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バイオテクノロジー基幹技術

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Academic year: 2018

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(1)

バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 基 幹 技 術 に 関 す る 技 術 動 向 調 査

      −特許から見た研究開発の現状と課題−

平成 13 年 5 月 31 日

技 術 調 査 課

第 1 章   市 場 の 概 況   − 産 業 活 動 と 産 業 政 策 −

1. 1   バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 基 幹 技 術 と は   − 技 術 俯 瞰 図 −

「バイオテクノロジー基幹技術」はバイオテクノロジーの中核技術であり、 「遺伝子組換

え技術

注 1)

」 、 「遺伝子解析技術

2)

」 、 「発生工学技術

3)

」 、 「蛋白工学技術

4)

」 、 「糖鎖工学技

注 5)

」 、 「バイオインフォマティクス

注 6)

」の6つの技術から構成されている。 (図- 1)

図- 1 バイオテクノロジー基幹技術の技術俯瞰図

( 参 考 )   技 術 俯 瞰 図 に み ら れ る 3 大 潮 流 1 . 研 究 開 発 メ ソ ッ ド の 変 化

− 蛋 白 質 か ら 遺 伝 子 へ −

最初に新規な蛋白質

7)

が発 見され、次にそれをコードす る遺伝子を単離

(遺伝子組換え技術)

最初に遺伝子が発見され、次 い で 対 応 す る 蛋 白 質 が 同 定 されるという方法

(遺伝子解析技術) 2 . 研 究 開 発 タ ー ゲ ッ ト の 変 化

− 構 造 解 析 か ら 機 能 解 析 へ −

遺伝子解析技術における 遺伝子の構造解析

(ゲノム

注 8)

時代)

注 9)

遺伝子解析技術における 遺伝子の機能解析  (ポストゲノム時代)

注 10)

3 .IT 革 命 が も た ら す 変 化

− 解 析 技 術 の IT 化 −

バイオ関連 解析装置

(構造解析 ・機能解析)

 I T 化・システム化

(バイオインフォマティクス) 機械

情報・

蛋 白 工 学 技 術

・改変体蛋白質

・改変技術 環境・

エネルギー

医 薬 品

化学品

食品・ 農業

ベクターの改変

IT革命がもたらす変化     ゲノム時代  ポストゲノム時代

技術の流れ

バ イ オ イ ン フ ォ マ テ ィ ク ス

・ホモロジー検索・モチーフ検索 機能解析

・DNA チップ

・酵母ツーハイ ブリッドシステム

 シ

構造解析

・シーケンス技術

・PCR 技術

新規な遺伝子 ホスト細胞の改変

遺 伝 子 組 換 え 技 術

応用分野

(産業化)

遺 伝 子 解 析 技 術

研究開発メソッド の変化

研究開発ターゲット の変化

発 生 工 学 技 術

・クローン技術

糖 鎖 工 学 技 術

・糖鎖の改変

(2)

1. 2   産 業 活 動 の 現 状 と 今 後   − 市 場 規 模 と 技 術 貿 易 −

バイオテクノロジー基幹技術に関連する市場規模の総額は、2002 年時点において、日米欧

でそれぞれ 1. 3 兆円、7. 4 兆円、3. 5 兆円と推定される。 (図- 2)

バイオテクノロジー基幹技術に関連する技術貿易収支については、日本は赤字 (輸入超過)

となっている。 (表- 7)

図- 2 バイオテクノロジー基幹技術に関連する市場規模 (日米欧)

注:・各年における市場の総額を表示。( 詳細は表- 6 を参照)

図- 3 バイオテクノロジー基幹技術における業種別の市場の比較( 2002 年)

注:2002 年の市場を業種別の割合で表示。(詳細は表- 6 を参照)

図- 4 バイオテクノロジー基幹技術における各技術分野の市場の比較( 2002 年)

注:2002 年の市場を各技術分野の割合で表示。(詳細は表- 6 を参照) 日  本

遺伝子解析

その他

発生工学 蛋白工学

糖鎖工学

バイオイン ォマィク

遺伝子 組換え

米   国

遺伝子 組換え バイオイン ォマィク 糖鎖工学

蛋白工学 発生工学

その他

遺伝子解析

欧  州

遺伝子解析

その他

発生工学 蛋白工学

糖鎖工学

バイオインフォ マテ

遺伝子 組換え

日本

その他

医薬品

化学品 農畜

水産品 食品

米国

食品

農畜 水産品

化学品 医薬品 その他

欧州

食品

農畜 水産品

化学品 医薬品 その他

欧州

35,060

23,930 19,100

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000

1997 1999 2002 ( 億 円 )

米国

73,720

51,870

32,570

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000

1997 1999 2002 (億円)

日本

12,520

6,620

8,340

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000

1997 1999 2002 (億円)

(3)

図- 5 バイオテクノロジー基幹技術における各技術分野の市場の変化

注:1997 年の市場を 100 とした値を表示。(詳細は表- 6 を参照)

表- 6 バイオテクノロジー基幹技術に関連する市場規模

参考文献:日経バイオ年鑑、富士経済、Er ns t &Young 等 遺伝子組換え

50 100 150 200 250 300 350 400 450

1997 1999 2002 (%)

日本 米国 欧州

遺伝子解析

50 100 150 200 250 300 350 400 450

1997 1999 2002 (%)

日本 米国 欧州

蛋白工学

50 100 150 200 250 300 350 400 450

1997 1999 2002 (%)

日本 米国 欧州

糖鎖工学

50 100 150 200 250 300 350 400 450

1997 1999 2002 (%)

日本 米国 欧州

バイオインフォマティクス

50 100 150 200 250 300 350 400 450

1997 1999 2002 (%)

日本 米国 欧州

単 位 : 億 円

1997 1999 2002

(予測)

1997 1999 2002

(予測)

1997 1999 2002

(予測)

医 薬 品

サ イ ト カ イ ン 、 血 栓 溶 解 剤 、 血 液 凝 固 因 子 、 成 長 ホ ル モ ン 、 イ ン ス リ ン

2, 850 2, 880 4, 400 8, 500 11, 320 19, 050 5, 690 7, 100 11, 060

化 学 品

ア ク リ ル ア ミ ド 、 エ タ ノ ー ル 、 プ ロ パ ン ジ オ ー ル 、 産 業 用 酵 素 、 洗 剤 、 紙 パ ル プ 、 リ ボ フ ラ ビ ン 、 ア ミ ノ 酸

2, 130 2, 340 3, 280 7, 650 8, 560 12, 450 6, 980 7, 730 10, 990

食品 異 性 化 糖 、 チ ー ズ 100 300 400 7, 110 11, 900 17, 180 3, 490 3, 780 5, 010

農 畜 水 産 品

ダ イ ズ 、 ト ウ モ ロ コ シ 、 ナ タ ネ 、 綿 花 、 BT ( 殺 虫 ) 剤 、 乳 牛 ホ ル モ ン

660 1, 640 1, 950 5, 540 15, 000 16, 450 880 2, 650 3, 130

分 析 機 器 ・ 薬 品 シ ー ケ ン サ ー 、 試 薬 70 140 290 390 660 1140 310 410 630

医 療 ・ 診 断 遺 伝 子 診 断 装 置 60 60 90 290 360 550 200 250 380

分 析 機 器 ・ 薬 品 DNAチ ッ プ 、 PCR、 試 薬 70 110 220 230 290 530 180 270 530

発 生 工 学 農 畜 水 産 品 ク ロ ー ン 動 物 、 ES細 胞 0 0 0 0 0 0 0 0 0

医 薬 品 イ ン ス リ ン 改 変 体 、 血 栓 溶 解 剤 改 変 体 0 20 60 380 360 650 100 100 320

化 学 品

ア ク リ ル ア ミ ド ( 改 変 酵 素 の 利 用 ) 、 産 業 用 酵 素

40 60 90 0 120 220 0 80 170

医 薬 品 解 毒 剤 、 癒 着 防 止 剤 0 0 10 0 0 30 10 50 130

食品 新 甘 味 料 0 0 0 0 0 0 0 0 0

分 析 機 器 ・ 薬 品 機 器 、 試 薬 10 10 10 50 70 120 40 50 90

バ イ オ イ ン フ ォ マ テ ィ ク ス

分 析 機 器 ・ 薬 品 ソ フ ト ウ エ ア 、 デ ー タ ベ ー ス 、 シ ス テ ム 30 40 100 200 290 680 80 110 260

そ の 他 分 析 機 器 ・ 薬 品

ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー 、 マ ス ス ペ ク ト ロ メ ー タ ー 、 電 気 泳 動 、 遠 心 分 離 、 PCR、 試 薬 、 膜 濾 材 、 ラ ボ オ ー ト メ ー シ ョ ン

560 690 1, 500 2, 020 2, 650 4, 080 980 1, 160 2, 010

6, 620 8, 340 12, 520 32, 570 51, 870 73, 720 19, 100 23, 930 35, 060 350

機 器 、 試 薬 120 210 290 590 190

技 術 分 野 産 業 分 野 主 要 製 品

市 場 規 模

日本 米国 欧州

遺 伝 子 組 換 え

蛋 白 工 学

糖 鎖 工 学 遺 伝 子 解 析

分 析 機 器 ・ 薬 品 40 50 160

総計

(4)

表- 7 バイオテクノロジー基幹技術に関連する技術貿易収支 ( 日 本 )

年度 項目

件数

(件)

単価

(億円)

貿易額

(億円)

貿易収支

(億円)

技術輸出 24 1 24

1996

技術輸入 21 1. 5∼2. 5 31. 5∼52. 5

- 7. 5∼- 28. 5

技術輸出 22 1 22

1997

技術輸入 19 1. 5∼2. 5 28. 5∼47. 5

- 6. 5∼- 25. 5

注 :各年度に新規に発生した技術貿易のみ対象。

出典:件数については科学技術庁科学技術政策研究所;「日本の技術輸出の実態(平成 8 および 9 年度)」同;「外 国技術の導入分析(平成 8 および 9 年度)」および総務庁統計局;「平成 8 および 9 年度科学技術研究調査 報告」に基づいて推定。単価についてはヒアリング調査の結果に基づいて推定。

【参考】後に述べる「3. 2 国際競争力強化に向けた特許戦略」において、個々の企業における特許収支をヒアリ ング調査したところ、日本の企業(特に大手企業)は欧米の企業(特にベンチャー)に対して収支マイ ナスの傾向が強いことが示されており(表- 24)、これは、当該分野における技術貿易の実態を示してい る。

(5)

1. 3 日 米 欧 の 産 業 政 策 の 変 遷

1. 3. 1 米国の産業政策(図- 8 上段)

米国では、ヤングレポート(1985 年)を代表例として、知的財産権の保護・強化を謳った

「プロパテント政策」が、いちはやく推進された。1980 年にはバイ・ドール法

が施行され、

1982 年には、特許訴訟を専門的に扱う米国連邦巡回控訴裁判所( CAFC) が設置されている。

バイオテクノロジーについては、 1993 年からのクリントン政権は、バイオ技術を国家の将

来を担う重要技術の一つとする基本方針を明示し( 「バイオ技術研究イニシアティブ」( 1994

年) ) 、 「2001 年度予算教書」では関連予算が 30% 増額されている。ブッシュ新政権においても

こうした方針は継続され、 「2002 年度予算教書」において、 N I Hの予算は過去3年では最大の

増額となっている。

バイ・ドール法:政府資金による研究成果に関わる特許を大学等の研究機関に帰属させることを可能にした ものであり、多くの大学において TLOが設置される契機となった。

1. 3. 2 欧州の産業政策(図- 8 中段)

欧州では、特許制度の近代化によって知的財産権の保護強化を進めるべきとした EU コミ

ニュケが 1999 年2月に発表されている。

科学技術政策の面では、 1984 年から欧州における科学技術協力の推進をはかる EC フレー

ムワークプログラム(FP1∼5)が実施され、また 1985 年には新規産業創出のための欧州での

共同研究システムとして、EU REKA( Eur opean Res ear ch Coor di nat i on Agency, 1985) が設置さ

れている。 1990 年からは市場化を重視したバイオ技術開発の推進施策である BI O TECH 1 and 2

が開始され、 1997 年からは資金・税制面で支援して国際競争力の強化を図る中小企業支援施

策が開始されている。

1. 3. 3 日本の産業政策(図- 8 下段)

日本では、1997 年に「21 世紀の知的財産権を考える懇談会」報告書(特許庁)が報告され

て以降、プロパテント政策が積極的に推進されている

バイオテクノロジーについては、 「新規・成長 15 分野」 ( 「経済構造の変革と創造のための

行動計画/(1997 年5月閣議決定) 」 )の一つに位置づけられ、 1999 年7月には「バイオテク

ノロジー産業の創造に向けた基本戦略」が関係5省庁のもとで決定されている。最近では、

「ミレニアム・プロジェクト (1999 年 12 月閣議決定) 」 、 「科学技術総合戦略 (2001 年3月/

総合科学技術会議答申) 」 においても、 バイオテクノロジーが重要技術として提示されている。

※  

大学等からの技術移転の促進施策という観点では、1998 年の大学等技術移転促進法(TLO 法)や 1999 年の 産業活力再生特別措置法(日本版バイ・ドール法)の制定、国立大学研究者の兼業規制緩和(産業技術力強 化法)の他、特許権の帰属に関する施策等が実施されている。

【参考】ここでは、バイオテクノロジー産業を支援する産業政策について記載しているが、他方、バイオテクノ ロジーの安全・倫理に関わる指針・提言もなされている。(図- 9)

(6)

図- 8 米・欧・日の産業政策 (最近の動き)

EU

1985 年 ヒトゲノム 計画始動 (米国 NI H)

1990 年 国際プロジェク トとして開始

2000 年 6 月 ヒトゲノムシー ケンスのラフド ラフトを発表

2001 年 米国 DOE 微生物セル

(細胞)計画 1999 年

構造ゲノムイニシ アティブ提案 (NI H)

2000 年 構造ゲノムイニシアテ ィブ・プロジェクト開始

1994 年 バイオ技術研究 イニシアティブ

2002 年度 予算教書 NI Hの予算の 大幅増額 1994 年

米国 DOE 微生物ゲノム プロジェクト開始

日 本 米 国

1984−2002 年 EC フレームワークプログ ラム(FP1∼5)

実用化前段階的なものに ついて科学技術協力推進

2000 年 Bi ot echnol ogi e 2000 バイオテクノロジー に関する産官学協力 プロジェクト助成と 競争力の強化

2000 年 高等教育技術革新基金 大学と企業と共同研究 支援

ドイツ

欧 州

イギリス

1997- 2000 年 中小企業支援施策 中小企業の国際競 争力強化

1985 年 EUREKA 新規産業創出のた めの国際共同研究 システム

1990−1994 年 1994−1998 年 BI OTECH 1and 2 市場化を重視した バイオ技術開発推 進、FP3, FP4 の下で 実施

1996 年− Bi or egi o 政策 ベンチャー企業 育成、地域研究協 力体制強化

1995 年 テクノロジー フォーサイト 技術予測調査

1999 年 戦略フレームワーク 企業支援、イノベーシ ョン、生産性向上

2001 年度 予算教書 バイオ製品お よびバイオエ ネルギー予算

30%増 1999 年

大統領令 [バイオ製品とバ イオエネルギー の開発及び推進]

1999 年 バイオテクノロジ ー産業の創造に向 けた基本方針・基 本戦略

(5閣僚申合せ)

1999 年 ミレニアム・ プロジェクト (閣議決定)

2000 年 日本新生のため の新発展政策

(閣議決定) 1997 年

経済構造の変革 と創造のための 行動計画

(閣議決定)

2001 年 科学技術に関 する総合戦略 について

(総合科学技 術会議答申) 1997 年

「21 世紀の知的 財産権懇談会」 報告

(特許庁)

2001 年 2 月 ヒトゲノム解読成 果の論文発表

(国際共同チーム、 セレラ社)

1998 年

「21世紀のバイオ 産業立国懇談会」 報告

(通産省)

プロパテントの 推進

(7)

図- 9 バイオテクノロジーの安全 ・倫理に関わる指針 ・提言

米国の動向 1974年 ポール・バーグ

提案

1976年

「 組 換 え DNA実 験 ガイドライン」

(NI H)

1985年

「 遺 伝 子 治 療 ガイドライン」

1992年

「 生 物 多 様 性 条約」

1993年

「WHOヒト研 究 倫 理 ガ イ ド

ラ イ ン 」

日本の 動向

1995年

「WTO- TRI PS」

1997年

「 ヒ ト ゲ ノ ム 人権宣言」

(UNESCO

1998年

「 バ イ オ 発 明 指 令 」

(EU

1979年

「 組 換 え DNA 実験指針」

科技庁

1986年

「 組 換 え DNA 技術工業化

指針」 通産省

1986年

「 組 換 え DNA 技術応用医 薬品製造の ための 指針」 厚生省

1989年

「農林水産分野 における組換え 体 利 用 指 針 」

農水省

1996年

「 組 換 え DNA実 験 指針」改訂

科技庁

1998年

「 大 学 等 に お け る 組 換 え DNA実 験 指

針 」 改 訂 文部省

1994年 6月

「 大 学 等 に お け る 遺 伝 子 治 療 ガ イ ド

ラ イ ン 」 文部省

ES細胞

1998年11月 ヒトES細胞発表

(米)

1999年 1月 ヒト胚研究小委

(生命倫理委)

ヒト ゲノム ク ロ ー ン

1999年 ヒトゲノム研究

小 委 員 会

(生命倫理委)

2001年 3月

「ヒトゲノム・ 遺伝子解析倫理

指針」 文部科学省、厚 生労働省、経済

産業省 1997年

ドリー発表

(英)

1997年 生命倫理委設置 ( 科 学 技 術 会 議 )

2000年11月

「クローン技術 規 制 法 」 成 立 1980 1990

1999年

「ヒトゲノムに 関 す る 基 本 原

則」 ( 生命倫理委) 1994年

「 バ イ オ エ シ ッ ク ス 」

(EU

2000年

1979年

「 大 学 等 に お ける組換え

DNA実 験 指 針」 文部省

1975年 ア シ ロ マ 会 議

遺伝子 治療

1994年 2月

「 遺 伝 子 治 療 臨 床 研 究 に 関 す る 指 針 」

厚生省

2000年

「遺伝子治療臨床研究 に 関 す る 指 針 」 改 訂

厚生省

1999年 5月

「 大 学 等 に お け る 遺 伝 子 治 療 ガ イ ド ラ イ ン 」 改 訂

文部省

2001年 3月

「 ヒ ト ES細 胞 の 樹 立 及 び 使用に関する指針案」

文部科学省 欧州の

動向

1997年

「 ヒ ト 胚 研 究 規 制 法 」

1999年

「 遺 伝 子 解 析 研 究 ガイドライン」

遺 伝 子 組 換 え

(8)

第 2 章   研 究 開 発 に お け る 国 際 競 争 力

2. 1   国 際 競 争 力 を 強 化 す べ き 重 点 分 野

2. 1. 1 技術水準からみた競争力分析

○ 遺伝子などの物質に関する研究開発の技術競争力については、全体的に日本は欧米に対し

て劣位であるが、完全長 cD N A 解析

注 11, 12)

、微生物・植物ゲノム解析

注 13, 14)

など、一部の技

術については、日本でも欧米に対して優位若しくは同等である。

○ 方法に関する技術についても、全体的に日本は欧米に対して劣位であるが、方法技術を具

体的な機器・機械に応用した装置技術(D N A チップ

注 15)

、蛋白質合成装置

注 16)

等)について

は、今後、コスト競争や解析スピードの向上の観点からの開発競争が激化することが予想

されることから、これらの点に強い日本が優位に立てる可能性が見込まれている。

図- 10 バイオテクノロジーに関わる技術競争力(ヒアリング結果)

劣位 同等 優位

種別 基幹技術 技術分野

大 小 小 大

全体 ○

ヒト・動物 ○

微生物・植物 ○

SNPs ○

完全長 c DNA ○

遺伝子解析

機能解明された DNA ○

酵素 ○

化学品 ○

物質発明

& 生物発明

遺伝子組換え   &

蛋白工学 アミノ酸 ○

全体 ○

配列解析方法 ○

シーケンサー ○

DNA複製装置 ○

機能解析方法 ○

遺伝子解析

DNAチップ ○

形質転換方法 ○

培養方法 ・精製方法 ○

遺伝子組換え

インキュベータ ○

DNA合成方法 ○

DNA合成装置 ○

蛋白質合成方法 ○

蛋白工学

蛋白質合成装置 ○

機能・構造解析方法 ○

糖鎖工学

糖鎖合成方法 ○

方法発明

& 装置発明

バイオインフォマティクス 機能推定装置 ○

参考 ゲノム創薬

注:有識者に対するヒアリング結果をまとめたもの。劣位、同等、優位は欧米に対する   日本の技術競争力を示す。(○は現在、← →は今後の方向性を示す。)

(9)

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 出 願 年

日 本 米 国 欧 州 全 世 界

2. 1. 2   出 願 動 向 か ら み た 競 争 力 分 析

(1)出願人国籍別 出願動向 −日米欧の競争力比較−

1990 年以降、世界各国に出願された全てのバイオテクノロジー基幹技術の出願は増加傾向

にあり、特に、1995 年以降は増加率が高い。これを出願人国籍別に分析すると、日本からの

出願は米国に比べて少なく、出願の伸びも小さい。 (図- 11)

図- 11 バイオテクノロジー基幹技術の出願人国籍別出願件数推移と構成

注:・世界各国に出願された全ての特許出願の内、日本、米国、欧州それぞれの出願人によ る出願を分析したもの。

  ・出願年が 1990 年∼1998 年を対象に WPI NDEX( STN) で 検 索 。

(2)技術分野別 出願比率

1990 年以降、世界各国に出願された全てのバイオテクノロジー基幹技術の出願を出願人国

籍別に分析し、基幹技術ごとに比較すると、糖鎖工学技術、バイオインフォマティクスにつ

いては、日本の出願比率が比較的大きいことがわかる。 (図- 12)

図- 12 バイオテクノロジー基幹技術の技術別出願人国籍別出願比較

日本 20%

米国 52% 欧州

21%

その他 7%

遺伝子 組換え技術

遺伝子 解析技術

発生工学 技術

蛋白工学 技術

糖鎖工学 技術

バイオ

日本 米国 0 欧州

2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000

件 数

注:・世界各国に出願された全ての特許出願の内、日本、米国、欧州それぞれの出願人による出願を 分析したもの。

  ・出願年が 1990 年∼1998 年を対象に WPI NDEX( STN) で 検 索 。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

欧州 米国 日本

(10)

(3)技術分野別 出願動向

日本から世界各国に出願されたバイオテクノロジー基幹技術の出願の内、日本の出願人に

よる出願の伸び率を分析して、技術分野別に比較すると、特に、バイオインフォマティクス

の出願の伸びが大きいことがわかる。

 欧米に対して日本の優位または同等の技術競争力を有する技術分野(図- 10)の内、日本か

らの出願の伸びの大きい技術を調査したところ、ファインケミカルズ (遺伝子組換え技術) 、

装置への応用技術(遺伝子解析技術) 、糖鎖構造・機能解析技術(糖鎖工学技術) 、I T との融

合技術(バイオインフォマティクス)が抽出された。

図- 13 バイオテクノロジー基幹技術の出願動向の比較

注:・世界各国に出願された全ての特許出願の内、日本の出願人による出願を分析したもの。

  ・1993年に出願された特許を基準とし、1997 年までの出願の傾向を比率で表示。WPI NDEX( STN) で検 索。

遺伝子組換え技術 遺伝子解析技術 発生工学技術

蛋白工学技術 糖鎖工学技術 バイオインフォマティクス

280 260 240 220 200 180 160 140 120 100 80

1993 1994 1995 1996 1997

(ファインケミカルズ)

遺伝子組換え技術

1993 1994 1995 1996 1997

(装置への応用技術)

遺伝子解析技術 280

260 240 220 200 180 160 140 120 100 80 (%) (%)

出願年 出願年

1993 1994 1995 1996 1997 (%)

出願年 280

260 240 220 200 180 160 140 120 100 80

280 260 240 220 200 180 160 140 120 100 80

1993 1994 1995 1996 1997 (%)

出願年

1993 1994 1995 1996 1997

(糖鎖構造・機能解析技術)

糖鎖工学技術 280

260 240 220 200 180 160 140 120 100 80 (%)

出願年

出願年

1993 1994 1995 1996 1997

(I Tとの融合技術) (%)

出願年 280

260 240 220 200 180 160 140 120 100 80

バイオインフォマティクス

(11)

2. 1. 3  提言①日本に期待される分野での国際競争力強化の重要性

○ バイオテクノロジー基幹技術において、欧米に対する日本の劣位な状況を挽回するために

は、バイオテクノロジー全般を広く薄くカバーするのではなく、特定の技術にターゲット

を絞り、そこに資本を集中して研究開発を行う戦略が必要であり、その際には、日本が国

際競争力を強化すべき分野(図- 14)として、日本に期待される分野を考慮することが重要

である。

○ 日本の研究開発成果が国際的に注目されている「完全長 c D N A」や、比較的早く研究開発が

スタートした「微生物・植物ゲノム」はゲノム時代の延長線における重点分野として期待

できる。また、日本が得意とする精緻な取り組みが必要な「遺伝子の機能解析」や、それ

を応用した「ゲノム創薬」は、ポストゲノム時代の新機軸として日本に期待される重点分

野である。

○ 「装置への応用技術」や「I T との融合技術」は、日本が優位な装置技術が関連することか

ら、「日本が優位な技術との融合化」として日本に期待されている。 「ファインケミカル

ズ」についても、「高純度物質の精製技術」という日本が優位な技術が関連しており、日

本に期待される重点分野である。

図- 14 日本が国際競争力を強化すべき分野

     注 1:日本の技術競争力に関するヒアリング調査の結果(図- 10)と出願動向の調査結果(図- 13)         に基づいて、日本が国際競争力を強化すべき8つの分野を選定抽出。

     注 2:出願動向における「現状」は、5年前との比較、「今後」は、5年後の予測を示す。   (  ;25%以上増加    ;10∼25%増加    ;0∼10%  −;出願がほとんどない)

現状 今後 完全長cDNA

( 構造解析)

ゲ ノム解析 では後れ をとった 日本も 完全長c DNAの解 析では欧米をリードしていると考えられる。

微生物・植物ゲノム

(構造解析)

微 生物ゲノ ム・植物 ゲノムの 解析につ いては 、日本 が 比較的早 くスター トしたこ ともあり 、国際 競争可 能な分野と考えられる。

遺伝子の機能解析

(各種の遺伝子)

遺 伝子の機 能解析は 個々の遺 伝子に対 して種 々の手 法 を用いて 機能を解 析する技 術であり 、日本 が得意 とする精緻な取り組みが要求される分野である。

 ゲノム創薬

ゲ ノム創薬 は機能解 析の結果 を応用す る技術 であり 日本が有利。

糖鎖構造・機能解析

糖 鎖構造・ 機能解析 について は、日本 は特許 出願も 多 く、技術 的蓄積が ある。糖 鎖研究に 関わる 国家プ ロ ジェクト の成果が 期待され る中、日 本は急 速にこ の分野で国際競争力を高めつつある。

 装置への応用技術

方 法の発明 を装置と して具体 化する技 術は日 本が有 利 。欧 米で 既に 基本 的な特 許が 取得 され てい る DNA チ ップにつ いても、 今後はコ スト競争 や処理 スピー ドの向上の開発競争になり、日本が有利。

 ITとの融合技術

(バイオインフォマ ティクス)

バ イオイン フォマテ ィクスの 中には日 本が強 みとす る 装置技術 がベース となって いるもの が多く 、また 政 策的にも I T産業を 強化する 国家的取 り組み の成果 が期待されている。

ファインケミカルズ

(酵素・化学品)

酵 素・微生 物の産業 応用とし てのファ インケ ミカル ズ の製造技 術は、光 学活性化 合物の製 造や、 純物質 の 精製工程 など精緻 な取り組 みを必要 とする 等、日 本が得意な技術である。

出願動向

日本が優位な技術 との融合化

 遅れ   リード 概要

技術水準

分類 分野

ゲノム時代の 延長線

ポストゲノム時代の 新機軸

(12)

日本人による日本への出願

ヘ ゙ン チ ャ ー 企業

11% 大学・公的

機関 13%

大手企業 76%

米国人による米国への出願

ヘ ゙ン チ ャ ー 企業

30% 大手企業

17%

大学・公的 機関

53%

2 .   国 際 競 争 力 強 化 を 担 う 新 規 事 業 の 創 出   − ベ ン チ ャ ー 企 業 と 大 学 の 出 願 動 向 − 2

2. 2. 1 出願人種別 出願動向

(1)出願比率 −日米比較−

日本では出願の大部分を大手企業が担っているが、米国ではベンチャー企業および大学 ・

公的機関がその役割を担っている。 (図- 15)

図- 15 バイオテクノロジー基幹技術における日米出願人種別の構成

(2)出願動向 −出願人構成の比較(日本)−

出願件数の推移をみると、日本では 1990 年以降、大手企業からの出願よりもベンチャー

企業や大学・公的機関からの出願の伸びが高いという傾向がみられる。

出願比率でみても、 ベンチャー企業と大学・公的機関からの出願は、 1990 年では全体の 20%

程度であったが、その後は増加傾向にあり、1997 年では 30%にまで達している。 (図- 16)

図- 16 バイオテクノロジー基幹技術における出願人種別の出願件数と構成( 日 本 人 )

注:・日本の出願人による日本への出願を分析したもの。   ・指数:1990 年を基準。

  ・出願年 1990 年∼1997 年を対象に PATOLI S で検索。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 出 願 年

大学・公的機関 ベンチャー企業 大手企業

・1990∼1997年に出願された特許出願 を対象に PATOLI S で検索。

・1990∼1997年に出願された登録特許 を対象に WPI NDEX( STN) で検索

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997

出願年 件

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500

指数(1990年基準)

大学・公的機関 ベンチャー企業

大手企業 大学・公的機関 指数

ベンチャー企業 指数 大手企業     指数

(13)

2. 2. 2 技術分野別 出願動向

発生工学技術、糖鎖工学技術は、ベンチャー企業からの出願の構成比率が比較的高く、遺

伝子解析技術、発生工学技術は、大学・公的機関からの出願の構成比率が比較的高い。 (図-

17)

遺伝子解析技術、発生工学技術、バイオインフォマティクスはベンチャー企業からの出願

の増加比率が比較的高く、 発生工学技術、 蛋白工学技術、 バイオインフォマティクスは大学・

公的機関からの出願の増加比率が比較的高い。 (図- 18)

図- 17 バイオテクノロジー基幹技術 6 分 野 に お け る 出 願 人 種 別 の 出 願 件 数

注:・日本の出願人による日本への出願を分析したもの。    ・出願年 1990 年∼1997 年を対象に PATOLI S で検索。

遺伝子組換え技術

0 100 200 300 400 500 600 700 800

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 出願年

大手企業 ベンチャー企業 大学・公的機関

遺伝子解析技術

0 50 100 150 200 250 300

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 出 願 年

大手企業 ベンチャー企業 大学・公的機関

発 生 工 学 技 術

0 10 20 30 40 50 60

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 出願年

大手企業 ベンチャー企業 大学・公的機関

蛋白工学技術

0 50 100 150 200 250

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 出願年

大手企業 ベンチャー企業 大学・公的機関

糖鎖工学技術

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 出願年

大手企業 ベンチャー企業 大学・公的機関

バイオインフォマティクス

0 10 20 30 40 50 60 70 80

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 出願年

大手企業 ベンチャー企業 大学・公的機関

(14)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

遺伝子 組換え技術

遺伝子 解析技術

発生工学 技術

蛋白工学 技術

糖鎖工学 技術

平 均 伸 び 率

大手企業 ベンチャー企業 大 学 ・公的機関

図- 18 バイオテクノロジー基幹技術6分野における出願人種別の出願伸び率

注:・図- 17 を基に作成。

  ・1990∼1997 年の出願件数を指数近似曲線による年平均伸び率で表示。PATOLI S で検索。

(15)

2. 2. 3  提言②新規事業の創出による国際競争力強化の必要性

○ 研究開発の機動的な取り組みが必要とされるこれらバイオテクノロジー基幹技術では、ベ

ンチャー企業の果たす役割は大きく、基礎研究の必要性を考えると大学・公的機関の役割

も重要であると考えられる。今後ともこれらの分野において、大手企業中心型出願構造か

らベンチャー企業主導型出願構造への構造改革が図られるよう、より一層のベンチャー企

業、大学・公的機関からの特許出願が期待される。 (図- 19)

○ 技術進歩が著しく速いバイオインフォマティクス、遺伝子解析技術や、最近、注目度が高

まってきている発生工学技術、糖鎖工学技術は、新しい研究開発への対応の速いベンチャ

ー企業における研究開発に適している。また、基礎的な研究の重要性が高い遺伝子解析技

術、発生工学技術、蛋白工学技術、バイオインフォマティクスは、大学・公的機関におけ

る研究開発に適している。研究開発の戦略を構築する際には、このような技術の特性に配

慮することも重要である。 (表- 20)

図- 19 バイオテクノロジー基幹技術におけるベンチャー企業と大学からの出願相関図

表- 20 ベンチャー企業、大学 ・公的機関における研究開発適性

基幹技術 適性を有する要素技術

占有比率

(%)

増加比率

(%) 遺伝子解析技術 塩基配列決定装置、機能解析装置( DNA チップ) 10 23 発生工学技術 クローン動物、トランスジェニック動物 16 28

糖鎖工学技術 新規な糖鎖・糖蛋白質 28 9

ベンチャー企 業の適性

バイオインフォマティクス データベース、ハードウエア、ソフトウエア 5 26 遺伝子解析技術 ゲノムマッピング技術、構造解析された遺伝子 17 27 発生工学技術 胚性幹細胞、遺伝子ターゲティング/ノックアウト技術 22 36 蛋白工学技術 無作為/部位特異的変異技術、進化分子工学技術 15 50 大学・公的機関

の適性

バイオインフォマティクス 検索/抽出/比較技術、予測技術 12 42 注:・ベンチャー企業または大学・公的機関からの出願の構成比率(図- 17)と増加比率 (図- 18)のデータを根

拠とし、技術内容に関する分析を加えて作成。

  ・占有比率;バイオテクノロジー基幹技術の各基幹技術におけるベンチャー企業または大学・公的機関から の出願が占める割合。(1997 年)

  ・増加比率;バイオテクノロジー基幹技術の各基幹技術におけるベンチャー企業または大学・公的機関から の出願の伸び率。(1990∼1997 年における平均値)

  ・黄色の表示は適性を有する技術を抽出するための根拠として考慮した部分を示す。

注:・大手企業、ベンチャー企業、 大学・公的機関からの出願 比率を示す。日本のデータ は 1990 年の出願と 1997 年 の出願の値。米国のデータ は 1990 年から 1997 年まで に 出 願 さ れ た 登 録 特 許 の 平均値。

  ・図- 15 および図- 16 を基に 作成。

0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

米国 ( 1990- 1997)

日暴 ( 1997) 日暴 ( 1990)

ベンチャー企業からの出願比率

大手企業 からの 出願比率

0% 100%

100%

大学・公的機関 からの出願比率

大手企業中心 型出願構「

( 53%)

0% ( 17%)

( 30%)

ベンチャー企業 主導型出願構「

( 68%)

( 12%)

( 20%) ベンチャー企業、大学・公的

機関からの一層の出願に期待

(16)

第 3 章   特 許 に よ る 産 業 分 析

3. 1   国 際 競 争 力 強 化 に 向 け た 研 究 開 発 戦 略   − 選 択 と 集 中 -

3. 1. 1 産業相関図からみた産業活動の実態

日本企業では特許出願が各技術間で浅く広く分散する傾向が比較的強いのに対して、欧米

の企業では特許出願が特定の技術に比較的集中する傾向が強い。また、研究開発の競争度を

日米欧で比較すると、欧米の企業に比べて日本企業では特許出願が国際的に多い技術が少な

く、国際競争力の高いコア技術を有している企業が比較的少ないことが窺われる。

図- 21 産業相関図(日米欧企業)

 注 1:バイオテクノロジー基幹技術における出願上位企業(32 社)の出願(1990∼1997 年)を各技術ごとに分 析し、国際的にみて出願の多い技術と少ない技術を区別して表示した。

 注 2:●印の定義:集中度=◎ の数/全記号の総数≧50%、競争度=◎の数≧3。表中の数字は記号の数を示す。 出願人業種

23

23

23

【1】遺伝子組換え

①ヒト 2 1

②動物 1

③植物 2 3

④微生物 2

【2】遺伝子解析

①PCR 2 1

②ベクター改良

③配列決定装置 1

④DNAチップ技術

【3】発生工学

①トランスジェニッ ク・ノックアウト

2

②クローン 3

【4】蛋白工学

①蛋白改変技術 3 1

②蛋白改変体 2

【5】糖鎖工学

①糖鎖解析と製造技術 2 2

②糖鎖物質 4 1

①データベース構 築技術

4 1

②DNA機能推定技術 3 1

2 4 3

【参考】遺伝子組換え

①医薬・治療

②分析・診断

③農業・食品

④化学品 対象技術毎出願件数世界ランキング◎1- 20位、□21- 80位

【6】バイオインフォマティクス

集 中 度

日 本 企 業 米 国 企 業 欧 州 企 業

対象技術 対象技術

(17)

[参考]

 ○米国の大学では、各教授の裁量で研究テーマの選択がなされており、大学全体では「選択と集中」はみられ ないというのが現状。

○ したがって、米国では、企業が選択集中型の研究開発を担い、大学は広い分野の研究開発を担うとい った役割分担がなされていることが示唆される。

図- 22 産業相関図( 米 国 大 学 )

対象技術別出願件数世界ランキング ◎:1- 20 位、□:21- 80 位

  注1:米国の主要な大学における出願(1990年∼1997年)を各技術ごとに分析し、出願の多い技術 と少ない技術を表示。

  注2:● 印の定義:集中度=◎ の数/全記号の総数≧50% 大学名

UNIVCALIFORNIA UNIVTEXASSYSTEM UNIVJOHNSHOPKINS UNIVHARVARD UNIVWASHINGTON UNIVLELANDSTANFORDJUNIOR UNIVNEWYORKSTATE UNIVPENNSYLVANIA BAYLORCOLLEGEMEDICINE WISCONSINALUMNIRESFOUND UNIVMICHIGAN UNIVCOLUMBIANEWYORK UNIVYALE UNIVROCKEFELLER UNIVJEFFERSONTHOMAS UNIVIOWA MASSACHUSETTSINSTTECHNOLOGY UNIVMINNESOTA UNIVDUKE UNIVNORTHCAROLINA UABRESFOUND UNIVFLORIDA CALIFORNIAINSTOFTECHNOLOGY

【1】遺伝子組換

①ヒト ◎ □ ◎ ◎ □ □ ◎ □ □ □

②動物 ◎ □ ◎ □ ◎ □ ◎ □ □ □ □

③植物 ◎ □ □ □ □ □ □ □ □

④微生物 □ □ ◎ □ ◎ □ □ □ □

【2】遺伝子解析

①PCR ◎ □ □ □ □ ◎ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

②ベクター改良 □ □ ◎ □ ◎ □ □ □ ◎ □ ◎ □ □ □

③配列決定装置 ◎ ◎ ◎ □ □

④DNAチップ技術

【3】発生工学

①トランスジェニッ ク・ノックアウト

◎ ◎ ◎ ◎ ◎ □ □ □ ◎ □ □ □ □ □ ◎ □ □ □ □ □ □

②クローン ◎ ◎ □ □ ◎ □ □ ◎

【4】蛋白工学

①蛋白改変技術 ◎ □ □ ◎ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

②蛋白改変体 ◎ □ □ ◎ □ □ □ □ □ □

【5】糖鎖工学

①糖鎖解析と製 造技術

◎ □ □ □ □ □ ◎

②糖鎖物質 □ □ □ □ □

①データベース 構築技術

◎ □ ◎ □ □ □ ◎ ◎

②DNA機能推定 技術

□ □ □ ◎ □

● ●

【6】バイオインフォマティクス

集 中 度 対象技術

(18)

3. 1. 2  提 言 ③ 特 許 を ベ ー ス と し た「 選 択 と 集 中 」 の 必 要 性

○ 日本の技術レベルが欧米に比べて後れており全ての技術で高い国際競争力を獲得すること

は困難である以上、各企業が得意とする分野を戦略的に選択してターゲットを絞り、そこ

に資本を集中させて国際競争力を高めることが重要である。

○ また、ターゲットを絞った分野における研究成果については包括的に特許出願して特許権

を取得し活用していくといった特許戦略も重要である。なお、各企業において戦略的にタ

ーゲットを絞る際には、各企業が得意とする分野のみならず、日本の強い分野 (提言①)

についても考慮することが重要である。

図- 23 コア・コンピタンスの特性に関する相関図

注:図- 21 をもとに作成。縦横軸目盛は日米欧(各 32 社の評価)の平均を 0 としそれぞれ   平均からの偏差を示した。

- 1.5 - 1 - 0.5 0 0.5 1 1.5

- 1.5 - 1 - 0.5 0 0.5 1 1.5

選択・ 集中度

偏差

米国

欧州

日本

偏差

集中

分散

選択と集中を推進して 国際競争力の強化を!

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