ESX 4.0 以降では、3PAR StoreServ Storage などのアクティブ/アクティブなストレージアレ イに対して、VMware はラウンドロビン I/O パスポリシーをサポートしています。 ラウンドロ ビン I/O パスポリシーは、ESX 4.0 以降ではよく使用される構成ですが、3PAR デバイスでは、
デフォルトでは有効になっていません。
注意: ESXi 5.5 以前のホストで RDM 共有 LUN を使用して Windows Server 2012 または Windows Server 2008 VM Cluster を実行している場合は、これらの特定 RDM LUN を [ラウ ンドロビン]ポリシーから [固定]または [最近の使用]パスポリシーに個別に変更してください。
「ラウンドロビンに設定された LUN」 (46 ページ) は、FC 構成からの出力であり、[ラウンド ロビン (VMware)] が設定されているパスを持つ LUN を示しています。
注記: 各パスのステータスが [有効 (I/O)] と表示されていることに注意してください。 iSCSI 構成でのパスのステータスも同様になります。
図 2 ラウンドロビンに設定された LUN
46 FC 接続でのホストの構成
ポリシーは各 LUN ごとに指定する必要があり、新しいデバイスが追加されるたびに更新する 必要があるため、大きなネットワークでは、vSphere Client GUI を介してラウンドロビン I/O パスポリシースキームを管理するのは面倒であり、維持は困難です。 代わりに VMware は、
サーバー管理者が ESX CLI、vCLI、または vSphere Management Assistant (vMA) コマンドを 使用して、ネイティブの ESX/ESXi ストレージプラグインのセット内に定義されたパラメー ターにより、ストレージデバイスの I/O パスポリシーをホストごとのベースで管理できる方法 を提供しています。
VMware のネイティブマルチパス機構には次の 2 つの重要なプラグインがあります。
• Storage Array Type Plug-in (SATP) - パスのフェイルオーバーを処理し、パスの状態を監
視します。
• Path-selection Plug-in (PSP) - 特定の論理デバイス用の I/O 要求の最良のパスと経路を選 択します。つまりパスのポリシーを定義します。
ESX/ESXi ホストで使用されるべき Storage Array Type Plug-in (SATP) は、3PAR StoreServ Storage の Host Persona に関連しています。
• 3PAR Host Generic-Legacy Persona 6 が ESX/ESXi ホストで使用されている Host Persona である場合、SATP VMW_SATP_DEFAULT_AA を使用します。
• 3PAR Host VMware Persona 11 が ESX/ESXi ホストで使用されている Host Persona であ る場合、SATP VMW_SATP_ALUA を使用します。
ESX/ESXi 4.0 のバージョン (4.0 GA から、すべての 4.0 Update) の場合、ストレージデバイス に対してラウンドロビン I/O パスポリシーが自動的に適用されるようにするには、デフォルト の SATP ルールを編集する必要があります。
ESX/ESXi 4.1 から、デフォルトの SATP ルールを変更せずに、SATP/PSP を特定のベンダー の対象とするカスタムの SATP ルールを追加で作成できるようになりました。 カスタムの SATP を使用して、ストレージデバイスに対してラウンドロビン I/O パスポリシーが自動的に 適用されるようにできます。
マルチパスフェイルオーバー設定と I/O 負荷分散 47
SATP PSP による、 ESX/ESXi マルチパスのラウンドロビン用構成
PSP ラウンドロビン構成の一部として、IOPS 値を指定することができます。 IOPS は、ラウ ンドロビンパス選択方式でのパスの変更時に、各パスに対してスケジュールされている IO 操 作の数です。 デフォルトの IOPS 値は 1000 です。初期値、および PSP ラウンドロビンで IO スループットの最適化をさらに行う場合の開始点としては、IOPS=1 をお勧めします。 ESX/ESXi 4.0 バージョンを除き、SATP カスタムルール内で IOPS 値を設定することをお勧めします。
注意: VMware は、esx.conf ファイルを直接編集しないよう、特に警告しています。
注記:
• IOPs = 1 の設定は、新しい推奨初期値として、テクニカルホワイトペーパー『HP 3PAR StoreServ Storage and VMware vSphere 6 Best Practice』 (Hewlett Packard Enterprise ド キュメント番号 4AA4-3286ENW) に記載されています。 さまざまなワークロードの需要 に応じて、この値を変更してください。
• SATP ルールの変更は、vSphere GUI で行うことはできません。
• ESX CLI コマンドで SATP ルールを変更すると、esx.conf ファイルに設定されます。
• カスタム SATP ルールは、既存の SATP デフォルトルールのパラメーターを変更または再 定義する追加の SATP ルールであり、影響を受けるターゲットデバイスを定義し、一意の カスタムルール名が付けられます。
• カスタム SATP ルールを変更または編集することはできません。 カスタム SATP ルール を削除してから、カスタムルールのパラメーターに変更を追加した新しいものを作成しな ければなりません。
• SATP および PSP の作成、変更、追加、または削除は、それ以後に提示された新しいデ
バイスすべてで、サーバーを再起動することなく、有効となります。
• 既存のデバイスまたは以前に提示されたデバイスで SATP ルールの作成、変更、追加、ま たは削除を有効にするには、ホストを再起動する必要があります。
• VMware vCenter Server または ESX CLI コマンドから行った個々のデバイスベースでのパ
スポリシー変更は、SATP ルールで定義されている PSP パスポリシーよりも優先します。
このため、個々のデバイスへのパスポリシー変更は、ホストを再起動しても維持されま す。
• SATP の VMW_SATP_DEFAULT_AA ルールに対して有効な PSP は次のとおりです。
◦
VMW_PSP_RR◦
VMW_PSP_FIXED◦
VMW_PSP_MRUVMW_PSP_RR をお勧めします。
• SATP の VMW_SATP_ALUA ルールに対して有効な PSP は次のとおりです。
◦
VMW_PSP_RR◦
VMW_PSP_MRUVMW_PSP_FIXED は、ALUA SATP ルール内で定義する正しい PSP ではありません。
VMW_PSP_RR をお勧めします。
3PAR Host Generic-Legacy Persona 6 から Host VMware Persona 11 またはその逆への変 更:
• 3PAR OS で Host Generic-Legacy Persona 6 から VMware Persona 11 へ、または Host VMware Persona 11 から Generic-Legacy Persona 6 へ変更するには、影響を受けるアレ
48 FC 接続でのホストの構成
イポートがオフラインであるか、または、Host Persona が変更されるホストが接続解除さ れている必要があります。
• カスタム SATP ルール内で対象とされ、そのルールによって要求される既存のデバイスに 対して、ESX/ESXi OS はホストの再起動を要求します。
Hewlett Packard Enterprise では、Host Generic-Legacy Persona 6 から VMware Persona 11 へ、または Host persona VMware Persona 11 から Generic-Legacy Persona 6 へ変更するに は、以下の手順を使用することをお勧めします。
1. すべてのホスト I/O を停止し、必要な SATP 変更 (カスタム SATP ルールの作成や、デフォ ルトの SATP ルールの PSP デフォルトの変更) を、ESX/ESXi ホストに適用します。
2. ホストをシャットダウンします。
3. アレイ上の Host Persona を変更します。
4. ホストを起動します。
5. ターゲットデバイスが、SATP ルールから適切に要求されていることを確認します。
ESX/ESXi 4.0 GA~4.0 MUx の場合:
注記:
• ESX 4.0 GA~4.0 MUx はカスタム SATP ルールをサポートしていますが、カスタムルー
ル内に PSP (パスポリシー) を設定する -P オプションはサポートされていません。 PSP は、デフォルト SATP ルール内で定義しなければなりません。
• ESX 4.0 GA~4.0 MUx には、iops をデフォルトの 1000 (iops = 1000) から変更しては ならないという、既知の問題があります。 iops 値を変更すると、ホストの次回の再起動 時に iops に対して不正な値が取り込まれ、iops は予期しない値となります。
• ALUA に対してカスタムルールが作成されていない場合、アレイ Host Persona が 11/VMware
(ALUA 準拠アレイポートプレゼンテーション) であっても、3PARdata VV については VMW_SATP_DEFAULT_AA SATP ルールから要求されます。
Host Generic-Legacy Persona 6 (アクティブ-アクティブアレイポートプレゼンテーション) とともに使用する 3PAR SATP ルール:
「カスタム」SATP ルールは使用されません。 PSP (パスポリシー) は、デフォルトのアクティ ブ-アクティブ SATP ルール上で変更されます。 VMW_SATP_DEFAULT_AA のデフォルトのマ ルチパスポリシーは、VMW_PSP_FIXED (固定パス) です。 デフォルトは、ラウンドロビンの優 先 PSP (パスポリシー) に変更されます。
# esxcli nmp satp setdefaultpsp -s VMW_SATP_DEFAULT_AA -P VMW_PSP_RR
Host VMware Persona 11 (ALUA 準拠アレイポートプレゼンテーション) とともに使用する 3PAR SATP ルール:
# esxcli nmp satp setdefaultpsp -s VMW_SATP_ALUA -P VMW_PSP_RR
#esxcli nmp satp addrule -s "VMW_SATP_ALUA" -c "tpgs_on" -V "3PARdata" -M "VV" -e "HP 3PAR Custom iSCSI/FC/FCoE ALUA Rule"
上記の ALUA カスタム SATP ルールを削除するには、次のコマンドを実行します。
#esxcli nmp satp deleterule -s "VMW_SATP_ALUA" -c "tpgs_on" -V "3PARdata" -M "VV" -e "HP 3PAR Custom iSCSI/FC/FCoE ALUA Rule"
マルチパスフェイルオーバー設定と I/O 負荷分散 49
注意: デフォルトの SATP ルールを変更して、ラウンドロビン I/O マルチパス機構ポリシー を使用するための手順は、3PAR StoreServ Storage の LUN を使用する VMware ホストに対し てのみ適用可能です。 ホストが他のベンダーからのストレージを共有している場合は、I/O ポ リシーを変更する前に、デフォルトのルールの変更がストレージ環境全体に及ぼす影響を考慮 してください。
ある SATP のデフォルト PSP を変更すると、同じデフォルト SATP ルールを使用するすべて のストレージデバイス (FC、FCoE、iSCSI) に影響があります。 ホストが 3PAR StoreServ
Storage 以外に複数のストレージベンダーを共有していて、接続されている他のストレージが、
VMW_SATP_DEFAULT_AA または VMW_DEFAULT_ALUA などの同じ SATP ルールを使用するア クティブ/アクティブラウンドロビンマルチパス機構をサポートしていない場合、そのマルチパ ス機構にも影響があります。
他のストレージが自身の SATP とは異なる SATP を使用する場合、SATP
VMW_SATP_DEFAULT_AA のマッピングを VMW_PSP_RR に変更し、ラウンドロビンマル チパス機構を利用できるようにする必要があります。 esxcli nmp device list コマンド または esxcli nmp device list -d <device id> コマンドを使用して、ESX 4.0 で特 定のデバイスの SATP-PSP の対応を確認してください。
たとえば、3PAR StoreServ Storage とストレージ X が VMW_SATP_DEFAULT_AA を使用する 同じホストに接続されている場合に、ストレージ X が自身用の SATP を持っていない場合は、
ストレージ X がラウンドロビンマルチパス機構をサポートしていないと問題が発生することが あります。 3PAR StoreServ Storage とストレージ Y が同じホストを共有している場合に、ス トレージ Y が自身用の SATP VMW_SATP_Y を持っており、Hewlett Packard Enterprise は VMW_SATP_DEFAULT_AA を使用する場合は、競合は発生せずに変更は可能です。
ESX/ESXi 4.1 GA~4.1 MUx の場合:
Host Generic-Legacy Persona 6 (アクティブ-アクティブアレイポートプレゼンテーション) とともに使用する 3PAR カスタム SATP ルール:
#esxcli nmp satp addrule -s "VMW_SATP_DEFAULT_AA" -P "VMW_PSP_RR" -O iops=1 -c "tpgs_off" -V "3PARdata" -M "VV" -e "HP 3PAR Custom iSCSI/FC/FCoE Rule"
上記のアクティブ-アクティブカスタム SATP ルールを削除するには、次のコマンドを実行し ます。
#esxcli nmp satp deleterule -s "VMW_SATP_DEFAULT_AA" -P "VMW_PSP_RR" -O iops=1 -c "tpgs_off" -V "3PARdata" -M "VV" -e
"HP 3PAR Custom iSCSI/FC/FCoE Rule"
Host VMware Persona 11 (ALUA 準拠アレイポートプレゼンテーション) とともに使用する 3PAR カスタム SATP ルール:
#esxcli nmp satp addrule -s "VMW_SATP_ALUA" -P "VMW_PSP_RR" -O iops=1 -c "tpgs_on" -V "3PARdata" -M "VV" -e "HP 3PAR Custom iSCSI/FC/FCoE ALUA Rule"
上記の ALUA カスタム SATP ルールを削除するには、次のコマンドを実行します。
#esxcli nmp satp deleterule -s "VMW_SATP_ALUA" -P "VMW_PSP_RR" -O iops=1 -c "tpgs_on" -V "3PARdata" -M "VV" -e "HP 3PAR Custom iSCSI/FC/FCoE ALUA Rule"
50 FC 接続でのホストの構成