineuropharmacol.com/

何を目指しているのですか?

ヒトにとって<老化>は避けることのできない現象の一つです。宇宙環境(無重力)で

起きる骨や筋肉の変化、免疫機能の低下などは老化によって生じる現象とよく似ているの です。しかも、1週間の宇宙滞在でそれらの変化が現れてくるのです。すなわち、宇宙空 間は老化を加速させる環境かも知れません。また、国際宇宙ステーションは無重力でかつ

閉鎖された環境です。ここでの長期滞在は想像をはるかに超えるストレスなのです。これ

までアメリカやロシアは特別な人たち、すなわち宇宙飛行士のための医学的なデータを収 集してきました。しかし、これからは地上の人類のために宇宙空間を利用し、免疫力の強 化、骨粗しょう症治療薬の開発、ストレスに対抗できる方法や薬の開発につながる研究を 推進することが必要です。人類は重力の下で、進化してきました。ヒトの生活から重力を 取り去ると何が生じるのでしょう。未知の環境にさらされたときヒトはそれに適応しよう とできる限りの能力を発揮します。その能力をコントロールする仕組みを明らかにするこ とができれば、未だ解明されていない様々な疾病への対応やその治療薬、すなわち新薬の

開発(創薬)につながるのです。

どんな装置を使ってどんな実験をしているのですか?

地上400km上の宇宙ステーションの内部は無重力です。しかし、残念ながら誰もが簡単

に行ける場所ではありません。物体が重力のみの力を受けて運動する場合、その物体の内 部は無重力状態になります。ワイヤーの切れたエレベーターの内部では体を支えている床 も自由落下しているので体重はゼロになるわけです。重力のみの力を受ける運動は落下の みではありません。例えば、ボールを斜め上方に投げ出すこととしましょう。ボールは投

げ出された瞬間、斜め上方に初速をもらいますが、その後は重力のみの力を受け、(厳密に

言えば空気抵 抗力も受ける) 放物線運動を し、最後に地 面に落ちます。 この運動でも ボールの内部 は無重力状態 出身高校:北海道旭川東高校 最終学歴:北海道大学医学部

医療/こころ

図1 パラボリックフライトの飛行方法と重力変化

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になるのです。そこで地上では、航空機を使用し、このボールのように放物線飛行(パラ

ボリックフライト)をして無重力を得るのです。図1に示すように、機内に約20秒間の微

小重力環境を作ります。この環境下において各種の宇宙実験等を行います。

何がわかりましたか?

マ ウ ス に パ ラ ボ リ ッ ク フライトを経験させると、 図2のように血圧の上昇が 観察されます。この時、脳 の中では様々な遺伝子の活 性化が確認されました。な かでもストレスに反応して

遊離されるセロトニンという神経伝達物質の合成系に関係する遺伝子(トリプトファン水

酸化酵素)の活性化が顕著でした(図3)。また、

ヒトではアルギニンバゾプレシン(AVP)とい

うホルモンが敏感に反応しました(図4)。AVP

は脳内で産生され、血液中に漏れ出てくるホル モンの一つで、脳の中で起こっていることを想 像することができるのです。また、炎症や感染 も無い状態なのに白血球数も地上帰還後に有意 に増加しました。これらのことから、飛行機を

使用した約20秒の無重力環境でも、マウスのみ

ならずヒトにおいても様々な適応システムが作動することがわかりました。

次に何を目指しますか?

今日、新薬開発の競争はますます激化しており、独創的な アプローチが求められています。現在、創薬は疾患治療にか かわる標的分子の同定、標的分子に作用する低分子化合物の スクリーニングを経て、開発候補化合物の同定、安全性の評 価を含む前臨床試験の医薬品開発プロセスに進むことになり ます。ゲノムサイエンスの進歩や生物システムの解明が進ん でいるのにもかかわらず、創薬はまだ長期間を要す上に新薬 発見の成功率は低いのが現状です。今後は、アメリカの民間 宇宙船を使用し、準軌道(サブオービタル)といわれる地上

100kmの宇宙に到達し、地上に帰ってくる実験を計画してい

ます(図5)。これにより、宇宙滞在時間を数分から十数分と

延長させ、さらに様々な適応システムが発動する環境に曝露 し、そのデータを得る実験を目指します。

図4 ヒトのアルギニンバゾプレシン変化

図2 マウス血圧変化 図3 遺伝子変化

図5 準軌道飛行

宇宙システム株式会社 HP (http://www.space-sd.co.jp/)より転載

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生活習慣と病気の関係を探る

大学院医学研究科 教授

た ま

こ し

暁子

あきこ

(医学部医学科)

専門分野 : 公衆衛生学,疫学

研究のキーワード : コホート研究,生活習慣病,栄養,身体活動,フィールド

HP アドレス : http://publichealth.med.hokudai.ac.jp/

公衆衛生学とはどのような学問ですか?

公衆衛生は英語ではPublic Healthと呼ばれています。Publicとは人々(集団)を、Health

は健康、保健を意味します。したがって、公衆衛生学とは、胎児・新生児から高齢者まで、

健康な人も病気を抱えている人も社会で生活するすべての人々を対象としており、その身 体的・精神的健康を守り増進することを目的とした実践活動であり学問分野です。とても 幅が広い…?と思われたでしょうが、この懐の深さがまさに公衆衛生です。私たちはその 中でも病気や活動性・意欲の低下などにつながる生活習慣や心理状態、職業要因などにつ いて研究しており、その成果を人々がよりよい生活を送るための仕組みづくりに役立てた いと考えています。

どのような方法で研究しているのですか?

早食いは太りやすいとか、寝不足だけでなく寝すぎも健康に悪いとか、聞いたことはあ りませんか?実際に生体内でどのような反応が起きているのか、詳しいメカニズムはわ かっていない場合でも、私たちは新聞や雑誌でいろいろな病気の原因や長寿のヒントを目 にします。こうした結果は、人々を対象として行われる疫学研究と呼ばれる研究の成果で

す。疫学研究にもいろいろな手法がありますが、その一つであるコホート研究では、多く

の人にご協力いただき、はじめに生活習慣や心理状態、社会との関わり、既往歴などの情 報を入手します。そしてその方たちを長期にわたり追跡し、生死やがんなど罹った病気の 情報を得て、元の情報と合わせます。このデータセットを様々な観点から解析し、ある生 活習慣のある人とない人の予後を比較する(例えば、たばこを吸う人と吸わない人で、そ

の後の肺がんの発生率を比べます)ことで、

どのような生活習慣が病気に関係している のかを統計学的に検討します。健康な方た ちに協力をお願いして長い時間をかけて病 気の発生を確認する、とても根気のいる研

究です。ただ、初めにいろいろな情報を(最

近では生体試料も)いただいておき、調べ る病気も複数設定できますので、一つのコ ホート研究からいろいろな結果を得ること が可能です。

出身高校:愛知県立旭丘高校 最終学歴:名古屋大学大学院医学研究科

くらしと健康

コホート研究の流れ

時間 たばこを吸う人々

たばこを吸わない人々

肺がんになった人

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今までにどんなことがわかっていますか?

1980年代後半から約11万人の方に協

力 い た だ い て 、20年 追 跡 し た JACC

Studyというコホート研究の結果から一

つご紹介します。

数年前からメタボ健診が開始されてい

ますが、聞いたことはありますか?生活

習慣病の一因に肥満があることから、対

策として内臓脂肪を減らすことが重要と して開始されたものです。結果として、 私たちは知らず知らずのうちに肥満は悪 い、と思いこんでいます。しかし、本当

にそうでしょうか?65~79歳の方たちを追跡したところ、次のような結果が得られました。

対象者をBMI(肥満の指標の一つで体重(kg)/身長(m)2で計算します)別に分け、その後の

死亡リスクを観察すると、BMI 20.0~22.9の方たち(身長150cmなら49kg、170cmなら

63kgくらい)と比べて、肥満者のリスクが上がったのは女性のBMI30以上(150cmで

67.5kg以上)と相当高いグループの方たちだけでした。一方で、痩せている方たちの死亡

リスクは高く、BMIが20未満の場合はどのグループでも有意にリスクが上昇し、痩せてい

るほど強いリスクとなりました。高齢者では太っているより痩せている方が死亡しやすい のです。高齢で痩せている方では、栄養分の貯蔵が少なく、感染症に弱い可能性が考えら れます。したがって、高齢になってからメタボを心配して頑張って痩せる必要はなさそう

です(痩せている場合に無理して太る方がよいかどうかはこの結果からはわかりません)。

この他にも栄養や身体活動といろいろな部位のがん、循環器疾患などとの関係を中心に検

討し、その成果は他の地区のコホート研究の結果と合わせて、健康日本21(第2次)や日

本人のためのがん予防法(国立がん研究センター)などに生かされています。

これから何を目指しますか?

私は2012年4月に北海道大学に着任しました。疫学研究を行うには、協力してくださる

フィールド、人々が必要です。そのため、これから道内の市町村、企業などと協力関係を

築き、情報を収集していくところから始めます。北海道は国土の22%を占めていますが、

人口は552万人(4.3%)と人口密度が最も低いのが特徴です。そのため、医療機関の所在

地が偏り、医療過疎問題が指摘されています。人々の生活では、日本全体と比べて喫煙率 が高いこと、冬場に活動量が減ること、などが知られています。一方で、カロリーベース でみた食料自給率は全国1位、おいしい野菜や魚介類に恵まれた地域でもあります。その ような地域、社会環境や生活習慣の特徴が人々の健康状態にどう影響しているのか、よい 面、悪い面を検討しながら、一つずつ結果を出し、社会全体の健康づくりに役立つ情報発 信をしていきたいと考えています。

一緒に研究を行いたいと考える皆さんの参加を心より歓迎いたします。

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心のはたらきを神経活動で解き明かす

大学院医学研究科 教授

田中

たなか

真樹

まさき

(医学部医学科)

専門分野 : 神経生理学,脳科学,システム神経科学

研究のキーワード : 脳機能,ニューロン,霊長類,心理学,文理融合

HP アドレス : http://niseiri2.med.hokudai.ac.jp/~niseiri

何を目指しているのですか?

普段の何気ない行動を支えている様々な脳機能を、神経回路と脳各部のニューロン活動

で理解したいと考えています。高校の生物では、神経細胞の形や電気活動、シナプスのし くみなどについて学習します。脳のどんな高度な機能も、脳の素子であるニューロンが電 気的に信号をやりとりすることで成り立っていると教わりますが、普段私たちが生活して いるときに脳各部にどのような情報があり、それが具体的 にどう処理されているのかといった点については、まだ多 くのことが分かっていません。一方、高次脳機能について

は心理学や認知科学といった、いわゆる文系の学問による

長年にわたる研究があり、様々な現象や機能が明らかにさ れています。こうしたヒトを対象にした研究と、主に小動 物を使って進められてきた神経生物学研究は、同じ脳を対 象にしているにもかかわらず大きな隔たりがあり、これら の知識をつなぐ研究が必要です。私たちの研究室では、ヒ トの心理実験で用いられるのと類似の行動課題をサルに訓 練し、そのときの脳活動を細胞レベルで調べることで、高次脳機能を生物学的に理解した いと考えています。また、電気刺激や脳局所への薬物注入によって神経活動を人為的に操 作し、それらの信号が行動のどういった側面に関与しているのか調べるとともに、脳の一 部が損傷したときの病態を科学的に明らかにしたいと考えています。

現在の具体的なテーマとしては、私たちがどうやって時間を測っているのか(時間知覚 出身高校:甲陽学院高校(兵庫県) 最終学歴:北海道大学大学院医学研究科

こころ

サル頭部のMRI画像

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と予測)、どのようにして周囲に意識を向けるのか(空間的注意)、状況に応じて行動を決 める脳のしくみはどういったものか(行動選択と抑制)などといったことに興味をもって

研究を進めています。とくに、ヒトを含めた霊長類でよく発達している大脳の前頭葉と、

その機能を調節している基底核、小脳、視床といった脳部位のはたらきに注目して実験を しています。このように正常の脳のしくみを調べることは、自分の頭の中を理解すること に他なりませんし、日常のごく普通の生活が制限される精神神経疾患のメカニズムを探る ことに直接的につながります。

どんな装置を使って、どんな実験をしているのですか?

大脳が関与する高次機能を調べるためには、やはり 大脳の発達した動物を対象にする必要があり、私たち の研究室ではサルを用いています。実験用のサルは文 科省バイオリソースプロジェクトなどから供給を受け

ています。神経活動を記録する際に頭が動かないこと、

疲労が少なく繰り返し行えること、精密な測定ができ ることなどの理由から、眼の動きを指標にした様々な 行動課題を訓練しています。例えば、時間の知覚を調 べる研究では、合図を出した後に一定の時間が経つと 自発的に眼を動かすようにトレーニングしていますし

(時間再現課題)、行動選択の研究では、前もって指示

したルールに従ってターゲットの方に眼を向けたり、逆に「あっち向いてホイ」のように

反対側を向くように訓練しています(アンチサッカード課題)。いずれの行動課題でも、発

達障害や精神神経疾患の一部で成功率が低下することが知られています。実験では正しい 反応をするたびにサルに少しずつジュースを与え、 行動を強化していきます。実験のための器具のとり つけはヒトの手術と同じ全身麻酔下で行いますが、 脳そのものには痛覚が無いため、実験では行動課題 を行っている最中に細い金属電極をそっと刺しこん で、単一神経細胞のもつ信号を記録してコンピュー タで解析します。行動の制御も電極を動かすのも遠 隔操作で行います。

次に何を目指しますか?

脳機能は生命科学の最後のフロンティアといわれています。脳の情報処理を明らかにす ることは、ヒトを深く理解するだけでなく、脳の病気の原因を探ってその対処法を提案し たり、脳の信号を利用した新たな医療を開発したりすることにもつながります。脳の情報 処理については解明されていないことばかりですが、だからこそ、開拓者精神にあふれた 北大生にぜひ挑戦していただきたいと考えています。ここから世界に発信しましょう。

手術の道具と実験用のインプラント

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肝移植の治療成績向上を目指して

大学院医学研究科 教授

武冨

た け と み

あ き

のぶ

(医学部医学科)

専門分野 : 外科学(消化器外科,肝胆膵外科,肝移植外科)

研究のキーワード : 外科,がん,肝移植,C 型肝炎ウイルス,遺伝子多型

HP アドレス : http://www.surg1-hokudai.jp/

何を目指しているのですか?

1963年に世界で初めての肝移植が米国で行われてすでに50年がたちました。その間、新

しい免疫抑制剤が開発され、手術手技が向上し、周術期管理が進歩するなど数多くの改良 がなされ肝移植の成績はよくなっています。その一方で、解決すべき数多くの課題も残さ

れています。肝移植を含め当科で担当している消化器外科、小児外科領域で日々病気と

闘っている患者さんのお役に立てるような日常臨床の課題を解決するような研究成果を得 ることを目的にしています。

どのようなことが課題なのですか?

現在の肝移植医療において解決すべき大きな課題の1つとしてC型肝炎ウイルスの再感

染があります。C型肝炎ウイルスは血液などの媒介により肝細胞に感染し、30年から35年

かけて肝硬変や肝がんを発生させるウイルスで、肝移植の原因疾患の約30%がこのC型肝

炎ウイルスです。C型肝炎に対する肝移植の治療成績は、他の疾患(胆汁うっ滞性肝硬変

など)に対する肝移植に比べ 不良といわれています。左図 のように、せっかくきれいな 肝臓を移植するのに、移植後

72時間以内には、ほぼ100%

の例においてC型肝炎ウイル

スが再感染してしまいます。 移植後は拒絶反応を抑えるた め免疫抑制剤を服用する必要

があり、C型肝炎ウイルスの

増殖がより活発な状態となり、

通常では感染から肝硬変まで30年かかるところ移植後は数年で肝硬変になることが知ら

れています。私は、この肝移植後C型肝炎再感染に対する有効な治療法を開発することを

目的に研究を行ってきました。

どのような治療が有効なのですか?

現在のところ、ペグインターフェロン/リバビリン併用療法が移植後C型肝炎ウイルス

出身高校:長崎県立佐世保南高校 最終学歴:九州大学大学院医学研究科

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再感染における唯一の治療法です。しかし、その効果は約30%と低く、さらにペグインター フェロン/リバビリン併用療法は高価で、血球減少、インフルエンザ様症状、発疹、精神 障害などの副作用も多く、移植後は特に深刻な問題となります。

我々はゲノムワイド関連解 析により見出されたペグイン ターフェロン/リバビリン併 用療法の効果と密接に関係す る と い う19番 染 色 体 上 の

IL28B 遺伝子周辺領域の1

塩基置換に注目しました。こ

のIL28B遺伝子多型を肝移

植症例で解析したところ、レ シ ピ エ ン ト 、 ド ナ ー 両 者 の

IL28B 遺伝子多型が肝移植

後C型肝炎ウイルス再発に対するペグインターフェロン/リバビリン併用療法の感受性に

関わっていることを見出し世界で初めて報告しました。今後はレシピエントおよびドナー

の遺伝子多型に基づいてC型肝炎ウイルス治療法を決定するとともに、遺伝子多型を考慮

したドナー選択が必要になる時代が訪れるかもしれません。

次に何を目指しますか?

今回取り上げた肝移植後C型肝炎再感染のほかにも、肝移植後の成績を不良にしている

数多くの未解決の課題が残されています。肝移植は善意の医療であり、かけがえのないド ナーから提供いただいた肝臓を最大限有効に使うために、移植外科医はこれらの問題に立 ち向かっていかなければなりません。

私たち北海道大学消化器外科Ⅰ分野で扱っている消化管外科、肝胆膵外科、小児外科、 そして臓器移植外科はハードな職種で知られていますが、その分やりがいもあります。現 在の命を救うために病棟で患者さんと一緒になって格闘するとともに、明日の命を救うた めの臨床上の課題に根付いた研究を行っています。命にたずさわることの使命感を意気に 感じ、一生懸命頑張っている若手外科医たちとともに、明日の医療を明るく照らすような 研究成果を世界に向けて発信していきたいと思っています。

参考書

(1) 武冨紹信ほか,「肝移植後のHCV感染に対するPEG-IFN/Ribavirin療法」:『肝胆膵』

63巻6号,1158-1164(2011)

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難治性自己免疫疾患を克服する

大学院医学研究科 教授

渥美

あつみ

達也

たつや

(医学部医学科)

専門分野 : 医学,内科学,膠原病学

研究のキーワード : 内科,薬物治療,自己免疫,血栓症,流産

HP アドレス : http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~e20677/

何を目指しているのですか?

人間の病気は、悪性疾患と良性疾患に大きく分かれます。「癌」に代表される悪性疾患は、

人間の生命を直接奪う病気です。一方、「炎症」に代表される良性疾患には多種多様で、「感

冒」のように簡単に治癒してしまう急性の感染症から、治療ができないため疾患が持続し

(慢性)、そのために生活の質がそこなわれたり、結果的に生命が奪われてしまうものまで

あります。悪性疾患ではないのに、原因が不明で、治療が難しい疾患のことを「難病」とよ びます。

膠原病は難病の代表です。その病態(病気のなりたち)は、本来は細菌やウイルスに対 して身体を防御するために存在する免疫というちからが自分自身の臓器に対しておこって

しまう「自己免疫」とよばれる現象です。自己免疫がおこるメカニズムは不明ですので、根

本的に膠原病を治癒させる方法はありません。私たちがとくに研究対象としてとりくんで 出身高校:北海道小樽潮陵高校 最終学歴:北海道大学大学院医学研究科

医療

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いるのが、「抗リン脂質抗体症候群」という疾患です。この疾患は、自己免疫現象の結果と

して体内に産生される「抗リン脂質抗体」という自己抗体によって血栓症や流産をおこす

疾患です。

血栓症とは、血管のなかに血栓というかたまりができてしまい、血液のながれがとだえ てしまうことによっておこる疾患です。全身のどこにでもできますが、抗リン脂質抗体症 候群でいちばん多い血栓症は、脳梗塞です。脳梗塞をおこしてしまうと、脳が障害される ので、半身不随や寝たきりになったり、死亡することもあります。流産も抗リン脂質抗体 症候群の代表的な症状で、妊娠の後半に胎児が育たなくなってしまいます。そして、血栓 症も流産も、何度も反復してしまうのが抗リン脂質抗体症候群の特徴なのです。

私たちは、血栓症や流産をおこさないようにする治療法を開発するため、この症候群の メカニズムを解明するために研究をつづけています。

どのように研究をすすめているのですか?

私たちの講座は、臨床医学の講座ですので、北海道大学病院での診療をおこなっていま す。日々の診療のなかで、北大病院を受診した抗リン脂質抗体症候群の患者さんの臨床経 過を解析し、フォローアップをおこなっています。そして、遺伝子や自己抗体プロフィー ルなど、血栓症や流産のリスク因子を解析しています。リスクに応じた治療方針をたてる ことが目標です。

それと並行して、培養細胞やマウスを用いて、抗リン脂質抗体がどのように血栓傾向や 妊娠合併症をもたらすかを分子レベルで解析しています。この症候群の血栓傾向と関連す る分子をプロテオミクスという手法で探したり、見つかった分子の局在や機能を解析した りして、なぜこの病気がおこるのかを

次第に明らかにしています。病気のメ カニズムが解明できれば、それを人為 的にコントロールする薬物をつくるこ とができますから、抗リン脂質抗体症 候群の「特異的治療」を開発することが できます。

近い将来、抗リン脂質抗体症候群に 限らず、膠原病の治療法が開発され、 膠原病が「もはや難病ではない」といわ れる日が来ると信じて研究をすすめて います。

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「全身に血液を送るポンプ」心臓を護(まも)る

大学院医学研究科 教授

筒井

つつい

裕之

ひ ろ ゆ き

(医学部医学科)

専門分野 : 循環器内科学

研究のキーワード : 心不全,薬物治療,創薬,炎症,ナチュラルキラーT 細胞

HP アドレス : http://cvhp.med.hokudai.ac.jp/

研究を始めたきっかけは何ですか?

心臓は、全身に血液を循環させるポンプとして働く重要な臓器です。1分間に80回。1

日11万回。1年4200万回。80年間では、何と33億6000万回も休むことなく動き続けます。

このポンプが止まってしまうと、当然死に到ります。

心臓のポンプとしての働きが悪くなってしまう病気が心不全です。高齢者の増加や生活

習慣の欧米化による高血圧・糖尿病などの生活習慣病の増加によって、心不全の患者さん が日本も含め世界中で急増しています。現在では、我々循環器内科医が診療する患者さん のなかで心不全の患者さんが最も多くなっています。

心不全の患者さんを救うために、現在まで数多くの治療法が開発され、実際に応用され

てきました。しかし、現在でも心不全になると、5年以内に20-30%の患者さんが亡くなっ

てしまうという重症な病気です。この病気のメカニズムをさらに解明し、創薬や新たな治

療法を開発しようという研究に世界中の研究者が取り組んでいます。

何を目指しているのですか?

私たち生体の機能制御に重要な役割を果たしているのが炎症です。炎症は、様々な病気

の成り立ちに関わっていることが知られていますが、心不全でも心臓で持続的に炎症が起 こり悪影響を及ぼしていることがわかってきています。この炎症を制御することで、心不 全の予防や治療ができると期待されています。

我々は、この炎症を制御する働きをもっているナチュラルキラーT(NKT)細胞に着目し

ています(図1)。心不全の形成・進展におけるNKT細胞の役割を明らかにし、NKT細

胞活性化による新しい心不全治療の開発を目指しています。

出身高校:久留米大学附設高校(福岡県) 最終学歴:九州大学医学部

医療

図1 NKT 細胞は NK 細胞の マーカーである NK1.1 と T 細 胞受容体を有し、樹状細胞 などの抗原提示細胞によっ て活性化され、組織障害性 (T

H

1)と組織修復性(T H

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どんな研究をしているのですか?

心不全の基礎研究を行うためには、心不全のモデル動物が必要です。マウスの心臓に栄 養供給している冠動脈を顕微鏡下で結窄して心筋梗塞を作成すると心不全になります。心

不全に陥った心臓は拡大します(図2上)。また、心筋細胞は肥大し、細胞間の線維成分が

増加します(図2下)。この現象を「心筋リモデリング」と呼び、心不全の発症・進展に関

わっています。心不全では、心臓ばかりでなく骨格筋の機能も障害され運動能力の低下に

関与しています(図3)。

心臓を護るには、「心筋リモデリング」を抑制する必要があります。NKT細胞を特異的

に活性化すると、梗塞後の心筋リモデリングや心不全が抑制されます。また、逆に NKT

細胞が欠損したマウスでは、心不全がさらに増悪します。このような結果から、NKT細

胞の活性化によって、心筋リモデリング・心不全を抑制できることがわかりました。

次に何を目指しますか?

我々の研究によって、NKT 細胞の活性化により心不全を改善できることが世界で初め

て明らかにされました。これを、実際の心不全患者さんの治療に応用するのが次の目標で す。しかしながら、マウスで有効な治療を、そのまま患者さんに使用することはできませ ん 。 基 礎 研 究 の 成 果 を ふ ま え て 臨 床 研 究 に 発 展 さ せ て い く 展 開 研 究 (translational

research)として、臨床応用可能な新たな治療として開発を目指したいと思っています。

医師には、目の前の患者さんを救うことが求められます。と同時に、医学研究者として、

病態を解明し、新たな治療やより効果的・効率的な治療を開発していくことも重要な責務 です。このような研究に従事することによって、目の前の一人の患者さんだけでなく、よ り多くの患者さんを救える可能性があります。医師として医学研究者として、患者さんの ためになる研究を我々と一緒にやってみませんか?

参考書

(1) 筒井裕之他編,『心不全に挑む・患者を救う』,文光堂(2005)

図3 小動物用トレッドミル。密閉容器の中でマウスを運動させ、運動 中の呼気ガスを集めて、酸素および二酸化炭素濃度を測定すること によって、ヒトと同じように運動能力を正確に評価することができる。 図2 正常(左)と心不全(右)の心臓。心不全で

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「子どものうつ」って何だろう?

大学院保健科学研究院・大学院保健科学院 教授

で ん

健三

け ん ぞ う

(医学部保健学科)

専門分野 : 児童・青年精神医学

研究のキーワード : 児童・青年期,うつ病,神経科学,発達障害,精神科リハビリテーション HP アドレス : http://www.hs.hokudai.ac.jp/denda/

現在の研究を始めたきっかけは何ですか?

20年ほど前までは、うつ病は大人の病気であり、子どもはうつ病にはならないと考えら

れてきました。ところが近年、児童・青年期の気分障害(うつ病、躁うつ病)が一般に考

えられているよりもずっと多く存在するということが明らかになってきました。しかも、

従来考えられてきたほど楽観はできず、適切な治療が行われなければ、青年あるいは成人

になって再発したり、他の様々な障害を合併したり、対人関係や社会生活における障害が

持ち越されてしまう場合も多いのです。今や、子どものうつ病を正確に診断し、適切な治

療と予防を行うことが急務となっているのです。

「子どものうつ」はどんな症状があらわれるのですか?

眠れない、食欲がない、疲れやすいといった「からだの不調」や、ゆううつな気分、イ

ライラするなどの「気分の不調」は、誰でも日常生活でよく経験することです。多くの場

合は、しばらくすると、このような不調

は自然に改善していきます。

ところが、からだの不調や気分の不調

のいくつかの症状が同時に強くあらわれ

たり、長く続いたり、繰り返し起こった

りする場合は、単なる不調ではなく、そ

の背景にうつ病がかくれているかもしれ

ません。

「子どものうつ病」とは、図1に示し

た①抑うつ気分またはイライラ感、②興

味・喜びの減退、③食欲の障害、④睡眠

障害、⑤精神運動性の焦燥または制止、

⑥易疲労感、気力減退、⑦無価値感、過

剰な罪責感、⑧思考力・集中力減退、決

断困難、⑨自殺念慮、自殺企図の9つの

症状のうち5つ以上が、2週間以上持続

し、それらの症状のうち少なくともひと

つは①または②である状態をいいます。

出身高校:静岡県立沼津東高校

最終学歴:北海道大学医学部

こころ

(14)

どんな研究をしていますか?

1.「子どものうつ病」をきちんと診

断するために、CDRS-Rという小児う

つ病評価尺度日本語版を作成しました。

2.「子どものうつ病」が一般にどの

くらい存在するかを知るために、児

童・青年期の気分障害の疫学調査を

行っています。私たちは、わが国で初

め て 一 般 の 小 ・ 中 学 生 に 対 し 、

MINI-KID という構造化面接法を用

いて気分障害の疫学調査を行いました。

その結果を図2に示します。

3.「子どものうつ病」の治療法とし

て、精神療法、薬物療法、および精神

科リハビリテーションの研究および

開発を行っています。

次に何を目指しますか?

1.児童・青年期の気分障害は、

広汎性発達障害(自閉症、アスペル

ガー障害)や注意欠如・多動性障害

(ADHD)と合併することが少なく

ないことが明らかになってきました。

それらの相互の関係がどのように

なっているのかを臨床的に解明して

いきたいと考えています。

2.気分障害と他の精神疾患の関

連を探求するために、認知機能検査

などの神経科学的研究やMRIおよびfMRIなどの脳画像研究を行っていきたいと思いま

す。その結果、気分障害と他の精神疾患との内的関連性が解明されることにより、治療方

針を立てる上でも、治療転帰を考える上でも大きな貢献がもたらされると考えられます。

3.「子どものうつ病」に有効な認知行動療法および認知リハビリテーションを開発した

いと考えています。

参考書

(1) 傳田健三,『若者の「うつ」-新型うつ病とは何か-』,筑摩新書(2009)

(2) 傳田健三,『大人も知らない「プチうつ気分」とのつきあい方』,講談社(2006)

(3) 傳田健三,『子どものうつ 心の叫び』, 講談社(2004)

図1 子どものうつ病の症状

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看護ケアの効果とメカニズムを可視化する

大学院保健科学研究院・大学院保健科学院 准教授

矢野

や の

(医学部保健学科)

専門分野 : 基礎看護学,看護教育学

研究のキーワード : 看護ケア,可視化, 自然言語処理, 看護, リハビリテーション

HP アドレス : http://www.hs.hokudai.ac.jp/

何を目指しているのですか?

看護師が患者へ提供する看護ケアには、どのような効果があるのか、またどのようなメ

カニズムが働いているのか、質の高いケアとは何かを、誰もが理解できるように可視化す

ることを目指しています。臨床におけるケア場面で、看護師は、病を抱えている患者の深 い思いを聴くと同時に、患者の身体と心のダイナミックな変化に気づくことがあります。 特に、患者に触れるケアでは、言葉だけではないメッセージが互いに伝わり、患者との関 係性が近づくのを感じます。しかし、間違いなく看護師が関わることで患者が変化したと 感じても、それをどう他者に客観的に変化したことを説明できるのか。これまでも多くの 看護研究がなされてきてはいますが、人間関係を基盤とする看護ケアの臨床効果を説明す るエビデンスは十分ではありません。効果が高い看護技術を普及すること、質の高い看護 ケアを継承するためにも、私は看護技術の臨床効果とそのメカニズムを実証的なデータに 基づいて検証したいと考えています。

どんなことが実現されているのですか?

現在は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害患者への「手浴」ケアに焦点をあて、「手浴」

が患者の身体と心にどのような変化を与えているのかを研究しています。脳血管障害患者

への「手浴」とは、一日15分、患者の手をあたたかい湯の中に入れ、清潔にするだけでな

く、湯による温熱効果を生かしたマッサージ・運動を行う看護技術です。手の麻痺を抱え

ている患者にとって、手は、「動かない現実に向き合うつらいもの」でもあります。「手浴」

を通して、手を触れあいながら、患者と看護師が会話をすることは、温熱効果による身体 への気持ちよい反応だけでなく、患者の心を揺れ動かすケアともなります。手浴ケアを受 ける中で、手の動きや感覚の変化を患者自身が認識し、患者の語りは少しずつネガティブ な内容からポジティブなものへ変化し、それと共に行動が変容して いきます。これまでの研究成果から、このような患者のダイナミッ

クな変化は、ケア中の患者の語りを分析する自然言語処理の手法や

統計により可視化できることがわかってきました。

また、手浴効果が生じるメカニズムを明らかにするために、ケア による気持ちよさにも関連する、温熱刺激による皮膚温の変化と自 律神経系の動きなどを解析する研究をしています。皮膚温変化は サーモグラフィなどを使用し、自律神経系の働きの測定には心拍変

出身高校:北海道札幌開成高校 最終学歴:聖路加看護大学大学院

看護学研究科

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動解析などを活用した生理学的なデータの収集・分析を行っています。これらの研究を通 して、看護ケアによってどのように身体と心が影響を受けるのか、さらに効果がある看護 ケアとは何かを解明できるのではないかと考えています。

手浴中の皮膚温の経時的変化をサーモグラフィにより観測

また、「手浴」以外にも、院内感染の防止に向け、病院における環境管理の研究として、

環境微生物と人の流れや動きの関連性に関する実態調査を開始しています。病院環境の清

浄度の測定として、3MクリーントレースATP(アデノシン三リン酸)モニタリングシス

テムとスタンプ培地を使用し、看護学の研究者と他分野の研究者が協働し、ディスカッショ

ンしながら、データ分析を深めています。この研究により、感染拡散防止対策をより優先 的に実施すべき汚染場所の特定につなげたいと考えています。

次に何を目指しますか?

看護ケアの効果とメカニズムを可視化する研究は、看護技術を看護師の個人的な能力の 問題にせず、だれもが利用可能な「技」として探究することにつながります。また、短時 間および短期間の看護ケアの成果のみならず、長期的成果にも視点を広げ、研究を蓄積し たいと考えます。このような研究は他分野の研究者との協働も必要です。そして、その広

がりは看護学の発展に大きく貢献できると考えています。今後も、研究の成果による看護

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アメーバと共生細菌の不思議な関係を探る

大学院保健科学研究院・大学院保健科学院 助教

松尾

まつお

淳司

じ ゅ ん じ

(医学部保健学科)

専門分野 : 微生物学

研究のキーワード : 寄生虫学,アメーバ,共生,クラミジア

現在の研究を始めたきっかけは何ですか?

学生時代は寄生虫学を専攻していました。寄生虫は宿主なしでは発育できない宿主依存

型の生活史をもっていますが、寄生虫にとって宿主は何でも良いと言うわけではありませ

ん。ある寄生虫は一部の宿主内でしか発育できないのです。これを宿主特異性といいます。

例えば、ヒトの回虫はヒトの体内でしか成虫になりませんし、ネコの回虫はネコの体内 でしか成虫になりません。何がこの宿主特異性を決定しているのでしょうか?これが寄生 虫という生物に興味を持ったきっかけで、いつしか寄生体と宿主との秘密に焦点を当てて

研究したいと考えるようになりました。しかしながら、いろいろと勉強をしていくうちに、

寄生虫という生物は研究材料として入手や取り扱いがあまり容易ではないと感じました。

そこでより単純化したモデルはないかと探したところ、現在取り扱っているアメーバと

共生細菌という答えに辿り着いたのです。

どんな生物を用いて実験をしているのですか?

実験に用いているのは、アカントアメーバとその共生細菌(特にクラミジアという生き

た細胞内でしか増殖できない細菌)です。アカントアメーバは環境中のいたるところに存

在することが知られ、約20%程度の割合で何らかの共生細菌をもつことが報告されていま

す。私たちも札幌市内の土壌や河川水からアカントアメーバを分離し、アカントアメーバ

から共生細菌のDNAをPCR法や蛍光染色法で検出したところ、約12%程度の割合で何

らかの共生細菌をもつことがわかりました(図1)。

出身高校:奈良県立橿原高校 最終学歴:神戸大学大学院医学系研究科

ミクロの世界

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最近では、抗生物質を用いてアメーバから共生細菌(クラミジア)を取り除いて、アメー バの表現型にどのような変化が現れるかという実験を行いました。興味深いことに、共生 細菌を取り除くと、現れるアメーバの表現型の変化は同じではないことがわかりました。 プロトクラミジアという共生細菌はアメーバの増殖能や移動能を高める一方、ネオクラミ ジアという共生細菌ではアメーバの増殖能や移動能を低下させていました。すなわち前者 ではアメーバの生存に有利に働くと考えられる一方、後者ではアメーバの生存に明らかに 不利に働いていたのでした。なぜこのような現象が現れるのでしょうか?その答えは、ア メーバを殺す細菌にあったのです。環境中にはアメーバと共存できる細菌だけがいるわけ ではありません。中にはアメーバを破壊してしまう細菌も存在しています。ネオクラミジ アが共生しているアメーバは、このアメーバを殺す細菌に殺されることなく生存できるこ とがわかりました。そのため、一見アメーバの生存に不利に働く共生細菌もアメーバと長 く共存できるものと考えています。

実験で取り扱うアカントアメーバは、ヒトに角膜炎や脳炎を引き起こす病原体としても

知られていますので、実験作業は安全キャビネット中で行っています(図2左)。またアメー

バの培養は、通常の細菌の培養よりは低い温度で培養しています(図2右)。

図2 微生物を取り扱う安全キャビネット(左)と様々な温度に設定された培養器(右)

次に何を目指しますか?

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参照

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